ニトリでは目下、「生活応援」と銘打ってセール中です。最大1653アイテムを値下げ。11月13日から1月11日まで家具配送料無料(一部除く)、アプリ会員はポイント3倍など、今までに見たことのない総力挙げての取り組みとなっています。
その裏にはいったい何があるのか。実はこれまで34期連続で増収増益を続けてきたニトリが絶不調なのです。今期(2022年2月期)の3月から11月までのうち、既存店売上高で前年を上回ったのは4月だけで、平均して10%以上も売上を落としているのです。
コロナ禍にあって前期は10%以上伸ばしたことを考えるとトントン。むしろ善戦しているとは思いますが、35期連続増収増益を達成するためにはこの年末年始で何としても売上を伸ばしたいというところなのでしょう。
一方で、こんなに値下げや送料無料をやってたら、いくら売上を伸ばしても利益率は悪化してしまいます。ですが、そこはさすがニトリ。少なくとも学習机のほうはちゃんと対策しているようです。
※この記事は2021年12月1日時点の情報に基づいています
主力アイテムだけに絞ったカタログ
2022年度のニトリの学習机カタログを見て、私は拍子抜けしました。主力デスクだけしか掲載されておらず、これといった新作デスクもなく、ニトリの学習机のラインナップを把握できるようなものではなかったからです。そのためか、タイトルが従来は「こども新生活カタログ」だったのが、今年度から「キッズコーディネートBOOK」に変わっています。
ニトリで扱っている収納小物を使って身の回りを整頓するソフト重視の誌面作りになっているのはこれはこれで良いとして、正直ちょっと物足りない感じがします。
2022年度は値上げラッシュ!
デニッシュH
そんなわけで、変わり映えしないなーと思っていたんですけど、価格を見て驚きました。最大1653アイテムを値下げしている一方で、学習家具は軒並み値上げとなっているからです。
まずカタログ冒頭に掲載されているベッド付きデスクの「デニッシュH」は2021年度の「デニッシュT」から1万円アップの約14%値上げ。ロフトベッドのほうも89,900円から1万円アップして99,900円になっています。
メルシーT
天然木ロータイプデスクの「メルシーT」は前年度の「メルシーR」49,900円から54,900円に5千円アップ、約10%の値上げとなっています。前年度から仕様は特に変わりがないと思われますが、マレーシア製から中国製に変更となった模様です。これはコロナ禍の影響でしょう。
ちなみに、2022年度は引出しのワゴンに代えてスリムなキャスター付きラックを装備したスリムワゴンタイプ(メルシーST)も用意されています。これなら価格は49,900円ですが、昨年度なら引出し3杯だったことを考えるとすごく割高感があります。
リビオG
2021年度のくみあわせですくデラックス「リビオC」は2022年度の「リビオG」になっても価格は変わらず59,900円。見た目にも違いが感じられませんでした。しかし、よく見たらデスクライトが別売になっており、いわゆるステルス値上げの状態です。
USBコンセントBOX付きデスクライトは4,990円で追加購入できるそうですから、事実上約8.3%の値上げということになります。
というわけですから、「え、今ならニトリで配送料が実質無料!?」なんて飛びついたらダメですよー(笑)配送料がタダになってもそれを上回る値上げが実施されているわけですからね。
もちろん、1月11日を過ぎれば値上げ分も配送料も丸かぶりです。ニトリ以外を見ても値上げしていないところよりも値上げしているところのほうが圧倒的に多い状況ですから、それなら値上げもやむなしと考えて大人しく早めに買っておいたほうが得なのかもしれません。
でも、この事実を知れば「ニトリなら間違いない」と思っている人もちょっと考えが変わるのではないでしょうか。良くも悪くもニトリは家具業界のユニクロです。つまり、必ずしもコスパが良いわけではありません。
ニトリなら今が買い時と思い込まずに、じっくりと品定めしていただければと思います。
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