我が子のために学習机を選ぼうと家具店の学習机売場に足を運ぶと、様々なデザインや素材、スタイルのものが並んでいて、戸惑ってしまうかと思います。シンプルで長く使えるものが良いと思いながらも、多機能で収納力のあるものも魅力的。一方で、予算のことも気になるところ…。
そうして悩んだ末に多くの人が行きつくのが、「みんなどんなものを選んでいるのだろう?」ということではないでしょうか。実際、学習机関連の検索キーワードでは「人気」や「ランキング」といった複合キーワードが多く出現します。それだけ、人気のあるもの、ランキング上位のもの、つまるところ、「売れているものなら失敗する心配が少ない」と考える人が多いのだと思います。
そこで今回は、学習机のいろんな形…つまり「スタイル」の人気ランキングを紹介したいと思います。
※この記事は2015年10月18日時点の情報に基づいています(2024年5月8日一部更新)
学習机のスタイルの一番人気は「組み替え式デスク」
2014年度学習机シーズンの結果として日本オフィス家具協会(JOIFA)学習机用家具部会が公表したデータによると、学習机のスタイルの人気ランキングは上表の通りとなっています。
人気No.1は組み替え式デスクで4割強を占めています。コイズミファニテックのステップアップデスクや、ニトリのくみあわせですくなどのことですね。2016年度に登場したコイズミファニテックのスタディアップデスクも組み替え式デスクと言えるでしょう。また、カリモク家具の「ボナシェルタ」の収納デスク(コンパクトスタイル)などもそう呼ぶことができるでしょうか。
人気No.2は上棚付きのベーシックデスクで2割強を占めています。ただし、人気No.2とは言え、組み替え式デスクの半分近いです。特に2016年度以降は主要大手メーカーから上棚付きベーシックデスクのラインナップが減っており、大手メーカーのラインナップになければ消費者としては選びようがない状態とも言えます。
人気No.3は上棚なしの平机。そして僅差でベッド付きデスクが人気No.4となっています。ともに約1割を占めています。
人気No.5はユニットデスク、同じくNo.6は天板昇降式デスクです。ユニットデスクの定義はあいまいですが、ここではイトーキのリーモ・ユニットタイプがその典型と考えて良いでしょう。天板昇降式デスクと言えば、やっぱり一世を風靡したオカムラのピエルナですかね。
そして最後の人気No.7はライティングデスク。現在は大手ではイトーキだけとなりました。私が子供の頃(昭和50年代生まれ)は結構、持っていた友達が多かったんですが…。
組み替え式デスクが人気の理由は?
以上の通り、世間では半数近くの人が組み替え式デスクを選んでいるわけです。大手学習机メーカーもベーシックデスクのラインナップを減らし、逆に組み替え式デスクを増やしていっています。
このように組み替え式デスクが増えている理由は、消費者側の思惑とメーカー側の思惑が合致した結果ではないかと私は考えています。もともと組み替え式デスクが誕生した背景は、中高生になると子供っぽいからと言って上棚を取り外してしまう、しかしそれはもったいないということで、当時主流だったハイタイプの上棚が上下分割式になったことがあります。そこからさらに進化して足元棚までも切り離した状態が現在の組み替え式デスクへの流れとなっているのです。
つまり簡単に言うと、組み替え式デスクは、もったいない、いろいろ使い回ししたい、収納力はキープしたい…という欲張りな消費者のニーズの結果によるものと言えます。そして実際に、学習机を置くスペースを確保することが難しい、けれど組み替え式デスクなら限られたスペースで十分な収納力をキープできそうという、現状にマッチしたスタイルなのです。
一方で、メーカー側としては決して単価の高い商品を売り込みたいと考えているわけではありません。ですが、ベーシックなものは差別化がしにくい。後発メーカーがどんどん安い商品をぶつけてきて、デザインまでパクって来ます。なのでメーカー側は消費者のニーズを第一に考えつつ、差別化できる要素を求めて組み替え式デスクで生き残りを図っていると言えます。
それでも私はベーシックデスク推し!
世間一般的には組み替え式デスクが圧倒的に支持されているわけですが、それでもやっぱり私はベーシックデスク推しです。中途半端な大きさでずっと使える感じがしない組み替え式デスクの書棚にお金を使うなら、学習机本体にコストを掛けたい。また最近はデザイン性の観点から4本脚が主流になっていますが、絶対に「コの字脚」や「テーパー脚」のほうが子供にとって座りやすいと思います。
一時はかなり人気を博していた天板昇降式デスクも現在はかなり衰退しました。一方で、組み替え式デスクはまだまだ増える傾向にあります。けれどもこの流れもきっと終わると思います。そしてベーシックデスク復権の流れは既に来ていると感じています。無印良品やイケア、杉工場のデスクのように、「シンプルで長く使えそう」という感じが支持されているからです(もちろんこれらは期待するような耐久性は備えていませんが)。また、予算的な問題から、無駄を省いてシンプルなモノにしたいという欲求が強まってくると考えられるからです。
デザイン的な観点から「コの字脚」への逆流が起こるかどうかは分かりませんけど、現在主流を占めている組み替え式デスクは、次の新1年生が小学校を卒業する6年後には衰退していると私は考えています。もっともそのときにはベーシックデスクの復権と同時に、まったく新しいスタイルの学習机が誕生している可能性は否定できませんが、今回の学習机のスタイル人気ランキングと併せて、長い目で見て学習机を選んでいただければと思います。
また、度重なる値上げの影響でワゴンなしというスタイルが増えていると感じます。
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