たった数年前まで、私はニトリのことを「粗大ゴミ置き場」と呼んでいました。ダイニングセットの多くはラバーウッドでできていて安っぽい、3段カラーボックスはグラグラ、カーテンをイージーオーダーさせれば寸法を間違えるといった具合で、とてもマトモなお店とは言えなかったからです。
ですが、今は違います。某北欧風B級家具店が殺人チェストを販売し続けているのに対し、ニトリのタンスは確かにおねだん以上だと感じますし、私の親が引越しする際には私自らニトリのダイニングセットをオススメしました。
この数年で中国やベトナムの家具工場のクオリティーが格段に上がったことも影響していると思いますが、ニトリの家具は決して悪くないどころか、とてもコスパが良いですし、安心してオススメできると思います。
もちろんすべての商品について諸手を挙げて褒められるわけではないものの、学習机についても同様です。中でも年々人気となっている「メルシー」はニトリを代表する学習机と言えるのではないでしょうか。
※価格および仕様はすべて2021/03/17現在
ニトリ・メルシーR
カラーバリエーション
- 3色=ホワイトウォッシュ色とライトブラウン色とミドルブラウン色

出典:ニトリネット
ラインナップ
商品名 | サイズ W×D×H(mm) | 税別価格 | 品番 | ||
---|---|---|---|---|---|
ロータイプデスク | 1000×550×1120 | 45,364円 | 6544220 6543930 | 6544230 6543940 | 6544240 6543950 |
デスク単品 | 1000×550×730 | 19,091円 | 6544214 6540015 | 6544215 6540016 | 6544216 6540017 |
スリムワゴン | 435×300×607 | 8,173円 | 6549004 | ||
ワゴン | 402×413×530 | 15,455円 | 6549212 | 6549222 | 6549232 |
ランドセルラック | 610×420×858 | 18,091円 | 6580054 | 6580055 | 6580056 |
ユニットデスク | 1250×550×1210 | 54,455円 | 6544250 6543960 | 6544260 6543970 | 6544270 6543980 |
くみあわせですく | 1000×800×1210 | 63,546円 | 6544280 6543990 | 6544290 6544000 | 6544300 6544010 |
特徴・人気の秘密
ニトリのメルシーが発売されたのは2014年度のことです。当時はデスクライト付きのロータイプデスクのみで、上棚にはイトーキの「カモミール」のように右側に扉収納部が付いていました。2012年度にイトーキが「リーモ」、2013年度にコイズミファニテックが「レイクウッド」を投入していずれもヒットしたことで、「アルダー材、いけるんじゃね?」と考えてメルシーを投入したのだと思います。
ただし、当時はカタログのかなり最後のほうに掲載されており、担当者もここまでのヒット商品に育つとは考えていなかったのではないでしょうか。少なくとも私は当時、ニトリに対する不信感はまったく拭えていませんでした。メルシーはともかく、展示品の引出しがまったく開かないことなんてザラでしたからね(苦笑)
ともあれ、2016年度にユニットデスクが登場、2017年度に3色展開となって、くみあわせですくも発売されて現在に至ります。発売時はまだカラーデスクが人気の中心で、メルシー以外にも天然木のデスクはありましたが、その中でもメルシーがひときわ人気となった理由は、(1)質感やシンプルなデザインが評価された、(2)デスクライト付きで値ごろ感があった、(3)3色のカラバリで男女ともに支持を得た、といったことが挙げられると思います。どれか一要素が抜きんでていたと言うよりは総合力で勝ったという感じですね。
東日本専用と西日本専用について
2021年度版のメルシーRのデスクは東日本専用(N)と西日本専用(TK)が用意されています。
東日本にお住まいなら西日本専用品を取り寄せることはできないので、この点で悩む必要はありません。しかし、なぜこのようなことになっているのかと不思議に思う方はいらっしゃると思います。
同様の事例は過去に「くみあわせですくデラックス」でもありました。おそらく、ひとつの工場では生産を賄いきれなかった、もしくはリスクヘッジとして二ヶ所の工場に分散させる必要があったのだと思います。
仕様についてはまったく同じと言えれば良いのですが、過去にもメルシーは中国製とタイ製が併売されていたくらいですから、若干の違いがあるかもしれません。ちなみに、今年見たメルシーのくみあわせですく西日本専用品はマレーシア製でした。
よく比較検討されるデスク
無印良品・木製デスク・オーク材

出典:無印良品
メルシーRロータイプデスクのライバルの大本命と言えるのは無印良品の「木製デスク・オーク材」でしょう。メルシーと違ってデスクライトが付いていない、ワゴン引出しが1杯少ないというデメリットはあるものの、無印良品は天板がオーク無垢、ワゴンの側面はプリント紙ではなくオーク突板であるなど、スペック上は高級感がありますし、デザイン的にもよりシンプルです。

イトーキ・リーモ
イトーキの「リーモ・ベーシックタイプ」はデスクライトが付属しておらず、価格も2万円ほどメルシーより高価ですが、天板はアルダー無垢の奥行60cmで広々しており、脚のデザインが素敵、なおかつイトーキだから安心感があります。ニトリが島忠ブランドの店舗を全国に展開してくれたらより多くの方の目に触れるでしょうか。

コイズミファニテック・レイクウッド
現在のところリーモよりも比較検討しやすいのがコイズミファニテックの「レイクウッド・ベーシックデスク」です。店頭での実売価はメルシーの1.5倍くらいになってしまうものの、天板はアルダー無垢の奥行60cmで広々、デスクライトはワイドで調色機能付き、コンセントボックスも付属します。また、引出しは全段フルスライドレール付きですから開閉のスムーズさや耐久性はメルシーよりも格段に良いでしょう。

イトーキ・JAQ-F23
メルシーとリーモの中間の価格帯にあるのがイトーキの「JAQ-F23」。スタイルとしてはリーモよりもむしろメルシーに近いですよね。しかも、デスクライトとコンセントボックス付き、天板はナラ突板、デスク本体とワゴン最下段の引出しはフルスライドレールです。オンラインショップ限定ではありますが、イトーキが威信を掛けてメルシーに送った強烈な刺客と言えるでしょう。

ヒカリサンデスク・SDW-サンウッド
2021年度新登場のためまだ実績はありませんが、ヒカリサンデスクの「SDW-サンウッド」も候補に挙がるかもしれませんね。レイクウッドと同じ価格帯となるものの、オーク突板で引出しはワゴン最下段を除いてスライドレールなしなので変形やグリスアップの心配をする必要もありません。また、上棚を足元棚として使うこともできます。

オカムラ・クオーレ
「死んでもニトリはイヤ!」と言う方や「学習机に5万円も出せない!」とおっしゃる方にはオカムラの「クオーレ」はどうでしょう。天板サイズはメルシーと同じ1000×550mm、さすがに天然木ではありませんが、ワゴンも上棚もミニマムにすることで税込3万円強というお手頃価格を実現しています。

杉工場・プルッケ
同じクオーレ繋がりで杉工場のクオーレ改め「プルッケ」はどうでしょう。こちらもメルシーの1.5倍くらいしますが、アルダー無垢でしかも国産です。ちなみにプルッケは廃番とアナウンスされましたが、それはリフティングワゴンとミドル棚だけで、ノーマルワゴンのロー棚はまだ辛うじて健在です。
ニトリ・くみあわせですくデラックス
メルシーのくみあわせですくをご検討の場合は、同じ売場にある「くみあわせですくデラックス・リビオC」と悩むことも多いと思います。質感はメルシーとはかなり異なるものの、リビオCなら1万円安いし、コンセントボックスも付いています。でも2021年度は値上がりしましたから、今年度はメルシーのほうを選ぶ人が増えるでしょうねー。

以上の通り、天然木のベーシックデスクという括りで見ると、メルシー・ロータイプデスクの競合となる商品はたくさんあります。しかしながら、税込5万円以下でデスクライト付きとなるとライバルは完全に振り落とされてしまいます。「デスクライトなんて明るければいいんじゃね?」とおっしゃるような方にはメルシーで十分すぎることでしょう。
逆に、ここで「デスクライトはもっとワイドなほうが」とか「奥行55cmではちょっと不安」とか「やっぱり大手メーカー」とか言い始めると、予算は5万円から一気に7~10万円にアップしていきます。そうすると、「やっぱりメルシーかー」と意気消沈してしまうほどにメルシーが約5万円で買えるということは圧倒的な破壊力を持っているわけです。
メルシー、ありがとう。でも本当は「天然木」が何の木なのかちょっと気になるところです(苦笑)
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