小島工芸は創業130年を迎える国産書斎家具メーカー(一部は中国製)。本社は東京都江戸川区で規模が小さいためか書棚以外は首都圏以外ではあまりお目に掛かることがありません。
小島工芸の学習机は「国産だから作りが丁寧でオススメ!」と言いたいところですが、残念ながらそういう感じではないというのが率直なところです。「国産だから安心」と言うことはできますが、値段の割りには品質があまり良くないというか、「売れそうな価格帯を考えて学習机を国内工場で作ったらこういう仕様が限界です」という声が聞こえてきそうな感じです。個人的には決して嫌いなメーカーではないので、頑張って欲しいところなのですが・・・。
90cm幅のコンパクトな学習机が人気
小島工芸は昔から幅90cmのコンパクトな学習机が人気です。幅90cmと言ったら、小島工芸かヒカリサンデスクというのが業界のひとつのセオリーになっています。
そんなわけで小島工芸としては何とかコンパクトな学習机を持ち味として生き残りをかけてきたんだと思いますが、2015年度はとうとう学習机が上写真のBrick(ブリック)とNew Kojima90だけになってしまいました。大阪では高島屋でも扱われなくなり、あとはマルチベッド(学習机付きベッド)で生き残りを図ろうという感じです。厳しい市場ですが、やっぱり市場は正直です。
ネット販売などにも力を入れている小島工芸
一般的に家具メーカーはインターネットでの販売や広報には非常に保守的です。もともとローテク産業ですけど、老害の多い産業と言ったほうが正確かもしれません。ネットでの販売では配送時のクレームが気になるということもありますが、やはり既存の得意先への配慮ということが一番大きいでしょう。ネットで販売されたら価格競争になり、古くからの得意先に文句を言われてしまいますから。それはともかくとしてももっとネットを活用できる余地はあるはずなんですけどね。
ところが小島工芸の場合はそんなことを言っている場合ではない。既存の販売チャネルが先細る中、タブーを冒してでも販売ボリュームを維持していかなくてはならないわけです。もっとも、他のメーカーも似たりよったりで、小島工芸だけがそういう状況にあるというわけではないのですが、とにかく小島工芸はタブーに挑戦している姿勢を感じます。そのひとつがYouTube動画の活用でしょうか。
他のメーカーも一部やっていることですが、こういう風に動画を活用すれば、ネットで学習机を買うとしてもちょっと安心ですよね。
ただ、大変面白い試みだと思うし、これからもどんどん取り組んでもらいたいことなんですが、説明の仕方がハッキリ言って下手すぎ(苦笑)こういう説明をする店員って、どこのお店でもいますよね~。一生懸命に製品の説明をしちゃってる。そうじゃなくて、「この商品を購入するとこういう良いことがありますよ」っていう、顧客にとってのベネフィットを話しかけないと意味がないです。たとえば「マルチカラーを採用していることにより小島工芸の他のシリーズに合わせやすい」なんて多くの人にとってどうでも良い話で、こういう場合は「オシャレなデザイン。しかも他の家具に合わせやすい色使い」という具合に紹介しないとダメです。ジャパネットたかたの高田社長をもっと見習わなければなりません。
あと、動画の中で見せないといけないのは、表に見えていない部分だと思います。学習机の場合は引出の中や本体大引出の底面など。パッと見て見えている部分をいじくる時間は必要ありません。
でもまあ、こういう試みは小島工芸の将来に可能性を感じさせます。今のところは「おしい!」と言うよりはまだまだ改善の余地が大きいですが、意外と数年後には小島工芸が業界のタブーを打ち破って新しい世界を切り開いているかもしれません。
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