学習用LEDデスクライトのスペックを見ると、「JIS規格AA形相当」などと書かれていることがあります。それを見て「なんだかよく分からないけどスゴそうだ!」と妙な納得の仕方をしてませんか?
JIS規格(日本工業規格)というのは簡単に言うと、日本国が決めた工業製品の規格です。A3用紙やB5用紙もJIS規格によって定められています。A3用紙を見せられて「JIS規格A3相当」なんて言われても「おお~っ!」とは言いませんよね。だいたい、A3用紙を買うときに「A3相当」とか言われても困るわけで(苦笑)
では「JIS規格AA形相当」とはどういう意味なのか。今回はそれについて説明したいと思います。
※この記事は2016年7月27日時点の情報に基づいています(2026年3月13日一部更新)
ポイントは照度分布図にあり!
LEDデスクライトのカタログを見ると、上のような照度分布図が記載されていることが一般的です。これがつまりJIS規格A形ないしAA形相当であることを証明するものとなります。
ちなみに、照度分布図が示されていないデスクライトも多いというか、むしろ示されていることのほうが少ないです。照度分布図を示すことなく「目にやさしいデスクライト」などと謳っているものはほぼ100%ウソっぱちです。学習用として選ぶなら、照度分布図を示していないデスクライトなど候補から外してしまって良いでしょう。
JIS規格AA形とは

JIS規格AA形とは以下のように規定されています。
- スタンドの前方半径50cmの1/3円周上:250ルクス以上
- スタンドの前方半径30cmの1/3円周上:500ルクス以上
文字だとパッと見て理解しにくいかと思いますが、それを表したのが上図です。冒頭の山田照明のZ-10Rの照度分布図と比べてみると、Z-10Rは「JIS規格AA形相当」と言えることが分かると思います。
ちなみに、JIS規格A形は半径50cmの1/3円周上で150ルクス以上、同じく半径30cmで300ルクス以上となっています。つまりAA形とA形を比較するとAA形のほうが明るいと言えます。
なぜAA形「相当」?
JIS規格AA形についてより正確に説明すると、「JIS C 8112」によって規定されており、これは蛍光灯卓上スタンド(勉学・読書用)についての項目となっています。その中でいくつかの区分が設けられており、「机上面照度による区分」としてAA形、A形、一般形の3つの区分があります。なお、一般形には机上面照度の規定はありません。
そして、「JIS C 8112」の内容をチェックすると、これにはLEDに関する記載は一切なく、あくまで蛍光灯卓上スタンドについての規定であることが分かります。これが改訂されたのが2006年のことで、当時はまだLEDデスクライトが普及していませんでした。一方で現在、LED卓上スタンドに関する規定がないために「AA形相当」と言っているのだと考えられます。
もう1点、「セードの適正な位置」を表示するよう規定している一方で、照度を測るうえで重要な光源からデスク天板面の距離について指示がありません。これはおそらく製品のアーム長に依存するところが大きいからだと思いますが、こういうあいまいな条件が前提となっていることも「AA形相当」と表記する一因となっているのかもしれません。
AA形相当だから安心…ではない

つまるところ、「JIS規格AA形相当」は「同A形相当」よりも一般的に明るいとは言えますが、だからと言ってJIS規格AA形相当なら安心と考えるのは早計です。なぜなら、シェード直下の照度が2000ルクスを超えるようなデスクライトであれば、JIS規格AA形相当は楽にクリアできるからです(強力な光なら遠くまで届くという理屈)。
シェード直下が2000ルクスを超えると、半径50cm円周上が250ルクス以上のJIS規格AA形相当を満たしていても、相対的に暗く見えます。シェード直下だけが極端に明るいからです。これではせっかくJIS規格AA形相当であっても、明暗の差が生じ、視点移動に伴って目に負担を掛けることになります。
ですから、学習に適したデスクライトはJIS規格AA形相当であるだけでなく、直下照度が抑えられていることが重要なのです。半径50cm円周上は250ルクス以上を確保しつつ、直下照度は1000ルクスに近ければ近いほど学習用として優れていると言えます。この状態を「均斉度が高い」(=直下と周囲でムラがない)と呼びます。
そんなわけで、「JIS規格AA形相当だから優れている」とはまったく言えません。せいぜい、「ちゃんと法律に則って作っていますよ」という程度に考えてもらうのが良いのではないかと思います。
学習用LEDデスクライトを選ぶときは、JIS規格AA形相当であるだけでなく、直下照度が2000ルクスを下回り(できれば800~1500ルクスが理想)、調色機能を備え、子供でも操作しやすいボタン配置、かつアームの耐久性が高くてスムーズに動かせるものを選ぶようにしましょう。
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