学習机の置き場所を決めるのは、時に非常に困難なものです。単に机を置く場所を確保するだけでなく、本棚との距離も考える必要があったり、子供部屋の場合はベッドなどとのコンビネーションも考えねばなりません。また、部屋の出入口やクローゼットの扉、窓の位置や大きさなどが障害になることもあるでしょう。
先日、読者の愛知県民ママさんからご質問をいただいた際に、学習机が窓に掛かることのデメリットについて話が及びました。そう言えば、その点について記事にしたことがなかったなーと思いまして、今回は改めて学習机が窓に掛かってしまう場合のデメリットについてまとめてみました。
学習机を窓際に置く場合のデメリット
- 採光のコントロールが難しい
- 夏の暑さや冬の寒さの影響を受けやすい
- カーテンなどの開閉が難しい
- 掃除がしにくい
- 結露およびカビの心配が生じることがある
- 気が散りやすい
窓の前に机を置くことによって生じ得るデメリットは、概ね以上の通りと考えられます。順番に詳しく見てみましょう。
採光のコントロールが難しい
まず、採光のコントロールが難しいこと。曇天時はちょうど良い明るさでも、夏の晴天では明るすぎてとても本を読めなくなったりもします。ドレープカーテンやレースの開閉で調整できるとは言え、空模様が変わる度にカーテンを開け閉めしていられないですよね。
南向きはもちろん、西向きはなおさら大変です。お子さんが学校から帰ってきて、夕方から宿題を始めようとしたときに目に突き刺さるような西日を浴びたら、きっと目の負担が大きいことでしょう。
改めて言うまでもなく、明るければ良いというわけではありません。また、UVカットではない窓ガラスの場合は紫外線の影響を受けるので、目の負担に繋がるだけでなく本が色褪せてしまいます。
夏の暑さや冬の寒さの影響を受けやすい
近年はペアガラスが普及したため窓際でも暑さや寒さは感じにくくなりました。しかし、影響がまったくないわけではありません。ペアガラスでも暑さや寒さは感じられます。
暑い場所、寒い場所では、勉強に集中できません。熱中症や風邪の心配もあります。
カーテンなどの開閉が難しい
窓の前に学習机を置くと、大人でもカーテンの開閉が難しくなります。上棚付きの学習机の場合はなおさらです。そのため、カーテンは開けっぱなし、もしくは閉めっぱなしになりがちです。
カーテンを閉めっぱなしにするということは、窓を開け閉めする機会も少なくなります。気分転換のためにも時々は窓を開けて空気を入れ替えたいですよね。
掃除がしにくい
同様に、窓の前に学習机を置くと掃除がしにくくなります。カーテンをホコリまみれのまま放置しがちですし、窓も拭きにくいです。我が家も以前は窓際に学習机を置いていたので掃除が億劫でした。
結露およびカビの心配が生じることがある
ペアガラスでも窓に結露が発生することがあります。単板ガラスの場合はなおさらです。また、カーテンの開閉や窓の掃除がしにくい状況が重なっている場合はカビも発生しやすくなります。
気が散りやすい
窓際に机を置くと子供が外の景色をぼーっと眺めてしまって勉強に集中できないとも言われます。また、窓が近いと外の音も気になりがちです。
限られたスペースなので完全に窓から離して学習机を置くということは困難ですが、できるだけ離したほうが理想的であることは間違いないと思います。
そのほか、腰窓ではなく掃出し窓の場合は、より暑さ寒さの影響を受けやすくなります。結露やカビの心配も増えがちですし、椅子やワゴンをぶつけてガラスを割ってしまうリスクもないとは言い切れません。
一方で、窓際に学習机を置くメリットがあるかと考えてみても、私にはまったく思い当たりませんでした。窓際に学習机を置くことは基本的にデメリットしかないと思います。
とは言え、学習机の置き場所を考えると窓際しかないということは少なくありません。実際、我が家も以前はそうでした。北向きで過剰な採光はなかったものの、単板ガラスのため冬は寒く、結露もありました。
以上を踏まえまして、学習机の置き場所を決めるときは絶対に窓際を避けるべきまでとは言えないものの、可能な限り窓には掛からないようにレイアウトを考えていただければと思います。
コメント 皆様からご質問・ご意見など
収納マン様
いつもお世話になっております。
机選びでも色々とお問合せしております、たままです。
子ども部屋の机のレイアウトについても、ご相談させて下さい。
子ども部屋6.9畳は添付資料のような感じです。
すみません、ファイルが一つしか添付できないことを認識しておらず、こちらで考えた配置などを別ファイルに保存してしまったため、続きは別コメントで送信致します。複数コメントに分かれてしまいますこと、ご容赦下さい。
収納マン様
自宅を建てた際には、添付資料のような配置を想定しておりました。
子ども部屋には朝陽を取り込みたい、朝日を受けながらの勉強は気持ちがいいだろう、と考えておりました。あと、部屋の入口を背面にすると気が散る(誰が入ってくるかわからないという不安で落ち着かない?)
・・・が、収納マン様の記事を拝見して、窓に向かって机を配置するのはいかがなものかと、思い直しました。
こちらで思いついた懸念点等も添付ファイルに書き込みました。
収納マン様
机が窓に向かないように西側に配置してみましたが、それはそれで問題がありそうです。この案については、単に配置というだけではなく、コーディの片側K脚のメリットが生かせないという、机選びにも波及する問題があるように思います。
諸々の懸念点をなくすために添付のような配置も考えましたが、部屋の入口が狭いし、机に座っていてなんだか落ち着かない気がします。
申し訳ありません、図面にコンセント等の配置が抜けておりました。
机を西側配置にした際の懸念点に絡む、テレビやネット等の情報コンセントは、東側窓の足元にあります。普通のコンセントは、それ以外の部屋4隅あたりにあります。
エアコンは西の壁の南寄りに、東に向いて設置してあります。
クローゼットの扉は折り畳み扉で、端に固定はされておらず、スライド可能なタイプです。
素人の私どもには、これくらいのレイアウトしか思いつきませんでした。
収納マン様、私が挙げた懸念点に対するコメント等、ご助言頂けますでしょうか?
たままさま
間取り図ありがとうございます!
家具レイアウトはあちらを立てればこちらが立たず…という感じで難しいですよね^^;
ただ、いくつかのプランを提示していただいたことで、たままさんのニーズが十分に把握できました。
それを踏まえまして、私から提案させていただくのは下のレイアウトです。
まず決めないといけないのはもっとも大きなベッドの配置です。
暑さ寒さを感じやすい掃き出し窓を避けると、東西いずれかの壁面となります。
しかしながら、エアコン室内機が落下するかもしれないと考えるなら、ベッドは東側のほうが安全です。
東側なら北枕を心配しなくて済みますし、就寝中にエアコンの風がダイレクトに当たる問題もないと思います。
シェードの開閉もほとんど問題ないはずです。
残るスペースにデスク等を配置していきます。
コーディの左脚を活かすなら、机は西側の窓ギリギリの場所くらいが良いでしょう。
この位置ならクローゼットの折れ戸の開閉も支障ないはずです。
書棚は100cm幅くらいを想定されているようですが、基本的には90cm以下のほうが無難です。
幅100cm以上だと家具レイアウトを変更するときに融通が利かないことが多いからです。
幅60~75cmくらいだと日本の住宅で一般的な畳モジュール(⇔メーターモジュール)でもレイアウトが格段にしやすくなります。
コーディと南側壁面の間は60cmくらいになるでしょうか。
この位置なら高さが高くても転倒リスクは少ないと思いますが、心配なら高さ90~150cmくらいでも良いと思います。
また、収納量に不足を感じるようであれば、デスクとベッドの間のスペースにキャスター付きの腰高のシェルフを置いても良いでしょう。
地震の心配をされるようなら、奥行は40~45cm、キャスターはストッパー付きが良いでしょう。
ちなみに、ドアが背後になると不安を感じるという話については、ご家族が入室する際にドアをノックしたり一声かける習慣にしてもらえば問題ないはずです。
不特定多数が出入りする部屋ではないので、それほど気に掛ける必要はないでしょう。
というわけで、こんなレイアウトでいかがでしょうか?