2025年度の堀田木工所は幅奥行高さをオーダーできる「ディアス」登場

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数年前までは堀田木工所と同じくアルダー材を主材とした国産の杉工場に勢いがあったと思います。それに比べると、堀田木工所の学習机はぶっちゃけ野暮ったくて、このままいけば杉工場がシェアを奪ってしまうんじゃないかと思っていました。

しかしながら、杉工場は度重なる値上げで明らかにシェアを落としています。新商品もまったく登場しません。堀田木工所も値上げしましたが杉工場ほどではなく、一方で意欲的に新作デスクを投入しています。特に2024年度はホワイトオーク無垢&ウレタン塗装の「クオン」などが発売され、こちらでも引き合いが多かったです。

自ずと2025年度も期待してしまうわけですが、さてどうでしょう。先日、2025年度のデジタルカタログが公開されたので、チェックして参りたいと思います。

※この記事は2024年8月14日時点の情報に基づいています

 

3Dオーダーデスク「ディアス」

堀田木工所の2025年度カタログは学習用と言うより、大人用も含めたデスク専用カタログという体裁に変わりました。そのため、「in my room」というタイトルになっています。

残念ながら、学習机としての新作デスクはありません。一方で、「ディアス」という書斎風のデスクが投入されています。こちらは既製サイズに加え、幅・奥行・高さをサイズオーダーできるというのが最大の特徴です。幅は80~150cmまで、奥行は45~75cmまでそれぞれ5cm刻み、高さは60~78cmまで1cm刻みでオーダー可能となっています。

天板は強化プリント紙(面材はアルダー無垢)ということで、先に廃番となった「サージュ」を昇華させた商品と言えるでしょう。

ディアスはもちろん学習机として使うこともできますが、サイズオーダーすると割高になってしまいます。コスパ重視なら他のデスクを狙ったほうが良いでしょうね。ちなみに、「スキップ」なら幅のオーダーは可能です(幅90~120cmで1cm刻み)。

ユニットデスク「リベルテ」

「リベルテ」は従来からある商品ですが、学習スタイルの変化やテレワークの普及によりデスクカタログに掲載されるようになったものと思われます。従来はサイドボードなどと一体化したデスクという印象が強かったのですが、アイテムの追加によりコーナーデスクとして使いやすくなっています。また、WN色に加え、NA色も投入されています。

リベルテの天板は堀田木工所の他の多くの学習机のようにUFO塗装ではなくウレタン塗装です。これは天板下に引出しなどの枠組みがないため、反りを防ぐためにウレタン塗装にする必要があったということだと思われます。ともあれ、キズや汚れに対する安心感も増し、ユーザーとしてもメリットが多いのではないでしょうか。

天板の奥行は40cmと60cmの2サイズ。見た目重視なら40cm、それよりもお子さんに広々使ってもらいたいなら60cmを選んでいただくと良いでしょう。

 

「ペルケチェア」にWT色追加

2025年度は「ダック」の回転チェアが廃番になった一方、「ペルケチェア」にWN色が追加されています。私の知る限り、WN色のチェアが堀田木工所のカタログに掲載されたのは初めてのことです。それほどWN色のデスクが売れているということと推察されます。従来からメインだったダックチェアではなく、2022年度に発売されたペルケがその対象になったことも興味深いところです。

ペルケチェアは税込29,700円(堀田木工所直営楽天市場店の場合・以下同)と決して安くありませんが、コイズミファニテックの「レイクウッドチェア」が直営ショップで24,800円ということを考えるとむしろ割安と言えるでしょう。ペルケチェアは国産、完成品ですからね。4本脚なのでデスクカーペットなどを敷かない場合にオススメです。

 

ベッド「ノーヴァ2CT」

ベッドの「ノーヴァ」は「ノーヴァ2」にリニューアルされ、上写真のヘッドボードがキャビネットタイプの「ノーヴァ2CT」が新たに加わりました。

こちらは税込68,200円ですが、国産でアルダー無垢を使っているということを考えると、むしろ安すぎるくらいと言えます。フランスベッドなどの大手ベッドメーカーが扱ったら軽く10万円は超えます。

ちなみに、マットレスの下はスノコなんですが、一般的なベッドならポプラの積層合板を使います。しかし、ノーヴァはアルダー集成材なんですよ。天板などには使えない節あり材などを使っているとは言え、贅沢すぎます。そこも考慮するとなおさら、6万円台というのは破格です。

 

2025年度は値上げなし

堀田木工所では先に10月1日からノーヴァシリーズの価格改定を告知していました。「すわ、学習机もか!?」と不安に思っていたのですが、フタを開けてみれば学習家具の値上げは一切ありませんでした。

目下、円安は一服して、1ドル=160円台から140円台に高くなっています。このまま円高をうかがう動きが強まってくれれば、メーカーも消費者も一安心なのですが、さてどうなることでしょう。

 

というわけで、2025年度の堀田木工所は学習机の新作がなかったことが残念でしたが、何だかんだ言って上手く立ち回っているなーと感心します。昨今のライフスタイルの変化に合わせてディアスを投入、リベルテを拡充するとともに、ペルケチェアにWT色を追加するというのは理に適っていると思います。

また、値上げラッシュの各社を尻目に手頃な価格帯を意識しているのが強みです。たとえば「OED」のラインナップを見てください。コイズミファニテックのステップアップデスクMみたいなデスクとラックのセットが税込49,800円で買えます。「さすがに引出しが1杯もないのは厳しいなー」と思ったらプラス1万円でセットできます。こういう視点がないのが今の学習机市場であり、逆に堀田木工所の強みとなっています。

ともあれ、こんな値段で売ってたら、消費者はうれしくてもメーカーは大変でしょうねー。円高がどんどん進んでくれることを祈るばかりです。

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この記事を書いた人
収納マン(芝谷 浩)

家具メーカーを退職後、2002年に収納スタイルコーディネーターとして独立。多くのご家庭の片づけの悩みを解決してきました。TVチャンピオン「収納ダメ主婦しつけ王」選手権で優勝するなどメディア出演多数。
長女が小学校に入学するのを機に学習机を購入してブログで報告したところ、学習机について相談が殺到。以後、「学習机評論家」としてメーカーの展示会や販売店に足を運ぶなどして日々情報収集に努めています。詳しいプロフィールはこちら

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