お盆前には各社とも新作デスクの情報が出てくると思っていたのですが、今年はどうも遅いですね。
もっとも、コロナ禍が一段落して旅行に行くご家庭が多いのか、当ブログへのアクセスも例年以上にパッとしません。こんなときはジタバタせずに、皆さんの興味関心が学習机に戻ってくるのをジッと待つに限ります。
それはさておき、堀田木工所の新年度の学習机カタログは9月頃の予定となっています。それまでは大人しく待ってるしかないと思っていたのですが、先にホームページ上に新型デスクが掲載されました。
これがなかなか良さげなので、ちょっと紹介してみたいと思います。
※この記事は2023年8月12日時点の情報に基づいています
ミライエプロジェクト!クオン

出典:堀田木工所(以下同)
堀田木工所は今年度から「MIRAIE(ミライエ)サスティナブルプロジェクト」を始めました。SDGsの一環で”学習机から持続可能な社会実現をめざす”というものです。
新作デスクの「Quon(クオン)」はそのプロジェクトを具現化したもので、持続可能な北米産ホワイトオーク無垢を主材とするとともに、アブラヤシの廃材を使った再生木質ボード「PALM LOOP」を使っています。
また、パネル(上棚)は足元棚として使えるように設計するなど、大人になっても使えるロングライフデザインを採用。さらに、売上の一部を遺児などの支援に充てることを約束しています。
クオンのデスクとワゴンの組み合わせを見ると、私がデザインした「ミニマ」(販売終了)に似ていると感じました。しかしながら、脚や天板に丸みがあることから、むしろケユカの「アロン」に近い感じです。
塗装については書かれていないのですが、もしウレタン系だったらかなりうれしいですね。もっとも、W1050× D600mmのデスク本体のみで税込127,600円ということですから、浜本工芸の「No.09デスク」に比べると割高です。
上棚が足元棚になる!ルオム
「Luomu(ルオム)」もミライエサスティナブルプロジェクトの新作デスクです。デスク天板はホワイトオーク突板で、やはり塗装については明記されていません。ほかのアルダー材のデスクはUFOオイルと書かれていることを考えると意味深ですね。
ルオムは上棚を床に置いて足元棚として使えるロングライフデザインが特徴のひとつです。こんなギミックを採用したのは私がデザインしたミニマ(←しつこくてすいません・苦笑)に次いで日本で2番目じゃないでしょうか。さすが堀田木工所、目のつけどころがシャープです。
こちらはアルダー無垢!フィーロ
3台目の新作デスク「FILO(フィーロ)」は冒頭のクオンに似ていますが、こちらはミライエサスティナブルプロジェクトではないようです。天板はアルダー材のUFO塗装となっています。もちろん、軟らかいアルダー材をオイルで仕上げてるからキズや汚れに弱くてショートライフというわけではないと思います。
フィーロはW1000×D600mmの必要十分なサイズの天板に、子供でも座り降りしやすいテーパー脚で素敵です。上棚はミニマムでもバックパネルでもなくワイドなベーシックスタイルとなっています。意外とこういうのは少ないので注目を集めそうですね。
アルダー材ユニットシェルフ!オッフェン
最後はデスクではなくシェルフです。「Offen(オッフェン)」は無印良品の「パイン材ユニットシェルフ」のように帆立と棚板を追加で組み合わせることもできる、アルダー材を使ったオープンシェルフです。こんなことに取り組んでくれる国産家具メーカーが登場したことはとても素晴らしいことだと思います!
価格は112cm幅で税込105,820円ですから浜本工芸の「No.28書棚A(110)」とほぼ同じです。そう考えるとかなり割高感がありますけど、カリモク家具の
「ボナシェルタ書棚QT3575」と比べたら約3割も安いです。実売価で言えばもっと差が開くでしょう。
デスク天板と違ってキズや汚れの心配も少ないですから、良い選択肢が増えたと思います。
というわけで、2024年度の堀田木工所の新作デスクはとても素晴らしいです。私がこんなに堀田木工所のことを高く評価するのは初めてのことですよ。
ミライエサスティナブルプロジェクトはともすれば今やどこでも取り組んでいるSDGsですけど、具体的に新商品の仕様に落とし込むことで取り組んでいる内容が明確になっていると感じます。
堀田木工所がホワイトオークのデスクを作るのは久しぶりじゃないですかね。たぶん「ベルダッド」(現在は後継の2でアルダーのみ)以来でしょう。個人的には木材の硬さより塗装の硬さのほうが重要だと思うので、クオンとルオムがウレタン塗装だったらと期待しているところです。
ベーシックデスクのフィーロも個人的には好きな形です。「ペルケチェアー」と言い、ルオムの上棚のギミックと言い、堀田木工所は本当に目のつけどころが良いと思います。
ユニットシェルフのオッフェンもそうです。2024年度はコイズミファニテックからも「ウォルビー」というシェルフデスクが登場しますが、ようやく学習机メーカーもこの領域に突入したと感じます。
2024年度の学習机市場はかなり面白いことになってきたんじゃないですか。あとは消費者の方々が興味を示してくれることを祈るばかりです。

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