私が収納のプロとしてクライアント宅にお邪魔すると、「これはアクタスで買ったソファだから良いものです」とおっしゃるお客様が結構いらっしゃいました。アクタスと言えばオシャレ、アクタスの家具は品質が高いという風に、非常に高いブランドイメージがあるのですね。
そのため、「学習机もアクタスで」と考える方も多いです。いや、アクタスのファンならアクタス以外は考えられないでしょう。
というわけで、今回は改めてアクタスの学習机を紹介したいと思います。
※2024年8月16日更新
アクタスはコクヨ傘下のインテリアショップ
ACTUS(アクタス)は高価格帯の家具を中心に扱う家具・インテリアショップです。実はIKEA(イケア)が1974年に日本に上陸し、1986年に撤退したあとの会社が現在のアクタスとなっています。(より正確に言うと、アクタスがIKEAの家具の取り扱いを開始し、のちに撤退。詳しい経緯はアクタスの沿革を参照。)なお、現在日本で展開しているイケアとは関係がありません。
主要株主はコクヨ100%子会社のLmDインターナショナル、積水ハウス、三井物産で、小売りだけでなく外販も手掛けています。コクヨ本体は20世紀の終わりとともに学習机市場から撤退したものの、アクタスというかたちで学習机市場に生き残っているわけですねー。
それはさておき、アクタスはヨーロッパを中心とした家具の販売をおこなっているということですが、店舗内を見る限りは国内家具メーカーのものもそれなりにあり、近年は中国などで生産するオリジナル商品がかなり増えています。店舗内はセンスの良いコーディネートが魅力的で、その信頼感をもっていわゆる百貨店価格で販売(定価販売)するスタイル。よってセレクトショップ的な要素が強いです。
学習机の品質はここ数年で向上
アクタスの学習机は日本製のもの(メッツォ)もありますが、現在は主に中国で製造される自社オリジナル商品が中心です。
品質は以前はお世辞にも良いとは言えませんでした。引出しのスライドレールが固くて引き出せず、指がちぎれるんじゃないかと思うこともあったほどです。しかし、2023年モデルから「ヴァリオ」のフルスライドレールがスガツネ工業のLAMPブランドのものに変わっていて大変驚きました。2022年以前とは比較にならないほどスムーズです。なお、現時点では他のモデルにLAMPのスライドレールが使われていることは確認できていません。
価格については以前は「中国製でこの程度の品質なのにこんなに高いの?」という感じがありました。しかしながら近年、大手学習机メーカーの学習机の価格が上昇傾向にあるため、アクタスのものは相対的に割高感が薄れてきました。一方で、国産メーカーと比べると「あともう少しで国産品が買える」という価格なのでまだまだ割高感があるというのも正直なところです。
売れ筋No.1「フォピッシュ2」
アクタスは大手学習机メーカーと比較してオリジナリティのあるデザイン、学習机っぽくない洗練された形状が大きな特徴です。しかしながら、意外と売れ筋No.1はベーシックデスクの「フォピッシュ2」と言われています。
上棚がないほうがスタイリッシュで天板面も広く使えるのですが、やっぱり上棚があったほうが教科書類にすぐ手に届きやすいです。また、ワゴンがあったほうが引出しがたくさんあって小物を収納しやすいというメリットがあります。
ラインナップも豊富で、今となっては珍しいハイタイプの上棚も用意されています。フォピッシュはアクタスらしい雰囲気を備えつつ、実用性の面でも不安がないからこそ売れていると言えるでしょう。私の目から見てもこれが一番割安感があります。
親がサポートしやすい「サークル」
アクタスで人気があるのはベーシックデスクだけではありません。むしろアクタスらしいデザインこそ魅力的だと言えます。中でも「サークル」は奥行がコンパクトでミニマムなデザインが素敵です。
サークルは意外と幅が120cmもあって大きいですが(2023年度からは105cm幅も登場)、お母さんやお父さん、家庭教師の先生が横からサポートしてあげるのに最適な位置に脚を付けることができます。天板が飛び出している部分の下にワゴンを置くという使い方も可能です。
幅コンパクトで高さを活かした「リピア2」
ここまで紹介した2モデルはアクタスでも定番と言える学習机で、いずれも10年以上前からあるデザインです。しかし、意外とそれ以外は定着していません。そんな中、2015年に登場した「リピア」は近年でもっともヒットしたデザインと言えます(2022年度から「リピア2」)。
リピアは引出しがないので小物の収納が難しいものの、背が高いオープンラックとの組み合わせで本の収納量はバッチリ。おまけに幅がコンパクトで、少なくとも何も収めていないときは圧迫感を感じさせないデザインに仕上がっています。
アクタスの学習机はどれもデザインがとても魅力的です。特に売れ筋No.1のフォピッシュはラインナップも増えており、ニーズに合わせて組み合わせを自由に選べて実用性も高いと言えます。
一方で、それ以外のモデルは浜本工芸などと比べて割安感がなく、サイズや組み合わせも限定的だったりします。なので、そこは少し冷静になって色々と見て回ったほうが良いかもしれません。
なお、アクタスは例年8月に学習机のモニターキャンペーンを実施しており、10%程度安く購入するチャンスがあります。また、それ以外にも10%引きとなるセールが年に何度か実施されますので、安く購入したい場合は店員さんに話しかけてみると良いでしょう。
コメント 皆様からご質問・ご意見など
こんにちは。
先日、アクタスへ学習机を見に行き、デザイン重視でヴァリオがいいと考えていたのですが、店員さんから中国製と聞き不安に思っていたところ、こちらの記事にたどり着きました。
やはり、中国製は問題がありそうですね。
子供が気に入っていたので残念です。
そこで、国産でデザインが好みな杉工場のmucmocをネットで発見しコレだ!と思ったのですがオイル塗装…。
汚れや傷が気になるので、ウレタン塗装が欲しいのです。
そこで、国産&ウレタン塗装&おしゃれなものをご存知でしたら、教えて頂けないでしょうか。
よろしくお願い致します!
もんもんさま
はじめまして^^
アクタスのヴァリオは私もデザインは好きですよ。杉工場のMUCMOCも大好きなデザインです。
国産&ウレタン塗装&おしゃれなもの…というかたぶん個性的なものという感じになるかと思いますが、その線でいくと、飛騨産業かカリモク家具がもっともハマるかと思います。
飛騨産業なら、コブリナ、おさらい。カリモク家具なら、ピュアナチュール、ピクロス、スロープあたりでしょうか。ちょっと個性が弱いですかね?^^;
収納マン さま
色々とありがとうございます。
差し色のある飛騨産業のおさらいが気になりました‼
他の記事も参考にさせて頂き、まだまだ熟考しようと思います。
もんもんさま
あ、やっぱり差し色ポイントが高かったですか?^^
私も好きなんですよ。もっと他のメーカーもやれば良いのにと思っているんですが、違う素材を組み合わせることに抵抗があるんでしょうね。
もうひとつ、実際にモノを収めてしまうと隠れて見えなくなってしまうということもありますし、他のモノの色と相まって色がゴチャゴチャとするリスクもあるんだろうと思います。
でもやっぱり、ランドセルを含め、ツートンカラーは流行だと思います。
もんもんさんのお目に適う机が見つかると良いですね♪