2016年度あたりから奥行が55cm程度の学習机が増えました。それまではデスク単体での奥行は60cmが基準で、20年くらい前は65~70cmくらいが一般的でしたから、どんどん浅くなってきています。
とは言え、2024年度現在も奥行45cmや50cmというのはまだまだメジャーとは言えません。少なくとも現状では奥行55cm程度が許容範囲と言えるでしょう。
そう考えると、一般的な学習机としては奥行55cmは浅いほうだと言えます。「そんなに狭くて大丈夫かしら?」と不安に感じる方もいらっしゃるのも無理はありません。
今回は奥行55cmというサイズ感の妥当性を探ったうえで、奥行55cmのデスクをズラッとご紹介したいと思います。
※この記事は2017年7月22日時点の情報に基づいています(2024年4月25日一部更新)
学習机の奥行は55cmじゃ狭い?
奥行60cmよりは確かに狭い
学習机の天板サイズは幅100×奥行60cmが一般的と言えます。なぜそうなったかの説明は難しいものの、幅は椅子とワゴン(袖引出し)が収まるサイズで、奥行はA4サイズが前後に並べられる大きさに落ち着いたと考えられます。
それで言うと、奥行55cmというのは確かに狭いわけです。
奥行45cmよりは広い
一方で、小学校に入りたての子供の腕(指先から脇の下まで)の長さは46cm前後と推定できます。それを基準に考えれば、デスクの奥行は45cm程度でも十分と言えます。逆に、それより奥行が深くても、子供の手が届かないわけですからね。
しかし、子供は成長します。中学生くらいになると腕の長さは56cm前後。つまり、子供が中学生になる将来を想定すると、奥行55cmくらいのデスクはちょうど良いサイズ感と言うことができます。
なお、大人になると腕の長さは60cmを超えます。両手を広げた幅=身長、肩幅=45cmと仮定すれば、概ね身長が165cm以上で腕の長さは60cmです。
幅で補うという方法も
以上の通り、奥行が狭いと感じられるかどうかはどこに視点を置くかによって変わります。一方で、「学習机の奥行が55cmでは狭い?」と不安に感じられたのは、おそらく候補に上がったデスクの奥行が55cmだったからではないでしょうか。
奥行55cmなら60cm以上のものに比べて、壁に寄せて設置したときに圧迫感が少ないのがメリットです。そういったインテリア性に惚れたなら、不安を解消できるプランをあらかじめ練っておくというのもひとつの方法です。
それで言うと、奥行が浅い代わりに幅を広くするというのは一般的な対処法と言えます。デスクの幅を広くすれば足元のスペースがゆったりしますし、ランドセルを机上に置いても狭さを感じないというメリットもあります。
一方で、壁面の設置スペースを多く必要とします。また、奥行方向が広くても視点移動は少なくて済みますが、幅方向は首を振る必要があり体に負担が掛かりがちです。また、デスクライトもシェード幅が広いものを使う必要があります。
ワゴンで補うという方法も
その点で言うと、デスクの幅を広げるよりもワゴンを併用するほうがベターと言えます。ワゴンを手前に引き出せばL字カウンターデスクのように使えますし、壁面のスペースも多く必要としません。しかも、文房具や子どもの好きなモノを収納するスペースも増えます。
一方で、ワゴンはデスクと変わらないくらいの価格だったり、デスクより高価なことも少なくありません。予算はアップしがちです。
上棚付きは避けたほうが無難かも
基本的に私は奥行55cmのデスクに対してネガティブな印象は持っていません。冒頭でも申し上げた通り、昔は奥行65~70cmくらいが一般的でした。それが60cmになり、現在は55cmも増えただけのこと。時代とともにスカートの丈の流行が変わるのと同じようなことだと思っています。
ただ、上写真のニトリ「スタンダードデスク・メルシーH」のように、上棚付きで奥行55cmのデスクはちょっと窮屈に感じるかもしれません。ダメと言うことはもちろんありませんが、上棚付きで検討されるならやはり基本は奥行60cm以上を推奨します。
奥行55cmの学習机
コイズミファニテック・ルトラ
以上を踏まえまして、奥行55cmの学習机にはどんなものがあるか、ズラッと見ていきましょう。まずはコイズミファニテックの「Rutra(ルトラ)」から。高圧メラミンの天板を備えたちょっとレトロ感のあるデスクです。
同社「ビーノ」のように、デスク本体、ワゴン、本立て、シェルフがすべて別売となっている、いわゆるセレクトタイプです。デスクの幅も90cm、105cm、120cmが用意されています。
コイズミファニテック・コトア
KEYUCA(ケユカ)にも奥行55cmの「アロン」がありますが、コイズミファニテックの「コトア」はそれよりもフェミニンな感じに仕上がっています。オーク突板でコストを抑えているということもあり、大人の女性にも割りとよく売れているという話です。
コイズミファニテック・ブロスト
コトアに対して「ブロスト」は男前な雰囲気です。こちらも現行モデルはオーク突板となっています。2024年度からは上写真のVB色に加え、MO色が追加されました。
コイズミファニテック・ワイズ
コイズミファニテックの「ワイズ」はもともと書斎デスクという扱いでしたが、市場ニーズが多様化していることも踏まえて現在は学習家具カタログにも掲載されています。天板はメラミン。ホワイト×ナチュラルとブラック×ブラウンの2色展開となっています。
コイズミファニテック・アルフ
「アルフ」はコイズミファニテックが一時期ラインアップを増やしたスタディアップシリーズで唯一生き残ったモデルです。そういう言い方をすると人気がないダメなデスクと思われるかもしれませんが、そうではありません。最大手のコイズミが奥行55cmでOKという強力なメッセージを打ち出した結果、奥行55cmのデスクが増えることとなったと言えます。他社製品も含めてニーズが広がったわけです。
コイズミファニテック・ウォルビー
2024年度登場の「ウォルビー」もデスクは奥行55cmです。ちなみに、デスク天板以外は奥行40cmとなっています。ウォルビーは壁面デスクというスタイルで、デスクの上の空間を有効利用できるだけでなく、幅方向の収納スペースにも統一感を出すことができます。
イトーキ・リーモJSD-31
イトーキの「リーモJSD-31」は幅を105cmから130cmに拡張できるデスクです。幅55cmのシェルフがセットになっているので、上写真のようにユニットデスクのレイアウトが可能です。
イトーキ・AUT-2LBRX
イトーキの「AUT-2LBRX」はもともとニトリでも扱っていたデスクです。こちらも幅55cmのシェルフがセットになっており、ユニットデスクのレイアウトが可能です。
イトーキ・APD-2LBRX
イトーキの「APD-2LBRX」ももともとニトリで扱っていたデスクです。こちらはシェルフが含まれておらず、上棚もバックパネル式でよりシンプルな構成となっています。
大商産業・SPR-550
大商産業の「SPR-550」は幅80cmのコンパクトなデスクとチェストのセットです。コイズミファニテックのスタディアップデスクと同時期に販売が始まり、手頃な価格で現在も売れ筋となっています。
大商産業・MWSP-520
大商産業の「MWSP-520」は前述のSPR-550の男子向けデザインといったところ。同様に幅80cmのデスクとチェストの組み合わせとなっています。
ヒカリサンデスク・ロイス
ヒカリサンデスクの「ロイス」はアンティーク風のデザインが素敵なデスクです。上写真のナラ突板モデルのほか、ウォールナット突板モデルもあります。
堀田木工所・スキップ
堀田木工所の「スキップ」はハの字型の脚形状がリズミカルなデスクです。幅100cmの既製サイズのほか、幅90~120cmでオーダーできるものもあります。
堀田木工所・サイン
「サイン」も奥行55cmです。最近では珍しくなったコの字脚のデスクです。
堀田木工所・エル
「エル」はサイドデスクと組み合わせることでL字型デスクとして使えるものです。
堀田木工所・サージュ
「サージュ」の天板は堀田木工所で標準的な自然風塗装ではなく、強化プリント紙です。そのためキズの心配が少ないと言えます。ただ、引出しが別売となっていることもあって割高感があります。
ニトリ・メルシーH
ニトリの「メルシーH」は上写真のスタンダードデスクのほかに、くみあわせですく、ユニットデスク、平机があります。また、カラーが3色用意されています。
ニトリ・DK24
ニトリの「DK24」は手頃な価格で近年売上上位をキープしているベーシックデスクの2024年度モデルです。装備がどんどんシンプルになっています。
ニトリ・LI24
ニトリの「LI24」はスチールフレームを組み合わせたハイブリッドデスクです。こちらは2023年度からだったと思いますが、意外と人気があります。
無印良品・木製デスク オーク材
無印良品の「木製デスク オーク材」も奥行55cmです。上置きとワゴンを組み合わせることでベーシックデスクとして使うこともできます。
というわけで、奥行55cmの主要なデスクをずらーっと並べてみました。この記事を最初に書いた2018年度当時と異なり、現在は奥行55cmのデスクはまったく珍しくなくなったので、ほかにもたくさんあります。
ただ意外と、浜本工芸やカリモク家具には奥行55cmというのはありません。その2社は60cm以上と50cm以下に分けてラインナップされているようです。メリハリがあるというか、ニーズを絞り込んでいるのでしょう。
ちなみに、奥行拡張天板を持たない組み替え式デスクもデスク単体では奥行が55cmであることが多いです。ニトリの「くみあわせデスクDL24」、大商産業の「3Dデスク MWD-550」などがそれに該当します。
ともあれ、リビング学習やテレワークがニュースタンダードとなった今、奥行60cmでは大きすぎ、奥行45cmでは狭すぎというニーズを受けて、奥行55cmのデスクはますます注目されることでしょう。
コメント 皆様からご質問・ご意見など
こんにちわ
はじめまして!
四月から小学生なのに、いまだに迷走中です
色々と考えてコイズミのルトアかビーノで迷ってます
デザインをとるなら、ルトア
使い勝手をとるならビーノ
55センチか60センチか…
リビングに置くので私の好みはルトアなんですが、子供の為にはビーノを選んだ方がよいのでしょうか?
お忙しい所すみませんがもし良かったら返事を頂けたら幸いです!
栗山さま
はじめまして^^
コイズミファニテックのルトラかビーノでご検討中ですね。
おっしゃる通り、リビングに置く=圧迫感が少ないことを優先するならルトラ、子供の学習環境を重視する=奥行が広いほうが良いならビーノだと思います。
もちろん、予算であったりデザインの好みももちろんありますけど、奥行だけに照準を合わせるならどちらかを選ぶよりほかありません。
幅はワゴンを横に置けば拡張できますが、奥行だけはどうにもならないですからね。
かと言って奥行は短くしようがありませんから、大きければ大きいほど良いとも言えません。
悩ましいですねー^^;
※勝手ながらお名前を修正させていただきました。