定番チェアの第2弾は一生紀(いっせいき)の「フィオーレ」を取り上げたいと思います。
これまでに取り上げた定番デスクとチェアはいずれも大手学習机メーカーばかり。そのため、一生紀のフィオーレを取り上げるというのは私自身もちょっと意外に感じるところです。しかしながら、定番と言える学習椅子はあまり多くなく、コイズミファニテックのハイブリッドチェアの次に思いついてしまったのがフィオーレだったというわけです。
ともあれ、今となっては選択肢が少なくない4本脚の学習椅子の中にあって、フィオーレの人気が高いのはなぜでしょうか。詳しく見てまいりたいと思います。
※この記事は2023年7月19日時点の情報に基づいています(2024年8月19日一部更新)
一生紀・フィオーレ
ラインナップ
仕様 | カラー | 材質 | サイズ W×D×H(mm) |
税込価格 | ||
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フレーム | 背 | |||||
完成品 | ナチュラル | ラバー無垢 | アルダー無垢 | 450×460×740 | 18,990円 | |
ミディアムブラウン | ||||||
ナチュラル | オーク無垢 | オーク突板 | 24,990円 | |||
ミディアムブラウン | ウォルナット無垢 | ウォルナット突板 | 26,990円 | |||
組立品 | ナチュラル | ラバー無垢 | バーチ突板 | 14,990円 | ||
ミディアムブラウン | ||||||
ナチュラル/ミディアムブラウン | ||||||
ナチュラル/ホワイト | ||||||
ナチュラル/ブラック | ||||||
ホワイト | ||||||
ブラック |
※価格はすべて2024/08/19現在のISSEIKI FURNITURE SHOP楽天市場店の場合
特徴・人気の秘密
一生紀のフィオーレが人気となった理由は、価格が手頃な4本脚の学習用チェアだからと言えるかと思います。
昨今はダイニングテーブルで宿題などに取り組むご家庭が増えました。しかしながら、大人用のダイニングチェアでは子供が座ったときにテーブルの高さが合わず、足もブラブラして落ち着きません。一方で、学習机メーカーの木製椅子は学習用として最適と言えるものの、多くがキャスター付きでカーペットを敷く必要があります。また、デザインや質感がダイニングルームのインテリアに合わないことも多いです。
フィオーレは木部のカラーバリエーションが豊富でダイニングセットに合わせやすく、4本脚のためフェルトを脚裏に貼り付けるなどすればカーペットが不要なうえ、ほかのダイニングチェアとデザインを揃えやすいというメリットもあります。また、張地のベースはホワイトのPVCレザーですが、布地の専用カバーが用意されているので、この点でもコーディネートしやすいだけでなく、触り心地が良く、洗濯可能という点も支持されているのでしょう。
完成品がオススメ!
フィオーレのラインナップは完成品と組立品の2つに分けられます。完成品が税込18,990円からとなっているのに対し、組立品は同14,990円で2割以上も安いです。そのため、「自分で組み立てるから安いほうが良いわ!」と考える方が多いのではないでしょうか。実際、組立品が登場して以来、圧倒的に組立品のほうが売れています。
しかし、私は逆に「2割しか違わないなら完成品を買う」という選択をオススメします。完成品のほうが丈夫だからです。逆に言うと、組立式はネジが緩んできて、数年おきにボルトを増し締めする必要があります。
高級な国産の浜本工芸やカリモク家具の学習椅子は当然のように完成品です。どちらが優れているかは改めて言うまでもないでしょう。
なお、完成品のフィオーレは最近になって(2024年になってから?)側面からボルトが見えない仕様に変更されました。見た目が美しくなったわけです。この点でも完成品のほうがオススメと言えるでしょう。
よく比較検討されるチェア
市場・イートコJUC-2877RW
フィオーレと競合する椅子は現在では多いのですが、実際には比較検討されることが少ないように思います。逆に、フィオーレが登場する以前は市場の「E-toko(イートコ)チェア」の独壇場でした。しかしながら、何度もリニューアルを繰り返しているうちに私でもワケが分からなくなってしまった感じです。
商品そのものは決して悪くないものの、今となってはフィオーレと比べると野暮ったく感じてしまうのかもしれません。なお、現在は上写真の「JUC-2877RW」のほか、ベビーチェアにもなる板座の「JUC-3172」、背板タイプの「JUC-3507」もあります。
一生紀・エアリー3
一生紀の「エアリー3」はフィオーレよりも価格が手頃ということもあって、フィオーレに負けないくらいよく売れています。5色展開でインテリアに合わせやすく、別売の専用カバー(クッション)をセットすることで座り心地の向上を図ることもできます。
なお、エアリー3は組立式のみ。組立式だとネジが緩んでガタツキが生じやすいため、個人的にはフィオーレの完成品をオススメしたいところです。エアリー3のカバーは紐が切れやすいそうですから、その点でもPVCレザー張りのフィオーレのほうが良いのではないでしょうか。
ニトリ・キッズチェアHH23AV
一生紀のフィオーレを扱っている家具販売店はそれほど多くないので、代わりにニトリの「キッズチェアHH23AV」を検討する方もいらっしゃるかもしれません。
HH23AVはアルダーを主材とする「アルナス」シリーズのチェアで、フィオーレと同様に背板にアルダー無垢、フレームにラバーウッドを使っています。一方で、HH23AVは組立品のみ、座面カバーとのセット品のみの販売となっています。
ヒカリサンデスク・G-65DX
学習机メーカーで4本脚チェアの取り扱いが多いのがヒカリサンデスク。「G-65DX」はアッシュまたはウォールナットの突板を使った椅子となっています。ほかにもヒカリサンデスクには同型の「ロイスキッズチェア」やイートコ似の「G-71」などがあります。
堀田木工所・ペルケチェア
ここまで紹介したものは2万円以下ですが、もうちょっと頑張ると堀田木工所の「ペルケチェア」が買えます。もちろん、国産&完成品。背板だけでなくフレームもアルダー無垢。自然塗装ですが、デスク天板と違ってそれほど気にすることはないでしょう。
杉工場・スピカ
もっと頑張ると、杉工場の「スピカ」が買えます。こちらはビーチ材のオイル塗装です。さらに値は張りますが、レッドオークやウォールナットもあります。
ほかにもカリモク家具や浜本工芸にもリビング学習に最適な4本脚やスキー脚のチェアがありますが、フィオーレの価格帯とは大きく乖離してしまうので割愛します。
フィオーレはダイニングセットとコーディネートするのに最適なデザインかつカラーバリエーションで価格も手頃。おまけに座面カバーも用意されているので、汚れても洗えるという点がメリットです。その点で言うとニトリのHH23AVはかなり強力なライバルと言えましょう。
あとはより低価格のエアリー3、逆に国産&完成品のペルケも捨てがたいところかもしれませんね。
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