先日お伝えした通り、浜本工芸の2024年度の学習机の価格は概ね5~10%の値上げとなりました。また、ラインナップは良くも悪くもほぼ変わらずでした。
競合となるカリモク家具も値上げは既定路線です。また、ラインナップも完成されているので、いじる必要性もほとんど感じられません。
よって、カリモク家具も値上げ以外は特にサプライズなしかと思っていたのですが、想像以上に悲しいお知らせばかりでした。
※この記事は2023年7月8日時点の情報に基づいています
クリアネルがカタログに掲載
カリモク家具の2024年度カタログのトップバッターは「CLEARNEL(クリアネル)」です。一応、新商品として紹介されていますが、クリアネルは既に昨年冬に発売されています。
昨今のテレワークとリビング学習の融合という側面から見ると、クリアネルが学習家具カタログに掲載されるというのは自然なことなのかもしれません。子供をメインターゲットとした従来の学習机よりも幅広い層に訴求できる商品だとも思います。
ただ、比較的新しい「グランディ」や「パーチャー」でさえプレスリリースされなかったのに、このクリアネルの破格の扱いは何でしょうか。
まさか学習机はオワコンなどとは言いますまい。およそ学習机らしからぬクリアネルを提案することによって、既存のデスクに目を向けてもらうという戦略でしょうか。
カリモク家具のマーケティングはいつも正しいと私は思っているので、その真意が気になるところです。
グランディ&パーチャーが来春で終了
2024年度のカリモク家具の学習家具カタログには新型デスクは登場しませんでした。一方で、「グランディ」(上写真)と「パーチャー」が2024年3月を以って受注停止となることが公表されています。
グランディもパーチャーも少なくとも大阪近郊ではほとんど見る機会がなかったですからね。これは当然の帰結と言えるのかもしれません。しかしながら、ボナシェルタとユーティリティプラスを何台も同じ売場に並べずに、グランディとパーチャーを置いてくれれば良かったのにとも思います。
ともあれ、廃番が出るということは2025年度は新作デスクが登場する余地が生まれたということになります。そう考えると、これはうれしいことですね。
カリーシルチェアが廃番
2024年度はグランディとパーチャーの廃番予告のほかは目立った動きがなかったのですが、「カリーシル」のチェア(上写真)がカタログから消えたことが気になりました。
シアーホワイト色に対応している木製チェアは他にもあるとは言え、カリーシルはカリモク家具の人気No.5(2023年)のデスクですからね。そこまで合理化しないといけなかったのかと、意外に感じているところです。
2024カリモクは概ね1~3割の値上げ
デスク | ワゴン | 上棚 | シェルフ | |
---|---|---|---|---|
ボナシェルタ | 12.3~16.8% | 23.1~23.6% | 10.6% | 15.5~18.8% |
ユーティリティプラス | 24.9~25.1% | 20.4~21.2% | 10.6~20.5% | 16.1~20.3% |
ピュアナチュール | 28.4~28.6% | 21.9% | 25.7~26.8% | |
レグノッタ | 20.9~24.7% | 20.4~21.2% | ||
カリーシル | 19.4% | 20.8% | 15.1% | |
グランディ | 0% | |||
パーチャー | 0% | |||
コーディ | 21.0~21.2% | |||
スパイオキッズ | 24.4% | |||
スパイオユニット | 天:19.4~20.3% 脚:19.0% |
21.2% | ||
マルチラック等 | 0~28.2% | |||
書棚 | 13.0~30.7% | |||
チェア | 8.6~28.4% | |||
ベッド | 8.9~12.2% | |||
デスクライト | 13.7~34.3% | |||
デスクマット | 23.8% |
冒頭でも申し上げた通り、浜本工芸の今年度の値上げは概ね5~10%に収まりました。カリモク家具も同じくらいだろうとタカをくくっていたら、なんと概ね10~30%の大幅値上げで驚いた次第です。
中でも個人的に強烈に感じたのが「ピュアナチュール」のワゴンが8万円台とか、もう普通に学習机の平均購入価格帯を超えてしまったことです。ちなみに、浜本工芸はまだ6万円台です。
あと、以前は実売価で10万円以下で購入できた「コーディ」が、もう全然そういう価格帯ではなくなってしまったことも驚きました。この価格でも売れるというのが、やはりブランドの格の違いなんでしょうね。
それにしても、昨年冬に発売されたクリアネルがまさか半年ほどで2~3割も値上げされることになるとは思いもよりませんでした。その間にそれほど大きな外部環境の変化はなかったように思いますが、カリモク家具としては想定外の何かが起こったからこそ新商品をいきなり値上げせざるを得なかったのかもしれません。
ただし、クリアネルが想定より売れなかったから値上げ、ということはないと思います。そんなことをしたら、余計に売れなくなってしまいますからね。あくまでコストを精査した結果、適正な価格にした、ということなのでしょうか。
以上、2024年度のカリモク家具の学習家具カタログで気になったところを紹介しました。
これほど破格の扱いを受けているクリアネルがどこまで売上を伸ばせるのか気になるところです。これまで不動の1位&2位だったボナシェルタとユーティリティプラスが陥落することになる日が来るのでしょうか。
ぶっちゃけ、ボナシェルタが予算オーバーでユーティリティプラスにするという方も少なくない現状、ボナシェルタより割高感のあるクリアネルに流れる人がどれほどいるのかと思います。一方で、世間は二極化していますから、意外とクリアネルがポンポン売れていくのかもしれません。そうなったら日本の家具業界の将来は明るいんですけどねー。
もっとも、そうなったらそうなったで、カリモク家具の机は庶民にとってはますます高根の花になりそうです。
コメント 皆様からご質問・ご意見など