2019年度は4モデルに!コイズミ「スタディアップデスク」考察してみた

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2016年度に大量投入され、学習机市場に大変革をもたらすかのように思えたコイズミファニテックの「スタディアップデスク」シリーズ。しかし、2019年度は2018年度と比較して2モデル減の4モデルと、ラインナップが縮小してしまいました。

登場から3年が過ぎ、今年度で4年目を迎えるスタディアップデスク。発売当初は海のものとも山のものとも分からない感じでしたが、いま、改めて考察してみたいと思います。

※この記事は2018年10月24日時点の情報に基づいています(2023年12月5日一部更新)

 

ラインナップの変遷

年度\モデルアルフビーノレイクウッドオルレアプレオデコプリコルフィ
2016221221
201736
2018
20191
2020~2
2023~1

※数字はカラーバリエーション数

2016年度の登場から2019年度までのラインナップを振り返ってみると、ピークは2017年度だったことが分かります。2017年度は7モデル、計18ものバリエーションが揃っていました。それに比べると2019年度は4モデル、計6バリエーションですので、バリエーション数で言えば1/3に激減したことになります。

2019/07/20追記:2020年度はとうとうアルフのみになってしまいました。アルフ自体は魅力的なデスクだとは思いますが、この経過を見ればスタディアップデスクというスタイルの成否は明らかでしょう。

 

ステップアップデスク等との比較

年度\タイプスタディアップステップアップその他
2016662
2017766
2018675
2019466
2020157

※カタログ掲載モデルのみ。その他にはベッド付きデスクは含まず。

スタディアップデスクだけを見て「ラインナップが減った」などと言っても意味がありません。ステップアップデスクなども含めたコイズミファニテック全体のラインナップで見る必要があります。

それをまとめたものが上表です。しかし、ステップアップデスクやその他のデスクはほとんど変わらない中、やはりスタディアップデスクのウエイトが下がっているという印象を受けます。

ちなみに、2018年度から2019年度にかけてはステップアップデスクの「RD」が廃番となっています。また、その他が1モデル増えているように見えますが、これは前年度にカタログ非掲載だった「ウエストコースト」が掲載されたためです。2016年度から2017年度にかけて、その他が4モデル増えているのは、「リファルド」などの書斎系デスクが学習家具カタログに掲載されるようになったためです。

 

スタディアップの存在意義が薄まった

スタディアップデスクは主に2つの特徴がありました。ひとつは奥行55cmとコンパクトでリビングダイニングに置いても違和感がないということ。もうひとつは、10パターンにレイアウト変更可能という点でした(2016年度は8パターン)。

2016年当時は奥行55cmのデスクというのは珍しく、その後の流れを大きく変えたように思います。しかし一方で、その後に自社および他社にも奥行55cmのデスクが増えたことで、大きな特徴とは言えなくなってしまいました。

また、スタディアップデスクのレイアウトパターンは「04ユニットスタイル」が圧倒的人気で、10パターンのうちの38%を占めました(コイズミファニテック調べ)。10パターンのレイアウトが可能でもそこまで偏ってしまうと、リファルドやルトラをユニットスタイル同様に置けば良いとか、ステップアップデスクのユニットスタイルで良いという意見も少なくなかったのかもしれません。少なくとも個人的には、お母さんが学習机を選ぶことが多い現状、10パターンという選択肢は逆に混乱を招いたように思います。

ちなみに、2019年度はスタディアップデスクのモデル数が減る一方で、ルトラにチェストシェルフが登場しています。ルトラをユニットスタイルのように配置することで、スタディアップデスクの減少をカバーする意図があるのではないでしょうか。

 

以上のように考察してみると、スタディアップデスクは人気がなくなって淘汰されたというよりは、むしろそのエッセンスが自社および他社の商品に急速に波及したことで、相対的に存在意義が薄れてしまったと言ったほうが正しいのではないかと思います。その点で、スタディアップデスクが学習机の歴史に与えたインパクトは非常に大きかったと思います。

一方で、学習机市場全体において組み替え式デスクのシェアが下がり、平机やベーシックデスクが増えている現状も合わせて見ると、スタディアップデスクのようなオールインワンタイプは人気が薄れてきているように思います。まずデザインを決めてから、組み替え式デスク、ベーシックデスク、セレクトタイプなどのラインナップの中から、ニーズに合わせて選ぶというかたちが、今後の主流になってくるのではないでしょうか。

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コメント 皆様からご質問・ご意見など

  1. 最近何故かマミーと呼ばれる より:

    来年小学校に入学の男の子がいます。マンション住まいなのでリビング隣の洋室を子供部屋にして、そこに学習机を置く予定です。気になるメーカーの学習机カタログを取寄せましたが最近の流行りなのか奥行が55センチのしか見当たりません。
    5センチの違いですが奥行60センチのを探してます。また、気が散りやすいので正面に上棚のないタイプで、横にラックを置こうと思いますがオススメはありますか?

    • 収納マン より:

      最近何故かマミーと呼ばれるさま

      はじめまして^^

      最近は本当に奥行55cmのデスクが多いですよねー。
      ですが、奥行60cmのデスクも決して少なくはありません。

      上棚なし、横にシェルフを置くということでしたら、コイズミファニテックのビーノ(セレクトタイプ)、イトーキのウットフォーク、ヒカリサンデスクのサンワークス3、カリモク家具や浜本工芸など高価格帯のものも含めれば他にもたくさんあります。
      また、地域によってはオリジナル商品があるかもしれませんし、シェルフはちょっとデザインが違っても問題ないようならもっと選択肢は広がると思います。

      学習机メーカーが扱うシェルフは基本的に背が低いものが多くて、価格もちょっと高価に感じますから、上棚なしで奥行60cmの平机で探してから、それに合うシェルフを探してもらったほうが良いと思います^^

  2. 最近何故かマミーと呼ばれる より:

    早速お返事ありがとうございます!
    コイズミファニテックのビーノ(セレクトタイプ)が気になりました!、イトーキのウットフォーク、ヒカリサンデスクのサンワークス3はツートンカラーが好みでなく、カリモク家具や浜本工芸など高価格帯で揃えられたら理想ですが金額的にあまり現実的でない気がします。。笑
    よっぽど惚れ込んだならアリだとは思いますがカタログ見てる限りそこまでではなく汗
    去年のヒカリサンワーク2も気になってたんですがアルダー材という点と天板の下に収納を付けられるギミックは、大きくなったら座った時に狭く感じるかな?男の子だし蹴っ飛ばしたりしそうかな?って思いました。奥域が可変出来るタイプのはやはり繋ぎ目気になるし、消しカス溜まりそうなんて考えてしまいます。シェルフはやはり同素材、同色で学習机の幅に合ったのが良いのですが学習机のメーカーのは奥域が狭い気がして、絵の具セットとか習字セットとか入るのかな?と心配してます。。

    • 収納マン より:

      最近何故かマミーと呼ばれるさま

      やっぱり色々悩むと行き着くのはコイズミファニテックのビーノ(セレクトタイプ)というパターンは多いですね^^
      シンプルでサイズ感や質感も良く、組み合わせも選べるのがナイスです。

      足元棚は蹴ってしまいがちというのは確かによくある話です。
      また、奥行拡張天板の継ぎ目に消しゴムカスが…というのも、私も気になりますね^^;

      あと、学習机メーカーの作るシェルフは教科書類の収納しか考えていないものが多いので、ご指摘の通り絵具セットなどを収めるには奥行が足りないです。
      完全にデザインや質感を揃えたい場合はともかく、予算面、サイズ面などを考えると、学習机を選んでからそれに合ったシェルフを選んだほうが合理的だと思います^^

  3. 最近何故かマミーと呼ばれる より:

    なるほど、シェルフは後付け的な考えでも良いのですね!シェルフも学習机メーカー以外だとなかなか60センチ幅ので奥行や高さの条件満たしたのが見当たらず。。浜本工芸さんのフレム・オープンシェルフが理想です。ミニマセットって学習机も気に入ったけど書棚なしでは販売してくれないですよね。。きっと。。書棚なしなら少し予算オーバーですがフレムオープンシェルフと併せて使わせたいなー。なんて考えてます。

    • 収納マン より:

      最近何故かマミーと呼ばれるさま

      ミニマは、デスク、上棚、ワゴン、それぞれ単品で購入可能です!

      IDC大塚家具のホームページで確認すると、商品名も写真も4点セットのまま表示されますが、価格は単品で表示可能です。
      是非ご検討ください^^

      それとフレムのようなオープンシェルフは家具屋さんにはないですね。
      競合するのは無印良品のオーク材ユニットシェルフだけだと思います。

  4. 最近何故かマミーと呼ばれる より:

    それぞれ単品購入出来るのですね‼︎
    また家具屋さんにはフレムのようなオープンシェルフはなく、競合するのは無印良品のオーク材ユニットシェルフだけですか。。ナラ材にオーク材じゃ色味とか風合も違いそうだし、ますますフレム一択ですね!最初に検討してたコイズミファニテックのビーノも確かナラ材だったとは思いますが、これにフレムだと色合いとかが合いませんかね?色々アドバイス頂けたおかげで方向性が見えてきた気がします!

    • 収納マン より:

      最近何故かマミーと呼ばれるさま

      ナラとオークは色味や風合いが違う…とは言い切れません。
      実際、浜本工芸の場合はモデルによってオークを使っていますが、私でもナラとの違いは分かりません^^;

      ナラとレッドオークよりも、木目の間隔の違いのほうが見た目に影響する場合もあります。
      木目が詰まっていたほうが色が濃く見え、反対だと明るい色に見えるというわけですね。

      なので、こればっかりは実際に届いてみないことには分かりません。
      それでも、たとえばIDC大塚家具の店頭で、フレムの横にビーノの引出しを持って行って比べれば、比較はしやすいと思います。

      高い買い物ですので、じっくりご納得いくまで品定めしていただければと思います^^

  5. こころ より:

    はじねまして
    ここ数ヶ月いろいろ記事を読んで勉強させていただいております
    コイズミファニテックのWDスペシャルとイトーキトレフで迷っております 
    この商品の比較の記事がないので是非教えて下さい

    • 収納マン より:

      こころさま

      はじめまして^^

      コイズミファニテックのWDスペシャルとイトーキのトレフ(フリーワン書棚ハイタイプ)でご検討中ですね。

      トレフは2017年度を最後にカタログから消え、現在オンラインで販売中のものはその在庫品と思われます。
      また、2016年度までコイズミファニテックにはWDスペシャルの上位の「プレオ」というモデルがあり、本来トレフのライバルはプレオでした。

      2017年度モデルのトレフの天板はオーク無垢(かつてはナラ無垢)、プレオはナラ無垢ということで、いずれもハイエンドです。
      WDスペシャルはナラ突板なので材質的にはトレフよりも格下と言えます。
      ただし、トレフの木目はあまり美しくないことがあるので、WDスペシャルのほうが安心してオススメしやすいとも言えます。

      また、イトーキの倉庫で保管されているので心配ないはずですが、一般論として言えば3年ほど寝かしてあるオーク無垢が変質していないか心配な面もあります。
      湿度や温度の管理状態によっては無垢板が反ったり波打ったり、ひどい場合には割れたりすることもあるからです。

      そういった不確定要素と申しますか取り越し苦労は別としてスペックのみで比較しますと、まずトレフは楽天市場店で現在税込138,000円、クーポン値引きで実質118,000円となります。
      対してWDスペシャルは113,200円で、店舗によっては1500円引きクーポンが使えたりしますので、その場合は111,700円となります。
      (いずれも現在開催中の楽天スーパーセール期間中)

      ただし、トレフは配送設置料金無料、WDスペシャルは別途料金を支払わない限り玄関届けです。
      配送設置に不安がある場合は、少し価格がアップすると思いますが家具販売店で購入されることをオススメします。

      機能的な違いは以下のリーモとWDスペシャルの比較に準じます。

      【参考】イトーキ「リーモ上棚ハイタイプ」vsコイズミ「WDスペシャル」比較

      リーモとトレフの違いは、トレフの天板は角に丸みがあるオーク無垢であること。
      また、トレフは調色機能付きのデスクライトが装備されています。

      総じて、価格やスペックで比較すると、トレフとWDスペシャルは甲乙つけがたいところです。
      基本的にはデザインや機能面の好みで選んでいただければと思います。

      ただし、前述の通りトレフはもともと木目にハズレが多いのと、長期保管による劣化の不安が個人的には気になるところです。
      店頭で確認できない現状では、安心してオススメできるという感じではありません。

      以上のような感じですが、ご参考になれば幸いです^^

      • こころ より:

        本当にプロならではしか知り得ない情報を教えて頂き誠に恐縮です。本当にさすがです。
        コイズミのWDスペシャルで行こうかと思いました。となると最後に迷うのが組みかえ型デスク CDネクストとの比較です ほぼスペック的には違いはないと思うのですが収納マン様でしたらどちらがお勧めでしょうか?また購入するお店も併せておすすめがありましたらご紹介頂けると有り難いです。

        • 収納マン より:

          こころさま

          CDネクストというのは島忠ホームズのオリジナルですね。
          ひょっとしたら地域オリジナル商品で他の地域でも扱われているのかもしれませんが、CDファーストと仕様は大きく変わりません。

          結論から申しますと、WDスペシャルのほうを置けるご予算とスペースがあればWDスペシャルをオススメします。
          WDスペシャルのほうが高価ですが、CDネクストより天板の幅が5cm広いですし、必然的に足元の幅もゆったりします。

          上棚の高さもCDネクストより10cmちょっと高いので、ゆとりを持って教科書類を収めることができます。
          (CDファーストとはほぼ同じ高さです)

          また、ナラ突板で木目が美しいですし、引出し内部材も白塗りの桐ではなく比較的キレイな桐です。
          産地もCDシリーズは確かマレーシア、WDシリーズは中国で、何かとWDのほうがスペックが上じゃないかと思います。

          もっとも、お子さんがカラフルな机のほうが好みとおっしゃるならCDシリーズという選択肢は否定できません^^;

          なお、「WDスペシャルはさすがにちょっと予算が…」という場合は、「OD1-woody」をオススメします。

          【参考】https://desk.shunoman.com/koizumi2017_od1_woody/

          ラバーウッド無垢の天板なので好みが分かれるところですが、昔からのラバーウッドデスクを知っている私としてはラバーウッドにしては質感が良いと思っています。

          購入店については、お住まいの地域次第かと思います。
          CDネクストを扱っている島忠ホームズならOD1-woodyも扱っていますが、OD1-woodyは学習机を相当数捌いている販売店なら割りとどこでも扱っているので、関東ならルームズ大正堂、かねたやルームデコ、東京インテリア家具、関西では同じく東京インテリア家具、デスクランドなどでもご覧いただけます。

          この時期は量産品ほど一律値引きを実施している店舗もありますので、あちこち足を運んでみてください^^