
ここのところ気温の乱高下が続きましたが、何だかんだ言いながらも今年も桜が咲く季節となりました。既に卒業式、終業式を迎え、ご入学、ご進級を楽しみにしておられる方が多いことでしょう。子供の成長は本当に喜ばしいものです。おめでとうございます。
近年は学習机の販売が通年化しているということもあり、年度の区切りがなくなってきています。とは言え、大手メーカーは初夏に新作デスクの展示会を開催することが多く、それまでは目新しい情報に乏しい期間が続きます。そのため、当ブログはここでいったん年度を区切り、体制を整えたいと思います。
今回は2025年度シーズンを総括するとともに、2026年度の年間スケジュールについて記しておきます。
※この記事は2025年3月26日時点の情報に基づいています
2025年度学習机市場の総括
電動昇降デスクの本格導入
2025年度の学習机市場を総括すると、主に3つのポイントが挙げられると私は考えています。まずひとつは、コイズミファニテックと大商産業が電動昇降デスクを本格的に導入したことです。
現時点ではまだまだマイナーな存在ですが、風向き次第では分かりません。コロナ禍以降、電動昇降デスクは売れました。これまでは大人がテレワーク用に買うのがメインでしたが、子供の学習用にと考える親御さんも増える可能性があります。姿勢良く椅子に座れないのなら、いっそのこと天板の高さを上げてスタンディングデスクとして使えば良いと考える人もいるかもしれません。
一方で、学習机が電化製品になると、壊れる心配も高まります。そこで、従来の天板昇降デスクや、IKEA「ベリレルカ」などのハンドル式、オカムラ「ミルミオ」のようなラチェット式の昇降デスクが注目される可能性もあります。そうなると、電動、手動の両方を含めて、再び天板昇降デスクのブームがやってくるかもしれません。
オンライン購入がますます増加

コロナウィルスが流行するまでは、学習机は家具販売店で購入するのが一般的でした。しかし、コロナ禍では何でもネットショッピングすることが増え、アフターコロナでもその傾向が弱まることはありませんでした。このことは、まだ回答数が少ないですが、現在実施中のアンケートからもうかがえます。

2019年度に実施したアンケートでは、学習机をネットで購入した人は4人に1人もいなかったんです。それが今は4割にも達しています。ちなみに、「店舗には足を運んでいない」人は2019年度は3%だったのが、2025年度は現時点で22%に激増しています。家具販売店の学習机売場が閑散としているのも納得です。
ネット通販なら家から一歩も出る必要がないので便利です。おまけに、セールでお得に買えることも少なくありません。この傾向は強まることはあってもその逆はもはやあり得ないでしょう。
なお、ネット通販で購入してクレームが発生した場合、十分な対応が得られないことがあります。また、交換には時間が掛かることが多く、その手間も大変です。商品や配送に問題がなくても、玄関からの運び入れから梱包材の処分に至るまでかなりの重労働になります。そこはあらかじめ覚悟しておいてください。
平均購入価格帯は6万円台?
2025年度はコイズミファニテック、くろがね工作所、浜本工芸、飛騨産業などが一部商品の値上げをしました。そのため、普通に考えれば平均購入価格は上がっていくはずです。
しかし、実際には平均購入価格は下がっていると感じます。こちらのアンケートでも2019年度は7万円台だったのが2025年度は6万円台になっています。かつて大手4社が発表していたのが7万円前後でしたから、その値からほぼ動いていないとも言えるでしょう。
近年、所得が増えた方も少なくないはずですが、物価の上昇で実質賃金は下がっています。なんでも値上がりすること自体は仕方ないとは言え、消費者としては懐具合と相談しながら賢く買い物する必要に迫られています。その手段のひとつがネット通販を利用することであり、また6万円台程度で買える学習机を選ぶということなのだと思います。
実際、こちらで確認できる範囲で、その価格帯の学習机はとてもよく売れています。一生紀やイトーキのほか、ちょっと上の価格帯で言うと、家具の里×堀田木工所の「リッケ」も売上が絶好調です。メーカーや販売店としてはこのあたりをベンチマークにしてラインナップや販売方法を考えていかないとますます厳しいでしょう。
2026年度の学習机関連スケジュール
2025 年度実績 | 2026 年度 | メーカーor販売店 | 内容 |
---|---|---|---|
4月1日 | イトーキ | 一部商品値上げ | |
7月1日 | 浜本工芸 | カタログ発行→公開 | |
7月1日 | カリモク家具 | カタログ発行→公開 | |
8月7日 | 堀田木工所 | デジタルカタログ公開 | |
9月1日 | リビンズ | デジタルカタログ公開 | |
10月1日 | コイズミファニテック | デジタルカタログ公開 | |
10月10日 | 杉工場 | デジタルカタログ公開 | |
10月上旬 | 大商産業 | カタログ発行 | |
10月20日頃 | ヒカリサンデスク | デジタルカタログ公開 | |
10月20日頃 | 大商産業 | デジタルカタログ公開 | |
11月21日 | くろがね工作所 | カタログ発行→公開 | |
12月末頃 | ナフコ21スタイル | カタログ発行→公開 | |
2月9日 | イトーキ | 学習机の日セール | |
3月下旬 | アクタス | デジタルカタログ公開 |
この4月1日からイトーキの「カモミール」と「リーモ」が1万円の値上げです。それぞれベーシックデスクとユニットデスクが対象となります。そのほかのメーカーや販売店については、今のところ値上げの話は聞き及んでおりません。
2025年度は浜本工芸とカリモク家具が先陣を切ってデジタルカタログを発行しました。ただ、いずれも新作デスクがなかったことが影響していると考えられるので、2026年度はもう少し遅くなる可能性があります。
逆にコイズミファニテックは例年に比べるとデジタルカタログの発行が遅れたので、2026年度は早まるかもしれません。なお、2025年度はコイズミファニテックから紙カタログは発行されませんでした(パンフレット除く)。堀田木工所も紙カタログは発行しなかったようです。
アクタスは2025年度はカタログを発行しないのかと思っていたら、先日発行しました。ニトリは既にカタログを発行せず、ペラカタログで対応している状況です。イオンはカタログの発行はおろか、自社オリジナルのデスクの開発をやめ、ロウヤのデスクをメインに据えているように見えます。
ニトリ、ナフコともに、学習机商戦は年明けからというスタンスが明確になってきています。イトーキも2月9日の学習机の日を中心に最大のセールを実施するのが慣例になってきたので、通年化しつつあった学習机商戦が再び1~2月がピークという状況に揺り戻されるかもしれません。とは言え、メーカーも販売店もそれまで指を加えてジッとしているというわけにはいきませんから、そこここでセールは実施されるでしょう。早々に品定めをして買い場を探るようにしたいところです。
お知らせ
ポップアップ広告について
既にご存知の方がほとんどだと思いますが、2月から当サイトを開くと最初にポップアップ広告が表示されるようになっています。
それまではGoogleの自動広告が表示される仕様でした。これは私からすると確実に収益が上がる一方、読者の皆様にとっては疎ましく感じられることが多かったと思います。私としてもそれは当然のことだと思っていたので、まずそれをやめたいと以前から考えていました。
現在のポップアップ広告に関しては、原則として24時間に1回だけしか表示されないように設定しています。なので、以前よりはストレスなく記事をご覧いただけると思います。
自動広告と違って、毎日表示させるネタを考えるのは大変です。一方で、お得な商品を見つけたらシェアしたいと思うことは以前からあり、また私が注目している商品を皆様にお知らせできるのは楽しみでもあります。
なお、商品の選定にあたって特定のメーカーや販売店が関与することはなく、すべて私の一存です。記事本文と同様ですので、安心してご覧いただければと思います。また今後、仮にメーカー等の意向で出稿する際にはその旨を記載するつもりです。
いろいろとご不満を感じられることはあると思いますが、読者の皆様によりストレスなく、楽しく、役に立つ情報をお届けしたいと考えております。今後も様々な観点から改善を図って参る所存ですので、ご理解いただければ幸いです。
以上、2025年度シーズンの総括と2026年度の年間スケジュールについて説明させていただきました。
例年アクタスでは8月頃からキャンペーンが始まりますし、その他の家具販売店でも少なからずお盆期間中の帰省をを見込んで早期割引セールを始めていたりします。東海地方も8月商戦がひとつの山場です。ほかの地域では9月中旬以降になれば徐々に新商品の展示が始まりますから、その頃から情報収集を始めても十分でしょう。
一方で、6月と9月に楽天スーパーセールが開催されるなど、オンライン、オフラインともに、セールがあるはずです。近年は新作デスクが少なくなってきているということもあり、いつでも買える体勢を整えていただければと思います。
コメント 皆様からご質問・ご意見など
収納マン様、初めまして。
我が家は双子で来年一年生になるのですが、リビングに2台置く学習として、
W900×D600のものを探しております。
条件に合うものとして以下の3つしか見つけられなかったのですが、他にこのサイズのデスクはありますでしょうか?
コイズミのビーノ
カリモクのユーティリティプラスorボナシェルタor新作
杉工場のレグシー
上記のサイズで、引き出し付き希望です。
デスクワゴンやユニットシェルフはスペースの関係上今すぐの購入は考えていません。
W900というのがなかなかなくて、、あっても奥行きの浅いものが多いです。
本当はリノリウム天板デスクが欲しかったのですが、サイズが大きなものばかりでした。
よろしくお願いします。
ばむさま
はじめまして^^
来春に小学校入学予定の双子のお子さんがいらっしゃるのですね。
そうすると、幅10cmの違いは大きいですよね。
最近は奥行60cmのデスクが減っているということもあり、確かに選択肢は少ないです。
ウィドゥスタイルの「セレクト」くらいじゃないかと思います。
W900×D600で引出し付きのデスクは、現在は他に
のちのちワゴンをセットすることを考えると、スリムワゴンが用意されているビーノがオススメです。
ユーティリティプラスやボナシェルタもワゴンがありますが、デスクの内側に収めた状態で座るのは無理なので、後々それなりのスペースを必要とします。
レグシーはアルダー材、オイル塗装で汚れやキズの心配があるうえに、価格も安くないので、あまりオススメできません。
セレクトはセラウッド塗装で熱や紫外線にも強いのがメリット。引出しも頑丈です。幅35cmの「コンパクトワゴン」も用意されていますが、ちょっと特殊な形状です。
個人的には、予算に問題がなければ、ワゴンを買い足して幅130cm以上のデスクとして使う前提でカリモク、さすがにそこまでスペースを取るのは厄介と思う場合はビーノかなと思います。
ぶっちゃけ、このサイズなら今はビーノ1強でしょう。