一般的なLEDより良い?「ジェントライト」エリート&プロフェッショナル

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毎年、1~2回ほど、ヒーリングライト研究所の「ジェントライト」というデスクライトについてご質問をいただきます。ジェントライトには「エリート」と「プロフェッショナル」の2種類があるのですが、いずれもLEDではなく蛍光灯です。

LEDと蛍光灯は基本的に性質が異なるため、単純にどちらが良いという話はできません。例えるなら「電気とガス、どちらが優れているの?」と言うようなものなのです。

また、ジェントライトの説明はメリットだけを強調した偏った面があり、他方で学習用LEDデスクライトもそれほど多くの情報は公開していないため、比較ができない状態でした。

そんなわけで、私としては敢えて同じまな板の上に上げることはせず、ご質問をいただいても当たり障りのない回答に徹していました。しかし、記事にしておかないとその度に調べ直す必要があるため、それもまた大変です。

いかんせん実物を使用したわけではないですが、仮に使用したとしても測定できるデータには限りがあるため、差し障りのない範囲でジェントライトに関する所見をここにまとめておきたいと思います。

※この記事は2017年9月20日時点の情報に基づいています(2024年4月24日一部更新)

2022/11/14追記:ジェントライト・プロフェッショナルは既に販売を終了しています。エリートはリニューアルして現在も販売中。蛍光管自体は同じものなので本文の説明はそのままとし、文末に現行モデルの評価を付け加えています。

 

ジェントライトのラインナップ

ジェントライト・エリート

「ジェントライト・エリート」はヒーリングライト研究所というショップが販売している蛍光灯デスクライトです。バランスボディ研究所、スマートライフ研究所、眼育(めいく)総研といったブランドでも販売されており、いずれも運営元は有限会社ドリームチームという会社です。

一般論として蛍光灯はLEDよりも光が拡散しやすく、まぶしさを感じにくいというメリットがあります。一方で、紫外線が強くて目に良くない、熱が発生する、電気代が高い、などのデメリットがあります。しかし、ジェントライトは事実上、有害な紫外線領域だけをカットすることで、目にやさしい光を実現したと謳っています。

なお、ジェントライト・エリートの価格は税込21,589円29,800円と高価ですが(※)、デスクライト本体は山田照明のZ-3500Wとまったく同じものと思われ、それに専用交換用ランプをセットすれば同じ効果が得られるものと考えられます。

2022/11/14追記:現在は本体がリニューアルされてZ-3500Wとは別物になっています。スタンドとクランプの両方が使える構造です。
2024/04/24追記:2024年以降、価格は概ね税込32,980円にアップしています。

ジェントライト・プロフェッショナル

ヒーリングライト研究所・ジェントライト・プロフェッショナル

出典:Yahoo!ショッピング

「ジェントライト・プロフェッショナル」(販売終了)は、同じく山田照明のZ-208プロフェッショナル専用交換用ランプをセットしたものと考えられます。

エリートは24W形スリム管、プロフェッショナルは20形18Wスパイラル管の蛍光灯という違いはありますが、プロフェッショナルのほうが価格が高い、電気代が安い、若干ひかりにムラがあるというだけで、スペックは大きくは違いません。クランプ式でもOKで、なおかつ少しくらい高価でもアームの動きに自由度があったほうが良いということでしたら、こちらを選ぶのも良いでしょう。

ジェントライトのエリートとプロフェッショナルには概ね以上のような違いがあるわけですが、基本的なスペックは大きくは変わりません。その点を踏まえたうえで、以下、ジェントライトの説明について詳しく見ていきたいと思います。

ジェントライトは本当にチラつきがない?

ジェントライト商品説明(チラつきについて)

出典:Yahoo!ショッピング

ジェントライトの商品説明では、「一般のLEDデスクライト」との比較においてその優位性の一番目に「ほぼチラつきがない」ことを挙げています。

ただ、この会社はどうも「どんな硬い盾も貫く矛」と「どんな鋭い矛も貫けない盾」を売っているようで、自社が扱う「自然光LEDデスクライトPRO」(販売終了)は例外的にジェントライトよりもチラつきが少ない数値を示していると述べています(上図参照)。

自然光LEDデスクライトPROは以前に紹介したコスモテクノの「CDS-90α」と同じものではないかと思われます。韓国のDIASONICというメーカーがOEMで作っており、日本でも複数の会社で扱われています。

以前にも紹介した通り、コスモテクノのCDS-90αは決して悪い商品ではありません。かと言って飛び抜けてスゴイ商品というわけでもありません。学習用LEDデスクライトのチラつきが実際どれほどのものか私には分かりかねますが、ここで比較対象とされている「一般のLEDデスクライト」のスペックが低すぎるだけではないかと疑問を感じてしまいます。

2022/11/14追記:自然光LEDデスクライトPROは既に販売を終了しています。現行の「自然光デスクライト」ではチラつきに関する言及がなくなっています。

 

一般のLEDデスクライトは多重影が出る?

ジェントライト商品説明(多重影について)

出典:Yahoo!ショッピング

ジェントライトの2つ目の特徴として、「一般のLEDデスクライトに比べて多重影が出ない」ことが挙げられています。

確かに、2~3,000円くらいのLEDデスクライトなら多重影が出ることもあるでしょう。しかし、学習用LEDデスクライトは多くが多重影が出ないことを宣伝していますので、この点でも比較対象がいかに低スペックであるかを示していると思います。

 

ジェントライトは文字がハッキリ見える?

ジェントライト商品説明(見え方の違いについて)

出典:Yahoo!ショッピング

ジェントライトの3つ目の特徴として、本を見た場合の「一般のLEDデスクライト」との違いを示しています。この写真を見せられたら、「なるほどジェントライトはスゴイ」と感じてしまうかもしれません。

ただ、この比較も非常に怪しいのです。ジェントライト・エリートとプロフェッショナルそれぞれのページを見比べると、比較対象の「一般のLEDデスクライト」が何度となく変わっていることが確認できます。この比較写真を見るに、色温度が低いLEDデスクライトとジェントライトを比較していることは明らかで、過剰に優位性が証明されていると感じます。

 

ジェントライトは自然光に近い波長

ジェントライト商品説明(波長について)

出典:Yahoo!ショッピング

4つ目の特徴として、ジェントライトは自然光に近い波長であることが示されています。これについては異存はありません。その通りだと思います。

蛍光灯とLEDの関係は、レコードとCDの関係に似ているように個人的には思います。音楽を本来の音で聞くにはレコードのほうが良いし、手軽に聞くならCDのほうが良いというのに似ていると思うんですね。結果的に後者が支持されて現在に至るというだけの話です。

ただ、上図について付け加えると、ジェントライトは有害な紫外線領域だけをカットしているように謳っていますが、この図ではそれが確認できないんですよね。また、LEDデスクライトはブルーライトだけが突出して、いびつな波長になっていることは事実ですが、紫外線を抑えつつ可視光線を効率良く出力していると言うこともできます。また、ブルーライトは集中力を高めたり文字をくっきり見えるようにする効果があることも認められています。

自然光が心身の健康に良いとは言え、実際はサングラスを掛けることが推奨されるわけで。解釈は分かれるところだと思いますが、一概に自然光が良いとも言えないと思います。

 

ジェントライトは演色性が高い

ジェントライト商品説明(演色性について)

出典:Yahoo!ショッピング

5つ目の特徴として、ジェントライトは演色性が高いことが示されています。ジェントライトは演色指数がRa95となっており、これについても基本的には異存はありません。

ただ、この点についてはジェントライトの特徴の中でも下位に位置付けられていることからも分かる通り、現在ではLEDとの比較においてそれほど確固たる優位性があるとは言えません。ヒーリングライト研究所が扱っている自然光LEDデスクライトPROや他社の同じ商品もRa95を達成していますし、Ra97を実現した山田照明の「Z-80PRO2」や、さらにそれを上回るRa99の「Z-Chroma」の存在もありますから。

また、ジェントライトは色温度が5500Kで一定で、その状態でRa95となっています。対して学習用LEDは調色機能を備えたものが多くなっており、それぞれの色温度での平均はRa85でも、高い色温度ではRa90以上を示すとも言われています。ですから、演色性については学習用LEDデスクライトと比較して大きな違いはないものと私は考えます。むしろ、ジェントライトは色温度が5500Kで一定だということのほうがネガティブな要素と言えるのではないでしょうか(色温度は変えられた方が良いです=調色機能)。

「光の質」比較

ジェントライト商品説明(光の質比較)

出典:Yahoo!ショッピング

ジェントライト・プロフェッショナルの商品ページでは、ヒーリングライト研究所が扱っているデスクライトのほか、他社製のデスクライトとの比較も掲載されています。これはジェントライトが勝ち誇っていた「一般のLEDデスクライト」がいかに低スペックなものであるかを証明しています。

順番に各項目を見ていきましょう。まず「波長の連続性」については先ほど説明した通り、レコードとCDを比較するような話なので、一概に良し悪しは言えません。わたし個人としても、気持ちはレコードに憧れますが、実際に使うのはCDかなーという気がします。

「演色性」については、この比較表ではジェントライト優位と言えます。ただし、現在は高演色のデスクライトは珍しくありません。また、LEDで演色性を高めた場合は電気代が少し上がります。

「均斉度」、つまり机上面全体の光のムラのなさについてはこの表で見るとジェントライト優位に見えます。しかし、コイズミファニテックの「ECL-546」は同じく1.7という値を示していますので、それと比べれば特に優位性はありません。もっとも、いずれも自社測定と思われるため、同じ土俵での比較とは言えませんが。

「照度」については、こんなものは比べても意味がないです。デスクライトは明るけりゃ良いってものではありません。自らを「目にやさしいデスクライト」について何も分かってないと暴露しているようなものです。

「色温度」についても、数字で比較する意味はないですよね(苦笑)と言うか、調色機能が付いていないのに目にやさしいとか、笑っちゃいます。まあ、蛍光灯ですからねー。

「照射範囲」については、蛍光灯が優位であることに間違いありませんし、シェード幅が広ければ広いほど優位です。とは言え、比較対象がこれですから…お山の大将気取りです(苦笑)

 

「機能」比較

ジェントライト商品説明(機能比較)

出典:Yahoo!ショッピング

同様に機能の比較です。まず「熱さ」ですが、一般的に蛍光灯は熱を持つと言われますけど、上の表を見るとジェントライトはそうではないようです。他方で、LEDに劣ることは間違いないことも示されています。また、のちほど説明するランプ寿命の評価を見ると、この評価にはかなり疑問を感じます。

「消費電力」については、やはり蛍光灯は電気を食うと言えます。

「ランプ寿命」については、これはちょっとジェントライト、盛りすぎじゃないでしょうか?(苦笑)LEDの寿命は4万時間、対してジェントライト・エリートは6千時間、プロフェッショナルは1.5万時間です。LEDのわずか15~38%ほどなのに☆1つしかマイナスにならない評価はメチャグチャです。

これはおそらくLEDが4万時間使用後までに30%ほど徐々に出力が落ちることを考慮してのことだと思います。しかし、現在ではLEDの改良が進み、出力がほぼ一定になるように変わってきています。経年で出力が落ちることを見越して、出力を調整しているのです。

お次の「エコ度」、つまり電気代ですが、これは毎日5時間使用での1ヶ月の電気代です。1ヶ月あたりで比較すれば微々たる金額の差ですが、LEDだと4万時間使えるという前提で計算すればかなり差が出てきます。すなわち、自然光LEDデスクライトPROだと1ヶ月あたり33円を260倍して8,580円、ジェントライト・エリートだと同じく23,400円となります。

その間、ジェントライト・エリートは5回もランプを交換する必要がありますので、さらに約5,000円×5回=約25,000円 6,590円×5回=32,950円 約8,000円×5回=40,000円の交換用ランプ代が必要となります。都合、20余年でLEDデスクライトよりも40,000円 48,000円 55,000円ほど出費がかさむというわけですね。

2027年末に全ての一般照明用蛍光ランプの製造と輸出入の廃止されることが既に決まっています(出典:一般社団法人日本照明工業会)。また、パナソニックが2019年3月に蛍光灯照明器具の製造を終了するなど、日本では蛍光灯が消滅していく予定です。

 

まとめ

基本的に私はジェントライトは悪いデスクライトだとは思っていません。ただ、とにかく説明が胡散臭いと言うか、比較対象をコロコロ入れ替えるなどして比較する宣伝手法には不信感が募ります。

決して説明にはウソはないんですけど、2万円3万円以上もするジェントライトとその1/10の価格のショボいLEDデスクライトを比較して、「ほら、ジェントライトってスゴイでしょ?」という風に説明している箇所があまりにも多すぎます。

もちろん、言わんとすることは分かるんですよ。「家電量販店で売っている安いデスクライトに手を出しちゃダメだ!」という思いが根底にあると思われ、その点においては私も同じ気持ちです。しかし、ここまで「優良誤認」に近いセールストークを繰り広げられると、事実までもがウソのように感じられてしまうのです。

おそらく、ジェントライトは学習用LEDデスクライトと比較した場合、まぶしさが少なく、光に広がりがあり、演色性が高く、自然光に近いやさしい明かりだと思います。それらの点については学習用LEDデスクライトと比較してメリットと言えるでしょう。一方で、熱を持つ、経済的にも環境面でもエコではない、総じて割高であるという点がデメリットです。

CDがレコードのような音質を手に入れられないのと同様に、LEDは蛍光灯の良さを手に入れることは現状では無理です。ただ、LEDデスクライトでも調色機能があれば、ある程度の目の負担は減らせると私は思います。

総じて、ジェントライトは魅力を感じさせる商品、一方でヒーリングライト研究所の宣伝の仕方は誠実とは言い難い。これに尽きますね、今回の私の結論は。

 

新ジェントライトエリートについて

現行モデルの新ジェントライト・エリートについて追記しておきます。リニューアルされても相変わらず、優良誤認を招く表現がとても多いです。

以前は”目が疲れない”と謳ってましたが、現在は”目が生き返る”って…。個人の感想を連想させる表現はいくつか書かれているものの、医学的根拠は何ら書かれていません。

ジェントライトで評価できるのはもはや高演色性だけです。しかし、それも今となってはRa95以上のデスクライトなんてたくさんあります。高演色だけで言えば今や3~4千円程度でも買えます。むしろ、こんなに高価なのに調色機能が付いていないことのほうが問題です。

また、光の拡散性については蛍光灯の持つメリットと言えるものの、その問題は既にLEDも多数のチップを使用することで克服しています。一方で、ジェントライトは”見開きの新聞紙を十分にカバーする照射範囲”などと謳いながら、照度分布図はおろか、直下照度すら公表していないのは大いに疑問です。

2027年末に蛍光ランプの製造と輸出入が禁止されることが決まっています。交換用ランプが手に入らなくなる可能性のあるジェントライトを今さら買いますか…?

ジェントライト・エリート 現行モデル

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この記事を書いた人

家具メーカーを退職後、2002年に収納スタイルコーディネーターとして独立。多くのご家庭の片づけの悩みを解決してきました。TVチャンピオン「収納ダメ主婦しつけ王」選手権で優勝するなどメディア出演多数。
長女が小学校に入学するのを機に学習机を購入してブログで報告したところ、学習机について相談が殺到。以後、「学習机評論家」としてメーカーの展示会や販売店に足を運ぶなどして日々情報収集に努めています。詳しいプロフィールはこちら

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デスクライト・照明器具

コメント 皆様からご質問・ご意見など

  1. ぶんぶん より:

    収納マン様

    ジェントライト の記事をありがたく、拝見させて頂きました。

    親としては、子供の視力に敏感にならざるを得ないので
    いろんな 照明のご意見を伺える事はとてもありがたいです。

    最近では、ジェントライトを発売されましたが
    この商品のご意見も教えて頂けると幸いです。

    現在、使用しているデスクライトは手元に影が出て来て
    思い切ってバルミューダライトを購入するか悩んでおります。
    それかコイズミのECL-357(SCL-357と同じ商品でしょうか?)を購入するか。

    ご意見頂ければ助かります。

    • 収納マン より:

      ぶんぶんさま

      お久しぶりです^^

      > 最近では、ジェントライトを発売されましたが
      > この商品のご意見も教えて頂けると幸いです。

      現在、ヒーリングライト研究所のサイトを見るとジェントライト・エリートと同プロフェッショナルの2モデルしか確認できないのですが、新たに発売された商品があるということでしょうか?

      バルミューダライトについてはまだ実物を確認できていないのですが、スペックを見る限りは学習用に最適とは言えないと考えています。

      コイズミファニテックのECL-357とSCL-357はまったく同じ商品です。
      前者が家具販売店向け、後者が家電量販店向けという違いです。

      現在お使いのデスクライトというのはECL-546ですよね?
      もともと影ができることはなかったけれど、影ができるようになったということでしょうか?
      もしくは最初からそのような状態だったということでしょうか?