今年(2023年)の初めに無印良品の「木製デスク オーク材」は約40%も値上げされました。しばらくは「こんな値段で買えるか!」と思ってましたけど、意外と慣れてくるものですね。競合他社製品も値上がりしているので、相対的にアリだと思えるようになってきました。
ともあれ、これでようやく落ち着くかと思いきや、またしてもビッグニュースが舞い込んで参りました。木製デスクにリノリウム天板モデルが登場するというのです!
※この記事は2023年12月25日時点の情報に基づいています(2024年2月1日一部更新)
無印良品・木製デスク リノリウム天板
ラインナップ
商品名 | サイズ W×D×H(mm) | 税込価格 | JANコード |
---|---|---|---|
デスク | 1100×550×700 | 29,900円 |
4550583895884 |
デスクキャビネット | 390×480×580 | 20,000円 |
4550583895846 |
上置き棚 | 1090×200×300 | 6,000円 |
4550583895877 |
3点合計 | 55,900円 |
まだ無印良品から正式なアナウンスなどはないのですが、1月中旬発売予定の「木製デスク リノリウム天板」は、その名が示す通り、天板にリノリウムを貼ったデスクです。
リノリウムは亜麻仁油などの自然素材を原料としたもので、床材などにも使われるほど丈夫な素材です。抗菌性や脱臭効果も期待されます。2021年度からアクタスが「サークル」などにリノリウムを使っていますが、今年はレグナテック、リビンズ、さらにニトリまで採用しています。
無印良品の木製デスクにはグレー、グリーン、ピンクの3色が用意され、デスク天板だけでなくキャビネット(ワゴン)の天板にもリノリウムが貼られています。
形状は「木製デスク オーク材」とまったく同じ。しかし、根本的に違うところがいくつかあります。
オークではなくラバーウッド
リノリウム天板モデルは従来の木製デスクの天板をリノリウムにしただけではありません。木部はオークではなくラバーウッド(ゴムの木)を使っているのです。
ディテール写真を見ると、確かにラバーウッドっぽい木目です。ただ、これはおそらくCGなんですよね。木製デスクのオーク材もなかなか酷いものですが、こちらも質感は期待できないと思ったほうが良いでしょう。
製造は中国ではなくベトナム
また、製造は中国ではなくベトナムとなっています。以前の木製デスク・オーク材もベトナム製でしたが、キャビネットの下段引出しのスライドレールがスムーズでなくクレームが少なくなかったようです。その点は改善されているのでしょうか。
なお、引出内部材は合板となっています。ディテール写真を見る限り、オーク材と同じ積層合板に見えるのですが、積層合板と同義で合板と表示しているだけか、CGのためそこまで手を加えなかっただけかは現時点では不明です。
ラバーウッドなのに価格が高い
リノリウムは一般的にコストアップの要素となります。一方で、主材としているラバーウッドは低級材です。トータルで見ると、価格は下がって当然と考えられます。
ところが、オーク材と比較してリノリウムのデスクは5,000円アップ、キャビネットも5,000円アップ、上置き棚はリノリウムを使っていないので単純に2,000円ダウン。3点セットで合計8,000円のアップとなっています。ぶっちゃけ、こんな値段で買う人なんているのかと思ってしまいます。
ちなみに、早くもamazonで販売が始まっているリノリウム天板モデルは3点合計で58,905円からとなっています。無印良品の公式オンラインショップでは77,900円なので、約24%も安い計算です。数量限定のオーク材3点セット(64,900円)と比べても1割ほど安いです。どうしてこういうことになっているんでしょうね。
オーク材とのスペック比較
デスク
リノリウム | オーク材 | |
---|---|---|
商品番号 | グレー:83895907 グリーン:82583199 ピンク:83895891 |
12841050 |
税込価格 | 39,900円 | 34,900円 |
幅×奥行×高さ(cm) | 110×55×70 | |
引出し奥行 | 395mm | |
天板材質 | リノリウム ラバーウッド材 |
オーク材 |
脚部・前板材質 | ラバーウッド材 | オーク材 |
塗装 | ウレタン樹脂 | |
引出内部材 | 合板 | 積層材 |
スライドレール | 木桟 | |
製品重量 | 22kg | 22.2kg |
天板耐荷重 | 40kg | |
引出し耐荷重 | 3kg | |
サイドフック耐荷重 | 3kg | |
製造国 | ベトナム | 中国 |
ホルムアルデヒド放散量 | 不明 | F☆☆☆☆ |
キャビネット
リノリウム | オーク材 | |
---|---|---|
商品番号 | グレー:83895860 グリーン:83895846 ピンク:83895853 |
12841067 |
税込価格 | 30,000円 | 25,000円 |
幅×奥行×高さ(cm) | 390×480×580 | |
引出し奥行 | 375mm | |
材質 | 天板:リノリウム 前板:ラバーウッド材 側板・地板・背板:合板 引出し内箱:合板 |
天板・前板:オーク集成材 側板・地板・背板:オーク突板 引出し内箱:積層材 |
塗装 | ウレタン樹脂 | |
製品重量 | 25kg | 21kg |
天板耐荷重 | 10kg | |
引出し耐荷重 | 上段:3kg、下段:5kg | |
製造国 | ベトナム | 中国 |
上置き棚
ラバーウッド材 | オーク材 | |
---|---|---|
商品番号 | 83895877 | 12841074 |
税込価格 | 8,000円 | 10,000円 |
幅×奥行×高さ(cm) | 109×20×30 | |
材質 | ラバーウッド材 | 側板:オーク集成材 棚・背板:オーク突板 |
塗装 | ウレタン樹脂 | |
製品重量 | 6kg | |
天板耐荷重 | 5kg | |
製造国 | ベトナム | 中国 |
その他、詳細の比較は上表の通りです。材質と製造国が違う以外は、目立った違いは見受けられません。
ニトリ「IR24」との比較
販売店 | ニトリ | 無印良品 |
---|---|---|
商品名 | デスクワゴンセットIR24 | 木製デスク リノリウム天板 (デスク+キャビネット) |
税込価格 | 59,990円 | 69,900円 |
サイズ | 1050×500×730mm | 1100×550×700mm |
木部材質 | 繊維板 | ラバーウッド |
カラー | グレー、ピンク、ブラック | グレー、ピンク、グリーン |
先ほども少し触れた通り、2024年度はニトリからもリノリウムを天板に採用した「デスクワゴンセット(IR24)」(上写真)が発売されています。まさか無印良品がニトリに対抗したとは思えませんが、似ているところがいくつかあるので比較してみたいと思います。
まず価格はニトリが約6万円に対し、無印良品はデスク+キャビネットの2点セットで約7万円です。天板サイズも似ていて、ニトリは1050×500mm、無印良品は1100×550mmとなっています。ニトリのほうが一回りコンパクトですね。
ただ、ニトリは天板の縁や脚に天然木が使われているように見えるものの、主材は繊維板と表示されています。また、デスク引出しは1杯のみです。それに対し、無印良品はラバーウッドでデスク引出しは2杯ですから、それらのコストを考慮すると、ニトリより1万円高くても決して高いとは言えません。
カラーバリエーションも似ています。いずれもグレーとピンクがあって、残り1色はニトリがブラック、無印良品はグリーンです。素材メーカーが両社に売り込みを掛けたのかもしれませんね。
無印良品・木製コンパクトデスク
木製デスクのリノリウム天板モデルの発売とほぼ同時に、amazonで「木製コンパクトデスク」という商品が販売開始されています。こちらは無印良品の公式オンラインショップ上ではまだ掲載されていない商品です。
スペック
商品番号 | 83706272 |
---|---|
税込価格 | 9,778円(amazon) |
幅×奥行×高さ(cm) | 800×50×70 |
天板材質 | ラバーウッド無垢集成材 |
塗装 | ラッカー塗装 |
製品重量 | 9.5kg |
製造国 | ベトナム |
木製コンパクトデスクは「パイン材テーブル・折りたたみ式」と同じサイズのラバーウッドのデスクです。
幅86×奥行58cmの「パイン材デスク」よりも一回りコンパクトで、価格は半値近くです。ただし、引出しはありません。また、パイン材デスクはベトナム製から中国製に変わりましたが、こちらはベトナム製となっています。
木製デスクのリノリウム天板モデル、木製コンパクトデスクともに、ベトナムの工場を稼働させるために作っているのかなという感じがします。
というわけで、リノリウム天板の木製デスクの発売には驚きましたが、正直なところ、売れるのかなと思います。アクタスなどでもリノリウムを採用したデスクは増えつつあるので、注目を集めやすいことは間違いありません。しかしながら、木目がキレイではないラバーウッド、しかも割高な価格設定です。無印良品がどのような意図で投入したのか気になるところです。
木製コンパクトデスクのほうも、パイン材テーブルやパイン材デスクというものがありながら、本当に必要なのかと首を傾げてしまいます。やっぱり、どうしてもベトナムの工場を稼働したいということなんでしょうかね。そうでも考えないと腑に落ちません。
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