浜本工芸の学習机がまた値上げ!?この10年でどんだけか調べてみた

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値上げ・イメージ

先日、2025年度の学習机メーカーおよび販売店のカタログ発行時期などについてお知らせしました。その中で私は、「今のところ2025年度に値上げするところは聞いていないし、できるような状況ではない」という趣旨の発言をしました。

2024年度総括と2025年度の学習机メーカー&販売店の年間予定
2024年度の学習机市場の総括と2025年度の学習机メーカー&販売店の年間予定。今のところ、値上げの予定は聞き及んでいません。メーカーの新作展示会やカタログ発行は7月以降、店頭展示は早くて8月ないし9月からですが、西日本では12月以降となることも多いでしょう。

ところがです。なんと浜本工芸が2024年7月1日から価格改定をおこなうというではありませんか!

※この記事は2024年4月10日時点の情報に基づいています

 

浜本工芸の学習机が7/1に価格改定予定

価格改定のお知らせ
2024年7月1日ご注文分より、一部の製品で価格改定を実施予定です。
ご購入をご検討中の方はお早めにお買い求めください。

浜本工芸のホームページを見ると、上記の通り案内されています。これは学習机に限らず、ほかのリビングダイニング家具も同様です。

あくまで価格改定ということですから、値上げとは限りません。実際、一生紀(いっせいき)が2023年7月1日に価格改定をおこなった際はほぼ値下げということもありました。

一生紀も7月から学習机を価格改定!また値上げかと思いきやまさかの値下げ?
一生紀の学習机が2023年7月1日に価格改定されました。しかし値上げではなくほとんどが値下げです。改めて調べてみると、一生紀はこの5年ほどでほとんど値上げしていないことが分かりました。ウレタン塗装のデスクもあるのでコスパが良いと思います。

しかしながら、一生紀と浜本工芸では立ち位置が異なります。一生紀の価格帯なら、値下げすることで販売台数を増やすこともできるでしょう。一方で、浜本工芸が少し価格を下げたところで、買える人は限られます。よって、ここは価格改定=値上げと素直に読み解くのが正解でしょう。

 

この10年の値上げ幅を調べてみた

浜本工芸・No.09デスク

年度 2024 ←値上げ率← 2015
品番 No.09 No.07
110デスク 106,000円 25.4% 84,500円
昇降袖A 61,000円 20.1% 50,800円
バックパネル60 33,000円 26.9% 26,000円
3点合計 200,000円 24.0% 161,300円

※すべて税別のカタログ表示価格(以下同)

我が家が2011年度に浜本工芸の「No.02デスク」を買ったときは3点セット(110デスク+移動袖A+バックパネル110)で税別118,500円でした。当時、もっとも安価なナラ突板天板のモデルです。

それと比べると現在の「No.09デスク」はハイスペックで当然高価なわけですが、この10年で約24%も値上がりしています。2019年10月から消費税率が8%から10%に2ポイントも上がっており、さらに負担感は増しているはずです。おまけに、近年は配送料が別途かかることも増えていますからね。一方で、店舗での値引き率はここ数年で下がっていると思います。

ともあれ、ここから仮に10%値上げとなれば、20万円が22万円ですかー。ご検討中の方は早く買いに行ってください。

カリモク家具・ボナシェルタ

年度 2024 ←値上げ率← 2015
110×60デスク 96,000円 46.6% 65,500円
ワゴンST0057 66,500円 53.2% 43,400円
ブックスタンド 38,500円 36.0% 28,300円
3点合計 201,000円 46.5% 137,200円

浜本工芸のNo.09デスクはこの10年で約24%上がったわけですが、では他社はどうでしょうか。競合となるカリモク家具の「ボナシェルタ」はなんと約47%も値上げされています。

天板がオーク突板でデスク本体に引出しがなくてもこの価格です。ちなみに、No.09デスクの競合となる「ピュアナチュール」の3点セットは税別149,800円から同245,600円に約64%もアップしています。それに比べたら浜本工芸は引出しが2杯も多いのに安いですねー。

コイズミファニテック・ビーノ

年度 2024 ←値上げ率← 2015
105デスク 60,000円 42.5% 42,100円
リフティングワゴン 48,000円 37.5% 34,900円
本立て 20,000円 51.5% 13,200円
3点合計 128,000円 41.9% 90,200円

学習机メーカー最大手のコイズミファニテックも見てみましょう。上表の通り、「ビーノ」はこの10年で約42%も値上げされています。定価で見たら我が家が十数年前に購入した浜本工芸の学習机とほぼ同じ金額になっているのですね。

ともあれ、これを見る限りカリモク家具がボッタくっているわけではないことは明らかでしょう。もちろん、コイズミファニテックだって妥当な値上げ幅です。浜本工芸だけが不当廉売を続けていると言って差し支えないと思います。

消費者物価指数の変化

2023 ←増減← 2014
総合 105.6 +8.1 97.5
家具・家事用品 113.8 +17.7 96.1
一般家具 117 +25.2 91.8
学習用机 117.1 +25.6 91.5
ピアノ 111.1 +16.6 94.5
ルームエアコン 125.1 +31.2 93.9
自転車 116.7 +30.3 86.4
男子用学校制服 107.4 +18.2 89.2
女子用学校制服 108.8 +21.7 87.1
子供靴 107.1 +14.1 93
文房具 108.6 +20.0 88.6
教科書・学習参考教材 104.6 +8.7 95.9
月謝類 105.3 +15.3 90
保育所保育料 98.8 ー150.8 249.6
中学校授業料(私立) 102.5 +5.1 97.4
高等学校授業料(私立) 102.4 +5.8 96.6
大学授業料(国立) 98.4 ー6.3 104.7
大学授業料(私立) 100.2 +0.3 99.9
通信料(携帯電話) 50.7 ー220.3 271
携帯電話機 112.7 +22.7 90
トイレットペーパー 121.9 +36.6 85.3
宿泊料 134.3 +27.1 107.2

※すべて基準年は2020年(指数:100)

ともあれ、大手学習机メーカーだけ取り上げると、全体の状況を見誤りかねません。そこで、総務省統計局の「消費者物価指数」(2023年調査)を参照してみました。

これによると、学習用机は2014年から2023年にかけて25.6ポイント上昇しています。2020年を100としているので率で表すことはできませんが、2万円前後の安い学習机を買う人が増えてもそれくらい物価が上がっているわけです。また、少子化で学習机だけが値上がりしているわけではなく、一般家具も同程度の物価上昇となっていることが分かります。

ルームエアコンや自転車も物価上昇が大きいですねー。15万円くらいで買えたロードバイクが現在は20万円くらいになっているのですから、さもありなんという感じです。

制服や子供靴、文房具、教科書・学習参考教材、各種習い事の月謝類も上がっています。それを考えると、優先順位の低いものは出費を控えたり、予算を落とすのは当然でしょう。

一方で、物価が下がっているものもあります。保育所保育料はなんとマイナス150.8ポイント。自治体によって違うと思いますが、ウチが子供二人を保育園に預けた頃は夫婦の稼ぎの半分を持っていかれる感じでした。いま考えたら、どちらかが専業主婦(主夫)をやっていたほうが賢かったですね。近年の値上げラッシュ下での子育ても大変でしょうが、ロスジェネ世代も随分と苦労しましたよ。

それはさておき、ガースーが主導したおかげで(?)通信料(携帯電話)も大幅に下がっています。一方で、携帯電話機はコモディティー化したとは言え高機能化のほうが勝ったのでしょうか。一般家具や学習用机と同じくらい上がっています。

ほか、トイレットペーパーもかなり上がっています。原料費、輸送費、為替変動の影響をモロに受けている点は家具と同じです。宿泊料も上がっているので、子供を連れて旅行に行くとなるとかなり痛い出費になりますよね。

 

というわけで、これだけ様々なものが値上がりしているわけですから、学習机が値上がりするのも無理はありません。その点、浜本工芸はよく頑張っていると言えるでしょう。

一方で、賃上げの実感がない世帯では、これだけ様々なものが値上がりするなら自己防衛を強めるほかありません。不要不急の出費は控えたり、少しでも安く買えるタイミングを狙うのは当然だと思います。

私としては学習机は是非とも買っていただきたいと思っているので、予算内で良いものをできるだけお得に買っていただけるように、引き続き情報を発信して参る所存です。

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この記事を書いた人

学習机評論家。前職である家具メーカー勤務の経験をもとに、オススメの学習机を紹介しています。
日本で初めて一般家庭向け収納&インテリア・コーディネートサービスを始めて20年の収納&インテリアのプロでもあります。TVチャンピオン収納ダメ主婦しつけ王優勝。詳しいプロフィールはこちら

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