今年2月から読者の皆様に「学習机の置き場所やサイズ等についてのアンケート」をお願いしておりました。現在も絶賛回答受付中ではございますが、おかげさまで100人以上の方から回答をいただきましたので、ここらで一旦、集計してみたいと思います。
ほとんどの人が「学習机は必要」と回答
まずは学習机の必要性について質問。これについては能動的にこちらに学習机の情報を探しに来ている方がほとんどということもあって、実に97%の方が肯定的な回答をされています。
「学習机は子供部屋に置く」が約半数
学習机の設置場所については半数近くの方が「子供部屋」と回答。一方で、リビングダイニング(LD)やその隣の部屋に置く予定の方も合計で51%となりました。
将来的には合計92%のお宅で学習机は子供部屋に置くことになるとは言え、最初は子供部屋とリビングダイニングが拮抗していると言えそうです。
「学習机はシンプルなほうが良い」が多数
学習机をリビングダイニングに設置するお宅も多いことを踏まえると、学習机の天板サイズは幅や奥行を拡張できたほうが良さそうに思えます。しかしながら、アンケートの結果は「その必要はない」との回答が多数を占めました。せいぜいワゴンで拡張できれば十分ということのようです。
約半数が「学習机の幅は100cmでOK」
では、学習机の幅はどうでしょう。これは幅100cmが約半数を占める結果となりました。また、リビングダイニングに置くことを前提に考えると幅はコンパクトなほうが良さそうに思えますが、むしろ幅が広いものが好まれる結果となりました。
半数以上が「天板奥行は60cm」でOK
リビングダイニングに置くことを考えると、奥行はコンパクトなほうが良さそうです。しかし、奥行60cmが半数以上を占める結果となりました。もちろん、がっつり子供部屋に置く派の回答も含まれているわけですが、それにしてもあまり奥行が短いものは好まれないようです。
ワゴンの好みは多様化している
意見が分かれたのはワゴンです。「天板昇降式の機能的なワゴンが良い」がもっとも多かったものの、「天板を乗せることでデスクと高さを揃えられるワゴンが良い」、「天板高さ調節機能がないシンプルなワゴンが良い」、「ワゴンは不要」との差はそれほど大きくありません。
書棚は学習机とお揃いでなくても良いが…
「書棚は学習机と揃える必要はない」という回答がもっとも多かったものの、書棚については意見がまとまりませんでした。
上棚もワゴン同様に意見が分かれる結果に
上棚についてもワゴンと同様に大きく4つのニーズがあることが分かりました。「書棚があれば上棚は必要ない」、「上棚は学習机と同じ幅のものが良い」、「上棚はコンパクトな幅のものが良い」、「書棚とは別に上棚も必要」。これらはほとんど差がありません。
各社の「理想の学習机」に近いもの
今回のアンケート結果を見ると、学習机の天板サイズは100×60cmに確たる需要がある一方で、書棚のニーズは低いことが分かりました。また、ワゴンや上棚はそれぞれニーズが4つくらいに分かれるようです。
そう考えると、これまで学習机メーカーが開発に力を入れていたサイズやギミックについては残念ながら消費者の期待に応えるものではなかったように思えます。一方で、セレクトタイプを増やすという施策は消費者ニーズにマッチしていると言えます。
また、リビングダイニングに置くとしてもサイズはあまり重要ではないということは、デザインや質感が重視されているということを暗に示していると思います。
以上を踏まえまして、今回のアンケート結果が示す「理想の学習机」に近いものをメーカー各社のラインナップからピックアップしてみたいと思います。
コイズミファニテック・ビーノ
今回のアンケート結果を受けて、理想の学習机として最初に私の頭に浮かんだのはコイズミファニテックの「ビーノ」です。100cm幅こそないものの、奥行は60cm。ワゴンは3種類から選べますし、2021年度からは90cm幅または105cm幅の上棚も加わりました。
ナラ突板で風合いが良いだけでなく、カラー2色展開で、リビングダイニングに置いてもまったく問題ない質感を備えています。
浜本工芸・No.89デスク
価格はビーノよりも上になりますが、それ以外でビーノ以上に消費者ニーズにマッチしているのが浜本工芸の「No.89デスク」です。ワゴンは4タイプ、上棚はサイズに応じて3タイプから選べます。天板はナラ無垢で質感に関してはこれ以上はありません。おまけにカラバリは3色。
浜本工芸はすべてのデスクが同様に様々な組み合わせを自由に選べるので、最強の選択肢だと思います。
カリモク家具・ユーティリティプラス
組み合わせが自由に選べてしかも上質と言えば、カリモク家具も負けていません。リフティング式ワゴンが良ければ「ユーティリティプラス」、天板を上に乗せるタイプのワゴンが良ければ「ボナシェルタ」など、選択肢はとても充実しています。
ユーティリティプラスのカラバリは5色、天板はオーク突板で、線の細いデザインですからリビングダイニングに置いても違和感が少ないことでしょう。
ほかにもピンポイントで「理想の学習机」になり得るものは色々ありますが、幅広いニーズを受け止めてくれるのは上記3モデルでしょう。
一方で、イトーキ、くろがね工作所、オカムラのラインナップを見ると、学習机に対する意識が高い人たちのニーズとはかけ離れてしまっているように思います。決して少なくないラインナップを抱えているのに、これは非常にもったいない話です。
とは言え、今さらビーノに勝てる商品を作るというのも難しいと思います。実際、イトーキだってセレクトワンやリーモのセレクトタイプなどを世に送り出すもヒットに繋げることができなかったわけですから、理屈で言うほど簡単な話でないことも明らかです。
かくして、メーカーも消費者も理想の学習机を追い求め続けるのでしょうか。私としてはそれぞれのお役に立てるように今後も努力を続けたいと改めて思った次第であります。
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