私が家具業界に足を突っ込んでから早いもので四半世紀が経ちます。少なくとも当時からコイズミは学習机市場をけん引するリーディングカンパニーで、各社がその動向を注視していました。
もちろん、それは今も変わっていません。しかし、2027年度は既にいくつかのメーカーがカタログを発行しているにもかかわらず、コイズミの情報がなかなか入ってこず、少なくとも私はヤキモキしておりました。
ところが先日、不意にデジタルカタログが公開されたのです。世間がPHP騒動でホームページなどを停止している中、なんと意外なタイミングでしょう!
2027年度のコイズミ学習机は既に値上げが発表されており、廃番がいくつも出ることが予想されていました。だからこそ、ネガティブな話題だけでは終わらないだろうという期待も膨らみます。
そんなわけで、期待と不安を抱えながら2027年度のコイズミの動向を見て参りたいと思います。
※この記事は2026年10月28日時点の情報に基づいています
コイズミファニテック→小泉産業に

まず最初に、会社自体の変化に言及しておかなくてはなりません。2026年10月1日を以って、コイズミファニテックは消滅し、持ち株会社である小泉産業に吸収合併されました。上のグループ組織図の通り、コイズミ照明などと肩を並べるかたちで独立した存在だったのが、実家に出戻ったかたちです。
ちょっと衝撃的なことなのですが、個人的にはあまり違和感はありません。なぜなら、私が家具メーカーに勤めていた当時はまだコイズミファニテックが分社化(2006年)する前で、学習机を製造販売しているのは小泉産業だったからです。都合、20年で元に戻っただけとも言えます。
ちなみに当時、イトーキの学習机はイトーキクレビオ(2003年にイトーキ本体に吸収合併)、カリモクはカリモク家具販売(2010年に刈谷木材工業と合併してカリモク家具)が販売していました。学習机市場から撤退したり廃業したメーカーもいくつかあり、これも時代の流れだろうと思います。
CDシリーズがビッグマイナーチェンジ
ワゴンは2種類から選択可能
さて本題です。2027年度のコイズミの学習机ラインナップでもっとも大きな変化と言えるのは、カラーデスクの「CD」シリーズのビッグマイナーチェンジでしょう。パッと見た感じは変わりませんが、いくつかの変更が見られます。
そのひとつが、ワゴンが別売となり、リフティング式のワゴンと固定天板のスリムワゴンの2つから選べるようになったということです。もちろん、デスクに合わせてカラーを選ぶことができます(全7色)。
2025年度にCDコンパクトのワゴンが固定天板に変更された際に、デスクランド(大阪府豊中市)の社長にその是非を問うたところ、「ワゴンが選べたほうが良い」という意見を賜りましたが、まさしくそれが実現した格好です。ちなみに、CDシリーズのワゴン別売という手法は2024年度からナフコ21スタイルで採用されています。今回のリニューアルは販売現場の声を踏まえた結果と言えるでしょう。
リフティングワゴンならデスク天板を拡張できるというメリットがあります。スリムワゴンなら予算を抑えるとともに、足元を広く確保すすることができ、チェアの選択肢も広がります。どちらを選ぶかとても悩ましいですが、親子で選ぶ楽しみがますます増えますね。
CDミニマルが登場
2026年度を最後に廃番になると思われていた「ミニマル」ですが、CDシリーズのスリムタイプというポジションで「CDミニマル」として販売されることになりました。これには思わず膝を打ちましたよ。
ミニマルをCDシリーズに組み込むことにより、CDシリーズのラインナップが厚みを増します。また、デスク本体やワゴンを共通化できて合理的です。従来のミニマルよりもデスクの幅はコンパクトになりますが(幅100cm→95cm)、一方で奥行拡張天板で53.5cmから60.5cmに切り替えることができるうえ、商品名の由来となったミニマム(最小限)をより体現することができたと思います。
もちろん、ミニマムの特徴のひとつであった上棚が伸縮するギミックは健在。カラーバリエーションは従来の2色から一気に7色に増えています。
ちなみに、おそらくCDミニマルが加わったことで、CDシリーズのデスク奥行拡張天板は従来の8cmから7cmに変わっています。ミニマルのシェルフの幅を広げるのではなく、シリーズ全体でデスクの奥行を浅くした格好です。
デスクライトも2種類から
2027年度のCDシリーズはデスクライトを2つから選ぶことができるようにもなりました。これまではツインライトを選びたければCDファーストを買うしかなかったところが、CDコンパクトでもOKになったのです。同様にCDミニマルも「ECL-111/112」と「ECL-611/612」の2つから選ぶことができます。
デスクライトを別売にするという方法もあったと思いますが、取付方法を考えればこれが正解なのかなと思います。
ガジェットボックスが付属

2027年度のCDシリーズにはもうひとつ変化があります。タブレットスタンドやペン立てとして使える「ガジェットボックス」が付属しました。
ちなみに、2022年度から続いたタブレット収納棚板は廃止となっています。ぶっちゃけ、子供にとっては位置が高すぎて使いにくいタブレット収納棚板よりもガジェットボックスのほうが格段に良いと思います。
価格は20%前後アップ
| CDファースト | CDコンパクト | CDミニマル | |
|---|---|---|---|
| 2026年度 | 145,200円 | 118,800円 | 133,100円 |
| 2027年度 | 171,600円 | 145,200円 | 143,000円 |
| 値上げ率 | 18.2% | 22.2% | 7.4% |
CDシリーズとCDコンパクトはワゴンが別売となったことで、従来と同等の組み合わせにすれば割高になることは必至です。実質的にどれだけ値上げされたかを上表にまとめてみました。
CDファースト、CDコンパクトともに、20%前後の値上がりです。消費者としては痛いところですが、個人的には影響は少ないのではないかと見ています。
その理由は2つあります。ひとつめは、ワゴンをセットした「当店オリジナルセット」が簡単に作れるからです。ナフコ21スタイルでもワゴンセットがキャンペーン価格で大幅に値引きされる機会があったことは記憶に新しいところです。もっとも、2026年度までの価格を継続というわけにはいかないでしょうけどね。
もうひとつの理由は、CDファーストのデスクライトをストレートライト、ワゴンをスリムにした場合、合計税込158,400円となり、価格の上昇を約9%に抑えることができるからです。CDコンパクトにワゴンをセットしなければ、ストレートライトのセットで同112,200円となり、2026年度モデルよりも約5.9%安く上がります。ダウングレードしているのだから当然と言われれまそれまでですけど、大きく崩れることはないと思います。何より、消費者が自分で選ぶことができるというのは強いです。
それにしても、こうしてセット価格を比較してみると、CDミニマルはCDコンパクトと比較して2千円ちょっとしか安くならないのですね。そう考えると、CDミニマルはちょっと厳しいかもしれません。
廃番がいっぱい!
| 品群 | 商品名 |
|---|---|
| デスク | ファリス |
| ルトラ | |
| ブロスト | |
| ウォルビー | |
| ネスティス | |
| ムップ | |
| 組み替え式デスク | WDスペシャル |
| (旧)ミニマル | |
| リシェット | |
| チェア(足置き付き) | 4ステップチェア(板座) |
| 4ステップチェア(ラブリー) | |
| ルトラチェア | |
| スツール(コーディネート) | |
| ベストフィットチェア(ファブリック) | |
| ラブリーチェア | |
| ブロストチェア | |
| チェア(足置き無し) | カデット |
| ラファン | |
| スピネア | |
| ヌーボー | |
| トーナルA1 | |
| トーナルA2 | |
| スツール(アルテージ) | |
| システムベッド | ペグ |
| ミニデスクマット | 各種 |
| デスクカーペット | 各種 |
2027年度のコイズミ学習机の新たな動きはCDシリーズだけで、ほかに新商品は見当たりません。一方で、上表の通り大量の商品がカタログから消えました。都合、デスクは17台から9台に一気に減った格好です(システムベッドデスクは除く)。
ちなみに、販売を終了すると思われていた「ハイブリッドチェア ファブリックタイプ(ミドルバック)」はカラーバリエーションを変更して継続となっています。電動昇降デスク用と背座を共通化するという目論見があったものと考えられます。
WDスペシャルはカタログ外で継続?
ここ数年、コイズミのハイエンドモデルであった「WDスペシャル」がカタログから消えたことは衝撃でした。しかし、これはどうもカタログ外モデルとして販売を継続するようです。小泉成器が運営しているコイズミオンラインショップでも”2月中旬入荷予定”となっています。
カタログに掲載するかしないかなんて些細なことのように思われるかもしれませんが、メーカーとしては非常に大きな問題です。カタログに掲載していると、ふだん取引の少ない問屋から急に注文が入ることがあるからです。そういうところに限って、在庫切れが発注すると、ギャーギャーうるさいんですよね(苦笑)結果として営業マンが走り回る羽目になります。
それはさておき、アイルインテリアエクセル楽天市場店の場合、WDスペシャルの売価は税込169,800円。一方で、2027年度版CDファーストのツインライト+リフティングワゴンのセットは同129,800円。4万円、約30%も違うとなれば決して小さくありませんが、検討の余地がまったくないという感じでもないと思います。
ちなみに、同店で「ビーノ」の105デスク+リフティングワゴン+エクステンションシェルフ+ツインライト(ECL-546)をセットで購入すると、同197,200円です。それと比較してもやはりWDスペシャルの存在意義は少なくないと思います。
という感じで、コイズミの2027年度デスクのラインナップを前年度と比較するかたちで紹介しました。
ラインナップが半減と言って差し支えないほどに減ってしまったわけですが、会社組織自体が大きく変わった、もっと言えばそうせざるを得ない状況だったわけですから致し方ないと思います。過去にコイズミはシーズン途中に新商品を投入することが何度もあったので、2027年度もそれを期待しましょう。
そして何より新しいCDシリーズに期待です。カラーだけでなくデスクライトもワゴンも本棚の大きさも選べるようになって、親子で選ぶ楽しさが格段にアップしました。販売店としてもどのようにしてその魅力を伝えるか、腕の見せ所でしょう。
一方で、消費者としては選び甲斐がありすぎてめちゃぐちゃ悩ましいですよね。私も読者の皆様のお役に立てるように、なるべく早く比較記事を書きたいと思っております。
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