今でこそダイニングテーブルにセットする学習椅子というのは珍しくありませんが、15年ほど前は市場「E-Toko(イートコ)」キッズチェアの独壇場でした。
これは売れましたよねー。ファースト家具だけで累計2万脚を販売しているというのですから、相当なヒット商品と言えます。
当時のイートコチェアが売れた理由はいくつかあります。まず、ダイニングテーブルにセットして違和感のない4本脚の学習椅子というのが当時はほとんどなかったです。また、カラーバリエーションが豊富で、おまけにタモ材。自宅のダイニングテーブルに合わせやすかったというのもあるでしょう。
座面高を8段階で調整できて、子供の成長に合わせやすいと感じられたのも大きいと思います。足置きも大きめで、子供が安心して座ることができます。
しかし、競合他社も指をくわえて眺めているはずがありません。一生紀の「フィオーレ」、ニトリの「アルナス(現:HH23AV)」などの登場によって競争が激しくなりました。また、中国からベトナムに生産を移管する中で、背板が布張りの「JUC-2877」にリニューアルしたのが不味かったのではないかと思います。それまで(JUC-2170)は背板が曲木だから良いと言っていましたからね。
大人用のイートコチェアやダイニングテーブル、学習机も、不発が続いたように思います。それでも市場はあきらめていませんでした。「またあの素晴らしい日をもう一度!」と言わんばかりに、新商品を投入してセールスに力を入れてきたようです。
※この記事は2024年3月9日時点の情報に基づいています
新型E-Tokoキッズチェア
JUC-3686
JUC-3661
新しいイートコキッズチェアは前作「JUC-3507」に似た形状の椅子です。「JUC-3686」は座面クッション付き、「JUC-3661」は板座となっています。背板の形状も少し異なります。
でも、どうしてそれだけで足元の桟の入れ方などが違うのかと思ったら、JUC-3686は完成品、JUC-3661は組立品なんですね。そんなこんなで前者は税込17,820円、後者は13,464円となっています。
コイズミやイトーキの木製学習椅子も組立式なのですから、別に組立品でも問題ないです。しかしながら、組立品は完成品に耐久性の面で劣ります。なので、個人的にはフィオーレと同様に完成品のほうをオススメしたいところですね。
ちなみに、今回の新型イートコチェアから座面高は8段階調節から7段階調節になりました。旧型に比べて、きめ細かな調節ができなくなったと言えるわけですが、気にするほどのことではありません。そんなに頻繁に調節するお宅はほとんどないからです。
新型E-Tokoデスク
コンパクトデスクJUT-3692NA
ワイドラックJUR-3694
サイドラックJUR-3693
これまでもE-Tokoシリーズにはコイズミ「ビーノ」のようなデスクや、4本脚のデスク(JUT-3211)がありましたが、新型はコンパクトデスクに大幅な路線変更となりました。
しかも、デスクは後ろ脚にキャスター付き。学習机メーカーにはこの発想はないですね。揺れないように作っているのに、これでは台無しですから。
デスクをワイドラックにセットして組み替え式デスクのようにレイアウトを変えながら使う際にはメリットを感じられるかもしれませんが、個人的にはデメリットのほうが多いと思います。デスクを移動させたいのであれば、普通に軽くてコンパクトなデスクを選んだほうが良いでしょう。
奥行40cmのデスクに対し、内寸が30cmあるように見える引出しもちょっと不安があります。市場のことですから、フルスライドレールなり、引出しストッパーは付けているとは思いますけど、これを縦に仕切ってしまうと使いづらそうです。
というわけで、今回のリニューアルでもイートコのデスク関連品は厳しそうですが、チェアのほうは価格が手頃な組立品の投入で巻き返しが図れるでしょうか。市場のちょっとイートコ見てみたいと思います。
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