アップタウンスタイル(リリージョン)の「リリーホワイト」というデスクについては、毎年1件くらい質問があります。というか、近年は質問よりむしろ私の評価に対する批判的なコメントばかりです(苦笑)
私はリリーホワイトのデスクの実物を見たことはありません。実物を見たことがないものに対してあれこれ言うのは私の性分ではないのですが、聞かれれば分かる範囲でお答えすることも必要だと考えています。そこで、今回はスペックなどから把握可能な範囲で情報をまとめてみました。
なお、近年はリリーホワイトの熱烈なファンと思しき方から「こんな素敵なものを理解できないあなたの頭はおかしい」という感じのコメントを頂戴します。しかし、私は別にデザインの良し悪しを評価しているわけではありません。ファンの方にとっては不快な表現が含まれる可能性があるため、スルーしていただければ幸いです。
※2023年11月21日更新
リリーホワイトの輸入販売会社について
リリーホワイトを扱っていたのはもともと有限会社アップタウンネットという会社でした。2016年1月の確認時点では岡山県浅口郡里庄町にショールームを兼ねたような本社がありましたが、2019年1月3日確認時点では岡山県笠岡市の倉庫に移転しています。
しかしその後、オンラインショップ(リリージョン)運営元は三重県桑名市の株式会社スタジオ・ゴールド・スター(2018年設立)に。こちらは当時、株式会社金星堂という看板製作会社と同じ住所および代表者で、カタログ請求先としては岡山県のアップタウンネットの電話番号が案内されていることから、アップタウンネットがこれまで通り企画から輸入までをおこない、スタジオ・ゴールド・スターがネットで販売するというかたちになったものと推測できます。
ちなみに、スタジオ・ゴールド・スターのオンラインショップ(リリージョン)からは「リリコ」のロマンティックデスクへのリンクが貼られていたことから、やはりリリコのデスクはアップタウンスタイルのものだったのかと思いました。当時はリリコのショールームでもデスクを扱っていたものの、現在はランドセルがメインで学習机の取り扱いはないようです。
以前はアップタウンネットが楽天市場に出店しており、東京都内にショールームを構え、出張展示会も各地で実施していました。しかし、現在はすべて廃止されている模様です。2018年からインターネット販売のみとなり、2023年2月末にはおそらくスタジオ・ゴールド・スターに対する卸販売は終了。2023年から合同会社ブルーネイチャー(岡山県浅口郡里庄町)が輸入販売をおこなっているようです。
現在はリリージョンのホームページが扉ページで、ショッピングカートがアップタウンスタイルとなっているのは、おそらくスタジオ・ゴールド・スターが販売をおこなっていた名残でしょう。いろいろご苦労があったかと思いますが、アップタウンネット、リリージョン、アップタウンスタイルと変遷している様子は、消費者から見えるとややこしい限りです。
リリーホワイトの産地
アップタウンスタイルは以前はリリーホワイト以外にもラインナップがありましたが、現在はリリーホワイトのバリエーションがいくつかあるというかたちのようです。ここでは基本的にリリーホワイトデスクについて見ていきます。
オンラインショップを見ても以前は産地については明示されることはなく、「日本発インテリアブランド」、「欧州の大人用家具を元に」などという表現で逃げていました。一方、リリコのほうを見ると「上海の工場にて製造」と記載されていました。なお、2023年現在は「中国北部/南部、インド」と明示しています。
最初からそう書けばもうちょっと印象が良かったと思います。
リリーホワイトの材質
表示されているスペックから、天板はMDF合板、脚や引出前板などは天然木と考えられます。リリーホワイトの場合、ポプラが使われているようです。ホワイト系ではポプラは割りとメジャーですね。ベッドのスノコによく使われる、安価でその割りに表面が滑らかな素材です。
ホルムアルデヒドの放散量については以前は「F★★~F★★★レベル」と記載されていましたが、現在は「F★★★」となっています。大手学習机メーカーが中国などで作っているデスクと同水準と言えますので、特に問題はないでしょう。
塗装はウレタンかラッカーか不明です。マット調ということですので、一般的には汚れやすいと言えるでしょう。マット調は質感は良いのですけど、学習机向きとは言えないですね。そのため学習机メーカーはマット調を敬遠する傾向が強いです。
引出内部材はおそらくMDF合板を白く塗ったもので、ワゴン最下段を除いてスライドレールは付いていません。これが難点で、引出しがスムーズに開閉できない可能性を感じます。
リリーホワイトの価格
リリーホワイトには現在、様々なバリエーションがあり、上棚付きデスク+キャビネット+チェアの3点セットで税込85,000円~101,000円となっています。
以前は正直言って高いと思いました。”同品質の他メーカー商品と比較しても2分の1~3分の1の価格設定”などと胡散臭いことが書いてあったので余計に怪しく思ったものですが、競合と言える商品が皆目なくなった現在はそれほど割高さは感じません。
もっとも、こんな材質でスライドレールすら付いていないので、飾りみたいなものです。実用品ではなくあくまで装飾品と考えるなら、アリと言える価格帯ではないでしょうか。
競合商品との比較
モモナチュラル・CIELE900+UPPER・・・7.1万円
デザインや価格帯で言うとリリーホワイトの競合としてもっとも本命と言えるのはモモナチュラル(脇木工)の「CIELE900+UPPER」あたりではないかと思います。以前は安くないと感じましたが、各社がどんどん値上がりした結果、いま見たら相対的に安いですね。
曲がりなりにも国産ですし、引出内部材もリリーホワイトのように白塗りではないので、その点では品質は良いと言えます。一方で、天板は軟らかいパイン材ですから速攻でキズがつきます。MDF合板のリリーホワイトのほうが安心と言えるかもしれません。
イトーキ・ジュエルキュート…約7万円
イトーキの「ジュエルキュート」はリリーホワイトに比べると子供騙しのような感じがするかもしれません。しかしながら、引出しにはちゃんとスライドレールが付いているので、比較的スムーズに開閉できます。
ピンク色の引出しの取っ手が気になる場合は、シックなデザインのものに自分で変えるのも良いでしょう。
ヒカリサンデスク・Lスモア…約7万円
ヒカリサンデスクの2023年度新作デスク「Lスモア」 も悪くない選択肢だと思います。前述のジュエルキュートと同じベトナム製。天板はパイン材ですが、無垢板ではなく突板なのでキズはつきにくいと思います。
そんなことよりも、リリーホワイトはエレガントもしくはプリンセス系、Lスモアはカントリー系ということのほうが気になるかもしれません。
ニトリ・メルシーH…約6万円
純白ではなく木目調のホワイトウォッシュ色ですが、近年はニトリの「メルシー」がホワイト系デスクを所望する方々の受け皿になっていると感じます。
比較的手頃な価格で、上棚もワゴンはもちろん、しょぼいデスクライトやコンセントも付いています。また、上写真のスタンダードデスクのほか、くみあわせですく、ユニットデスク、平机なども選べるので、機能的にも申し分ないでしょう。
コイズミファニテック・デコプリ…約12万円
リリーホワイト好きな人からすると「デコプリ」と比較されることは我慢ならんようです(苦笑)もちろんそれは私でも理解できますが、いかんせん比較対象が限られているのでご容赦いただきたいと思います。
デコプリはツヤありで純粋なホワイトではありませんが、ワイドなLEDデスクライトで約12万円。かつて10万円以下で買えたことを考えると、さすがに割高感はあります。
カリモク家具・カリーシル3点セット…約25万円
カリモク家具のカントリーシリーズに代わって2019年度に登場した「カリーシル」なら3点セット(デスク+マルチシェルフ+ワゴン)で定価は約25万円。国産で間違いなくリリーホワイトより品質は高いのですが、価格ももちろん高級です。
カリモク家具では他に「ユーティリティプラス」のシアーホワイト色などがあります。
以前ならリリーホワイトと同じ価格帯にローラアシュレイのドーセットチルドレンがあったのですが、中国製から国産に切り替わって価格が高騰、さらにはイオンがローラアシュレイから撤退したため、その選択肢は消滅しました。結果的に、10万円以下の大手学習机メーカーと20万円以上の国産家具メーカーの間にスポッとリリーホワイトがハマったというかたちです。
デザイン的にも競合はいません。ローラアシュレイは撤退、アクタスも今はホワイトのデスクは扱っていません。モモナチュラルが比較的デザイン面で競合すると言えますが、またちょっと違うと言われれば確かにその通りです。結果的に、リリーホワイトのようなデザインの学習机をご希望の場合は、ほかに選択の余地がないという状況です。
そう考えるとリリーホワイトは良いポジションにあると言えます。ただ、各社がこの手のデスクから撤退していることからも分かる通り、人気はなくなっています。私自身は割りとインテリアの守備範囲が広いほうですけど、さすがにこういうコッテリ系は残念ながらもう流行らないと思いますね。
コメント 皆様からご質問・ご意見など
先日リリーホワイトについて質問したものです。
その後、コイズミの白っぽいWDスペシャル購入しました(^o^)
このブログにはお世話になりありがとうございました!
リリーホワイト生で見て、質感や引き出し開閉ストレス大事だなと思いました。。。
ローラアシュレイを生で見れなかったのがちょい心残りですが。
リビング学習で1年近く過ごしてきましたが、学習机がきて
子供の城的なスペースができて親子ともに満足しております^ ^
kaiさま
おお~っ!コイズミファニテックのWDスペシャルにされたんですね!
イメージがガラッと変わりますけど、やっぱり最後に選ばれるのはWDスペシャルなんだと改めて思いました。
お子さんも「お城」ができて良かったですね^^
こんにちは。
リリーホワイトを購入してからこちらにたどり着いた者です。
開封してから臭がキツクて辛い思いをしています。ホルムアルデヒド放出量がF☆☆というのは本当でしょうか??
サイトではトリプルスターになっていますし、ショールームでは臭いは気にならなかったのですが。。
aiaiさま
はじめまして^^
リリーホワイトのホルムアルデヒド放出量については、以前は「F★★~F★★★レベル」となっていたのですが、現在は「F★★★」となっているようですね。
私は通常、「F☆☆☆」という風に白星を使いますので、黒星で記載しているのはアップタウンスタイルの記述からコピーしたからだと思います。
「ショールームでは臭いは気にならなかった」というのは難しいところです。
基本的に、通気の良い広い場所に長時間置いていると、ホルムアルデヒドは臭いが気にならないレベルになっていきます。
逆に、気密性の高い場所、暑い場所では、ホルムアルデヒドの臭いが気になる場合があります。
これは最上級のF★★★★であっても同様の傾向があります。
また、ホルムアルデヒド以外にも木の臭いそのものが気になって、それをホルムアルデヒドの臭いだと勘違いされているケースもよくあります。
いずれにしても、よほど過敏症の方でない限りは、F★★★は健康には大きな問題はないと言えるレベルです。
ホルムアルデヒドは家具以外にも多種多様な製品に使われており、総量で言えば家そのもののほうがはるかに多くのホルムアルデヒドを含んでいます。
リリーホワイトのホルムアルデヒド放出量がいつからF★★★になったのか分かりませんが、現状ではご心配には及ばないと思います。
もし気になる場合は、しばらくの間、できるだけお部屋の換気が良くなるようにしてみてください^^
リリーホワイトを購入した者です。
実際に見ていないのに、憶測でこのような記事を書くのは如何なものでしょう。
貴殿が推奨している大手メーカーのデザインの方が子供騙しなデザインでセンスも悪いと感じます。
まあ、センスは人それぞれでしょうが、女性目線では貴殿のセンスは「なし」の部類です。
材質や、特に生産国については憶測のみですよね。
デザイン重視でそこそこの値段、さらに、ショールームは予約制と、貴殿のような実際にお子さんに購入する意思もなく商品をこき下ろす記事を配信する為の冷やかしのお客を寄せ付けないスタイルに、リリーホワイトをこき下ろす理由があるように感じますが。
ちょっと一言さま
はじめまして。
お叱りの言葉をいただきまして、大変恐縮です。
私のセンスについては、ちょっと一言さんの憶測の通りです。
なにしろ私は「日本一センスがないインテリアコーディネーター」を自認しておりますから(苦笑)
ただ、私はリリーホワイトについてセンスが悪いと言っているわけではないので、ここで私のセンスを疑われるのはちょっと心外です。
材質については失礼しました。
本記事の執筆時点では記載がありませんでしたが、現在は以下のような記述がありますね。
記事に追記するかたちで訂正させていただきました。
でもまさか、学習机にポプラを使うとは思っておりませんでしたね!
生産国についても、ご指摘の通り私の憶測です。
でもそうおっしゃるということは、ちょっと一言さんはご存じなんだと思います。
これからリリーホワイトの購入を検討されている方々のためにも、ぜひ教えてください!
最後のところはおっしゃっていることが私にはよく分からなかったんですけど、つまりは私がショールームに入れてもらえないから悪態をついているのではないか、ということでしょうか。
私自身はショールームに予約をしたことはありませんし、そもそも記事執筆時点では大阪など各地で展示会が開催されていたと記憶していますので、その気になれば見ることはできたと思います。
そうしなかった理由については、本記事の冒頭でも述べている通りです。
憶測で記事を書くことがよろしくないことは、もちろん私も重々承知しております。
ですから、ちょっと一言さんをはじめ、読者の皆様方の情報がとても貴重です。
このブログは、読者の皆様のおかげで成り立っています。
これからも、是非ご意見賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
はじめまして。
この記事を読ませていただき、「白いデスクを集めてみました!女子っぽくてシンプルなホワイトの学習机」も読ませていただきました。
そもそも論といたしまして、アップタウンスタイル(リリージョン)と他デスクはホワイトと言う共通点しかないのではないのでしょうか。
もし比べられるのならば、Rubanchou(ひなのさんプロデュース)、LIRICOなどになるかと思います。
可愛いやおしゃれなどの部類を集め比較するなら分かるのですが、タイプが違うものを比較されましても・・・と不思議な気持ちでおります。
比較したいのであれば、せめて実際手に取り批判などではなくデスクの機能のみの比較をしていただければと。
そして「学習机は引出しが命、デザインに目をつむって実用性重視」という方は最初からこのデスクを選ばないと思いますよ。
それに「この仕様だと白くてキレイなのは最初だけ」とありますが、5年間使用していますが、白さは変わりません。
毎日使用していますが、余程のことがなければ色は変わらないのではないでしょうか。
収納マンさんが好まれていないのは分かるのですが、アップタウンスタイル(リリージョン)のコーディネイトなどを知りたく検索している方といたしましては多少不快に思いましたので意見させていただきました。
大変申し訳ありません。
失礼いたします。
sさま
はじめまして^^
たくさんのご意見ありがとうございます!
アップタウンスタイルのデスクは唯一無二ということが改めてよく分かりました。
私としてはデザインの良し悪しを評価軸とはしておらず、あくまでスペックを中心に見ているため、sさんの評価と違うところが大きかったと思います。
これについては、結果的に申し訳ないとしか言いようがありません。
これからも変わることなく適切な情報を伝えて参りたいと思いますので、またお気づきの点等ございましたらご指導ください。
こんにちは。こちらはどう思われますか?https://item.rakuten.co.jp/kagunomori/cs-212/
ご意見聞かせてください。
イセさま
はじめまして^^
こちらの机は昨年あたりから楽天市場で見ますね。
仕様からして一生紀かと思ったのですが、ワゴンのプロテクターなどディテールが違います。
品質的にはそれほど大きく変わらないように見えますが、無暗に信用するのもちょっと怖いような気もします^^;
学習机のはずなのに商品名が「ヨーロピアン クラシック ロマンティック ソファ 3人掛」としているショップの体制もちょっと不安ですね(-_-;)
アルダー&オイル塗装で足元棚付きなど仕様が似た、国産の堀田木工所「ウィンディ」が楽天市場で税込71,000円からということを考えると、コスパも決して良くないように思います。
娘の要望を聞いたばあばがこれを購入しそうです。やめさせた方が良いような気がします。アドバイスお願いします。
イセさま
こちらは大商産業の「LUR-520」ですね。
あまりなじみのないメーカーではありますが、品質的には十分だと言えますよ。
コイズミファニテックよりと比べると酷ですけど、くろがね工作所よりは安心だと個人的には思っています。
島忠ホームズ、マナベインテリアハーツ、ナフコ21スタイルなど、大商産業の学習机を扱っている家具店は意外と多いので、一度ご覧いただくと良いでしょう^^
なお、6万円台で足元棚のあるホワイト系の机をお探しでしたら、ニトリの「くみあわせですく・リビオC」、同じく「くみあわせですく・メルシーR」、イトーキの「ジョイカラー・ネオ」あたりも候補に上がってくると思います。
ご検討ください♪