このところ立て続けに学習椅子に関するご質問をいただいております。また、その中で一生紀(いっせいき)の「フィオーレ」デスクチェアを候補に挙げておられる方が多数いらっしゃいます。
たった数年前まではリビングダイニング学習用として市場の「イートコ」の人気が高かったのですが、事実上の改悪により人気の座を後発のフィオーレに奪われてしまったように思います。
フィオーレが売れている理由はリビングダイニングに置いても違和感のないデザインはもちろん、1万円台からで買えるというコスパの良さでしょう。ところが、今年の春頃からさらにコスパの良い組立式が登場していたのですねー。
※この記事は 2018年12月8日時点の情報に基づいています(2023年12月5日一部更新)
一生紀・フィオーレ(組立式)
組立式のフィオーレの登場はご質問に回答する際に調べていて気付きました。
国産以外の学習机メーカーが販売している木製学習椅子は組立式であることが一般的です。一方で、一生紀のフィオーレは完成品だということが魅力のひとつでもありました。
なので、組立式のフィオーレも学習机メーカーの木製学習椅子と同じと言えば確かにその通りです。また、組立式にすることで物流コストが抑えられて安くなるわけですから、消費者にとって魅力的です。しかしながら、従来の完成品との価格差を考えると、私はあまりオススメできないと考えています。
フィオーレのラインナップ
荷姿 | 組立式 | 完成品 | ||
---|---|---|---|---|
材質 | ラバーウッド×アルダー | オーク | ウォルナット | |
カラー | 2色 | 5色 | 1色 | 1色 |
税込 価格 |
12,990円 |
15,990~ 16,990円 |
21,990円 |
23,990円 |
※価格は2018/12/08現在2023/12/05現在、DENZO楽天市場店の場合
カバー付きバージョンなどもありますが、それらは除外しています。フィオーレのラインナップは上表の通り、フレームがラバーウッドで背板がアルダーの組立品と完成品、それにオークとウォルナットの完成品の4つです。
塗装はウレタン、座面はPVC(塩ビレザー)のホワイト色、外寸は幅45×奥行46×高さ74cm、座面5段階&足置き4段階で3cmずつ高さ調整可能、生産国はベトナムというスペックは共通です。
つまり、価格の違いは組立品か完成品かのほか、材質のグレードによるものと言えます。
組立式はネジが見えるだけ?
組立品は言うまでもなく、購入者自身が組み立てる必要があります。また、背板の側面側と足元の貫桟(ぬきさん)の接合部にネジが見えます。
組み立ては面倒かもしれませんが、好きな人にとってはむしろ楽しい作業になるでしょう。また、ネジが見えると言っても、もともと座面や足置きの調節部分はネジ穴が多いですから、それほど目立つわけではありません。
おまけに、価格が完成品に比べて2,400円3,000円も安いというメリットがあります。上記のデメリットが気にならない方にはメリットしかないように思えることでしょう。
しかしながら、私はそうは思いません。それは、なぜカリモク家具や浜本工芸などの国産家具メーカーが完成品にこだわっているかを考えれば明らかです。もっと言えば、これまでなぜ一生紀が完成品のフィオーレしか用意していなかったか、ここはシッカリ意識する必要があると思います。
組立家具は家具を組み立て前の状態で出荷するのとは根本的に異なります。組立家具は素人でも組み立てられる構造で作られています。そのため、ネジが使われがちです。
ネジというのは便利ですが、建築用途で使われる特殊なものは除き、一般的に緩んでくるものです。緩むとガタつくので締め直せば良いわけですが、その前に雌ネジのほうが外れてしまうこともあります。
つまるところ、組立品よりも完成品のほうが丈夫と言えます。完成品を販売しているメーカーは物流コストが高くなることを覚悟したうえで、それよりも丈夫であることを良しとしているのです。組立品では完成品と同様の耐久性を持たせることは不可能なのです。
フィオーレの組立品と完成品の価格差はたった16%19%に過ぎません。おそらく、消費者が得られるメリットよりもメーカーが物流コストを削減できるメリットのほうが大きいと思います。言うまでもなく、組立品の販売は高騰している物流コストを抑えるための苦肉の策に他なりません。
もっと価格差が大きいなら組立品でも良いと思います。しかし、たった16%19%程度足すだけで耐久性の高い完成品が手に入ると考えれば、絶対にフィオーレは完成品のほうがオススメです。
コメント 皆様からご質問・ご意見など
5歳と1歳の息子に食事、学習を兼ねたダイニングチェアを検討しているのですが椅子を設置した時のテーブルと椅子の高さの関係がイメージできないでいます。
ダイニングテーブルは床から天板までの高さが62cmあり天板の厚みが6cmあります。
この様なケースの場合、フィホーレかコイズミ ファミトーンのどちらが適しておりますでしょうか?
子供用2脚と大人用1脚を購入予定です。
テーブルは母の思い入れがとても強く買い替えができないため、なんとか使いたいと考えております。
タコ太郎さま
はじめまして^^
学習を兼ねたダイニングチェアとして、一生紀のフィオーレかコイズミファニテックのファミトーンをご検討中ですね。
これは結論から申しますと、フィオーレではないかと思います。
その理由は2つありまして、どうもファミトーンは廃番になるのではないかと考えられます。
というより、コイズミファニテックがダイニング家具市場から撤退するというウワサもあるようです。
その真偽は定かではないとして、2つ目の理由はおそらく木部3色展開のフィオーレのほうがテーブルやダイニングルームに合わせやすいのではないかと思うからです。
ファミトーンも一応2色ありますけど、成型合板ですからね。
お使いのテーブルはたぶん歴史あるものだと思いますので、成型合板はちょっと合わないんじゃないでしょうか。
天板下の高さが62cmで天板厚が6cmでしたら天板高は68cmですから国産もしくは日本メーカーでしょう。
天板厚が6cmというとかなり厚いですから、反り止めを含めているのでなければ突板のテーブルとも考えられます。
そんなイメージをすると、ファミトーンも決してナシではないような気もしますが。
ちなみに、座面および肘置き状の脚部上部の高さはフィオーレが505mm、ファミトーンが490mmですので、ダイニングテーブル下に収めるにはまったく問題ありません^^
あとは、座り心地の好みもあるでしょうね。
ファミトーンは板座で座り心地は決して良くはないです。
座布団を敷いたほうが良いでしょう。
フィオーレはPVC張りなので板座よりは座り心地が良く、半面で耐久性は板座に劣るとも言えます。
収納マン様
丁寧な説明ありがとうございます。
フィホーレであれば取り扱い店舗が近所にもありそうなので現物を確認してから完成品を購入したいと思います。
とても助かりました。
タコ太郎さま
お近くに取扱店があれば安心ですね^^
椅子はやっぱり座ってみないと分かりませんから。
フィホーレを3月頃に長男(5歳)に1脚目を購入し、次男(1歳9ヶ月)も座りたがるので2脚目を6月に購入しました。
次男にはまだ早いですが大人が隣に座っている環境下では問題なく使えています。
メーカーにも問合せましたが実物の展示をしていない様です。
我が家はダイニングで学習しているので今、照明の見直しを検討しています。
タコ太郎さま
おひさしぶりです♪
フィオーレを購入されたのですね。
しかもご兄弟で2台お買い上げ!
ご満足いただけたようで良かったです~^^
そして今はダイニングの照明の見直しをされているんですね。
位置によっては手元が暗くなる場合がありますから、照明をズラすか、逆にテーブルや座る位置を変える必要があるかもしれませんね。
またお役に立てることがあればいつでもご相談ください♪
いま3歳半、90センチの娘のダイニング椅子を探しておりたどり着きました。
・フィオーレかエアリーデスクチェアが候補です。どちらの方がおすすめでしょうか。
・フィオーレを購入する場合、組み立てで良いかな…と思っていましたが、こちらのサイトを拝見すると完成品の方がいい気がしてきました。が、現在某サイトで組み立て品が1万円、完成品が1万3千円です。このくらいの金額差でも、完成品の方がいいでしょうか。
アドバイスいただければ幸いです。
みみんさま
はじめまして^^
一生紀のフィオーレかエアリーでご検討中ですね。
機能的にはフィオーレは座張り、エアリーは板座(+座布団)という点がもっとも大きな違いとなります。
これについては好みのところが大きいです。
エアリーの板座のほうが破れや汚れの心配がない、座布団なら破れても交換できるというメリットの半面、座布団はズレたり外れたりしやすいというデメリットもあります。
その点、フィオーレなら座面がズレることはなく、汚れや破れにもカバーリングで対応可能です。
総じて、座張りのフィオーレのほうが無難な印象ではありますね。
エアリーを選ぶ方はデザイン重視であることが多いのではないでしょうか。
フィオーレの完成品か組立品かという点については、記事にも書きました通り私は完成品をオススメするところです。
3割も差があると言えばその通りですけど、たった3千円の違いとも言えます。
この価格帯で完成品のキッズチェアなんて皆無です。
そういう面でもオススメですよー^^
大変わかりやすいアドバイスありがとうございました。
フィオーレを購入しようと思います。
もう一つご相談したいのですが…
再度価格を確認したところ、組み立て式が8000円、完成品が12600円、オークが12500円、ウォールナットが17500円でした。
最もお買得な組み立て式を買うか、オークかウォールナットを買うか迷っています。
今のところ、10歳くらいまではリビング学習で、その後も学習机を別に買って、フィオーレは使い続けたいと考えています。
収納マンさんならば、どれを購入されますか?
よろしくお願いします。
みみんさま
フィオーレを買うとしてどのタイプを選ぶか、ですか。
一般的にはお部屋やほかの家具とのコーディネートを第一に考えると思います。
ですが、ISSEIKI FURNITURE SHOP楽天市場店では現在スーパーセール中でオークが異常に安くなってしまっているため、悩みの種が増えてしまったわけですね^^;
通常時はオークとウォールナットはともに2万円弱です。
組立品と完成品はラバーウッド(ゴムの木)無垢のフレームにアルダー突板の背板、オークはオーク無垢のフレームにオーク突板の背板です。
コストで言えばオークのほうが高くて当然ですから、スーパーセール期間中はオークを選んだほうがお得でしょう。
ただし、オークの木目がキレイだとは限りません。
また、木目が濃い木よりも木目が薄いものを好む方もいます。
一般論としては木目がよく見える家具ほど高級ですが、今はもうそういう価値観がすべての時代ではありませんからねー。
ダーク系の色がお好みなら、完成品のミディアムブラウン、ブラック、もしくはウォールナットでしょう。
あとは何かちょっと変えてみたいということで完成品のツートン、ホワイトインテリアに合わせて完成品のホワイトという選択肢もあるでしょうけど、それを選ぶ方なら私に聞かずとも最初からそれを選んでいるでしょうね^^;
ちなみに蛇足ですが、私ならいくら安くても組立品は買わないです。
返信ありがとうございます。
アドバイスを受けて…ほぼウォールナットに気持ちが固まりました。
オークが安くなってるのが魅力なのですが、納期が9月下旬なことと、他の家具がブラウンが多いのでウォールナットがいいかなと。
こちらこそ蛇足な質問ですが、いくら安くても組立品は買わないというのは、やっぱりガタついたりするからでしょうか。販売店に組立品と完成品の違いを問い合わせたところ、ちゃんと組み立てれば通常品と遜色なく、完成品も木なのである程度ガタツキは出るので都度微調整することになるのでそんなに違いはないです、と説明されたのですが…
みみんさま
私は貧乏性なのでついつい安いほうを買ってしまいがちですが、ほかの家具もブラウン系ならウォールナットをチョイスするのが理想的でしょうね^^
> 販売店に組立品と完成品の違いを問い合わせたところ、ちゃんと組み立てれば通常品と遜色なく…
まあこれは、家具を作った経験のある人じゃないと分からないのかもしれませんねー。
一生紀は日本で企画して海外の工場に作らせるだけですから、要は家具というものが全然分かっていないんだと思います。
工場で仕事をしたことがある人間なら、組立品と完成品が同じなんて絶対に言いません。
もし本当に同じなら、今ごろカリモク家具も浜本工芸も全部組立品として出荷してますよね(苦笑)
ともあれ、価格が少しでも安いことは消費者にとって魅力的です。
椅子なんて所詮は消耗品ですから、そこにコストを掛けるよりも、近い将来に購入するであろう机のほうにコストを掛けるというのもひとつの方法だと思いますよ^^
収納マンさま、回答ありがとうございます。
バタバタしていて返信が遅くなり申し訳ありません。
結局、こちらのサイトを参考にしたのと、見た目(ネジが見えない)から、ウォールナットを購入しました。
長く愛用できるといいなと思います。
この度はアドバイスありがとうございました。学習机のページも興味深く読ませていただきました。
また数年先ですが、学習机の購入に迷ったらお邪魔させていただきます^_^
みみんさま
それは良かったです^^
また学習机を選ぶときもお役に立てれば幸いです。
それまでもまた時々覗いてみてください♪