近年は一昔前と比べると組み替え式デスクの需要は落ちてきていると感じます。シンプルなデスクを希望する方が増えているだけでなく、値上げの影響でオールインワンタイプの組み替え式デスクは予算が上がりがちだからです。
とは言え、組み替え式デスクはまだまだ学習机市場で主力です。どうせなら最高のものを買い求めたいと考えている方はコイズミファニテックの「WDスペシャル」を最有力候補にしていることでしょう。しかし、それ1点で決めてしまうというのもどうかということで、イトーキの「リーモ・フリーワン上棚ハイタイプ」を検討することもあるかもしれません。
というわけで、今回はそれらについて比較してみたいと思います。
※この記事は2019年12月18日時点の情報に基づいています(2023年12月10日一部更新)
イトーキ・リーモ上棚ハイタイプ
価格 | 税込149,900円 | |
---|---|---|
サイズ | デスク | W1000×D520~650×H760mm |
本棚 | W1000×D230×H1611mm | |
ワゴン | 不明 | |
天板材質 | アルダー無垢 | |
カラー(品番) | ティーブラウン色(NAH-H31Z) |
コイズミファニテック・WDスペシャル
価格 | 税込159,000円~ | |
---|---|---|
サイズ | デスク | W1000×D536~616×H760mm |
本棚 | W1000×D229×H1621mm | |
ワゴン | W413×D438×H615~760mm | |
天板材質 | ナラ突板 | |
カラー(品番) | NS色(WDS-839NS) WT色(WDS-840WT) |
スペックや機能の比較
デザイン&材質
リーモはアルダー無垢(ハギ、集成材)で直線的なデザイン、WDスペシャルはナラ突板で角に丸みのあるデザインとなっています。まれに「無垢のほうが高級」などと言う人もいますが、樹種が違うので一概に良し悪しは言えません。基本的には好みによると思います。
デスク天板奥行
両者のサイズはほとんど変わりませんが、リーモはデスク奥行を520mmから650mmに+130mm拡張できるのに対し、WDスペシャルは536mmから616mmに+80mmしか拡張できないというところが意外な盲点です。本棚の前にデスクを置くスタイル以外のときにデスク天板奥行を広々と使いたい方にはリーモがオススメ。
ワゴン奥行
リーモのワゴンはA3用紙が収まる奥行ですが、WDスペシャルは全段フルスライドレール採用のため引出しの奥行がリーモよりちょっと短くなっています。もっとも、「A3用紙を収める必要があるのか?」と聞かれたら何とも言えないところですけどね(苦笑)
スライドレール
リーモはワゴン引出しの奥行を優先するため、1段目と2段目はフルスライドレールになっていません。一方のWDスペシャルは全段フルスライドレール。引出しの奥まで引き出せるのはもちろん、理論上は上から力を加えても変形しにくいのがメリットです。
引出しの仕切り
リーモはデスク本体引出しに専用お片付けトレーが付いています。これは仕切り板が比較的自由に動かせるので便利。収納のプロとしてもオススメできます。また、ワゴン最下段はフリーボックス型と言って、仕切り板の向きを変えることができます。これはニーズ次第といったところでしょうか。
デスク横フック
現行版のリーモはショボい樹脂製フックのみです。WDスペシャルは丈夫な大型のランドセルハンガーが付いており、ランドセルを掛けやすいのがメリット。スイング式のカバンフックも付いています。
LEDデスクライト
リーモの上棚ハイタイプのデスクライトはもともと調色機能が付いていたのですが、いつの間にやら調色機能が省かれています。
一方のWDスペシャルは調色機能付きのツインライトで、操作部が前面にあり子供でも扱いやすいです。LEDデスクライトに関してはWDスペシャルの圧勝と言えるでしょう。
コンセント
リーモのコンセントボックスは正面からプラグを抜き差ししやすい構造。対してWDスペシャルはプラグが手前に出っ張らないというメリットはあるものの、プラグを側方から抜き差しするのはちょっとやりにくいように思います。
鍵
リーモはワゴン最上段の引出しに鍵が付いています。一方、WDスペシャルはデスク本体の右引出し。もちろん、どちらが良いという話ではありません。
椅子
デスクが決まってから椅子を選ぼうとすると、いったん決まったはずのデスクが別のメーカーに変更になることがあります。イトーキの木製学習椅子は足置きが大きいものがあるものの、基本的にキャスターは前後方向にしか動かせません。一輪キャスターなので、床にキズが付く可能性も高いです。
一方のコイズミファニテックは前後左右自在に動くキャスターで、カラーバリエーションなども豊富です。なお、いずれも木製椅子以外をセットすることももちろん可能です。
以上の通り、リーモ上棚ハイタイプとWDスペシャルはいずれも甲乙つけがたいところ…と言いたいところですが、残念ながら現行仕様ではWDスペシャルの圧勝でしょうね。
楽天市場で購入する場合、クーポンなどを考慮すれば価格はWDスペシャルのほうが安いことが多いと思います。また、WDスペシャルのほうがデスクライトがハイスペックで、ランドセルハンガーとカバンフックも付いています。
リーモを明確に評価できる点は、専用お片づけトレーくらいでしょう。この価格帯でショボい樹脂製フックはいかにも残念です。なお、リーモの書棚ロータイプは既に販売を終了したようですし、ハイタイプも在庫限りの様相です。既に決着がついてしまったと言って差し支えないでしょう。
なお、WDスペシャルはちょっと予算オーバーという場合は「OD1-woody」もご検討ください。
コメント 皆様からご質問・ご意見など
上の子が昨年から小学生となり、学習机を…とこちらのサイトにたどり着き、勉強させて頂いています。
来年度、下の子が小学生に上がるのを機に学習机を2台同時購入を、とあれこれ悩んでいるところです。
当初は、ビーノ を購入するつもりでいたのですが、最近、上棚と天板昇降ワゴンの記事に共感しまして、組み替えデスクに傾いております。
ちょうど年末まで、インターネットでリーモを購入するとチェアプレゼントと言う特典もあり、リーモにしようと思っていたのですが、こちらの記事でライトの機能が変更されていることを知り、WDに傾いています。
ただ、いろいろな記事を読みすぎて(笑)、果たしてハイタイプまでうちでは必要なのか?また悩んでしまいました。
もともと、上棚と天板昇降ワゴンの選択肢から手頃な値段で買えるものを調べていくと、このハイタイプの二択になりました。決して高い上棚が欲しかった訳では無いので、余計にこの選択肢に迷いが出ているのかもしれません。
そんな中、以前どなたかのコメント欄でナフコのNODF-941BRを目にしました。
ミドルタイプの上棚に天板昇降ワゴン。こんなのいいなーと思うのですが、近くで実際に見ることが出来るお店がありませんでした。
WDとナフコのデスク、どのくらいの違いがあるのでしょうか?
それとも他にお勧めのデスクなどありますか?
希望としては、
・ミドル〜ハイタイプの上棚
・天板昇降ワゴン
・デスクサイズ
奥行き60・幅100位
(拡張出来るタイプでもOK)
と考えています。
なんだかまとまりのない文章ですいません。
あおぞらさま
はじめまして^^
なるほどー。ビーノからリーモ(ハイタイプ)、WDスペシャル、そしてナフコのNODF-941BRが候補に上がるに至った経緯がよく分かりました。
木質感のあるデザインで機能性重視、しかし組み替え式デスクの上棚ハイタイプはちょっと当初のイメージと違い過ぎないか!?…という感じでしょうか。
結論から申しますと、たぶんもっともあおぞらさんのニーズに合っているのはナフコのNODF-941BRだと思います。
それよりも収納力があったほうが良いということであればWDスペシャルやOD1-woodyのODS-591でしょうけど、ロー棚もしくはミドル棚でリフティングワゴンを備えた組み替え式デスクというのは他にほとんど選択肢がありません。
くろがね工作所の「ザ・デスク」というのもありますが、品質管理やスペック面で見るとナフコのNODF-941BRのほうが良いと思います。
また、堀田木工所の「ウィンディ」など自然塗装のデスクも含めれば選択肢は増えますが、どうしてもキズや汚れの心配があります。
浜本工芸ならリフティングワゴンをセット可能ですが、予算は相当にアップしてしまいます。
ナフコのNODF-941BRはネットでも購入可能なようですが、「一部地域限定」と書かれているのが気になるところです。
まずこの点については配送可能な地域かどうかショップにお問い合わせください。
ナフコのNODF-941BRについてはWDスペシャルとの違いを説明するより、お近くの家具販売店でOD1-woodyを探してもらったほうが早いと思います。
OD1-woodyとはワゴン天板とデスクライトが違うだけです。
【参考】コイズミの裏定番「OD1-WOODY」はCDファーストよりお買い得!
上の記事にも書いてある通り、OD1-woodyはルームズ大正堂、島忠ホームズ、ルームデコかねたや、東京インテリア家具、近新、ファニチャードームなど、比較的大きな家具販売店で扱っています。
しかし、大阪のデスクランドのように1店舗でも扱っている場合もあるので、おそらくはコイズミファニテックの学習机の販売実績が相当あるところなら取り扱っている可能性があるのでしょう。
ちなみに、WDスペシャルとの違いはやっぱり木目です。
WDスペシャルの天板はナラ突板、OD1-woodyやナフコ版の場合はラバーウッド無垢ですから、一般的にはナラ突板のほうが美しく感じられると思います。
ただ、昔のようにラバーウッドだからと言ってツヤツヤテカテカな感じではないので、個人的には全然OKな感じです。
以上、ご参考になれば幸いです^^
明けましておめでとうございます。
年末につらつら長文を送ってしまい申し訳ありません。
じっくり拝見して、すごくスッキリしました。
確かにNODF-941BRが希望にマッチしているのだろう…と。
そんな折、ナフコのHPを見ましたら、なんと近所のナフコに新年から展示される事が判明!
早速注文する気満々で行ったのですが、いざ実物を見ると「おや?」
なんだかイメージと違くて(笑)
木目が好みと違かったのです…。
やむなくいつも見に行く家具屋さんでもう一度いろいろな机を見た結果、家族全員がWDの木目が気にいるという結果に(笑)
ただ、やっぱりもう少しコンパクトが良くて、ビーノ に戻りそうです…。
家の床も実はナラ材なので、ナラの木の木目が好きなのかもしれません。
まさか最初に逆戻りしてしまうとは…でも、どんなに希望する機能が詰まっていても、やっぱり見た目や質感は何にも変えられないものなのかなぁと感じました。
もう少し、ナラ材デスクを吟味して検討したいと思います。
あおぞらさま
ナラやオークの木目は日本人にとって馴染み深いもので、逆にラバーウッドは安物家具のイメージが強いですからね。
そんな中にあってOD1-woodyやナフコのNODF-941BRはまだマシな感じではあるのですが、あおぞらさんのお眼鏡には適いませんでしたかー^^;
一昔前は猫も杓子もナラやオークという時代もありましたけど、近年は原料コストの高騰でナラやオークの学習机は少なくなってきています。
また、ベーシックなデザインよりもブルックリンスタイルのイトーキ「ウットフォーク」のようなデザインが増えています。
ナフコ版ブロストの「NORD-630VB」もそうですね。
なので、無難なところで言えば、やっぱりWDスペシャルかビーノでしょうか。
ビーノでも書棚を組み合わせれば収納力の心配はないと思います^^