たった数年前まで、私はニトリのことを「粗大ゴミ置き場」と呼んでいました。ダイニングセットの多くはラバーウッドでできていて安っぽい、3段カラーボックスはグラグラ、カーテンをイージーオーダーさせれば寸法を間違えるといった具合で、とてもマトモなお店とは言えなかったからです。
ですが、今は違います。某北欧風B級家具店が殺人チェストを販売し続けているのに対し、ニトリのタンスは確かにおねだん以上だと感じますし、私の親が引越しする際には私自らニトリのダイニングセットをオススメしました。
この数年で中国やベトナムの家具工場のクオリティーが格段に上がったことも影響していると思いますが、ニトリの家具は決して悪くないどころか、とてもコスパが良いですし、安心してオススメできると思います。
もちろんすべての商品について諸手を挙げて褒められるわけではないものの、学習机についても同様です。中でも年々人気となっている「メルシー」はニトリを代表する学習机と言えるのではないでしょうか。
※価格および仕様はすべて2022/01/19現在
ニトリ・メルシーT
カラーバリエーション
- 3色=ホワイトウォッシュ色とライトブラウン色とミドルブラウン色

出典:ニトリネット ※2021年度仕様
ラインナップ
商品名 | サイズ W×D×H(mm) | 税込価格 | 品番 | ||
---|---|---|---|---|---|
WW | LBR | MBR | |||
ロータイプデスクT | 1000×550×1120 | 54,900円 | 6550380-6710012 | 6550390-6710012 | 6550400-6710012 |
ロータイプデスクST | 49,900円 | 6550290-6710012 | 6550300-6710012 | 6550310-6710012 | |
ユニットデスクT | 1250×550×1210 | 64,900円 | 6550410-6710012 | 6550420-6710012 | 6550430-6710012 |
ユニットデスクST | 59,900円 | 6550320-6710012 | 6550330-6710012 | 6550340-6710012 | |
くみあわせですくT | 1000×800×1210 | 74,900円 | 6550440-6710012 | 6550450-6710012 | 6550460-6710012 |
くみあわせですくST | 69,900円 | 6550350-6710012 | 6550360-6710012 | 6550370-6710012 | |
デスク単品 | 1000×550×730 | 24,900円 | 6550661 | 6550671 | 6550681 |
特徴・人気の秘密
ニトリのメルシーが発売されたのは2014年度のことです。当時はデスクライト付きのロータイプデスクのみで、上棚にはイトーキの「カモミール」のように右側に扉収納部が付いていました。2012年度にイトーキが「リーモ」、2013年度にコイズミファニテックが「レイクウッド」を投入していずれもヒットしたことで、「アルダー材、いけるんじゃね?」と考えてメルシーを投入したのだと思います。
ただし、当時はカタログのかなり最後のほうに掲載されており、担当者もここまでのヒット商品に育つとは考えていなかったのではないでしょうか。少なくとも私は当時、ニトリに対する不信感はまったく拭えていませんでした。メルシーはともかく、展示品の引出しがまったく開かないことなんてザラでしたからね(苦笑)
ともあれ、2016年度にユニットデスクが登場、2017年度に3色展開となって、くみあわせですくも発売されて現在に至ります。発売時はまだカラーデスクが人気の中心で、メルシー以外にも天然木のデスクはありましたが、その中でもメルシーがひときわ人気となった理由は、(1)質感やシンプルなデザインが評価された、(2)デスクライト付きで値ごろ感があった、(3)3色のカラバリで男女ともに支持を得た、といったことが挙げられると思います。どれか一要素が抜きんでていたと言うよりは総合力で勝ったという感じですね。
2022年度モデルは棚ワゴン(ST)が追加
ニトリの定番モデルであるメルシーですが、2022年度は大きな変化がありました。従来は3段の引出しを備えたワゴンのみでしたが、2022年度は引出しではなく棚のワゴンを装備したモデル(ST)が投入されたのです。
これは棚のほうが良いというニーズがあったというよりは、単純に値上げに伴うものだと思います。ロータイプデスクの場合、ワゴンが引出しのほうは2021年度まで税込49,900円だったのが2022年度は同54,900円に値上げ。代わりに49,900円の価格帯に棚ワゴンを装備したSTが投入された格好です。ユニットデスク、くみあわせですくについても同様です。
引出しと棚のどちらが良いかというのは基本的にはニーズ次第かと思いますが、収納のプロとしては一般的には小物の収納が難しいと思うので引出しのほうがオススメです。
2022年度はデスクライトも変更に
2022年度モデルはデスクライトも変更になりました。従来は税込6,990円で販売されていたものがセットされていたのですが、2022年度は同5,990円のものになっています。金額だけ見ればグレードダウンと言えます。
しかしながら、もとより学習用としては最低限のスペックと見られるデスクライトです。デスクライトにこだわるならコイズミファニテックなどの学習机を選ぶでしょうから、ニトリとしてはあくまで価格重視なのだと思います。
よく比較検討されるデスク
無印良品・木製デスク オーク材

出典:無印良品
メルシーTロータイプデスクのライバルの大本命と言えるのは無印良品の「木製デスク オーク材」でしょう。メルシーと違ってデスクライトが付いていない、ワゴン引出しが1杯少ないというデメリットはあるものの、無印良品は天板がオーク無垢、ワゴンの側面はプリント紙ではなくオーク突板であるなど、スペック上は高級感がありますし、デザイン的にもよりシンプルです。

イトーキ・リーモ
イトーキの「リーモ・ベーシックタイプ」はデスクライトが付属しておらず、価格も5千円ほどメルシーTより高価ですが、天板はアルダー無垢の奥行60cmで広々しており、脚のデザインが素敵、なおかつイトーキだから安心感があります。ニトリが島忠ブランドの店舗を全国に展開してくれたらより多くの方の目に触れるでしょうか。

コイズミファニテック・レイクウッド
現在のところリーモよりも比較検討しやすいのがコイズミファニテックの「レイクウッド・ベーシックデスク」です。店頭での実売価はメルシーの1.4倍くらいになってしまうものの、天板はアルダー無垢の奥行60cmで広々、デスクライトはワイドで調色機能付き、コンセントボックスも付属します。また、引出しは全段フルスライドレール付きですから開閉のスムーズさや耐久性はメルシーよりも格段に良いでしょう。

イトーキ・APD-2LBRX
メルシーとは上棚のサイズが異なりますが、イトーキの「APD-2LBRX」も検討に値する1台でしょう。こちらはメルシーSTと同じ値段で引出し3段のワゴン。デスク本体引出しはフルスライドレールで、タブレットスタンド&コンセント、専用お片付けトレーも付属します。

ニトリ・リビオG
メルシーのくみあわせですくをご検討の場合は、同じ売場にある「リビオG」と悩むこともあると思います。質感はメルシーとはかなり異なるものの、リビオGなら1万円安いし、コンセントボックスも付いています。

以上の通り、天然木のベーシックデスクという括りで見ると、メルシー・ロータイプデスクの競合となる商品はたくさんあります。それでもぶっちゃけ、昨年度までならかなり良い勝負ができたと思うのですが、今年度からメルシーは値上げされたのでちょっと厳しい戦いを強いられる感じです。
一方で、ここからもうちょっとランクを上げたいと思っても、予算は5万円から一気に7~10万円にアップしていきます。そうすると、「やっぱりメルシーかー」という具合に落ち着くことも多いんじゃないでしょうかす。さすがにニトリの定番デスクだけあって、バランス良くできていると思いますよ。
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