たった数年前まで、私はニトリのことを「粗大ゴミ置き場」と呼んでいました。ダイニングセットの多くはラバーウッドでできていて安っぽい、3段カラーボックスはグラグラ、カーテンをイージーオーダーさせれば寸法を間違えるといった具合で、とてもマトモなお店とは言えなかったからです。
ですが、今は違います。某北欧風B級家具店が殺人チェストを販売し続けているのに対し、ニトリのタンスは確かにおねだん以上だと感じます。私の親が引越しする際には私自らニトリのダイニングセットをオススメしました。
この数年で中国やベトナムの家具工場のクオリティーが格段に上がったことも影響していると思いますが、ニトリの家具は決して悪くないどころか、とてもコスパが良いですし、安心してオススメできると思います。
もちろんすべての商品について諸手を挙げて褒められるわけではないものの、学習机についても同様です。中でも「メルシー」はニトリを代表する学習机と言えるのではないでしょうか。
※価格および仕様はすべて2023/01/10現在に更新済み(2024年11月8日一部更新)
ニトリ・メルシーQ
カラーバリエーション
- 3色=ホワイトウォッシュ(WW)色とライトブラウン(LBR)色とミドルブラウン(MBR)色
ラインナップ
商品名 | 品番 | サイズ W×D×H(mm) | 税込価格 |
---|---|---|---|
スタンダードデスク | Q | 1000×550×1120 | 59,990円 |
ユニットデスク | Q | 1250×550×1210 | 69,990円 |
くみあわせデスク | Q | 1000×800×1210 | 79,990円 |
デスク | QP | 1000×550×730 | 29,990円 |
ワゴン | QP | 330×413×545 | 14,900円 |
※Pが付くものは単品(Partsの略?)。
※2023年度までは東日本と西日本などで品番が分かれていましたが、2024年度から再び統一されました。また、引出しではなく棚のワゴンのS仕様はなくなった模様です。
特徴・人気の秘密
ニトリのメルシーが発売されたのは2014年度のことです。当時はデスクライト付きのロータイプデスクのみで、上棚にはイトーキの「カモミール」のように右側に扉収納部が付いていました。2012年度にイトーキが「リーモ」、2013年度にコイズミファニテックが「レイクウッド」を投入していずれもヒットしたことで、「アルダー材、いけるんじゃね?」と考えてメルシーを投入したのだと思います。
ただし、当時はカタログのかなり最後のほうに掲載されており、担当者もここまでのロングセラー商品に育つとは考えていなかったのではないでしょうか。少なくとも私は当時、ニトリに対する不信感はまったく拭えていませんでした。メルシーはともかく、展示品の引出しがまったく開かないことなんてザラでしたからね(苦笑)
ともあれ、2016年度にユニットデスクが登場、2017年度に3色展開となって、くみあわせですくも発売されて現在に至ります。発売時はまだカラーデスクが人気の中心で、メルシー以外にも天然木のデスクはありましたが、その中でもメルシーがひときわ人気となった理由は、(1)質感やシンプルなデザインが評価された、(2)デスクライト付きで値ごろ感があった、(3)3色のカラバリで男女ともに支持を得た、といったことが挙げられると思います。どれか一要素が抜きんでていたと言うよりは総合力で勝ったと言えましょう。
2024年度から再びデスクライト付きに
諸々のコスト上昇を踏まえ、2023年度当初はデスクライト別売となりました。しかしながら、あまりにも売行きが不調に陥ったためか、早々にデスクライト付きに。2024年度からはワゴンをスリム化させるなどしてコストを抑え、デスクライトとコンセントはセットにしました。
2024年度から再び中国製に
ここ数年、マレーシア、ベトナムと、製造地を転々とさせていたメルシーですが、2024年度は再び中国製に戻りました。一般の方はあまりピンと来ないでしょうけど、中国のほうが品質が安定しています。引出内部材もファルカタ(洋桐)や白塗りのMDF合板ではなく無塗装の桐に戻り、質感が向上したと思います。
よく比較検討されるデスク
無印良品・木製デスク オーク材
メルシー・スタンダードデスクのライバルの大本命と言えるのは無印良品の「木製デスク オーク材」でしょう。メルシーと違ってワゴン引出しが1杯少ないというデメリットはあるものの、無印良品は天板がオーク無垢、ワゴンの側面はプリント紙ではなくオーク突板であるなど、スペック上は高級感がありますし、デザイン的にもよりシンプルです。
イトーキ・リーモ
イトーキの「リーモ・ベーシックタイプ」の価格はメルシー・スタンダードデスクより約2.5万円も高価ですが、天板は奥行60cmで広々しており、天板はアルダー無垢、引出内部材は桐で、脚のデザインが素敵、専用お片付けトレー付き、ワゴンは幅ワイド&奥行ロング、引出し2段目は中深で使いやすく、なおかつイトーキだから安心感があります。
イトーキ・JAQ-F31
いくら品質が良くても2万円以上もプラスするのは予算オーバーという場合は、同じくイトーキの「JAQ-F31」はいかがでしょうか。こちらはメルシー・スタンダードデスクより1万円ほど高くなるものの、デスク天板はアルダー無垢、デスク本体引出しは内部材が桐でフルスライドレール、ワゴン引出しは3段です。
一生紀・リフレ
メルシーでは奥行が浅い、ワゴンの幅が狭い、リフティングワゴンのほうが良いなどとワガママを言い出したらキリがないのですが、そんなときは 一生紀の「リフレ」はいかがでしょうか。その組み合わせで税込64,970円ですからメルシーよりは高価ですけど、スペックを考えればむしろこちらのほうがおねだん以上だと思います。
ニトリ・スタンダードデスクDK24
メルシーのスタンダードデスクよりも安く済ませたいということで、同じくニトリの「スタンダードデスクDK24」を検討される方もいらっしゃるかもしれません。しかし、DK24の天板は天然木ではなくMDF合板です。ワゴンの引出しは2杯しかなく、コンセントボックスも付属しません。ただ、2万円近くも違うと考えると、これはこれでアリなのかもしれません。
コイズミファニテック・レイクウッド
メルシーのくみあわせデスクと比較すると、コイズミファニテックの「レイクウッド・ステップアップデスク」は実売価で2倍ほど高くなります。しかしながら、レイクウッドの天板はアルダー無垢で奥行拡張天板付き、デスクライトはワイドで調色機能付き、ランドセルハンガーも付いています。また、引出しは全段フルスライドレール付きですから開閉のスムーズさや耐久性はメルシーよりも格段に良いでしょう。
ニトリ・くみあわせデスクDL24
メルシーのくみあわせデスクをご検討の場合は、同じ売場にある「くみあわせデスクDL24」(旧・リビオ)と悩むこともあると思います。もしくは、こちらのほうが同じ値段でボリュームがあると感じられることもあるでしょう。天然木にこだわらなければ、選択肢として十分アリだと思います。
以上の通り、天然木のベーシックデスクという括りで見ると、メルシーの競合となる商品はたくさんあります。2023年度は実質的にコスパがかなり改悪されましたが、2024年度は逆によく頑張ったと言えると思います。よって、メルシーを有力な候補に挙げる方は多いでしょう。
期待通りにメルシーが復権するか、注目されるところですね。
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