たった数年前まで、2~3千円台で販売されているLEDデスクライトなんて本当にロクなものがありませんでした。ところが最近は、見た目はショボくてもそれなりのスペックに仕上がっているものも珍しくなくなってきています。さすがに学習用としてオススメできるものは皆無ですが、リビングダイニング学習用に気軽に使えそうなものが増えている感じです。
今回は楽天プレミアムパートナー制度を通じて充電式LEDデスクライトを試す機会に恵まれ、ロクにスペックも確認せずに飛びついてしまいました(苦笑)ぶっちゃけ、たいしたものではありませんがご紹介したいと思います。
※価格および仕様はすべて2021/09/12現在
充電式LEDデスクライトDYH-TL-029
今回ご紹介するのは「充電式LEDデスクライトDYH-TL-029-S」です。中国製でメーカー名は商品そのものにもパッケージにも記載されておりません。にもかかわらず”安心できる品質保証”とか書かれていて、おまけにバッテリー内蔵で、個人的にはなかなか恐ろしいものです。
万が一発火しても、楽天市場での販売元である山海工芸製品株式会社に問い合わせれば対応していただけるのだとは思います。ただ、それならそうと、パッケージなり取扱説明書にでも連絡先くらい記載して欲しいものですね。最近ホントにこういうのが多くて困ります。
見た目は値段の割りに立派
根本的なところで不安の多いデスクライトですが、税込2,980円という価格からは信じられないくらい見た目は立派です。ヒンジを除きアームとシェードはほとんどの部分がアルミ製ですし、電源ボタン等はタッチセンサー式になっています。
調光&調色それぞれ5段階
操作パネルには電源のほか、5段階調光、読書モード、5段階調色、45分間タイマーのボタンがあります。
なお、調光は丸印が10個ありますが、あくまで5段階です(苦笑)また、読書モードをオンにした場合は、調光も調色もできません。
台座には小さな出っ張りが設けられており、スマホを立てることもできます。
外部機器を充電できるポート付き
台座の背面には主電源スイッチのほか、電源の供給を受けたり内蔵バッテリーを充電するためのUSB-Cポートがあります。ここに付属のUSB A-CケーブルとACアダプタを接続するわけです。なお、パソコンやモバイルバッテリーなどから電源を供給することもできます。
充電中はUSB-Cポートの横に赤色のLEDが点灯します。充電が終われば緑色に点灯します。
その横にはスマホやタブレット端末などを充電するためのUSB-Aポートもあります。ただし、これはあくまで外部から電力の供給を受けているときのみ使用できるもので、この充電式デスクライトをモバイルバッテリー代わりに使えるわけではありません。そのため、このデスクライト一式はACアダプタのみにPSEマークが付いています。
シェードを閉じると消灯する機能はナシ
こちらのデスクライトはシェードを閉じても自動的に消灯する機能(オートパワーオフ)はありません。ただし、45分が経過すると自動的に消灯する機能はあります(45分間タイマーセット時のみ)。
なお、次回点灯時に前回の調色&調光の状態を再現してくれるメモリー機能はあります。ただし、読書モードとタイマーは次回使用時に引き継がれません。
直下照度は500ルクス前後
DYH-TL-029が価格の割りに高機能なことは分かりました。しかし、肝心のあかりの質はどうでしょうか。簡易照度計で照度を計ってみました。
こちらのデスクライトはシェードの高さを比較的自由に調節できるのですが、今回は支柱をまっすぐ上に向けた状態でシェードを水平にした高さ約36cmで計測しました。まずはAC給電時に測定したところ、直下照度は500ルクスを少し上回る程度となりました。
500ルクスと言うと、デスクライトとしてはかなり暗い部類です。LEDシーリングライトを点灯した状態のダイニングテーブルくらいの明るさです。また、半径50cm円周上の50~60ルクスというのは、6畳間の隅よりも暗いレベルですから、何の役にも立ちません。
もっとも、以前に紹介したニトリの充電式デスクライトも同程度の照度です。このくらいの価格であれば所詮はこんなものなのでしょう。
バッテリーでは1割ほど照度減
では、バッテリーのみで点灯させた場合はどうでしょうか。
これも以前に紹介したニトリの充電式デスクライトと同様に約1割ほど照度が落ちました。なお、上図は満充電の状態での照度なので、バッテリー残量が少なくなってくるともう少し低い値を示すと考えられます。
ちなみに、ニトリの充電式デスクライト「DX-SX20」と同じシェード高26cmでの直下照度は、AC給電時で822ルクス、バッテリー満充電時で約760ルクスとなりました。ニトリのほうは直下1000ルクスを上回っていますから、こちらはそれよりも抑えている感じです。
ニトリとの比較
山海工芸DYH-TL-029 | ニトリDX-SX20 | |
---|---|---|
サイズ(使用時) | W110×D320×H375mm※ | W52×D205×H267mm |
重量(本体のみ) | 472g※ | 500g |
コードの長さ | 1.0m※ | 1.2m |
主な材質 | ABS樹脂+アルミ合金 | ABS樹脂 |
内蔵電池 | リチウムイオン電池 | リチウムイオン電池3.7V |
内蔵電池容量 | 2000mAh | 2000mAh |
入力電圧・電流 | DC5V 1~2A | DC5V 1A |
定格消費電力 | 4~6W | 5W |
使用環境温度 | 不明 | 5~35℃ |
充電時間 | 不明 | 7時間 |
連続点灯時間(MAX点灯時) | 不明 | 4時間 |
充電可能回数 | 不明 | 500回 |
調光段数 | 5段階 | 無段階 |
調色段数 | 5段階 | 3段階 |
全光束 | 450lm | 150lm |
最大直下照度 | 513Lx(36cm高)※ | 1200Lx(26cm高) |
色温度 | 3000~6500K | 3000~5000K |
LED光源寿命 | 50000時間 | 40000時間 |
製造国 | 中国 | 中国 |
税込価格 | 2,980円 | 2,990円 |
※収納マンによる実測
最後に、ニトリの充電式デスクライト「DX-SX20」と比較してみましょう。今回ご紹介したDYH-TL-029とはそんなに大きな違いはありません。と言うか、DYH-TL-029は充電に必要な時間やバッテリー使用時の連続点灯時間など、記載されていない項目が多いです。
説明文の日本語がおかしなところも多く、そもそも信用するに足りないと感じます。重量も400gと記載しながら、実際は472gもありました。おそらくこれはバッテリー非搭載の「PH376」という他社製品の数字をそのまま掲載しているのでしょう。そう考えると、全光束も本当にニトリの3倍の450ルーメンもあるのかしらと疑問に感じます。
そんなわけで、不信感溢れるDYH-TL-029ですが、シェードが大きくてアームの可動範囲が広いため、ニトリよりも的確に必要なところを照らせるのは良いところかと思います。あとは5段階調色機能やアルミを使った躯体なども評価できるポイントではないでしょうか。
以上の通り、もしDYH-TL-029がもうちょっと安心して使える体制なら、価格の割りにデカくて使い勝手が良いということでオススメする余地もあるのですが、そんな感じではないので私の立場としてはちょっと怖くてオススメできません。製品のどこにも会社名や製品番号が書かれていない商品なんて、マトモなアフターケアが受けられるとは思えないですからね。
他方で、送料無料で楽天市場ならポイントもたくさんついてお得と思える方にとっては魅力的なのではないでしょうか。あんまりネガティブなことを書くと私もさすがに楽天プレミアムパートナーの資格を剥奪されたり暗殺されかねないので今回はここらへんにしておきたいと思います(苦笑)
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