6月と8月に破格でイトーキの「カモミール・ベーシックタイプ」を売り出したイオン。自社オンラインショップで売ったほうが効率的なはずのイトーキが、イオンに販売を委ねたということで興味深く売行きを見守っておりました。
こんな値段だったら瞬時に売り切れるだろうと思っていたのですが、予想に反してそうはならなかった様子。イトーキも私もイオンの販売力を過大評価していたようです。
ともあれ、今年はそんなことがあったので、2023年度のイオンの学習机は期待できるのかもしれないと思っていました。しかし、残念ながらこちらも期待を裏切るものでした。
※価格および仕様はすべて2022年9月10日現在(2023年7月12日一部更新)
イオン・マルチデスク
2023年度のイオンの学習机には新型が2つあります。まずひとつめは「マルチデスク」。ナチュラル(MF-1)とホワイト(MF-2)の2色展開で、価格は税込43,780円。
マルチデスクは天板サイズが90×55cmのコンパクトなベーシックデスクです。どこがどうマルチなのかサッパリ分からない一方、できるだけ安い価格帯を目指したであろう構成となっています。
しかしながら、これで4万円強も出すなら、大商産業の「SPR-520」か「MWSP-520」を買ったほうがダンゼン良いでしょう。4段チェストも鍵も付きますからね。
カラーデスクではなく木目調がよろしければオカムラの「クオーレ3点セット」(デスクライト別売)。かつてのように3万円ではなく4万円に値上がりしていますが、それでもイオンのマルチデスクよりはコスパは良いと思います。
イオン・フリースタイルシステムデスク
もう1台の新作は「フリースタイルシステムデスク」。ナチュラル(HF-10)、ホワイト(HF-20)、ブラウン(HF-30)の3色展開となっており、価格は税込65,780円です。
こちらは天板サイズが100×55cmで、いわゆるロータイプの組み替え式デスクというスタイル。実はイオンには税込54,780円でワゴン引出しが3段の「システムデスクSD」というものもあるのですが、こちらは既にナチュラルとホワイトが完売しており、新型に切り替えられていくものと思われます。
要は昨今のコスト増と販売台数の減少に耐え切れず、スペックダウンと価格アップの同時進行となったわけですね。およそ6.5万円も出してこれを買うなら、大商産業の「SWD-519」、「MWS-520」、「MHS-520」、ニトリの「リビオG」あたりを買ったほうが良いでしょう。
なお、私が唯一イオンでお気に入りだった「コンパクトフリースタイルデスク」は結局廃番となったようです。一方で、堀田木工所の「ナチュラルウッドシンプルデスク」は継続となりました。堀田木工所のカタログ掲載モデルは概ね10%アップとなりましたが、イオンでは据え置きとなった格好です。
それにしてもまあ、厳しいですねー。ここ数年、いろんなデスクのスタイルに手を出してみたものの、結局ベーシックデスクと組み替え式デスクに回帰。しかしながら、諸々コストは上がっており、台数を捌く方策もなく、お手上げ状態でソロバンを弾いた結果がコレです。
商品部としては粗利を求めなければならないのでしょうけど、もはや大手の家具販売店に台数で適うわけがありません。大手でもオリジナルは難しくなってきているのですから、もうイオンの販売力でオリジナルで固めるのは無理があるでしょう。
さて、来年度はどうするでしょうか。私としてはもう十分頑張ったじゃないか、と声を掛けてあげたい気持ちなのですが…。
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