まだTOBの最中ですが、島忠がニトリの傘下に入ることになりました。そのニュースが流れた当初はネットを中心に「島忠がニトリになってしまうのはイヤだ!」という声が多く聞かれました。
この反応は個人的にはちょっと意外だったんですよ。世間ではニトリの人気が高まる一方、島忠だけでなく、ファニチャードーム、太陽家具など、中堅が苦戦を強いられていますからね。
翻って、島忠と同じ家具&ホームセンター業態の西の雄・ナフコはどうかと言うと、こちらもニトリにやや押され気味で売上は微減傾向が続いています。
しかし、ナフコとて黙って様子を眺めているわけにいきません。学習机でもナフコはニトリにちょっと対抗している感じがありました。
ところが、2021年度はちょっと吹っ切れたのでしょうか。ニトリとガチバトルするのではなく、ニトリの客層とは違う層を明確に意識したラインナップになって、かなり良い感じですよ。
※この記事は2020年12月23日時点の情報に基づいています
浜本工芸が2モデルから3モデルに
もっとも驚いたのは、浜本工芸のオリジナルモデルが2モデルから3モデルに増えたことです。片袖机の「No.61デスク」をベースにした「35グランデ」を廃して、代わりに「No.09デスク」ベースの「レッグナイン」(下写真)と「No.28デスク」ベースの「トゥースクエア」を投入しました。天板昇降式の「No.17デスク」のナフコ版「35ロイヤル」は継続です。
未だデフレを脱却できない日本。しかも学習机市場は少子化の影響もあって縮小傾向です。にもかかわらずナフコが国産高級デスクの代名詞と言える浜本工芸のオリジナルモデルを増やすのは、安定した売上が見込めるとともに、ニトリと大きく差別化できる要素だからでしょう。
ナフコ×浜本工芸・レッグナイン
レッグナインはNo.09デスクの天板をナラ無垢からオーク無垢に変えて、足元棚を取っ払って背板にコンセントを付けたものです。要は東京インテリア家具オリジナルモデルの「TI-09」から足元棚を外すことでさらに低価格を実現したというわけですね。
ちなみに、上写真に映っているデスク本体以外はすべてカタログモデルですが、ナフコのカタログには○%引きのズバリ価格で表示されています。いやー、良い時代になりました。
ナフコ×浜本工芸・トゥースクエア
トゥースクエアのほうはNo.28デスクのデスク本体引出しに鍵を設け、書棚のブックエンドを仕切板に変更。カタログモデルをナフコの通常値引率で買うのと比べてそんなに価格は変わりませんけど、100cm幅がセットで税込95,700円というズバリ価格は値ごろ感があって良いのではないでしょうか。
なお、レッグナイン、トゥースクエアともに、幅は100cmと110cmの2サイズが用意されています。
コイズミ「CD」タイプが4色から5色に
学習机市場は天然木のシンプルなデスクの人気が高まる一方で、多機能なカラーデスクの人気が衰える傾向にあります。このことはコイズミファニテックのカラーデスク「CD」シリーズのカラーバリエーションがかつての半分になっていることからも分かる通りです。
ニトリでも同様の傾向です。西日本を主戦場とするナフコではまだまだカラーデスクが主力とは言え、徐々に天然木もしくはシンプルなデスクを増やす傾向がうかがえました。
ところが、CDタイプのカラーデスク(上写真・NODR-829WWLB)がテレビCMの効果で好調に売れているのでしょうか。2019年度の登場以来4色展開だったのが、2021年度は5色展開に増えました。つまり、カラーデスク不人気というトレンドに逆行しているわけです。
2020年度からイトーキが抜けて、シーズンを振り返るとその穴を埋めるために1色追加で欲しいと感じたのかもしれませんが、実に興味深いことだと思います。
オカムラに代わって、くろがねがシェア拡大
2019年度を最後にイトーキが学習机市場からほぼ撤退したことはナフコにとっても影響が少なくなかったと思います。その穴を埋める策を練るのは頭の痛いところだったと思いますが、2021年度のカタログからはオカムラまでもが姿を消しています。西日本はコスパを重視する傾向にありますから、やっぱりオカムラは割高感があって売れないのでしょうか。
イトーキとオカムラの穴を埋めたメーカーのひとつは冒頭の浜本工芸ですが、それよりも前面に打ち出しているのがくろがね工作所です。上写真の「NFシステムデスクBPN-20CD」は「ヴィンテ2」から2個のブックスタンドを外して代わりにスチール製のタブレットスタンドを付けたモデル。しかも、カタログモデルとは異なり、デスク(+上棚+ワゴン)のみを購入することもできます。
そのほか、「ラティック」もどきの「NFシステムデスクRP-NF21CD」も登場。たった2年でカタログから消え、ニトリでも2年で終わってしまいましたが、3度目の正直となるでしょうか。
コイズミ「ブロスト」が値下げ
イトーキから「ウットフォーク」が登場して以来、ブルックリン系の学習机が人気です。先にナフコで「ブロスト」もどきの「NORD-630VB」(上写真)を販売していたコイズミファニテックとしては、くろがね工作所のヴィンテ2のオリジナル仕様が投入されることに危機感を持ったのでしょうか。価格を8%近くも下げて税込79,800円にしました。
ヴィンテ2もどきがデスク+上棚+ワゴン+デスクライトのセットで税込69,800円。それに対してブロストもどきは天板がオーク突板で+1万円という価格です。私だったら迷わず後者を選びますけど、世間は必ずしもそうではないのでしょうね。
大商産業のデスクもカタログ掲載
大商産業(金次郎デスク)もナフコの売場からイトーキとオカムラが抜けた穴を埋める役割を担っています。これまでもナフコは大商産業の学習机を扱っていましたが、カタログに掲載するのは初めてじゃないでしょうか。
上写真の「MR-519」はカタログモデルのベーシックデスクですが、ほかにも3Dデスク(組み替え式デスク)の「SWM-519」が掲載されています。
以上の通り、2021年度のナフコの学習机のラインナップはかなり良い感じに仕上がったと思います。
基本的に私はナフコが好きなんですよ。新婚のときはナフコでワードローブや食器棚などを買いましたし、新居への引越しに際してはTVボードやカーテンなどを購入しました。
別にニトリが嫌いというわけではないですが、ナフコには”比べれば違いが分かる家具”がたくさんあって、オリジナルモデルも魅力的なものが多いのです。しかし、近年は学習机に関してはちょっと首を傾げることが多かったように思います。
でも、今年度はちょっと違います。むやみにオリジナルモデルを作るのではなく、コイズミファニテックの「ビーノ」や大商産業の「MR-519」をカタログに掲載するなど、バランスを心掛けた感じがします。単純にオリジナルモデルが減っただけと見ることもできますが、消費者にとってはむしろそれで良いのです。
福岡県と岡山県では太陽家具の居抜きで東京インテリア家具が進出するなど競争はますます熾烈になってきましたが、これからもナフコらしさを活かして頑張って欲しいですねー。
コメント 皆様からご質問・ご意見など
初めまして。
数年前に新居に引っ越してから、家具や収納用品を調べてくうちに収納マン様のブログに行きつき、大変お世話になりました。
そして今回は今年小学校へ入学する娘の学習机を調べていると、学習机評論家様のブログに行きつき…まさかの収納マン様でテンションが上がりました。
今回も色々と参考にさせて頂き、実物もいろいろ確認した結果、浜本工芸の学習机にしようとは決めたのですが、どの種類にするかで迷っています。
使い方としてはデスクと書棚を購入し、リビング学習数年後、子供部屋に移動する予定です。
広い家とは言えないので幅も奥行きもコンパクトなNo.28のデスクと書棚を検討していました。
リビングにちょうど90cmほどの壁があるので、その壁に書棚を横付けにして使い、子供部屋に移動の際は奥に書棚を置いて…という案で考えていたので、デスクも必然的に幅90cmになるかと思います。(ワゴンは考えておりません。)
しかし、さすがに奥行きも幅も狭くないか?との意見が出てきてまた悩んでます。
ちなみに他の候補はNo.32でリビングでは天板収納、子供部屋では天板拡張での使用ですが、書棚セットの価格と、天板収納時に下締めクランプ式のデスクライトが取り付けれないのがネックです(^^;
本棚のことを考えなければ、No.28の100cm、110cmも置くことは可能です。
やはり幅90cm×奥行き50.5cmのデスクでは狭すぎるのでしょうか。
収納マン様の見解をお聞かせ頂ければ幸いです。
長々と失礼致しました。
みるきーさま
はじめまして^^
こちらのブログを参考に学習机を買って収納のブログのほうもご覧いただくという方は多いですが、その逆は珍しいんじゃないかと思います。
何かしらお役に立てるのであれば、こんなにうれしいことはありません(*´ω`*)
さて、今春ご入学予定のお嬢様に浜本工芸のNo.28デスクを中心にご検討中ということですね。
まず結論から申しますと、幅90cm×奥行き50.5cmのデスクでは狭すぎるということはありません。
広いスペースが必要になるのは受験勉強のときに参考書なども広げるようになってからです。
リビング学習では教科書とノートさえ広げれれば問題ないことが多いので、コンパクトなデスクでも問題ないはずです。
また、リビングに学習机を置くのはダイニングテーブルやリビングテーブルで勉強するのを避けるというのが目的のひとつだったりしますが、実際には子供はあちこち移動して勉強することが多いものです。
なので、広いスペースが必要な場合は、広いテーブルや床に移動しますから、やはりコンパクトなデスクでOKと言えます。
一方で、収納スペースや、子供部屋に移動してからのレイアウトについてはよく考えておく必要があります。
リビング学習をするからと言って学用品はすべてリビングに収納スペースを設ける必要があるわけではありません。
逐一、子供部屋に持って行ってくれれば、それが親としてはもっともありがたいことだと思います。
しかしながら、実際には帰宅するとランドセルはリビングに置きっぱなしになりがちです。
必要なモノがあるたびに子供部屋との間を往復するのも面倒です。
そう考えると、リビングにも本棚やカバンを置くスペースが必要になってくるかもしれません。
また、机を子供部屋に移動して受験勉強が必要な時期になってくると、広い天板面が欲しくなってくると思います。
受験勉強よりも前に、ノートパソコンを横目で見ながらレポートを書くという宿題もあるかもしれません。
そんなときは、No.28デスクとNo.28書棚をL型レイアウトにしたり、No.32昇降袖を横に置いて使ったほうが、作業面を広く確保できて良いでしょう。
いずれにしても、大切なのは「どの時期を旨として考えるか」だと思います。
その点で言うと、リビング学習の間は使い捨てにしても良いような机で間に合わせて、子供部屋に移動してから幅110cmのデスクを買うというのもアリでしょう。
また、リビングに置くにはちょっと大きめのデスクを買って圧迫感があっても、子供部屋に移動させるまでの辛抱、それよりも子供の学習環境を第一に考えるというのも、ひとつの考え方ではないかと思います。
ちなみに、我が家は後者の考え方で、9畳のダイニングキッチンに上棚付きの学習机を2台、オープンラックを3本置いてました^^;
インテリアとしては最悪でしたけど、親子のコミュニケーションという点では良かったんじゃないかと思っています。
早速のご返信ありがとうございます。
まずNo.28で懸念していた机の狭さについて、コンパクトでも問題はないと言って頂き少しホッとしました。
そして広いスペースが必要な場合はテーブルや床に移動…
これもなるほど~と思いました。現に今も子供用にローテーブルがあるのですが、結局床で遊んでることもしばしばあります。。
部屋を広く使いたい=奥行きを狭く
という考え方ばかり先行してしまってたので、コンパクトでも大丈夫よね!?と背中を押してもらいたかったのもありましたが、収納についての考えが疎かになっていました。
リビングが1階、子供部屋が2階なので間違いなくランドセルや学用品などはリビングに置いてしまうと思います。
当初はランドセル等はIKEAのロースコグワゴンに乗せて使用しようと考えていましたが、学習机を探し出すとどうしても机と揃えたくなってしまいますね(^^;
それも含めて改めて考えたいと思います。
収納マン様のお宅では、ダイニングキッチンに学習机2台とオープンラック…なかなかワイルドだな~と思ったと同時に、我が家は1台のみだし、娘自身も早く子供部屋で勉強すると意気込んでいるので(まだ様子見なのでリビング学習から始めますが)割と2階に移動するのも早いかも?と考えると、少し辛抱するのもアリだなとなってきました。
その前に物が多い我が家なので、しっかり動線が保てるように収納の方のブログもまた参考にさせて頂きます。
みるきーさま
そうそう、ウチはまだ子供が生まれていない段階でダイニングに学習机を置くつもりでダイニングセットも買いませんでしたから、ドーン、ドーンと学習机を2台置くことは完全に割り切ってましたね^^;
こちらの写真を見ると、すごくガチャガチャした感じに見えますけど、私としてはそんなに悪くは見えませんでした。
それよりも親子でコミュニケーションがとりやすく、安心感があって良かったと思います。
ちなみに、引越して現在はこんな感じ。
思春期なので写真は控えてパースで申し訳ありませんが。
それはさておき、やっぱりお子さんは帰ってきたらすぐにお母さんやお父さんと話したくて、ランドセルはリビングに置きっぱなしになりがちですよね^^;
そこで宿題をする場合はなおさら、宿題が終わるまでリビングで広げっぱなしになるし、翌日の用意もあるので、結局ランドセルはリビングが定位置になることが多いと思います。
ただ、すべてのお子さんがそうするというわけでもありません。
親がズボラでもキッチリしたお子さんもいらっしゃいますし、そこはやってみないと何とも言えないというのが難しいところです。
また、ランドセルや手提げバッグの奥行と教科書類の奥行は違うし、小物を収納する際は引出しがあったほうが便利というのもまた収納家具の選定を難しくする要因となります。
なので、理想を言うと、カラーボックスなどを買い足すというよりは、たとえば既存の家具を背の高い家具に買い替えて、下段は子供、上段は大人が使うなど、全体を見直すことが望ましいと言えます。
そんなことを考えると壮大なプランになりますが、一人で悩まず、家族と相談しながら進めてみてください♪
こんにちは、北海道釧路市の相澤と申します、写真を添付しますが以前 釧路の結婚式場のベルコで娘の結婚道具(大塚家具製品です)として箪笥などを購入しましたがドレッサーの椅子がグラグラして困ってます何とか修理出来ないかと思いメールしました
どの様にしていいのかをご指示願いたと思います
相澤さま
はじめまして^^
なぜ私にこの質問をされるのかちょっと分からないんですけど、私で分かる範囲で回答させていただきたいと思います。
こちらのドレッサーは確かに大塚家具製造販売の商品っぽいですね。
現在はウィドゥスタイルという社名に変更されています。
それで問合せ先が分からなかったのかもしれませんね。
ただ、ウィドゥスタイルに連絡をしたところで、釧路から返送修理というのは現実的ではありません。
往復の輸送コストだけでも相当高くなってしまうからです。
現実的な方法としては、ご近所の家具修理店もしくは昔から地元で商いをされている家具販売店に持ち込んで修理してもらうのが良いでしょう。
グラつきの解消だけだったら5千円くらいまででできると思います。
DIYの心得があるようでしたら、ご自分でゴムハンマーを使って椅子を分解し、ダボ穴に木工用接着剤を流し込んだうえで組み立て直し、ハタ金やPバンで接合部を圧着するようにすると良いです。
大事なお嬢様の結婚道具ですから、早く直ると良いですね^^
※勝手ながらお名前を修正させていただきました
こんにちは
大変申し訳ありませんでした
どうも、メール先を間違いした様です
アドバイス 大変有難う御座いました
地元の店に持ち込んでお願い致します
また、大塚家具がウィドゥ・スタイルに変わったとの事有難う御座いました
相澤さま
これもまたご縁ですね^^
お役に立てれば幸いです♪