世間では「学習用デスクライトは無駄にデカくて価格も高い」と思われることが多いようです。しかし私は逆に、「市販のデスクライトは検討するに値しない」くらいに思っています。そんなわけで、これまでパナソニックの”日本PTA全国協議会推奨”というデスクライトも完全に無視していました。
私は決してパナソニックが嫌いというわけではありません。むしろ、「家中みんなナショナル」で我が家にはパナソニック製品が溢れています。パナソニックの壁面収納のPR動画に出演したこともありますし、ショールームのコーディネートやセミナーをしたこともあります。本来、私にとってはパナソニック様様なのですよ(笑)
それはさておき、学習机メーカー各社が不振にあえいで開発の手を休めている間に、家電メーカーは頑張っていたのですね。読者のチハヤさんが教えてくださったパナソニックのLEDデスクスタンド「SQ-LD515」と「SQ-LD525」がなかなか良さそうだったので、ヨドバシカメラとビックカメラに見に行ってきました。
※この記事は2019年2月24日時点の情報に基づいています(2022年11月14日一部更新)
パナソニック・SQ-LD515
パナソニックのLEDデスクスタンドにはアームが長いものや短いもの、クランプ式などもあり、おまけに新旧仕様が併売されていたりで分かりにくくなっています。「SQ-LD515」(上写真)と「SQ-LD525」はカタログモデルと家電量販店モデルという違いで、色と品番以外は同じだということです(パナソニック確認済み)。
※以下、家電量販店モデル「SQ-LD525」は「SQ-LD515」と同じものとして話を進めます
残念ながら調色機能はナシ
こちらのデスクライトの特徴のひとつは色温度が6200ケルビンで文字がくっきり見える光だということです。ですが当ブログで勉強された方はご存知の通り、色温度が高いということは文字がくっくり見えて集中力も高まる一方で、寝る前に使うと神経が高ぶったり、緊張状態が続いて疲れやすいというデメリットもあります。
なので、私としては別に色温度が高いほうが良いとは微塵も思っていません。そんな仕様になっていることよりも調色機能があったほうが良いのですが、残念ながら「SQ-LD515」には調色機能はありません。
ちなみに、調光機能のあるデスクライトは多いのに調色機能のあるものが少ない理由は、調光機能を付けてもコストはほとんど上がらない一方で調色機能を付けるとコストが跳ね上がるからです。
JIS規格AA形相当であるものの直下照度は不明
もうひとつの特徴はJIS規格AA形相当、つまりごく簡単に述べると照射範囲が広いということです。
実は「SQ-LD515」の前モデル(SQ-LD523)のときからJIS規格AA形相当を達成していました。前モデルと比較して「SQ-LD515」は光束が845ルーメンから1025ルーメンにパワーアップしているのですが、これを私が1025ルクスと勘違いしてしまったのです(読者のチハヤ様、ぱんたろん様、大変失礼しました)。
この場合、ルーメンとはLEDから発せられる光の量(光束)、ルクスとはLEDに照らされる面の明るさ(照度)のことです。それぞれに相関性はあると言えますが、光束の値から照度を導き出すことはできません。
そこで、直下照度についてパナソニックに問い合わせたところ、結論から言って「分からない」そうです。「なんでJIS規格AA形相当って分かってるのに直下照度が分からないんだ!」と思われるかもしれませんが、この業界ではそういうことは決して珍しくないのです。例えるなら、全部の食品に栄養成分表示が書いてあるわけではないのと同じようなものですね。
つまるところ、パナソニックが自分のところで作っておらず、また測定もしていないから分からないのです。データは基本的にLED素子のメーカー、もしくは受託生産しているOEMメーカーが持っているということですね。
仕方なく、照度計を持って近所のジョーシンに直下照度を測定に行きました。ところが、店内はちょっと暗い場所でも2000ルクス以上もあったんですね(苦笑)これでは1000~2000ルクス程度と思われる直下照度を測ることはできません。
まさに八方塞がりで、自分で買って調べるより他ないわけですが、さすがにそこまでする気にはなれず。他社製品と比較して「SQ-LD515」は光源を直接見てもそんなに眩しいとは感じませんし、約33cmのシェードを持つスタンド式デスクライトとしては決しては悪くないと思います。
耐久性に疑問の残るアーム
ただ、アームの耐久性はどうなんでしょうね。ヨドバシカメラ、ビックカメラでは、腰が砕けたようにフニャフニャになってしまっていました(苦笑)ジョーシンではしっかりと自立はしていたものの、任意の位置でピタリと止まるという感じではありませんでした。やはり樹脂製アームの限界でしょう。
アームの関節が少ない「SQ-LD517」というモデルもあるので、アームの強度に不安を感じる方はそちらを選んだほうが良いかもしれません(2019/02/26追記:ただし、アームが短いのでデスクの端ではなくできるだけ中央に置く必要が生じます)。
わずか0.5AのUSB端子付き
「SQ-LD515」にはUSB端子が付いているのでスマホなどのデジタルデバイスの充電も一応できます。
”一応”というのは0.5Aしかないから。ないよりはマシかもしれないですけど、このアンペア数ではスマホでも充電に時間が掛かってしまいます。かつてエルーガを売っていたパナソニックであることを考えると、確信犯的なスペックと言えましょう(苦笑)
つまるところ、「SQ-LD515」は可も不可もない普通のLEDデスクライトという印象です。特に眩しいという印象はなく、それでいてJIS規格AA相当の広い照射範囲は確保しています。
他方で、売っているメーカー自身が「直下照度は分かりません」というのはいかがなものでしょうか。推奨しているナントカいう団体も随分と無責任だと思うんですけど、下手にディスると厄介なので自重しておきます(苦笑)
アームもイマイチ、USB端子もオマケ程度ですが、かと言って他に適当なスタンド式デスクライトがないというのもまた事実です。理想を言えばBenQの「親子デスクライト」ですけど高価だし、コイズミファニテックの「SCL-711」は手頃でもアームがシッカリとしているとは言い難い。山田照明ならデスクベース各種を組み合わせれば良いとは言え、どうしてもコスパが悪いと感じてしまいます。
そう考えると、意外と「SQ-LD515」はアリなのかと思ったりもします。
コメント 皆様からご質問・ご意見など
収納マン様
先日、Panasonic SQ-LD525についてお問い合わせしたものです。
現物をご確認いただきありがとうございました。
スタンド式は難しいですね。お店にあったものはアームがしっかりしていたのですが、頻繁に動かしていると弱くなってしまうのですね。コイズミのスタンド式もアームの弱さがネックだったのでPanasonicもかという気持ちです。
家は下の子供もいるので気になっていたずらすることも考えられ、この度の記事で教えて頂いたPanasonic SQ-LD517が気になっています。Amazonでは一万を切りSQ-LD525よりお手頃ですし。こちらはSQ-LD525と同じような使い心地と考えていいのでしょうか?Panasonicは見た目ほとんど同じで型番が違うものも多く、こんがらがっています。
どうぞよろしくお願いいたします。
チハヤさま
こちらこそ、この度は混乱を招いてしまい申し訳ありません。
スタンド式は本当に難しいです。
BenQの親子デスクライトのような特殊な形状でない限り、広い照射範囲を求めるというのはそもそも無茶振りなのかもしれません^^;
樹脂製のアームはコストを抑えることができますが、任意の位置でピタリと止まらない、耐久性が低い、初期不良品を掴まされるリスクがあるという問題があります。
LED自体は4万時間(=ざっと10年以上)使えてもアームがそれまで持ち堪えないだろうなと思うようなものが大半というのが現状です。
大人が使うんだったらそんなに頻繁に動かすことはないでしょうけど、学習用の場合は子供ですからね。
ただでさえ大きめのシェードを支えているのに、頻繁にガチャガチャ動かしても大丈夫にしようと思ったらやっぱりスチール製のほうが無難だと感じます。
SQ-LD525よりアームの短いSQ-LD517は、関節の数が少ないのでアームが壊れる確率は理屈上低いと言えます。
ただ、アームが短いので、たとえば右利きの場合はデスク左奥ではなく中央に寄せて設置する必要があります。
あとはまあ、とにかく丁寧に扱うように注意しないといけないですね^^;
収納マン様、コメントありがとうございます。
コイズミかPanasonicか、もう少し考えてみます。
チハヤさま
いま気づいたんですけど、チハヤさんは昨年の5月にもコメントくださっていたのですね!
改めて読み返してみると、私の返信がほとんど同じことを繰り返していて苦笑いしてしまいました^^;
ともあれ、長きに渡って解決策が見出せず申し訳ありません(+_+)