イトーキの展示会に行ってきました。と言っても、学習机ではなくランドセルの展示会。家具販売店向けの商談会ではなく、一般ユーザー向けの展示会です。
2019年度の最後のほうから、「イトーキが学習机から撤退する」というウワサがありました。そして、2020年度の新作デスク発表会シーズン前になると、「2020年度のイトーキは発表会の開催もカタログの発行も中止」という話が耳に入ってきました。
「まさかイトーキが学習机市場から撤退!?」と危機感を抱き、接点を求めてランドセルの展示会に申し込んだのでした。
※この記事は2019年6月26日時点の情報に基づいています
イトーキの学習机はEC販売中心に
大阪市のメインストリートのひとつ、堺筋沿いにあるイトーキ大阪ショールーム1階の特設会場に入ると、そこにはカモミール(上写真)などを開発されたFさんがいました。これはラッキー!学習机の話が聞けるということで、しっかりとお話をうかがって参りました。
皆さん気になるところだと思うので結論から申しますと、イトーキが学習机市場から撤退ということはないそうです。ただし、デジタル時代の購買行動の変化に対応するとのことで、一部の大手家具販売店を除いて店頭からは姿を消すことになります。
そして、主戦場はEC販売に。カモミール、リーモ、ウットフォーク、スクリプトなどの主力商品については在庫処分ではなく、これからも引き続き生産をするということです。
また、これまで販売した学習机の保証(最長3年間)ももちろんするということ。このあたりは天下のイトーキですからまず心配はないと思っておりましたが、直接うかがうことでより安心することができました。
イトーキ「QNORQ(クノーク)」
せっかくランドセルの展示会に来たので、イトーキの自信作を拝見しましょう。
イトーキはこれまでも公式オンラインショップでランドセルを販売しており、十分な実績がありました。ただ、それだけでは競争力に不安があるので、Fさんが中心になってオリジナルのランドセルを開発したということです。Fさんってば、本当に何でも作れるんですね(笑)
アンティークがモチーフ
オリジナルブランドである「QNORQ(クノーク)」は「記憶の奥」という意味の造語だそう。至るところに既視感のあるアンティークっぽさが盛り込まれています。
女の子向けの「Jolie Fille(ジョリフィーユ)」では、鍵をモチーフにしたファスナーなどオリジナルの金具が随所に使われています。また、刺繍もかなり凝っていて、とても初めてランドセルをデザインしたとは思えないほどディテールにこだわっています。
野球のボールをモチーフにした刺繍
男の子向けの「BRICKWAY(ブリックウェイ)」の側面には、野球のボールをモチーフにした刺繍が入っています。ネイビーブルーはデニムみたいでカッコイイですね。
背中に当たる部分が黒!
ブリックウェイでユニークなところのひとつが、背中に当たる部分が普通は白が多いところ、黒になっているということです。どうして普通は白なんだろうと思ったら、Fさんによると牛皮革で作っていた頃の名残だそうです。
フラットなデザインのカブセ
ブリックウェイが常識を打ち破っているところは他にもあります。一般的にランドセルのカブセの両端は厚みをつけていることが多いのですが、ブリックウェイは敢えてフラットな感じにしています。そうすることで、シャープな印象に仕上がっているわけですね。
敢えて時間割表より個性を主張
今度はカブセの裏側を見ると、個性的なデザインに仕上がっていることが分かります。普通ならここは時間割表を入れる透明の袋が縫い付けられるところですが、最近は時間割がランダムに決まることが増えていて、時間割表を入れる必要がないという声も多くなっていることから、それよりもデザイン性を重視したということです。
国産で基本機能もシッカリ
ジョリフィーユも同様の感じで、やさしい色合いのボタニカルデザインを採用しています。
そのほか、背中側の面の側方への出っ張りをなくして腕が擦れないようにしたり、箱が潰れにくいように芯に補強を入れたり、基本機能はシッカリと作られています。このあたりは国内の大手ランドセル工場で作られているので安心できると思います。
国産ランドセルラックも登場
ジョリフィーユ・ランドセルラック
クノークに合わせたランドセルラックも登場しています。ジョリフィーユのランドセルラックはフレンチシャビーを取り入れたデザインで、子供を持つイトーキ女子社員の意見を聞いて開発したとのこと。
国産でシッカリとしており、見た目も普通にリビングダイニングに置いて違和感のない感じに仕上がっています。姉妹でランドセルを2つ並べることができるゆったりサイズです。
棚板は斜めにセット可能
最下段の棚板は斜めにセット可能です。そうすることで、ランドセルの中身の出し入れを楽にすることができるわけですね。
どうして最下段かというと、小学校入学時は天板上に重たいランドセルを持ち上げるのが難しいから。ちなみに、棚板は水平に取り付けることもできます。
ブリックウェイ・ランドセルラック
ブリックウェイのランドセルラックもあります。ジョリフィーユのランドセルラック同様に、主材はパイン無垢とプリント紙。ですが、安っぽさはまったく感じられません。
引出しもシッカリ箱組み構造
国産だから必ずしもシッカリしているということではないですが、こちらのランドセルラックは引出しもシッカリしています。箱組み(四方囲い)構造で、金属製のスライドレールなしでも開閉がスムーズです。
価格はちょっと高いですけど、シンプルな構造で長く使えることを考えると、その価値は十分あると思います。
クノークのランドセルは数量限定で、初年度ということもあってかなり生産数を抑えているそうです。なので、気になった方は急いでご注文ください。
また、今後は単純に量を捌くことを考えているのではなく、もっとラインナップを増やしていきたいということです。現在は実物を見れる機会が少ないので、もっとラインナップを増やして、できれば学習机も一緒に見てもらえる機会を増やしていきたいとおっしゃっていました。
そうなったらありがたいですねー。学習机のパイオニアであるイトーキが、学習机選びの新しいかたちを示してくれることを楽しみにしています!
コメント 皆様からご質問・ご意見など
初めてコメントさせていただきます。2020年入学用に学習机の検討を始めました。親の希望は机が本棚とL字に配置できるもの、子どもの希望は白い机です。
そこで、最初はカリモクがデスク45cmとコンパクトで、高学年になってL字から一体型に配置を変えれば奥行きを確保できていいなと思って希望通りなのですが、全て揃えると20万以上となり我が家は予算オーバーです。
そこでイトーキのジョイカラーネオが候補となっていますが、なかなか販売しているところがなくネット購入なのが少し不安です。この条件で他にオススメはありますか?ニトリの組み合わせデスクも検討してますが、机の奥行きがありすぎるのがネックです。
ちゃみさま
はじめまして^^
いわゆる組み替え式デスクで、デスク天板奥行の拡張が可能なタイプをお探しということになりますね。
イトーキのジョイカラーネオを軸に考えるとしたら、ほかはコイズミファニテックのCDコンパクト、くろがね工作所の「ザ・デスク」くらいでしょうか。
組み替え式デスクは色々ありますけど、天板奥行拡張対応というのが意外と少ないし、白い机となるとなおさら難しいところです(+_+)
お姫さまっぽい感じでもOKならくろがね工作所のキュートガール、あとナチュラル系がOKならコイズミファニテックのアルフも一考の余地があるかもしれません。
早々弐ありがとうございました。
コイズミのCDコンパクト、店頭では派手すぎて嫌煙してたのですが、ホワイトもオーダーできるんですね。
過去記事にもジョイカラーネオとの比較があったのに、すいません。
デスクを好きな色にし、ワゴンはホワイトにすれば、子の可愛くしたいという希望と親のシンプルにしたいという希望が両立できそうです。
くろがねは、私の古い学習机がくろがねなので、くろがねにしたいところですが、下の本棚が使いずらそうなので、ジョイカラーネオかCDコンパクトに絞って週末探してきます。
ありがとうございました。
ちゃを(ちゃみ)さま
そうですね。ジョイカラーネオとCDコンパクトでは機能面でも色々違いがありますが、何よりお子さんが気に入ってくれることが第一でしょう^^
ジョイカラーネオはもう大阪府豊中市のデスクランドくらいしか置いてないと思いますが、イトーキの学習机は島忠ホームズやニトリで見れるんじゃないかと思います。
ニトリはまだ学習机の展開が始まっていないので、年が明けてからでしょうね。