イトーキが新型デスク「ポルク・カジュアル」と「JAQ-F31」を発売

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読者のりせつさんが教えてくださった通り、イトーキが北欧テイストの学習机「ポルク」を復活させました。また、「JAQ-F23」の廃番と同時に、その後継モデルと思われる「JAQ-F31」を発売。

それぞれ、どんなデスクなのか?詳しく見て参りたいと思います。

※この記事は2020年12月30日時点の情報に基づいています

 

ベトナムからシンチャオ!「ポルク・カジュアル」

まずは「ポルク・カジュアル」(CPK-NA)から。こちらは2017年度までカタログに掲載されていたポルクの「片袖デスク」+「小棚」に似ていますが、カジュアルというサブネームが付けられている通り、それらをちょっとチープにした仕様です。

2017年度カタログモデルとの比較

2021カジュアル 2017カタログモデル
天板サイズ 1050×600mm
天板材質 ナラ突板 タモ突板
引出前板材質 ダイレクト印刷 タモ無垢?
スライドレール 全段フルオープン
専用お片付けトレー あり
デスク側面フック 樹脂製フック 使い分けフック
製造国 ベトナム 中国
税込価格 49,900円(※1) 86,000円(※2)

※1…2020/12/29現在のイトーキオンラインショップ楽天市場店の価格 ※2…2017年度の店頭実勢価格

まず天板サイズを含め、外観は基本的に変わりありません。ただ、タモ突板からナラ突板に変わったことが影響したのか、全体的に赤みが強くなったように感じます。

また、カタログモデルの引出前板や小棚の側板などはタモ無垢だったと記憶していますが、カジュアルはMDF合板に木目を印刷したもののようです。そのため、よく見ればチープさは否めないと思います。

そのほか、スチール製の使い分けフックから樹脂製フックに変更されているところも、チープさを感じるところだと思います。

製造は中国からベトナムに変更。そのため、引出内部材も桐から白塗りの桐に変更になったようです。

でも、価格はカタログモデルの販売当時、税込8万円台後半くらいだったのが、配送設置料込みで5万円を切る同49,900円という低価格を実現!大手メーカーのブランドと安心感は譲れない、それでもって予算を抑えつつカワイイ机が欲しいという方にはピッタリなのではないでしょうか。

 

リーモの廉価版?「JAQ-F31」

続いて「JAQ-F23」に代わって登場した「JAQ-F31」。こちらは形状としてはJAQ-F23に近いですが、スペックは別物と言えるほど変わっていて、むしろ「リーモ・ベーシックタイプ」の廉価版といった趣です。

JAQ-F23との比較

新型JAQ-F31 旧型JAQ-F23
天板サイズ 1000×600mm
天板材質 アルダー無垢 ナラ突板
引出前板材質 アルダー無垢(※3) MDFダイレクト印刷
フルオープンレール ワゴン最下段のみ デスク本体+ワゴン最下段
専用お片付けトレー なし あり
デスク側面フック 樹脂製フック
LEDデスクライト なし あり
製造国 中国 ベトナム
税込価格 59,900円(※4) 59,900円(※5)

※3…天板は巾ハギですが引出前板はフィンガージョイント ※4…2020/12/29現在のイトーキオンラインショップ楽天市場店の価格 ※5…販売終了前のイトーキオンラインショップ楽天市場店の価格

天板ナラ突板&引出前板MDFダイレクトプリントからアルダー無垢になったことで、質感は向上したものと思われます。引出内部材も白塗りの桐から塗っていない桐に変更。ただし、デスク本体のスライドレールは非フルオープンにスペックダウンしました。

しかも、イトーキの特徴として唯一残っていた専用お片付けトレーがありません。A3ロングワゴンとは書かれていませんが、ワゴン1~2段目はA3用紙が入る内寸のようです。

LEDデスクライトは装備せず、生産はベトナムから中国となって、価格は税込59,900円を維持しました。

リーモとの比較

JAQ-F31 リーモ・ベーシック
天板サイズ 1000×600mm
天板材質 アルダー無垢
引出前板材質 アルダー無垢(※6)
フルオープンレール ワゴン最下段のみ デスク本体+ワゴン最下段
専用お片付けトレー なし あり
デスク側面フック 樹脂製フック
なし あり
上棚小引出し 1杯 2杯
上棚棚板 固定 可動
LEDデスクライト なし
製造国 中国
税込価格 59,900円(※7) 69,900円(※7)

※6…リーモの引出前板は巾ハギ、JAQ-F31はフィンガージョイント ※7…2020/12/29現在のイトーキオンラインショップ楽天市場店の価格

次にリーモ・ベーシックタイプ(NAG-F31Z)と比較してみましょう。いずれも中国製のアルダー無垢ですが、JAQ-F31の引出前板はフィンガージョイントです。指の大きさよりは大きな木材を使っているものの、フローリングのようにと言うか、レンガ積みのような配列で接ぎ合せたものです。巾ハギに比べて低コストではありますが、強度面ではまったく問題ありません。

そのほか、JAQ-F31はデスク本体にフルオープンレールを装備していない、専用お片付けトレーが付属しない、ワゴンの引出しに鍵が付いていないという点で、リーモより低スペックです。さらに、上棚に目を向けると、JAQ-F31はリーモより小引出しが1杯少ないうえに、棚板は固定式と見られます。小引出しの数はコストに影響しますし、棚板の高さを変えられないのはちょっと不便かもしれません。

脚などのデザインについては好みによるところが大きいとは思いますが、個人的にはリーモのほうが優れていると思います。

これだけ違いがあってたった1万円差ですか。せっかくですが、私ならリーモのほうを選びます。

 

ちなみに、JAQ-F31は2017年度にコストコで販売されていた「アルタイル」にも似ています。アルタイルは木製チェア付きで税込64,800円でした(最終処分価格は同54,800円)。リーモに似た脚形状で悪くなかったのですが、自分で車に積み込まないといけなかったんですよねー。もちろん、組み立てや梱包材の処分も自分でしないといけませんでした。

そう考えると、税込59,900円のJAQ-F31はアリなのかという気もしますが、やっぱり+1万円でリーモのほうが良いと思います。JAQ-F31は棚板が固定なので、デスクライトの選択肢も少ないですし(JAQ-F31を含めイトーキのクランプ金具取付穴は小さい)。

図らずもリーモの商品力の高さを痛感した次第です。

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この記事を書いた人
収納マン(芝谷 浩)

家具メーカーを退職後、2002年に収納スタイルコーディネーターとして独立。多くのご家庭の片づけの悩みを解決してきました。TVチャンピオン「収納ダメ主婦しつけ王」選手権で優勝するなどメディア出演多数。
長女が小学校に入学するのを機に学習机を購入してブログで報告したところ、学習机について相談が殺到。以後、「学習机評論家」としてメーカーの展示会や販売店に足を運ぶなどして日々情報収集に努めています。詳しいプロフィールはこちら

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