先日、読者の納豆ごはんさんに教えていただきまして、無印良品の「ブナ材デスク」セットをグランフロント大阪まで見に行きました。
無印良品にはこれまでもオークの無垢材デスクやパイン材デスクなどがありましたが、いずれも子供用の学習机とは言っておらず、あくまでも「学習机として使うこともできる」というスタンスでした。しかし、ブナ材デスクはハッキリと”子供ブナ材デスク”と銘打っているのです。
これは学習机評論家としては期待せずにおれないでしょう。
※この記事は2018年1月10日時点の情報に基づいています(2023年12月3日一部更新)
無印良品・ブナ材デスクシリーズ
ブナ材デスクシリーズは、”IDEA PARKでお客様といっしょに開発した”という新商品で、数量限定での販売(※追記参照)。有楽町、丸井吉祥寺、札幌ステラプレイス、仙台ロフト、テラスモール湘南、名古屋名鉄百貨店、グランフロント大阪、近鉄あべのハルカス、広島パルコ、MUJIキャナルシティ博多の全国10店舗でのみ展示中となっています。
ブナ材デスクシリーズは、まずデスクが幅120cmと幅160cmの2サイズ。そして、引出し2段のサイドキャビネット、上置き棚、パーテーション、ワーキングチェア(青/赤)で構成されています。
無印良品・ブナ材デスク・幅120cm
順番に見ていきましょう。まずはデスクから。
デスクは幅120cm(上写真)と160cmの2サイズで、いずれも奥行は60cm。学習机としてはゆったりサイズの横幅となっています。親子デスクやツインデスクとして使う場合は、幅160cmというのは良いかもしれません。
高さは70cmとなっています。一般的な学習机(事務用も同様)が73~76cmであることを考えると、かなり低いです。子供の身長が低い間は良いと言える一方、身長が伸びたときには足元が狭く感じられる可能性があるので注意が必要です。
天板はウレタン塗装のブナ無垢で、若干、節が入っていますが、質感は決して悪くありません。また、脚は幕板構造のダイニングテーブルと同じような取り付け方で、横揺れの心配はなく、シッカリとしています。
なお、「無垢材デスク(引出付)・オーク材」はホルムアルデヒド等級「F☆☆☆☆」と明記していますが、ブナ材デスクに関しては不明です。このあたりは「郷に入りては郷にならえ」で、不都合なことは書かない方針なのかもしれません(笑)
金属製のスライドレール付き
引出しは幅120cmが2杯で、幅160cmは3杯。「無垢材デスク(引出付)・オーク材」は金属製のスライドレールが付属しないため開閉の際に少しカタカタしますが、ブナ材デスクは金属製のスライドレールが付いています。
写真を見るとレールが太いのでフルスライドレールのようにも見えますが、シングルレール(2段引きレール)です。「SH・ABC」というロゴが入っており、比較的低価格の家具に使われる、品質が高いとは言えないレールであることが分かります。
なお、引出し内部材は「無垢材デスク(引出付)・オーク材」同等のザラザラした桐です。
デスクサイドには金属製フック×3
デスクには金属製のフックが3つ付属しており、片側に3つ取り付けることも可能。スライド式ではなく固定式になっています。
ランドセルを掛けると上写真のように内側に傾いてしまいます。子供用と言うならば、脚の間には貫き桟(ぬきさん)を入れるべきだったでしょうね。もっとも、こういうのは学習机メーカーにもあることですが。
フック自体はランドセルを掛けても問題ないと思われるほどの強度はあります。
ジョイントタップ収納スペース付き
「ジョイントタップ・ロック付・コンセント5個口」を置くことができるスチール製パーツも付属しています。このパーツはデスク背面または側面に取り付けが可能。小学生と言えどスマホを持つ時代ですので、コンセントがデスク周りにあると便利ですね。
ちなみに、上写真をよく見ると、天板が反っていることが分かります(脚の上部と天板の間にすき間が生じている)。無印良品は木の扱いが雑というか、含水率の調整に時間を掛けていないと思われるので、この点はお値段相当と言わざるを得ません。
無印良品・ブナ材サイドキャビネット
引き続き、ブナ材サイドキャビネットのほうを見ていきましょう。
スペックでは天板はブナ無垢(天然木ブナ材)となっていますが、店頭品はブナ突板でした。これは初期ロットが実際と異なるためか、単なる誤表記か不明です。もっとも、無垢で反るくらいなら突板のほうがマシでしょう。
側板/底板/背板はブナ突板で、一般的にプリント紙であることを考えると質感は高いです。
ワゴン引出しは2段
デスク天板高が70cmということもあり、リフティング天板でもないのに引出しは2段です。上段はデスク同様にシングルレール、下段はフルスライドレールとなっています。
下段引出しの高さがやけに高いと感じたのですが、A4ファイルを立てても収納できる高さとなっているようです。仕切り板の位置を5cmピッチで調節可能なのは便利ですね。無印良品のファイルボックスも収納可能です。
また、下段引出しの構造は「無垢材デスク(引出付)・オーク材」同様に内部材の手前側だけが高くなっています。無印良品以外では見ることがない、奇妙な構造です。
無印良品・ブナ材デスク用上置き棚
「ブナ材デスク用上置き棚」は、脚付きのまな板のようなシンプルな構造です。固定する場合は付属のスチール金具をデスクに取り付け、その上に乗せます。
ただ、金具の厚みがあるため、取扱説明書通りに脚の裏すべてにクッション材を貼り付けると、金具がない脚は浮いてしまい、カタカタと揺れることになります。
一般的なデスクトップパソコンのキーボードが下に収まる寸法であるところはナイスだと思います。
無印良品・ブナ材デスク用パーテーション
「ブナ材デスク用パーテーション」は金具でデスクに固定するようになっており、ちょっと力を加えたくらいでは倒れないようにシッカリしています。デスクの左右どちらにでも取り付けできるので、兄弟でデスクを並べるときに良いかもしれません。
押しピンで時間割表などを貼ることが可能。素材はポリエステルフェルトです。
デスクやサイドキャビネットなどは中国製ですが、パーテーションのみ日本製です。
ワーキングチェア・ガススプリング昇降式
「ワーキングチェア・ガススプリング昇降式」の青または赤は、基本的には従来のベージュと色が違うだけです。脚部などが黒なのが無印良品らしくない感じですけど、汚れにくいように配慮したのかもしれません。
足置きがないので、新入学児童には向かないですね。
ブナ材デスク幅120cm+サイドキャビネット+ワーキングチェア(青/赤)の3点セットをいま(2018/01/08現在)予約すると15%オフで2018年2月22日以降の発送予定(※追記参照)。店頭POPによると、これに上置き棚とパーテーションをセットしても総額から15%オフになるみたいです。
数量限定ということですし、気になる方はすぐにでも店頭でチェックしてみましょう。
総じて、今回数量限定で発売されたブナ材デスクは、可もなく不可もなくという印象です。それでも、無印良品のポリプロピレンデスク内整理トレーやファイルボックス、コンセントなどを組み合わせて使えるところは良いと思いますし、無印良品が好きな人には満足できる仕様なのではないかと思います。
ただ、個人的には無印良品のブナ材デスクを買うなら、コイズミファニテックのレイクウッドのデスク(SDD-778AN、2018年度で廃番)のほうが良いかなと思います。もちろん、サイズや仕様が異なるので単純比較はできませんが、レイクウッドのデスクならフルスライドレールだし、コンセントやランドセルハンガーも付いています。品質も確かです。
どうしても幅120cmのほうが良いという場合は、コイズミファニテックのリファルドや、ケユカ×コイズミファニテックのアロンも良いと思います。
そんな風に言うとまたコイズミ贔屓と言われそうですが(苦笑)、それが率直なところです。
2019/01/21追記
新商品「オーク無垢材デスク(引出・足元棚付)」の販売が開始されました。
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