昨年(2023年)、BenQ(ベンキュー)から新型デスクライト「MindDuo 2 学習用デスクライト」が発売されたことをお知らせしました。
従来品は弓なり形状のためシェードが小型でも光を拡散できるという理屈でした。しかし、新型は弓なり形状ではありません。にもかかわらず、JIS規格AA形相当の照度を誇るというのですから、にわかには信じられませんでした。
これは是非とも試してみたい!…そう念じること半年、ようやく台湾まで私の思いが通じまして、MindDuo2学習用デスクライトを試す機会に恵まれました。今回はそのレビューをお送りします。
BenQ・MindDuo 2
BenQから送られてきた「MindDuo2 学習用デスクライト(AR21)ホワイト」は、クリスマスツリーが送られてきたのかと思うほど大きなダンボール箱に入っていました。中を開けてみると発泡スチロールの緩衝材が半分ほどを占めていて、3階から落としても本体が壊れないんじゃないかと思うくらいに厳重です。
パッケージにはデスクライト本体、台座、ACアダプタ、電源コード、取扱説明書が入っています。
台座がかなり重い
デスクライトが倒れないように万全を尽くしているのでしょう。台座(ベース)がすごく重いです。デスクライト全体が3.8kgのところ、台座は2.8kgもあります。
支柱を挿してネジで固定
台座に支柱を挿し込み、ネジを締めればスタンドライトの状態になります。あとは電源コードとACアダプタを接続すれば使えるわけですね。
なお、支柱下部には5V/0.8AのUSB給電ポートが設けられています。スマホなどの充電に便利だと思います。
台座を押さえる必要がない
台座が重く、滑り止めも付いているため、台座を押さえなくてもアームをスムーズに動かすことができます。軽いものだとこうはいきません。
ボールジョイント&ヒンジ
シェードとアームを繋ぐボールジョイントとアーム関節部のヒンジはおそらく従来型(AR19)と基本的には同じものだと思います。スムーズに動くとともに任意の位置でピタリと止めることができます。
ちなみに、シェードはポリカーボネート、アームは粉体塗装を施したアルミニウム合金です。材質も従来型と基本的には変わりありません。
操作パネルが視覚的に変化
従来型はセンサーが秀逸で自動的に最適なあかりを提示してくれたうえ、直感的に操作できるタッチ式ダイヤルを採用していたため、操作パネルが前面になくても不便に感じることはありませんでした。しかしながら、あかりの状態をより視覚的に把握できるようにとの配慮からでしょうか。MindDuo2はシェード前面に操作パネルを設けています。
各機能がアイコンで表示されているため、正直に言うと最初は分かりにくいです。しかしながら、タッチ式のボタンは6個あっても普段から操作するのはその一部ですし、あとは右端のダイヤルだけなので、すぐに慣れると思います。
誤作動の少ない人感センサー
MindDuo2はシェードの下に手を挿し入れると点灯、また同じ動作をすると消灯することができます。また、人感センサーをオンにしておけば、机の前に座ると点灯、離席して3分以上経つと消灯するようになっています。赤外線センサーは操作パネルの隠れる位置にあるため、前を通るくらいでは意図せず点灯するようなことはありません。
人感センサーは従来型にも備わっていました。私自身はその必要性に疑問を感じていましたが、実際に購入された読者の方の多くが高く評価しています。MindDuo2は点灯していることを忘れるくらいやさしいあかりなので、自動的に消灯してくれるというのは助かると思います。
休憩を促す30分タイマー
人感センサーのON/OFFボタンの横には30分タイマーのボタンがあります。これは30分が経過すると、お子様に休憩を促す通知音が鳴るという機能です。「トゥルリ♪」という電子音が4回鳴ります。
これについても既に購入された読者の方から「気分転換に効果的」との趣旨の評価をいただいています。
読書/スクリーン閲覧モード
その横には読書モードとスクリーン閲覧モードのボタンがあります。読書モードは集中して文字がくっきり見えるあかりです。スクリーン閲覧モードは直下の照度を抑えるとともに周辺は明るさをキープすることで、画面の反射を軽減して文字を読みやすくしてくれます。
なお、これらのモードをセットしているときは自動で最適な照度に調整してくれます。色温度は読書モード=5700ケルビン、スクリーン閲覧モード=4000ケルビンの固定です。
手動での調色&調光もOK
色温度を変えたい場合は色温度調整ボタンを押し、右端のダイヤルを回します。2700ケルビンから5700ケルビンまで7段階で調整可能です。
照度を変えたい場合は同様の手順で13段階で調整することができます。右端のインジケーターが緑色に光っていれば最適な明るさです。青く光っている場合は明るすぎなので照度を落とします。赤く光っている場合は逆に照度を上げればOK。これならお子様でも分かりやすいですよね。
MindDuo2の照度分布図
昼光色-電球色
MindDuo2はJIS規格AA形相当で、”半径30cm照度≧990ルクス、半径50cm照度≧385ルクス”、”中心照度:1,700ルクス”とされています。しかしながら、詳しい照度分布図は掲載されていません。そこで、暗室状態の中で、簡易な照度計を用いて照度分布図を作成してみました。
私が作成した照度分布図でも、昼光色で半径30cm円周上は990ルクス以上、同50cm円周上は385ルクス以上となっていることが確認できます。電球色でもそれに近い値で、誤差内と考えて差し支えないでしょう。もちろん、これはJIS規格AA形相当以上と言えます。
一方で、中心照度1700ルクスという値をシェード高40cmで実現しようとすると、照度を3~5段階下げる必要がありました。「そんな中途半端なことするか?」と疑問に思ってBenQに問い合わせたところ、読書モードでの測定値だと教えてくれました。
読書モード
読書モードでは周囲のあかり環境に合わせて自動で照度が調整されます。それを踏まえ、真上に近い位置にある天井照明を最大照度(570ルクス)にした照度分布図と、天井照明を消灯した状態のそれを作成してみました。
私のやり方が良くなかったのか、直下照度は1700ルクスとは程遠い値になりました。しかしながら、直下照度は天井照明を点灯した場合も消灯した場合も1100ルクス前後となり、天井照明を点灯した状態では私が理想とする照度分布になりました。天井照明を消灯した場合は50cm円周上がちょっと暗いですが、明暗差を抑えるという意味では二重丸だと思います。
スクリーン閲覧モード
ついでに、スクリーン閲覧モードでも同様に照度分布図を作成してみました。読書モードと比較すると、天井照明を点灯した状態では大きな差はありませんが、天井照明を消灯した状態では全体的に照度が半分くらいに抑えられていることが分かります。
これはつまり、パソコンやタブレット端末の画面の明るさと周囲の暗さのギャップを補うことに徹しているということだと思います。こんな芸当を自動でやってくれるなんて本当にスゴイです!
読書モード-スクリーン閲覧モード
実際のところ、天井照明の直下や、逆に真っ暗な部屋で勉強をすることはないと思います。一般的にダイニングテーブルの上は250~400ルクス程度であることが多いので、天井照明直下を390ルクスにした状態でも測定してみました。
読書モードでは天井照明の照度を最大(570ルクス)にしても落としても(390ルクス)、照度分布図の値はほとんど変わりませんでした。一方で、スクリーン閲覧モードでは照度が1~2割ほど抑えられた印象です。
それよりもこの比較で驚いたのは、両者で半径50cm円周上の値がほとんど変わらないのに、スクリーン閲覧モードでの直下と半径30cm円周上の値が読書モードより抑えられていることです。先に、スクリーン閲覧モードは直下の照度を抑えるとともに周辺は明るさをキープするとお伝えしましたが、まったくその通りです。いや、これは本当に賢い。
点けていることを忘れるほどやさしいあかり
MindDuo2の直下照度は読書モードでは1100ルクス前後で一定であるものの、昼光色で最大2400ルクスに達します。数字だけ見ると、明るすぎやしないかと思う値です。
しかしながら、光源が直接目に入らない「埋め込み式+庇(ひさし)構造」と銀メッキ処理した「ダブル反射式」だからでしょうか、点けていることを忘れるほどやさしいあかりです。光源を直接見ても眩しさをほとんど感じません。これは実に良くできていると思います。
以上の通り、BenQのMindDuo2学習用デスクライトは従来型の素晴らしいところを継承しつつ、多くの点で進化したと感じます。外観はより自然でスマートになり、さらにやさしいあかりを実現しました。設定が視覚的に分かりやすくなったうえ、センサーの精度も向上しているように思います。
もっとも、私が試した従来型というのは2017年のものです。当時は演色性がRa80以上となっていましたが徐々に改良されて、現在はMindDuo2と同じRa97になっています。現在ではLED素子やセンサーはほとんど変わらないのかもしれません。
このように常に製品の改良を試みるメーカーの姿勢は素晴らしいですね。価格が従来型と同じ税込34,800円に据え置かれているのも良心的だと思います。
が、どちらを買うべきかと聞かれたら迷わず後者で良いでしょう。MindDuo2は従来型に比べると最大消費電力が1割(18W→20W)アップしている以外、劣る点は見当たりません。価格は決して安くはないものの、学習用デスクライトの最高峰と言って差し支えないでしょう。
普段は読書モードもしくはスクリーン閲覧モードで照度を自動調整。休憩時は手動で電球色にするという使い方でOKだと思います。人感センサーをONにしておけば消し忘れることもなく、親としてはこれ以上に安心できるデスクライトはないですね。
コメント 皆様からご質問・ご意見など
初めましていつも楽しく拝見させていただいています。
先日浜本工芸の机を購入しました。
第一希望はBenQ MindDuo 2です。左棚の端にクランプで付けて光の強さなどは大丈夫でしょうか?
棚を端から端までのタイプにしたのでクランプタイプで他におすすめありますでしょうか?
よろしくお願いいたします。
てらもとさま
はじめまして^^
浜本工芸のNo.09デスクを購入されたのですね!
例年は賑わう浜本工芸関連の話題も今年は少なかったので、久しぶりにご購入者の声を聞けてうれしいです^^
さて、デスクライトもこれまた最強のBenQ MindDuo2をご検討中とはお目が高いですね~。
No.09バックパネルの棚板の左端にMindDuo2+クランプ金具をセットすることはもちろん可能です。
アーム長は「C3764」よりも長く、各ヒンジの可動域も十分ありますからね。
光の強さという部分に関しては表現が難しいのですが、MindDuo2はJIS規格AA形相当のあかりですから、広い面を照らすことができます。
ちなみに、C3764は直下1420ルクス、半径50cm円周上は390ルクス以上です。
対して、MindDuo2は直下1700ルクス、半径50cm円周上は370ルクス以上と表示しています。
私の簡易測定とは異なる結果ですが、この数値を比較する限り、大きな違いはないと言って差し支えないでしょう。
個人的には、予算に問題なく、かつこれから購入されるならMindDuo2がオススメです。
浜本工芸の純正で揃えるならC3764、予算を抑えたい、大型ハンドルや前面操作ボタンによるお子様の使い勝手重視という点では、コイズミファニテックの「ECL-357」がオススメです。
芝谷さま
早速の返信ありがとうございます。
BenQ MindDuo2は発光面から机上まで40cmの距離を推奨と聞いていましたので、芝谷さまに詳しくお聞き出来て、購入を決めました。ありがとうございました。
また新しいコラム楽しみにしています。
息子の机がカスタマイズされていき嬉しいです。
椅子はバランスイージーにしてしまったので、まずは使ってみて考えようと思います。
ありがとうございました♪
テラモトさま
「BenQ MindDuo2を上棚の左端に付けても光の強さは問題ないか?」ということでしたので、てっきり幅方向のことだと思っていました。
そうではなく、高さのことだったのですね。
改めて回答させていただくと、まったく問題ありません。
当記事後半の照度分布図のところで、シェード高40cmではスペック表示よりも明るすぎるという話が出ていますが、この際にシェード高60cmで測定したところちょうど良い感じでした。
No.09バックパネルの棚板の上にA4サイズのノートなどを置くと、その上端が天板から60cmくらいの高さになります。
なお、半径30cmないし50cmの照度はほとんど変わりありません。
椅子はバランスイージーにされたのですね。
これにMindDuo2もセットしたら、史上最強のデスクセットですね。
思わず身震いしてしまいました…^^;
お子さんもきっと喜んでおられることでしょう。
精一杯の愛を込めて準備した机だということをシッカリ伝えてあげてください^^
芝谷さま
言葉足らずですみません。
わざわざご丁寧にありがとうございました.改めて安心して購入できます、というか先程購入しました。到着が楽しみです。
小さい頃に使っていた机より大きくなり自分で最後決めたためか、とても気に入ってくれています。
4月から新一年生になるので沢山使い倒して欲しいです。
お忙しい中ありがとうございました。
ブログ更新楽しみにしています。
てらもとさま
もうMindDuo2を購入されたのですね!
4月から1年生ということで、身の回りのモノすべてがピカピカに輝いているんでしょうねー。
喜んでいるお子様の姿を想像すると私まで顔がほころびます^^
また時々、ブログをご覧いただければ幸いです♪