前回の展示現品を買うメリットのところで少しだけ木目について説明しました。今回はナラ材などの天然木を使った学習机の木目についてもう少し詳しく紹介したいと思います。
木目が違うからこそ天然木の学習机は良い
ナラ材などの天然木の学習机が人気である理由は、一言で言えば本物の木の温かみがあるということだと思います。そして本物の木はプリント合板とは違ってすべて木目が異なります。同じメーカーの同じモデルであっても木目はすべて違うわけです。だから天然木の学習机を購入したら、手元に届くのは世界にたった一台しかない特別なものなのです。
天然木の木目がそれぞれ異なるのは個性なんですね。そしてその個性の違いはそれぞれの持ち味なんですが、残念ながらそれが受け入れられない場合もあります。基本的にはどんな木目の学習机であってもそれを個性の違いと理解して受け入れてもらいたいと思うのですが、そこをリスクと考えるならば展示現品を購入するか、木目の少ない木を使ったものを購入することが望ましいと言えるでしょう。
木目の違いが出やすい木材と、そうでない木材
一方で、以前は木目の強い木が重宝されましたが、近年のインテリアの傾向としては木目のあまり目立たない木のほうが好まれる傾向があると言えます。そういうこともありますし、木目の心配がある場合は木目の違いが少ない木を使ったものを選ぶほうが無難かもしれません。
木目の違いが出やすい木材
ナラ、オーク、ウォルナット(クルミ)、パイン(マツ)、ニレ、ヒノキ、スギ
木目の違いが出にくい木材
タモ、アルダー、バーチ(カバ)、ビーチ(ブナ)、チェリー(サクラ)、メープル(カエデ)
切り出し方などによって異なる木の表情
木によっては切り出し方によって表情が大きく異なる場合があります。以下、その主な表情の違いを紹介しましょう。
板目(いため)
板目はいかにも年輪らしい模様ですね。もっとも個性が出やすい切り出し方です。元来、どんな木でも変わった木目ほど重宝される傾向があり、玄人好みの木目と言えます。
柾目(まさめ)
柾目は木目が並行に走った感じの模様です。個性の違いは出にくいと言えます。木によっても異なりますが、柾目のほうが確保するのが難しく、木目の密度が高いため板目よりも硬いと考える向きもあります。
節(ふし)
点と言って良いほどのものから5cm以上の大きなものまで様々ですが、節と呼ばれるものがある場合があります。一般的には避ける傾向がありますが、メーカーの基準は様々で、冒頭の写真の飛騨産業・morino kotoba(もりのことば)などは節をデザインとして積極的に取り入れたモデルと言うことができます。
虎斑(とらふ)
特にナラやオークの場合、木目に対して垂直または斜めに筋が入っているものを斑(ふ)または虎斑(とらふ)と呼びます。本来は貴重で重宝されるものなのですが、キズを修復したように見えたり、浮き上がって見える場合があるため、受け入れがたく捉えられることもしばしばあるようです。
クサレ
特に人気の高いナラやオークの場合、価格を抑えるために程度のあまり良くないものが使われることがあります。その場合、クサレというあまり良くない状態のものがしばしば混入されます。クサレは黒ずんだ部分のことで、墨汁をこぼした跡のように見えます。塗装色が濃いものであればほとんど目立つことはないのですが、明るい色の場合にはしばしば目立つことがあります。
以上、木目について一通り紹介しました。繰り返しになりますが、天然木は本物の木だからこそ温かみがあって良いわけで、天然のものだからこそ必ず木目がひとつひとつ違います。だから木目の違いは個性なのです。
個人的には、天然木の都合の良い部分だけを見るのではなく、様々な個性があることを理解したうえで、すべて受け入れていただければと思います。また、受け入れがたい可能性を感じるならば、展示現品を購入するか、木目の少ない木を使ったものを選んでいただければと思います。
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