コクヨが学習机から撤退して早20年以上が経ちます。子供の頃に「くるくるメカ」の学習机を使っていたという人も少なくないでしょう。かく言う私も椅子だけはくるくるメカでした。
そんな背景から、数年前まではコクヨの学習机を探し求める人がチラホラいました。最近は世代が変わってきたのか、もうほとんど見かけませんが、それでも多くの人の記憶に残っていることでしょう。
でも実は、コクヨは今も学習机を作っていると言えます。なぜならアクタスはコクヨの子会社だからです。
今回はそんなアクタスの学習机の中でもっとも定番と言える「FOPPISH2(フォピッシュ2)」を徹底分析してみたいと思います。
※この記事は2021年3月13日時点の情報に基づいています(2024年11月18日一部更新)
アクタス・フォピッシュ2
ラインナップ
商品名 | サイズ W×D×H(mm) | 税込価格 | 商品コード |
---|---|---|---|
デスク | 1000×600×720 | 56,100円 | 2216493-3 |
1100×600×720 | 61,600円 | 2216569-5 | |
チェスト | 420×470×590 | 37,400円 | 9050151-7 |
デスクシェルフ ハイ | 970×220×600 | 33,000円 | 2216495-7 |
1070×220×600 | 36,300円 | 9050154-8 | |
デスクシェルフ ロー | 970×220×300 | 23,100円 | 2216494-0 |
1070×220×300 | 25,300円 | 9050152-4 | |
ブックシェルフ | 650×320×1520 | 45,100円 | 2003644-7 |
ハンガーラック | 650×400×1520 | 50,600円 | 2003643-0 |
クランプホルダー | 456×75×30 | 4,400円 | 9050153 |
PSマット | 1007×594×2 | 10,120円※ | 8005883 |
※2023年度以降のPSマットの価格は不明。販売を終了したかもしれません。
特徴・人気の秘密
アクタスの学習机で発売から10年以上となるロングセラーモデルは、「ヴァリオ」とフォピッシュの2モデルです。その中でもフォピッシュがもっともよく売れている理由は、一言で言うとデザインだけに偏ることなく使いやすい普遍的なスタイルだからでしょう。
また、フォピッシュは硬いオーク材でキズや汚れの心配がないウレタン塗装ということで安心感があるのだと思います。品質面でも、引出しが固くて開かないことがあるヴァリオに対し、フォピッシュはスムーズに開閉できます。オーク材の質感も無印良品のように腐っておらず比較的良質です。決して安くはありませんが、顧客の期待を裏切らないクオリティを備えていることは間違いないと言えるでしょう。
よく比較検討されるデスク
浜本工芸・No.89デスク
フォピッシュにガチで競合するのは浜本工芸の「No.89デスク」です。何しろアクタスが訴えようとしたほどデザインがよく似ています。
ともあれ、No.89デスクは日本製。現在はアクタスのほうが相対的に安くなったこともあり価格差は6~7割ほどありますが、No.89デスクに使われているナラは最上級と言えるシロモノで木目が美しく、引出しの開閉も驚くほどスムーズ、ワゴンはリフティング式も選ぶことができるうえに、鍵も付いています。
コイズミファニテック・ビーノ
フォピッシュは予算オーバーということで、コイズミファニテックの「ビーノ」を検討される方も少なくありません。ただ、ここ数年でビーノが値上がりしてしまったので、価格差は期待するほど大きくはないです。
一方で、ビーノならリフティングワゴンも選べるし、ランドセルハンガーとコンセントも付いていて機能的に使えます。カラーバリエーションやラインナップも豊富です。
ケユカ・ニノス
オーク無垢という点ではむしろケユカの「ニノス」のほうがフォピッシュの比較対象になりやすいかもしれません。
ただ、本体と配送料が値上げされてからは、ケユカの学習机を検討する方が激減したように思います。もうちょっと手を伸ばせば浜本工芸の机が買える値段になってしまったからでしょう。
カリモク家具・ピュアナチュール
やはりブランドで選ぶ方が多いからでしょうか。フォピッシュを検討される方はカリモク家具の様々な机を検討されることが多いように思います。
同じくベーシックデスクということで「ピュアナチュール」が有力候補となるでしょう。ピュアナチュールならコンパクトな上棚も選べますし、ワゴンの高さをデスク天板に揃えることも可能。足元棚とコンセントも装備しており、デザインだけでなく機能も充実しています。
堀田木工所・ウィンディ
フォピッシュは予算オーバーなのでリーヴェ2(廃番)を検討していたところ、堀田木工所の「ウィンディ」にたどり着くということも以前は少なからずあったと思います。
リーヴェ2もウィンディもアルダー材ですが、リーヴェ2はベトナム製、ウィンディは日本製です。しかも、オイル塗装のリーヴェ2と異なり、ウィンディはそれよりキズや汚れに強いUFO塗装です。にもかかわらず、楽天市場などではウィンディのほうが安く買うことができます。ちなみに以前は堀田木工所が作った学習机がアクタスのオリジナル商品として並んでいたんですよ。
無印良品・木製デスク オーク材
オーク材のべーシックデスクということで、最近は無印良品の「木製デスク オーク材」も候補に挙がることがあるかもしれません。上写真の3点セットで税込64,900円ですから、フォピッシュ2の半値近くで済む計算です。そう考えると、アリなのかもしれませんね。
というわけで、 フォピッシュの魅力をお伝えしたうえで比較検討する余地の多そうな学習机を6台ピックアップしました。
こうやって見ると、フォピッシュのようなオーク材のベーシックデスクってあるようで意外とないものですね。というか、フォピッシュを検討する人が他に流れる場合は浜本工芸とカリモク家具がほとんどすべて吸収しちゃってる感じがします。言い換えると、やっぱり品質的には浜本工芸やカリモク家具には敵わないと言えます。
しかしながら、フォピッシュをはじめアクタスのブランド力とデザイン性はとても魅力的です。アクタスで買った学習机というだけでセンスが良く、高価なものだと周囲に認められる満足感は他ではなかなか得られないでしょう。特にフォピッシュは使い勝手も悪くないですから、親子ともに満足できる机だと思います。
コメント 皆様からご質問・ご意見など
はじめまして。小学四年生の息子の学習机を探しています。
無印良品やアクタスのFOPPISHのようなチェストのデザインのもの(引き出す際の持ち手やへこみのない真っ直ぐなもの)で検討しています。そのようなデザインで上棚のないもので他におすすめの机(というかチェストなのですが)があれば教えていただきたいです。マナベのドロシーは色味が白っぽく見えるのでそこが引っかかり、ケユカのニノスは少し持ち手の部分があるので候補から外れています。無印良品は実物が届いてみないと木目のデザインがわからないことや、値段相応の材質であること、公式サイトのレビューが悪いことなどが引っかかり購入に至らずにいます。
アクタスを購入する場合、FOPPISHの机にはFOPPISHのチェストを合わせたほうが良いのでしょうか?アクタスにはSARCLEという二段のチェストもあるようで、そちらのスリムなほうと比較すると、どちらがお勧め、などありますでしょうか?
よろしくお願いいたします。
まるさま
はじめまして^^
息子さんのために、ワゴンの引出しのデザインがシンプルな机をお探しということですね。
私がデザインした 「ミニマ」 ならまさしく条件に合うと思いますが、さすがにご予定の予算とは異なるでしょうか。
ちなみに、それほど価格帯は変わらないものの、浜本工芸の「No.6000デスクユニット移動袖」もデザイン的にはお好みの感じだと思います。
No.6000デスクユニットはアクタスのサークルにも似てますからね。
あとはカリモク家具の「ボナシェルタ」、「スパイオユニット」もシンプルなデザインです。
アクタスのフォピッシュのデスクにサークルのワゴンというのは、色味は合うものの、サークルのワゴンはフォピッシュのワゴンよりも5cmほど低いので、ちょっと貧相な感じに見えるでしょうね。
スリムなワゴンを重視されるようでしたら、カリモク家具のボナシェルタがもっとも条件に合うように思いますがいかがでしょうか?
お忙しい中早々にお返事いただきありがとうございます(´・_・`)
ミニマとっても素敵ですね!机もワゴンもまさに理想の形です。
浜本工芸、カリモク家具の教えていただいたシリーズ、初めて知りました。
候補が増え嬉しいです!が、ますます悩むことになりそうです^^;
息子とも相談しながら決めようと思います。
まるさま
イメージに合ったようで良かったです^^
設置スペースに余裕があれば、幅1100mm以上のデスクを選ぶことで、標準的な幅400mm以上のワゴンをセットしても足元の広さは確保できると思います。
フォピッシュを検討されていたのでしたら、ボナシェルタやNo.6000デスクもOKですよね。
ひょっとしたら次のカタログから浜本工芸は値上げするんじゃないかと勝手ながら思っているところですが、できればショールームや大型家具販売店で実物をご覧いただければと思います^^
以前、ハイタイプを検討していると相談させて頂きました。
FOPPISH2でほぼ決まりの気持ちだったのですが、ランドセルかけがないのが気になってきました。(問い合わせたところ、フックはあるけどランドセルをかけることは想定していないと。その位置なのに!?実際みんなかけてるんじゃないの??)
カリモクも素敵だけど、上棚がブリッジ型じゃ無いのが駄目で。。
ハイタイプは譲りますが、ビーノやケユカで落ち着く可能性も出てきました。
色々見ているうちに、No.09デスクとかも気になってきました。収納マンさまの写真を見たのですが、ブリッジしたが広くてデッドスペースにならなそうで良いですね。
あと、やっぱり、ビーノは価格の割に良くできている感じがしますね。。
ビーノで机下収納棚がNo.09のようについていたらかなり魅力な気がします。
ささみさま
実際のところ、ランドセルはデスクサイドのフックに掛けないことが多いように思います。
というのは、ランドセルが重くて新入学時には掛けにくい、デスク横に書棚や壁がある、掛けるよりも床や天板、ワゴンの上に置いたり、椅子の背もたれに掛けたり、椅子の足元棚に乗せたり、ランドセルラックや棚の上に乗せたりということも多いからです。
その点、コイズミファニテックのビーノにも装備されているランドセルハンガーは良くできています。
カリモク家具や浜本工芸のランドセルハンガーも悪くないですが、キズの心配をせずに使いやすいのはコイズミファニテックのほうでしょう。
ともあれ、浜本工芸のNo.09デスクが候補に挙がったということは、カリモク家具のピュアナチュールも良さそうですね。
これも微妙なところなのですが、No.09デスクのバックパネルは上段に目いっぱい本を並べられるようには設計されていません。
その点、ピュアナチュールのパネルは上段にもたっぷり収納可能な設計です。
一方で、ピュアナチュールの足元棚は単行本(A5)サイズまで。
No.09デスクはA4サイズまでOKとなっています。
もっとも、足元棚はそれほど使わない本などを収納するスペースなので、さほど重要ではないかもしれません。
そう考えると、ビーノも良い選択肢のひとつでしょう。
ケユカのアロンやニノスも良いですが、配送設置料が高くつきます。
ちなみに、奥行60cmでギリギリということでしたが、No.09デスクとピュアナチュールは奥行65cmです。
一方で、奥行60cmで幅広の上棚をセットすると、残る天板面が狭く感じられます。
ブリッジ型の上棚、もしくはバックパネル式で、お子さんの正面下段にはなるべく本を収納しないようにするというのも方法のひとつですが、幅がコンパクトな上棚をセットするというのも良いと思います。
もっとも、そうなると収納量は減るので、場合によっては足元棚があったほうが良いかもしれません。
悩ましいところですねー^^;