園児とママのための情報誌「あんふぁん」「ぎゅって」を展開する株式会社こどもりびんぐが、「こどもリサーチ」事業の第8回調査として「全国のママ・パパが選ぶ学習机ランキング」を発表しました。
こどもりびんぐは小学館・集英社プロダクションの100%出資会社です。キュレーションサイトを運営しているどこぞの胡散臭い会社ではありませんし、金さえもらえば提灯記事を書くようなところでもないはずです。
しかし、このランキングは果たして小学館や集英社の名前を信用して良いものでしょうか?
全国のママ・パパが選ぶ学習机ランキング

出典:PR TIMES(以下同)
購入ランキング
まずは購入ランキング。第1位はIKEAで、コイズミファニテック、イトーキがそれに続きます。
特に断りがないので、全国642人(女性563人+男性79人)を対象に数が多かったブランドから順番にランキングしたと考えるのが普通でしょう。ただ、この1~2年くらいの間に学習机を買ったママパパを対象にしているならイトーキが入るはずはありません。なぜなら、イトーキはほとんどの家具店の店頭から消えてしまったからです。
このことから、結果自体は調査に忠実であったとしても、果たして調査対象者の選別に問題はなかったか疑問が残ります。
満足度ランキング
続いて満足度ランキング。第1位はカリモク家具、第2位はコイズミファニテック、第3位はIKEAとなっています。
品質、機能、価格、デザインなど、様々な指標があったのでしょう。そこを詳しく知りたかったので調査項目の開示を求めたのですが、今のところ回答を得られておりません。
支持度ランキング
最後は支持度ランキング。第1位はコイズミファニテック、第2位はオカムラ、第3位はイトーキとなっています。
「売場から消えてもイトーキには頑張ってもらいたいよねー」とは私も思うのですが、この支持度という独特の指標の意味がイマイチ分かりません。”支持度=認知している人のうち購入している人の割合をこどもリサーチが独自に「支持度」として算出”と説明書きがあるんですけど、それでも意味が分からないのだから困ったものです(苦笑)
まあ、「IKEAは知ってるけど購入には至らなかった」人が多かったから支持度ランキングに入らなかったというのは理解できるので、元となる認知度の調査結果や購入ランキングの4位以下を見てみたいところです。
調査対象にニトリがない!?
調査対象:オカムラ/イトーキ/コイズミファニテック/アクタス/IKEA /カリモク家具/KEYUCA(ケユカ)/イオンリテール/ISSEIKI/ROWYA/yamatoya(大和屋)/キシル/YAMAZEN(山善)/くろがね工作所/小島工芸/浜本工芸/光製作所
調査対象としたメーカーおよび販売店を見ると普通は50音順などにするものですが、冒頭にいきなりオカムラが登場するあたり、何かしら忖度があったのかと訝しく思ってしまいます。私も以前に原稿を書いたときに「オカムラさんのこともちゃんと書いてくださいね」と言われたことがあるので、何かしら圧力が掛かるんでしょう。大人って大変です。
そんなことよりも、この調査対象を見てビックリしました。日本でもっとも学習机を売ると言われているニトリが入っていないのです!
メーカーじゃなくて販売店だから?いやいや、それを言ったらアクタスもIKEAもKEYUCAもイオンもそうです。
逆に、ISSEIKI(一生紀)とか大和屋とかキシルを知っているママパパを探すほうが無理筋というものじゃないですか?(苦笑)
これらのブランドと比較して圧倒的に知名度があり、購入ランキングにもぶっちぎり1位に輝くであろうニトリを外したのは、どう考えても意図的ですよね。金を出さなかったであろう面々は調査対象企業の下位に見られますから、ニトリが金を出さなかったからではないはずです。そう考えると、どこかが「ニトリは対象に入れるな!」と圧力を掛けたのでしょうか。
現在ニトリと取引があるイトーキ、くろがね工作所、コイズミファニテックは今回の首謀者ではないと思います。では、ニトリさえいなければ1位になれたというあの会社でしょうか。はたまた、単に担当者がニトリに恨みを持っていただけかもしれません。
購入した際もっとも重視したこと
話がかなりヤバい方向に行ってしまったので話題を変えましょう。今回のこどもリサーチの調査では「学習机を購入した際もっとも重視したこと」も公開されています。
重視したことの第1位は「サイズ」。どこに置くにしても大きすぎては困りますし、逆に作業面が狭くて勉強するときに不自由を感じるようでも困ります。これはやはり最重要事項でしょう。にもかかわらず、市販されている学習机のサイズバリエーションが限られているのは不思議ですよね。
サイズがぶっちぎり1位で、「デザイン」、「機能」、「価格」が2~4位集団となっています。目下、学習机メーカー各社もこのあたりでしのぎを削っているところです。でも、それぞれ求める品質レベルというものがありますから、コストを抑えることはできても大きく価格帯を変えることはできません。それでますます二極化が進むというわけですね。
第5位は「素材」。数年前まではナラが最高級で「それに比べてタモやニレはどうなの?」って質問が多かったものですが、もはやそんな時代ではないのですね(苦笑)
大手学習机メーカーが得意としてきた「将来的にアレンジ可能か」というのは6位。もはや消費者にとっては「どーでもよい」と言って良いレベルです(苦笑)
「耐久性」はさらにその下の7位。国産家具メーカーはもちろん、コイズミファニテックもイトーキも泣くしかありません(苦笑)
というわけで、後半は消費者にとっては「わかるわかる~」という感じだったと思いますが、大手学習机メーカーにとっては頭が痛いところでしょうね。ユニクロがGUを展開したり、ソフトバンクがYahoo!モバイル併設店舗を増やしているように、家具メーカーも2つ以上のブランドを展開していくべき時代なのかもしれません。もっとも、カリモク家具のディレトーレやチターノの例を見ればそれが口で言うほど簡単ではないことも明らかですけど。
前半のランキングも消費者には納得の感があったと思いますが、ニトリで学習机を買った人や業界関係者は驚いたでしょうね。これも一種の「報道しない自由」ってやつでしょうか。マスコミって怖いですね(苦笑)
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