「無印に定番なし」と言われますが、良く言えば無印良品は常に進化している、悪く言えば絶えずこっそりと改悪と値上げを繰り返しているという感じです。そんな風だから、エスリボン時代から付き合っていても、無印良品のことは心の底から信用できません。
…とまあ、愚痴っぽく始めてしまいましたが、知らない間に無印良品のオーク無垢のデスクがまた差し替えられました。私が絶賛に近い評価をした「オーク無垢材デスク(引出・足元棚付)」は過去のカタログを見ても「なかったことに」なっており、代わりに9月から「木製デスク・オーク材」という商品が登場しているのです。
※この記事は2020年10月14日時点の情報に基づいています(2021年3月21日一部更新)
木製デスク・オーク材
今回も情報量が多いのでサッサと参りましょう。こちらが無印良品の新しい「木製デスク・オーク材」でございます。
パッと見た感じの形状は従来の「無垢材デスク(引出付)」と同じです。
質感は足元棚付と同じ感じ
しかし、近寄ってよく見てみると、天板の角には丸みがあり、色は2世代前の「無垢材デスク(引出付)・オーク材」よりも暗め、ツヤはなくマットな質感で、これらは「オーク無垢材デスク(引出・足元棚付)」と同じ特徴となっています。
私が行った無印良品の店舗では、どういうわけか既にカタログから消えている2世代前の引出付が並んでいたのですが、新型と比べると色は明るく、ツヤがあり、角も鋭利です。知らない人は「色違いがあるんだー」と思うことでしょうね。
足元棚だけでなく横桟もなくなった
新型は足元棚だけでなく、横桟もなくなっています。そのため、ランドセルなどを掛けた場合に内側に入り込んで使いにくいです。
これはコストカットの一環とも言えますが、脚の取り付け方の構造が変わっただけとも言えます。従来の引出付と同じ幕板構造に戻ったので、横桟なしでも耐久性の面では問題ないのです。ただ、学習用として考えた場合は残念ですね。
木製デスクキャビネット・オーク材
デスク本体の引出しの話もしたいのですが、先にワゴンのほうに行きましょう。「木製デスクキャビネット・オーク材」はパッと見、それこそ従来品と違いが分からないと思います。
引出内部材が桐から積層合板に
一番違いが分かるのはやはり引出しの中でしょうか。従来は引出内部材が曲がりなりにも桐だったところ、積層合板に変わっています。これは明らかにコストカットですが、「あら?北欧風で良いじゃない」と言う方もいらっしゃるかもしれません。
また、底板は従来の引出付も足元棚付もプリント紙だったはずですが、新型は桐の突板に変わっています。ここは逆にコストアップの要素ですね。なお、これらの材質の変更はデスク本体の引出しも同様です。
それと引出し最下段は、足元棚付では縦横に仕切り板の向きを変えられたのが、新型では普通に横方向のみ仕切れるようになっています。足元棚がなくなったことでワゴンの奥行が深くなり、縦横比率が変わってしまったからでしょう。もっとも、そんな機能は別に必要なかったのでどうでも良いんですけどね。
底付けタイプのスライドレールに
もうひとつ引出しで大きく変わったのはスライドレールです。従来の引出付はローラー式2段引きレールとベアリング式フルスライド、足元棚付はベアリング式2段引きとベアリング式フルスライドでいずれも横から丸見えのタイプでしたが、新型は2段とも底付けタイプのベアリング式スライドレールに変わっています。なお、新型の上段は3/4オープン、下段はフルオープンです。
これはコストが上がるはずなんですけどね。見た目の良さを向上したり、少しでも引出内箱の幅を広げたかったんでしょうか。でも、展示品は開閉がとても固くて、まるで以前のアクタスの学習机のようでした(苦笑)
木製デスク用上置き棚・オーク材
次は「木製デスク用上置き棚・オーク材」を見てみましょう。こちらは足元棚付のときと同じ…ではありません。実は新型になって唯一良くなったと諸手を挙げて喜べる点があるのです。
クランプ式デスクライトOKに!
これよく見ないと気付かないことなんですが、棚板を下支えしている桟が従来品より手前に移動しているんです。そのため、棚板の奥側にクランプ金具を取り付けできるクリアランスが生じたというわけです。ひょっとして無印良品の商品開発者はこのブログを読んでるんですかね?
ともあれ、そんなわけでクランプ式デスクライトを取り付け可能になったわけですが、支柱が垂直に立つコイズミファニテックの「ECL-611」とか大商産業の「HTL-12W」はちょっと厳しいかもしれません。上の背板部分に支柱が当たる可能性があるためですが、これはちょっと試してみないことには何とも言えないです。
三者の比較
デスク
新型 | 足元棚付 | 引出付 | |
---|---|---|---|
税込価格 | 24,900円 | 24,900円※ | 24,900円 |
幅×奥行×高さ(cm) | 110×55×70 | ||
脚間寸法(cm) | 99.8 | 102 | 98 |
天板材質 | オーク無垢 | ||
塗装 | ウレタン樹脂 | ||
色ツヤ | やや濃い、ツヤなし | 明るい、ツヤあり | |
引出内部材 | 積層合板 | 桐 | |
スライドレール | 木桟 | ||
引出左右比率 | 1.8:1 | 1:1 | 2.3:1 |
左引出内寸(cm) | 48.5×39.5×6 | 36×39.5×5.5 | 52×40×6 |
右引出内寸(cm) | 26.5×39.5×6 | 36×39.5×5.5 | 22.5×40×6 |
足元棚 | 無 | 有 | 無 |
脚形状 | 4本脚 | H型脚 | 4本脚 |
サイドフック | 黒色 | 銀色 | |
重量 | 20kg | 25kg | 20kg |
天板耐荷重 | 30kg | 40kg | |
製造国 | ベトナム | 中国 | |
ホルムアルデヒド放散量 | 記載なし | F☆☆☆相当以上 | F☆☆☆相当以上 |
無印良品のデスクの仕様を遡っていくと混乱しますね。品番が同じでも途中で仕様が変わったのか、単に表示を変えただけなのか、解釈が難しいところがあります。
ともあれ、こうやってスペックを細かく見てみると、意外なところで違いがあることも分かります。まず最も大きな違いは、新型はベトナム製、従来型(足元棚付、引出付)は中国製ということです。中国からベトナムへの移管というのは家具製造で最近よく見られることですが、悲しいかな、まだベトナムは中国に品質で劣ることが多いです。
今回の仕様変更はまずベトナムで製造するという決定が先にあり、それを踏まえてベトナムで調達可能な材料や技術が採用されたと見ることができると思います。引出内部材やワゴンのスライドレールの変更はまさにそれに伴うものでしょう。
そのほか、引出しの左右比率が2世代前に戻った点が興味深いです。結局、右利きの人に合わせたほうが良いということでしょうか。
ワゴン
新型 | 足元棚付 | 引出付 | |
---|---|---|---|
税込価格 | 14,900円 | ||
幅×奥行×高さ(cm) | 39×48×58 | 41.5×40×58 | 35×48×58 |
引出内部材 | 積層合板 | 桐 | |
上段スライドレール | 底付3/4スライド | 2段引スライド | ローラー式 |
下段スライドレール | 底付フルスライド | フルスライド | |
上段引出内寸(cm) | 32.5×37.5×6.5 | 34×32.5×7.5 | 25.5×37.5×6.5 |
下段引出内寸(cm) | 32.5×37.5×29 | 32.5×32.5×33.5 | 25.5×37.5×29.5 |
重量 | 24kg | 23kg | 19kg |
天板耐荷重 | 10kg |
※デスクと共通の仕様は省略
新型のワゴン(キャビネット)は足元棚がなくなったことで2世代前の奥行と同じになった一方で、幅は2世代前よりも4cmワイドになりました。そのおかげもあって、引出内寸幅は2世代前よりも7cmも拡大し、足元棚付きと同様にファイルボックスが収納可能となりました。これは良いことですね。
上置き棚
新型 | 足元棚付 | |
---|---|---|
税込価格 | 5,990円 | |
幅×奥行×高さ(cm) | 109×20×30 | 108×20×30.5 |
重量 | 6kg | 6kg |
天板耐荷重 | 5kg | 5kg |
※デスクと共通の仕様は省略
上置き棚は足元棚付のときとほとんど変わっていないように見えるのですが、幅が1cm大きくなっています。当然、金具の寸法も変わっているのでしょう。
なお、足元棚付の上置き棚の商品ページが削除されてしまったため、今となっては重量と天板耐荷重は分かりません。ご存知の方があれば教えてください。こんなことになるならキャッシュを保存しておくべきでしたー。 迷える子豚さんがおしえてくださいました!ありがとうございます\(^o^)/
以上の通り、無印良品の新しい「木製デスク・オーク材」は様々な点で従来品と違いがあります。厳密に言えば変わらなかったのは主材がオーク無垢でできていることと外寸くらいで、残りは足元棚付、引出付、それぞれを踏襲した部分が混在しているという感じです。
総じて、従来品2型と比較して新型が良くなったかそうでないかは判断が難しいところです。足元棚付で私がもっとも評価したデスク本体引出しのスムーズさは、ベトナム製に格下げされたことで十分とは言えなくなってしまいました。新型のワゴンのスライドレールの品質など論外です(苦笑)
一方で、上置き棚にクランプ式デスクライトを取り付けられるようになったことは大変喜ばしいことだと思います。ワゴン最下段にファイルボックスが収まるというのもgoodです。
あとはもう、この程度の価格なのですから、これでクオリティに不満があるようなら、ランクを上げてコイズミファニテックの「ビーノ」、アクタスの「フォピッシュ」、浜本工芸の「No.28デスク」あたりをご検討いただくのがよろしいでしょう。
コメント 皆様からご質問・ご意見など
収納マン様、ご無沙汰してます。
3年前に姉妹の学習机探しの相談をし、無事にビーノを購入した転勤族の迷える子豚です。
無印のアプリに収納マン様がお探しの「足元棚付の上置き棚」の商品ページがあったので報告します。
無印のアプリ&ネットショップはリニューアルの度に商品が探しにくくなっている印象です…。
迷える子豚さま
おひさしぶりです\(^o^)/
その後、お嬢様方は学習机と一緒にすくすくと育っておられることでしょうか?
さて、無印良品の旧型上置き棚のスペックのスクリーンショット、ありがとうございます!!
めちゃぐちゃ嬉しいです(≧▽≦)
まさかwebページではなくアプリにデータが残っていたとは思いもしませんでした。
早速、空欄になっていたところを埋めさせていただきました。
本当にありがとうございますm(_ _)m
子供たちは机を自分の城にして元気に育ってます(^^)
最近は「New!収納教える.コム」を読むことが多いですが、久々にコチラをチェックしたらビーノに上棚が登場してると知り大喜びしたところでした。
お役に立てて良かったです。
迷える子豚さま
そうですかー。それは何よりです(*´Д`)
自分が買った商品が人気商品でラインナップが増えるというのは、何となく嬉しいですよね^^