たった数年前まで、私はニトリのことを「粗大ゴミ置き場」と呼んでいました。ダイニングセットの多くはラバーウッドでできていて安っぽい、3段カラーボックスはグラグラ、カーテンをイージーオーダーさせれば寸法を間違えるといった具合で、とてもマトモなお店とは言えなかったからです。
ですが、今は違います。某北欧風B級家具店が殺人チェストを販売し続けているのに対し、ニトリのタンスは確かにおねだん以上だと感じますし、私の親が引越しする際には私自らニトリのダイニングセットをオススメしました。
この数年で中国やベトナムの家具工場のクオリティーが格段に上がったことも影響していると思いますが、ニトリの家具は決して悪くないどころか、とてもコスパが良いですし、安心してオススメできると思います。
もちろんすべての商品について諸手を挙げて褒められるわけではないものの、学習机についても同様です。中でも「メルシー」はニトリを代表する学習机と言えるのではないでしょうか。
※価格および仕様はすべて2023/01/10現在に更新済み(2023年10月26日一部更新)
ニトリ・メルシー
カラーバリエーション
- 3色=ホワイトウォッシュ(WW)色とライトブラウン(LBR)色とミドルブラウン(MBR)色
ラインナップ
商品名 | 品番 | サイズ W×D×H(mm) | 税込価格 |
---|---|---|---|
スタンダードデスク | TL/DT/TK | 1000×550×1120 | 54,900円 |
STL/SDT/STK | 49,900円 | ||
ユニットデスク | TL/DT/TK | 1250×550×1210 | 64,900円 |
STL/SDT/STK | 59,900円 | ||
くみあわせデスク | TL/DT/TK | 1000×800×1210 | 74,900円 |
STL/SDT/STK | 69,900円 | ||
デスク | TLP/DTP/TKP | 1000×550×730 | 29,900円 |
ワゴン | TLP/DTP/TKP | 400×415×530 | 20,000円 |
スリムワゴン | TLP/DTP/TKP | 435×300×607 | 15,000円 |
※TLは北海道・東日本専用、DTは西日本専用、TKは広島・山口・九州専用となっています。おそらく微妙に仕様が異なるものと思われます。
※Sが付くものはスリムワゴンがセットされます。
※Pが付くものは単品(Partsの略?)。
特徴・人気の秘密
ニトリのメルシーが発売されたのは2014年度のことです。当時はデスクライト付きのロータイプデスクのみで、上棚にはイトーキの「カモミール」のように右側に扉収納部が付いていました。2012年度にイトーキが「リーモ」、2013年度にコイズミファニテックが「レイクウッド」を投入していずれもヒットしたことで、「アルダー材、いけるんじゃね?」と考えてメルシーを投入したのだと思います。
ただし、当時はカタログのかなり最後のほうに掲載されており、担当者もここまでのロングセラー商品に育つとは考えていなかったのではないでしょうか。少なくとも私は当時、ニトリに対する不信感はまったく拭えていませんでした。メルシーはともかく、展示品の引出しがまったく開かないことなんてザラでしたからね(苦笑)
ともあれ、2016年度にユニットデスクが登場、2017年度に3色展開となって、くみあわせですくも発売されて現在に至ります。発売時はまだカラーデスクが人気の中心で、メルシー以外にも天然木のデスクはありましたが、その中でもメルシーがひときわ人気となった理由は、(1)質感やシンプルなデザインが評価された、(2)デスクライト付きで値ごろ感があった、(3)3色のカラバリで男女ともに支持を得た、といったことが挙げられると思います。どれか一要素が抜きんでていたと言うよりは総合力で勝ったと言えましょう。
2022年度以降はスリムワゴン(ST)が追加
ニトリの定番モデルであるメルシーですが、徐々に改悪が進みます。従来は3段の引出しを備えたワゴンのみでしたが、2022年度から引出しではなく棚のワゴンを装備したモデル(ST)が投入されたのです。
これは棚のほうが良いというニーズがあったというよりは、価格を抑えるためだと思います。税込49,900円という価格を死守するために、より低価格な棚タイプのスリムワゴンを投入したわけです。
引出しと棚のどちらが良いかというのは基本的にはニーズ次第かと思いますが、収納のプロとしては一般的には小物の収納が難しいと思うので引出しのほうがオススメです。
2023年度はデスクライト別売に
2023年度からはそれまでデスクライト付きだったのが、デスクライト別で”おねだん据え置き”となりました。諸々コストが上がっている中で仕方がないこととは言え、お得感がなくなった感は否めないでしょう。
しかしながら、もとより学習用としては最低ランクと言えるデスクライトです。考えようによっては、コイズミファニテックなどの学習に最適なデスクライトを取り付けできるチャンスと見ることもできると思います。
よく比較検討されるデスク
無印良品・木製デスク オーク材
メルシー・スタンダードデスクのライバルの大本命と言えるのは無印良品の「木製デスク オーク材」でしょう。メルシーと違ってワゴン引出しが1杯少ないというデメリットはあるものの、無印良品は天板がオーク無垢、ワゴンの側面はプリント紙ではなくオーク突板であるなど、スペック上は高級感がありますし、デザイン的にもよりシンプルです。

イトーキ・リーモ
イトーキの「リーモ・ベーシックタイプ」の価格はメルシー・スタンダードデスクより3万円も高価ですが、天板は奥行60cmで広々しており、天板はアルダー無垢、引出内部材は桐で、脚のデザインが素敵、専用お片付けトレー付き、ワゴンは奥行ロング、引出し2段目は中深で使いやすく、なおかつイトーキだから安心感があります。

イトーキ・JAQ-F31
いくら品質が良くても3万円もプラスするのは予算オーバーという場合は、同じくイトーキの「JAQ-F31」はいかがでしょうか。こちらはメルシー・スタンダードデスクより1.5万円ほど高くなるものの、デスク天板はアルダー無垢、デスク本体引出しは内部材が桐でフルスライドレール、ワゴン引出しは3段、中国製です。ベトナム製になったメルシーとは比べるまでもありません。

コイズミファニテック・レイクウッド
メルシーのくみあわせデスク(ライト+コンセント付き)と比較すると、コイズミファニテックの「レイクウッド・ステップアップデスク」は実売価で3割ほど高くなります。しかしながら、レイクウッドの天板はアルダー無垢で奥行拡張天板付き、デスクライトはワイドで調色機能付き、ランドセルハンガーも付いています。また、引出しは全段フルスライドレール付きですから開閉のスムーズさや耐久性はメルシーよりも格段に良いでしょう。

ニトリ・くみあわせデスクDL23
メルシーのくみあわせデスクをご検討の場合は、同じ売場にある「くみあわせデスクDL23」(旧・リビオ)と悩むこともあると思います。パッと見た感じの質感はメルシーとはかなり異なるものの、中身は同じでベトナム製の引出し内部材は白塗りMDF合板です。5千円しか違わないのですから、メルシーのほうが良いんじゃないでしょうか。

以上の通り、天然木のベーシックデスクという括りで見ると、メルシー・ロータイプデスクの競合となる商品はたくさんあります。それでもぶっちゃけ、数年前までならかなり良い勝負ができたと思うのですが、まあそれも過去の話と言えるでしょうね。
個人的にはメルシーのことはこれまで高く評価していただけにとても残念です。
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