ここ数年は何でも値上げが続いて、特に最近の米の値上がりには参りました。新米の入荷で「欲しくても買えない!」ということは解消されつつあるものの、従来の1.5~2倍程度の価格になっています。台風10号などの影響で野菜の値段が高止まりしていることも悩ましいですよね。
一方で、それ以外の食品や日用品については値上げが一服したように思います。と言うか、値上げしたものの売上が芳しくなくて、元に戻さざるを得なかったのではないかという印象です。
学習机に関しても同様で、こっそりディスカウントすることも少なくないように感じます。一時は1ドル=160円を超えていた為替が140円前後まで高くなってきたことも影響しているのでしょう。
とは言え、一様ではありません。学習机市場だけでなく家具業界全体で見ても、ここ最近も値上げの話は少なくないです。ここのところ変わり映えのしないKEYUCA(ケユカ)も実は値上げに踏み切っていました。
※この記事は2024年9月18日時点の情報に基づいています
「ニノス」が1~2割の値上げ
ニノス | 旧価格 | 新価格 | 値上率 |
---|---|---|---|
デスク10560 | 62,590円 | 74,690円 | 16.2% |
デスクワゴン | 39,490円 | 43,890円 | 10.0% |
デスクシェルフ92 | 25,190円 | 32,890円 | 23.4% |
チェア | 36,190円 | 43,890円 | 17.5% |
上記4点セット | 163,460円 | 195,360円 | 16.3% |
ブックシェルフ60 | 38,390円 | 43,890円 | 12.5% |
ブックシェルフ | 6,600円 | 6,600円 | – |
上表は2024年2月発行のカタログに記載された「ニノス」の旧価格と同じく2024年8月の新価格を比較したものです。デスクワゴンの10.0%からデスクシェルフ92(上棚)の23.4%まで、概ね1~2割の値上げとなっています。ちなみに、ニノスの値上げは2022年9月以来、2年ぶりのことです。
デスク+ワゴン+上棚にチェアを加えた4点セットはもはや20万円に手が届く価格です。これに送料が2万円以上も掛かることを考慮すると(オンラインショップで購入した場合)、実売価では国産最高峰の浜本工芸の学習机と逆転現象が生じかねません。いくらニノスのデザインが素敵と言っても、さすがに無理筋でしょう。
なお、ブックシェルフだけは価格が据え置きとなっています。これはニノスのベッドのオプションパーツの売れ残りだからです(もともとの価格は税込12,100円)。
「アロン」は価格据え置き
アロン | 税込価格 | 備考 |
---|---|---|
デスク100×55cm | 58,190円 | ナチュラルのみ |
デスク120×55cm | 65,890円 | ウォルナットのみ |
ワゴン | 39,490円 | ナチュラルのみ |
デスクシェルフ | 20,790円 | |
チェア | 36,190円 | |
W100ナチュラル4点セット | 154,660円 | |
ブックシェルフ | 完売 |
一方で、「アロン」は価格が据え置かれています。ただし、アロンは2024年2月から既にカタログ落ちしており、廃番となることが予想されます。
しかしながら、現在のニノスの4点セットと比較すると約20%もお買い得です。奥行が55cmと浅めで上棚もコンパクトですが、リビングダイニングに置く前提なら悪くない選択肢と言えるかもしれません。
以上、ケユカのニノスが値上げされたことに驚いたというお話でした。2024年2月にカタログを更新したのに半年後にまた価格だけを変えたわけですが、その間に何があったのでしょうか。為替が10円ほど円安に振れたくらいで、建築金物大手の河淳が慌てたとはとても思えません。
考えられるとしたら、コスト上昇に加えて販売台数の低迷を理由に、製造元であるコイズミファニテックから卸価格の値上げを打診され、断ることができなかった可能性です。アロン廃番でラインナップを絞っても、期待するほどニノスの販売増に繋げることができなかったのではないでしょうか。
それほど学習机市場は厳しいと言うこともできる一方で、個人的にはケユカの失策の面が大きいと思います。これほど高価格帯のデスクで粗利をしっかり確保しておきながら、消費者に丸投げするような配送料金では理解を得るのは無理です。
果たしてケユカのデスクに復活の可能性はあるのでしょうか。
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