リビング学習に最適?ヨコタウッドワークのモバイル学習台「マナベル」

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リビングダイニング学習がもてはやされるようになったからか、はたまた主戦場での競争が激しくなっていく一方なのでどんどんブルーオーシャンを求めてすき間を埋めに行っているからか、リビングダイニング学習関連の商品が増えてきています。

消費者として選択肢が増えていくことはありがたいものの、大半が首を傾げてしまうような商品ばかりというのも実情です。

というわけで今回は、持ち運びができる、ヨコタウッドワークのモバイル学習台「マナベル」を紹介したいと思います。

※この記事は2016年8月24日時点の情報に基づいています(2023年10月18日一部更新)

 

ヨコタウッドワークのモバイル学習台「マナベル」

ヨコタウッドワークのモバイル学習台「マナベル」はなかなか面白い仕組みになっています。約10度の傾斜が付いているので、自然と頭を上げて勉強しやすい。奥側は本立てになっていて、省スペースかつ勉強に集中しやすい。また、本立てのバーは持ち運ぶ際のハンドルとなり、バッグのように教科書やノートを入れて持ち運ぶことができます。

このようにメリットが多いように見えるマナベルですが、冷静に考えるといくつかの問題も見えてきます。

算数のB4版プリントには不向き

小学生を持つ親であれば分かることですが、小学生がやる宿題は、B4版のプリント、計算ドリルや漢字ドリル、あとは本読みが多いです。

マナベルはA4サイズのノートを広げて置くのに最適なサイズ(=A3版)であるため、B4縦向きの算数プリントを学習するには適しません。また、漢字ドリルはともかく、計算ドリルは本立てに立ちません。マナベルの横に置くとマナベルの上に置いたノートと段差が生じるので見にくくなってしまいます。

ちなみに作業面は以前はポリエステル化粧合板でしたがメラミン樹脂に変更されています。ポリ合板ではキズが付く可能性がありますから、メラミンに変わったのは良かったと思います。

作業面が高くなってしまう

マナベルはバッグのように教材を入れて持ち運べる構造であるため高さがあります。一番高い場所で75mmですから手前は40mmくらいあると思います。そうすると高さ680mmのダイニングテーブルが720mmに、高さ410mmのリビングテーブルが450mmになってしまいます。

一般的に背が低いことが多い女性であれば気づきやすいことですが、ダイニングテーブルが680mmから720mmになるとすごく高くなった感じがします。680mmというのは国産ダイニングテーブルの高さ、720mmというのはヨーロッパ製のダイニングテーブルの高さです。単純に椅子の座面を40mm(=720-680)くらい高くしないとバランスが取れません。

座面高が調節できる学習椅子を使って、マナベルを置く前提で座面の高さを調整すれば問題ありませんが、子供の身長には合わない大人用のダイニングチェアに座った状態でマナベルを使うとバランスが最悪です。

教材を入れて持ち運ぶ?

もうひとつ疑問なのが、果たして子供が2kgもあるマナベルに教材を入れて持ち運ぶかということです。ちょっと重すぎるんじゃないかということはさておき、これも小学生を持つ親の視点に立てば不自然なのです。

子供が宿題をやるときは、ランドセルから教材を出し、テーブルの横や下にランドセルを放り出したままであることが多いです。そして宿題をやり終えると、教材はそのままランドセルの中に収まっていきます。その間に、マナベルに教材を入れて持ち運ぶという状況が生じ得るでしょうか。

自宅の中で完結する通信教材であればマナベルに教材を入れて持ち運ぶシーンはあるかもしれません。しかし、メインの宿題や塾の教材に関しては、ちょっと想像がつかないですね。

福岡県大川市で唯一の「机」製造メーカー

最後にマナベルの製造元のヨコタウッドワークについて簡単に紹介したいと思います。ヨコタウッドワークは”福岡県大川市で唯一の「机」製造メーカー”と銘打っており、机を作るかたわらでマナベルのような派生商品を作っていると言えます。

上写真の「折り畳み収納型デスク 畳むんデス グランデ」なんて面白いですね。奥行260mmの書棚がデスクに早変わり。デスク天板は折り畳み式であるため、天板奥行は440mmあります。畳むんデスには奥行最小185mmのものもあるんデス。

こういうのを作っちゃうメーカーって面白いですねー。こういう可動ギミックがある家具は個人的にはあまり好きではないんですけど、ハマる人にはハマるんじゃないかと思います。

マナベルについても私は否定的ですが、これもやっぱり買う人のニーズ次第かと思います。ヨコタウッドワークにはこれからも面白い商品を開発してもらいたいですね。

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この記事を書いた人
収納マン(芝谷 浩)

家具メーカーを退職後、2002年に収納スタイルコーディネーターとして独立。多くのご家庭の片づけの悩みを解決してきました。TVチャンピオン「収納ダメ主婦しつけ王」選手権で優勝するなどメディア出演多数。
長女が小学校に入学するのを機に学習机を購入してブログで報告したところ、学習机について相談が殺到。以後、「学習机評論家」としてメーカーの展示会や販売店に足を運ぶなどして日々情報収集に努めています。詳しいプロフィールはこちら

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コメント 皆様からご質問・ご意見など

  1. まきさん より:

    こんにちは、いつも参考にさせていただいております。
    4月より新2年生になる男児がおります。
    ひとまず1年間学習デスクなしでやってみたのですが、とても寂しがりやなため、学習中は常に側にいて欲しい子供でして、本格的にダイニングテーブルで学習させようかと思っています。
    ただ、ダイニングテーブルでさせるとなると、テーブルの傷付きや消しゴムカスなど、気になるところ…そのためこのような商品が気になり色々探しています。
    似たような商品になるのかもしれませんが、豊橋木工さんのスラントアップという商品が気になっております。というのは、学習椅子でアップライトチェアを使用しており、一緒に販売しているブログなどを散見したからです。
    当方地方にいるため、実物を見る事がかなわず、情報も少なく、値段も値段なため、決断することができていません。
    収納マン様から見て、いかがでしょうか?
    また、滑り止めのあるなしなどバージョンがあるようですが、オススメなどありますか?
    似たような用途の他のオススメなどもありましたら、お聞きしたいです。
    どうぞよろしくお願いします。

    • 収納マン(芝谷 浩) 収納マン より:

      まきさんさま

      はじめまして^^

      学習机はなしで、これから本格的にダイニングテーブルで学習させるということは、今まではリビングテーブルなどで勉強していたということでしょうか。
      確かに椅子に座って勉強したほうが集中しやすいかもしれませんね♪

      豊橋木工のスラントアップについては、実は私もまだ一度も見たことがありません。
      以前に読者の方から教えていただきましたが、「子どもは喜んで使っているのでしばらく様子を見てみます」とのことでした。

      こういったダイニング学習用のマットのようなものについては、私は基本的に懐疑的な立場です。
      ですが一方でニーズがあることは事実ですし、使い方は人ぞれぞれなので、決して否定しているわけではありません。

      また、スラントアップはマナベルに比べると、語弊があるかもしれませんが「マトモ」だと思います。
      一般的に人間が食事や作業をするときには幅が60cm程度必要になります。
      子供の場合は必要な幅がもうちょっと狭くなりますが、手を乗せて書くことを考えると、スラントアップが幅60cmである点はちゃんと考えられていると感じます。

      また、スラントアップはマナベルに比べて、手前側がほとんど高くならないというのも理に適っています。
      マナベルと違って収納としての機能はないですが、本来の目的を忘れずブレない商品だと感じますね。

      一方で、まきさんさんのニーズを考えると、スラントアップを設置するときに逆にテーブルをキズ付けてしまう可能性があるのではないかと感じます。
      また、この程度のこぼれ止めでは消しゴムかすが落ちるのを防ぐことはできないでしょう。

      まきさんさんのニーズで言えば、セシールの「お片付けデスクマット」のようなもののほうが良いかもしれません。

      【参照】リビング学習に最適!?「お片付けデスクマット」があれば消しゴムかす対策になるかも

      基本的にこういう商品は、お子さん次第のところが大きいと思います。
      世間でどれだけ評価が高い商品であっても、お子さんがNOと言えばそれまでです。

      つまるところ、まきさんさんが良いと思った商品を購入してみて、お子さんに使わせてみて、しばらく様子を見ないことには分かりません。
      いちいち持ってくるのが面倒臭そうであれば、置き場所を変更するなどトライ&エラーを繰り返す必要もあるでしょう。

      以上、あまりお役に立てなくて申し訳ありませんが、ご検討ください^^