一昔前の学習机選びは、どんな材質が良いか、どういう組み合わせにすべきか、といったことで悩むことが多かったと思います。また、ここ数年は学習机を買うべきか否かという点が争点のひとつになっていました。
しかし、コロナ禍以降、またちょっと事情が変わってきたように感じます。親がテレワークの必要性に迫られたため、子供はリビングやダイニングのテーブルで勉強すれば良いと言っていられなくなりました。また、子供部屋よりもむしろテレワークに集中できる書斎のような部屋が欲しいと感じる親も少なくないことでしょう。
果たして実際のところはどうでしょうか。今回は子供のリビング学習や子供部屋に関する2つの調査結果を見てみたいと思います。
リビング学習肯定派は約8割
まず、ネット不動産型賃貸サービス「OHEYAGO(オヘヤゴー)」を運営するイタンジ株式会社が実施した「リビングワーク・リビング学習」に関する意識調査の結果から見てまいりしょう。
この調査によると、子供のリビング学習について「良い・問題ない」と考える人は83.7%に上りました。また、実際に週4日以上リビング学習させているご家庭は41%、週1~3回のご家庭は39.1%となり、合計80.1%のご家庭がリビング学習を取り入れていることが分かりました。
子供にリビング学習をさせている理由
- 親の目があるところで学習させるため(36.6%)
- 一緒に学習できるように(22.4%)
- 子供がリビング学習を望むため(17.4%)
- 子供がいつでも質問できるように(11.2%)
今回の調査結果ではリビング学習が支持されている理由についても回答がまとめられています。「親の目が届く」、「一緒に学習できる」、「子供が希望する」という理由が上位3つを占めており、まとめると「親子ともに安心できるから」と言って差し支えなさそうです。
リビング学習はテーブルがメイン
- ダイニングテーブル(65.5%)
- リビングのローテーブル(38.5%)
- リビングに設置したデスク(8.4%)
- キッチンカウンター(7.1%)
- ソファのサイドテーブル(6.2%)
では、リビング学習はどこでやっているのでしょうか。これについてはテレワークの場所とゴチャ混ぜになった調査結果しか出ていないものの、ダイニングテーブルとリビングテーブルが大半で、別にデスクを置いているお宅は少数派と言えそうです。
約85%が「子ども部屋が必要だと思う」
ここからは別の調査結果を参照します。ワンストップ・リノベーションを展開する株式会社groove agentが、首都圏に住む30〜40代の既婚女性1000人を対象に調査したところ、「子ども部屋は必要だと思う」と回答した人は84.8%に上りました。
リビング学習をするから子ども部屋は要らないと考えているわけではないのですね。また、先ほどの調査結果でリビングやダイニングにデスクを置いていないのは、子ども部屋に置くからと考えることもできると思います。
子ども部屋は「プライバシー尊重」のために必要
では、なぜ子ども部屋が必要と考えるのでしょうか。これについては「プライバシーの尊重」が45.8%、「自立心や自己管理能力が身に付く」が27.0%、「集中できる学習環境」が23.8%となりました。
否定派は「親の目が届かなくなる」で50%
一方で、子ども部屋は必要ないと考える人はその理由として、「親の目が届かなくなる」(50.0%)、「引きこもりの心配」(30.3%)、「清掃の手間」(15.1%)を挙げました。
中高生の子供を持つ親としては、肯定派、否定派とも、説得力がありますね。いずれも至極まっとうなご意見だと思います。
40%が「小学校高学年」から必要と考える
では、子ども部屋が必要なのはいつくらいからと考えているのでしょう。これについては、「小学校高学年」が最多の40.0%、次いで「小学校低学年」が30.5%、「中学生以上」が21.2%と続きます。
実際のところ、お子さんが乳幼児のときに家を買ったご家庭の場合は子ども部屋にする予定の部屋を決めていることが多いですし、子ども部屋が必要と感じたタイミングで家を買ったり引越しをするケースも多いと思います。なので、タイミング次第のところが多いのではないでしょうか。
以上の通り、リビング学習に肯定的な親は約8割で、その層がそのままリビング学習を家庭で実践していると言えます。また、リビングダイニングで子どもが勉強をするからと言ってそこに机を置くというのは少数派というのが実情のようです。
一方で、だからと言って机は買わないというわけではなく、約85%が子ども部屋は必要と考えていることから、子ども部屋に机を置いている可能性は高いと推定できます。フタを開けてみれば、昭和の時代から学習スタイルはそんなに変わっていないと言えるのかもしれませんね。
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