「学習机の生みの親」と言われているイトーキには、後世に大きな影響を与えたデスクが多くあります。その中のひとつが「ウットフォーク」です。
ウットフォークは2017年度の発売。当時は「男前インテリア」の人気が高まりつつあった時期ですが、ウットフォークのようにヴィンテージ風でアイアン脚を採用した学習机は皆無でした。その後にウットフォークを模したデザインの学習机が増えたことは改めて言うまでもないでしょう。
ウットフォークは2019年度を最後にイトーキが店頭販売をほぼやめて以降も主力デスクのひとつとして扱われていました。現在も購入可能…と思っていたのですが、どうもデスク本体は在庫が終わってしまったようですね。天板などにナラ無垢を使っているので、このご時世では売れる値段ではなくなってしまったのだと考えられます。
ウットフォークが市場から消えてしまったのは至極残念です。しかし、その魂は現在も受け継がれています。というわけで今回は、アイアン脚を採用した男前な学習机をピックアップして紹介したいと思います。
※この記事は2024年7月17日時点の情報に基づいています
イトーキ・NUF-F5VB
まずは元祖ウットフォークの面影を色濃く残すデスクから。イトーキの「NUF-F5VB」はウットフォークのベーシックデスクそのまんまな感じのスタイルです。
天板はナラ突板で、ナラ無垢のウットフォークよりお手頃価格を実現。それでいて同じ中国製ですから品質的にはまったく問題ありません。
なお、LEDデスクライト、デスクチェア、デスクカーペットを含むお得なセットもあります。
イトーキ・NUF-S4VB
イトーキの「NUF-S4VB」は前述のNUF-F5VBの上棚に代えて書棚がセットになったものです。天板は同様にナラ突板で、中国製となっています。
こちらも、LEDデスクライト、デスクチェア、デスクカーペットを含むお得なセットがあります。
コイズミファニテック・ブロスト
ウットフォークのライバルと言えば、コイズミファニテックの「ブロスト」です。好評につき、2023年度からは上写真のVB色に加え、MO色が追加されています。
ブロストが2020年度に発売されたときは天板がホワイトオーク無垢でした。しかしながら、こちらも値上げを回避するために現在は突板仕様となっています。
なお、イトーキのNUFが奥行60cmであるのに対し、ブロストは55cmです。リビングダイニングに置く場合などはこちらのほうが良いかもしれません。
コイズミファニテック・リシェット
逆に奥行は60cm欲しいというときは、コイズミファニテックの「リシェット」という選択肢もあります。
リシェットも天板はMO色のホワイトオーク突板ですが、ブロストと違って節は入っていないため、ワイルドではなくスマートな印象です。何より、ラックの上半分を上棚として使うこともできるというギミックが素敵です。
なお、デスクとラックはセットですが、ワゴンは別売です。ホワイト系もあります。
コイズミファニテック・ウォルビー
コイズミファニテックの「ウォルビー」は壁面収納棚にデスクがビルトインされたスタイルです。キャビネットユニットやハンガーユニットなど、ニーズに合わせて組み合わせることができます。
ウォルビーはデスクの上や下を収納として活用できるだけでなく、デスク関連品以外の収納もひとまとめにしてトータルコーディネートできるのがメリット。無印良品の「スチールユニットシェルフ」のようにグラグラ揺れることもなく、ニトリの「Nポルダディープ」よりもデスクを中心に構成しやすいと思います。
くろがね工作所・ヴィンテ3
「イトーキやコイズミは予算オーバーかも?」と思ったら、くろがね工作所の「ヴィンテ3」はいかがでしょう。現在、上写真の調色機能付きLEDデスクライト+スリムワゴンのセットが公式ショップで税込69,800円とお手頃です。
天板は天然木ではなく木目を印刷したMDF合板ですが、使い勝手には問題ないどころか、むしろキズなどの心配は少ないと思います。また、コイズミファニテック同様に使いやすい操作パネルを手前に配置したワイドなデスクライトが魅力的です。
一生紀・フェロー
一生紀(いっせいき)の「フェロー」は前述のヴィンテ3と同じくベトナム製です。しかし、こちらの天板はオーク突板。しかも、オイル塗装を主とする一生紀にあってウレタン塗装。汚れやキズの心配は少ないと思います。
引出内部材は樹脂フィルム貼りではなく桐材なので質感は上々。リフティングワゴンもセットされており、使い勝手も良いと思います。線の細いデザインも素敵です。
ナチュラル系の色も選べますが、そちらはオイル塗装なのでご注意ください。
ナフコ21スタイル・クローゼUN
ナフコ21スタイルの「クローゼUN」はくろがね工作所のヴィンテ3に似た質感のデスクです。ベトナム製というのも同じです。
クローゼUNはロータイプの書棚をセットした、いわゆる組み替え式デスクのスタイルで、レイアウトの変更が可能です。ワゴンを引出しではなく棚にすることでコストを抑え、このボリュームで税込59,800円という手頃な価格を実現しています。
コクヨ・リーン
学習机ではありませんが、コクヨの「リーン」は近年人気上昇中です。上棚なんて要らないという場合にはまさにうってつけでしょう。スッキリとしたテーパー脚のデザインが素敵だと思います。
上写真のデスクには天板下に引出しが付いていませんが、申し訳程度のものが付いているタイプもあります。また、ワゴンもあります。幅や奥行が選べるのも良いですね。
オフィスコム・ALシリーズ
「リーンは素敵だけれどもやっぱり上棚があったほうが良さそう」とおっしゃる場合は、オフィスコムの「ALシリーズ」がオススメです。ALはロータイプとハイタイプの2種類の上棚を選ぶことができ、いずれも棚板の高さを調節することができます。
リーンと比較すると天板の厚みが薄くてチープに見えますが、デスク+机上ラック+ワゴンの3点セットで税込3.5万円くらいからで購入できるのですからコスパは悪くないと思います。ただし、法人ユーザー以外は送料が割高になるのがネックです。
以上、アイアン脚を備えた男前な学習机を10点セレクトして紹介しました。ほかにもいくつかあるのですが、以前に紹介したスチールデスクのピックアップ記事と重複するところが多いので割愛します。
オール木製のデスクも良いですけど、それなりに太さがあるスチール脚のデスクなら丈夫で横揺れする心配がありません。しかも、木製よりも脚の線を細くすることができるのでスタイリッシュです。
「そんなメリットがあるならもっとアイアン脚の学習机が増えれば良いのに…」と思われるかもしれません。しかし、木工家具メーカーにとってはスチール製のパーツは仕入れになり、相当のロットがまとまらなければ非常にコストがアップします。浜本工芸の「No.6000デスクユニット金属脚」が安物のデスク1台分くらいになってしまうのは、まさにそのためです。
その点、イトーキ、くろがね、コクヨなど、オフィス家具メーカーは有利です。そういう視点で見てもらうと、コスパに優れたアイアン脚の学習机を探しやすいかもしれませんね。
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