実は塗装よりも合板がヤバイ!?学習机を低ホルムアルデヒド化するには

学習机だけを低ホルムアルデヒド化してもシックハウス症候群になるリスクを軽減することはできません。ほかの家具もすべて低ホルムアルデヒドのものにする必要がありますし、それよりも家自体を低ホルムアルデヒドにしなければなりません。壁紙を使わず壁は珪藻土や漆喰などの塗り壁にし、床は畳や合板のフローリングは使わずに無垢材で。そして熱効率は悪くても気密性の低い構造にする必要もあります。また家のほかに、新車に乗ることも控えるべきでしょう。

そのように考えると学習机だけを低ホルムアルデヒド化することは、意味がないとまでは言いませんが、相対的にその意義は少ないと私は考えます。学習机そのものを極限まで低ホルムアルデヒド化するよりも、しっかりと部屋を換気することのほうが重要だと思います。換気をしっかりとすれば、学習机よりもはるかに表面積の広い住宅そのものから放散されるホルムアルデヒドを室内から室外へ放出できるからです。

 

ホルムアルデヒドの影響が大きいのは合板

それでも学習机を極限まで低ホルムアルデヒドにしようと思ったら、できないことはないと思います。一般的に自然塗装(オイル仕上げ)の学習机であれば低ホルムアルデヒドであるというイメージがあると思いますが、塗装よりもホルムアルデヒドの影響が大きいと考えられるのは合板です。一般的に無垢板(集成材)の学習机であっても本体引出および袖引出の周辺には合板が使われており、合板には多量の接着剤が使われています。もちろん近年は接着剤も低ホルムアルデヒドのものが使われていますが、合板で囲われた引出の中はホルムアルデヒドが充満しやすいのです。


合板に多量の接着剤が使われていると言ってもピンと来ない人がほとんどだと思います。下の動画は学習机によく使われるフラッシュ構造の合板ではなくハニカムコア構造の合板の製作風景ですが、基本的には同じようにして作られます。なおローラーで塗っている白い液体が接着剤です。

合板には多量の接着剤が使われていることがお分かりいただけたでしょうか。なお、この動画の中では見えない部分ですが、芯材であるパーティクルボードそのものにも接着剤は使用されています。また表面のプリント合板にも接着剤は使われています。

学習机を極限まで低ホルムアルデヒドにしようと思ったら

前述の通り、合板には多量の接着剤が使われています。ですから学習机を本気で低ホルムアルデヒド化しようと思ったら、塗装よりもまず合板の使用をやめるべきと言えます。

しかし、合板の代わりに無垢板(集成材)だけで学習机を作るというのは現実的ではないと思います。材質にもよりますが基本的にコストが掛かります。また、無垢板は反る(変形する)可能性があるので、ワゴンなど箱状のものを作るのは技術的に難しいところがあると思います。

また、無垢板もハギ合わせるのに接着剤は使われますから、天板は本物の一枚板が良いでしょう。それを接着剤を使わずに組み立てます。そうするとネジや釘で接合するか、和家具職人か宮大工にでも頼むしかありません。

そして、でき上がった机の表面は無塗装か純植物性のオイルで仕上げることになります。キズや汚れにはめっぽう弱いですが、このようにすれば究極に無害化したものを作ることができます。

ちなみにホームセンターで木材を買ってきてデスクを手作りしようとする場合、木材にはホルムアルデヒドを含む防腐剤が使われていることがあるので注意が必要です。

 

現在はホルムアルデヒドにそれほど気を遣う必要はない

以前に比べると、学習机に含まれるホルムアルデヒドのことを気にする人はかなり減りました。それはホルムアルデヒドについて正しい知識が広がったことがひとつ。学習机だけに気を遣ってもほとんど意味がないのですね。

もうひとつはメーカー側の取り組みにより安心できるようになったことです。健康家具を扱うシャルドネ(2019年に倒産)が誕生した当時、20世紀中は家具も住宅もホルムアルデヒドに対してほとんど無頓着でした。20世紀の最後になってようやく塗装の主流もラッカー塗装からウレタン塗装に変わりましたし、合板も低ホルムアルデヒドのものが使われるようになりました。

話がちょっと逸れますが、地域などによっても違うと思いますけど、生協(生活協同組合)ってもともと健康で安全な食品を扱うことが消費者に支持されて普及していったと思うんですね。それが現在では普通にナショナルブランドのものを扱っているじゃないですか。家具業界も同じで、確かに昔は今から考えればメチャグチャだったけれども、現在では問題になるレベルの製品など作っていないわけです。

つまるところ、現実的な範囲でできるだけ健康に悪影響を及ぼす可能性が少ない学習机を買おうと思ったら、イメージに惑わされず、まずは合板を避けることが第一だと思います。でも実際のところはそれは現実的ではないし、その必要もないと思います。それよりも、しっかりと部屋の換気をしたり、部屋の掃除をすることのほうが大事だと私は思います。

 

なお、念のため誤解のないように申し上げておくと、ノンホルムアルデヒドではないオイル仕上げの学習机なんて意味がないということを申し上げているわけではありません。キズや汚れが気にならないなら、ホルムアルデヒドの放散量が少ないことに越したことはないと思います。

ただ、学習机の表面はホルムアルデヒドが含まれていても外気に触れて拡散しやすい一方で、引出などに合板を使っていればむしろそちらのほうがホルムアルデヒドが充満して有害である可能性があるということを述べているまでです。そして私の知る限り、一般に販売されている学習机はすべて合板を使用しているというのが事実です。

また、上記はあくまで私の考えであって、個々の健康状態にどのような影響を及ぼしても私は一切の責任を負いません。ご了承ください。

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