家具メーカー系の学習机メーカーの多くが採用する「Z-10N」(現行モデルはZ-10R)。その製造元である山田照明が、シェード幅の広いLEDデスクライト「Z-S5000」を発売しました。”大型作業灯の分野では特殊な作業環境ゆえ蛍光灯が主流でしたが、LEDによる本格タスクライト”です(引用:山田照明)。
基本的にZ-S5000は学習用ではなく精密作業用ですが、学習用としての実力はいかほどのものか検証してみたいと思います。
※この記事は2016年2月16日時点の情報に基づいています(2023年11月22日一部更新)
山田照明・Z-S5000
収納マンは学習用LEDデスクライトはシェード幅が広ければ広いほど良いと考えています。シェード幅が短いとデスク天板の隅々まで照らすことができないからです。もしくは強力なLED(いわゆるパワーLED)を使って無理矢理に光を遠くまで届けようとするものもありますが、そうするとデスクライト直下が眩しすぎて目にダメージを与えかねません。だから出力の弱いLEDを幅広く配置するほうが目にやさしいのです。
その点で言うと、山田照明の新商品「Z-S5000」はシェード幅が広くて良いです。とは言えシェード幅は600mmですので、くろがね工作所のTS-A15LEDよりも短いくらいです。それでもシェード幅420mmのZ-10Nの約1.5倍あります。
Z-S5000はZ-10Nよりも非力!?
しかしZ-S5000の照度分布図を見て驚きました。シェード幅の狭いZ-10Nとほとんど変わらないのです。
唯一大きく違っていることは、中心直下照度がZ-S5000の場合2090Lxなのに対してZ-10Nは2430Lxとなっていること。高価なZ-S5000のほうがLEDの最大出力が小さいわけです。
これはつまり、Z-S5000のほうがショボいわけではなく、光にムラがない(均斉度が高い)ことを表しています。直下が眩しくなく、直下とデスクの隅で明るさに差が出にくいのです。これはコイズミファニテックやイトーキをはじめとする学習机メーカーが目指しているところと同じです。
演色性は学習机メーカーの勝ち
その他の項目も見てみましょう。Z-S5000の演色性はRa80となっています。一方、コイズミファニテックの学習用LEDデスクライトはいずれもRa85です。演色性というのは色の再現性のことで、この数値が高ければ高いほど色が鮮やかに見えるので、コイズミファニテックのほうが優れていると言えます。
省エネ性ではZ-S5000の勝ち
Z-S5000の消費電力は10W。一方、コイズミファニテックの場合はモデルにより11~最大23Wとなっています。つまりコイズミファニテックのほうが消費電力が大きく、省エネ性という観点ではZ-S5000のほうが優れていると言えます。
Z-S5000には調色機能がない
Z-S5000には調色機能がなく、色温度は5000Kとなっています。これは調色機能を有するコイズミファニテックのLEDデスクライトの「勉強モード」(4300K)と「計算モード」(5600K)のほぼ中間と言えます。
計算モードは集中力が増す青白い光ですが、長時間使用すると疲れてしまいます。ですから勉強モードを主体に使用したほうが良いわけですが、Z-S5000はそれよりも少し緊張が高まる光と言えます。
やっぱり勉強の内容に応じて調色できたほうが良いですね。
Z-S5000は無段階調光式
コイズミファニテックのLEDデスクライトは50%調光式のものもありますが、Z-S5000は無段階調光式となっています。
調光機能については、普通に考えれば、ないよりはあったほうが良いです。けれども、子供が光を弱くした状態で黙々と勉強をしてしまう可能性もあるため、あえて調光機能を省いているというのが学習机メーカーのスタンスです。私もその通りだと思います。
安全性の高いZ-S5000のアーム
Z-S5000のアームはスプリングが露出しておらず安全にできています。一方、私が先日購入したコイズミファニテックの「ECL-357」には指挟み防止のためのパーツが付いているとは言え、万全とは言えません。その点ではZ-S5000のほうが優れていると言えるでしょう。
ECL-357のほうがコストパフォーマンス高い
山田照明のZ-S5000はアルミパーツが多用されていることもあって実売価26,800円(税込)程度となかなか高価です。一方のコイズミファニテックECL-357は同12,800円程度とリーズナブル。およそ半額。ECL-357のほうが圧倒的にコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。
総じて、やはり山田照明のZ-S5000は学習机メーカーの学習用LEDデスクライトには敵わないと私は結論付けました。そればかりか、直下照度の値がZ-10Nよりも低くなったことで、学習机メーカーが販売するデスクライトの考え方が正しいことを証明してくれたようにすら思います。
精密作業用としてはZ-S5000のほうが優れていると言える要素が何かしらあるかもしれませんが、学習用としてはやっぱり学習机メーカーのLEDデスクライトのほうが圧倒的に優れていると思います。
コメント 皆様からご質問・ご意見など
更新まってました!
今度学習椅子のネタお願いします
41歳のパパさま
ありがとうございます^^
学習椅子のネタ…また考えてみます。
収納マンさん こんばんは
以前も浜本工芸の机の事で相談に乗って頂きました。
まだ学習机を買っていないのですが、頑張って兄弟2人分の
予算の見通しもついたので、浜本工芸のNo.07の机を購入することに
しています。
先日家具屋を尋ねた際に浜本工芸の方がいらっしゃいました。
机の一台は子供が、No16を欲しがり、下の子供は足が付く方が好みなのかもしれないと、それぞれ別ので買おうかとおもっていたのですが、
浜本工芸の方は、作り付けの方が頑丈ではあります。
また、昇降式はいくつか穴があるけど、一度あげたら次は一番上という方がおおいそうですよといわれました。そういわれてしまうと、やはり出入り重視の机か・・とまた悩んでしまったわけです。
それぞれの良い点はあるのですが、高価な買い物の為決めきれずにいます。
また、袖机ですが、3段になってる物は一番下が3段階のレール(頑丈な作りと表現しておきます)で、これを選ぶものだと思っていましたが、2段を是非お勧めされました。
浅い引き出し2段より、深型2段の方が使い勝手が良く、それぞれにレールが付いています。上の段はCDが楽々入るサイズで、机の上に置くような物も深型だと入れられてお勧めですと。
浜本の方曰く、値段は3段2段とも同じですが、レールの分こちらの方がコストがかかってますといわれてました。
この2段と3段に付いてもどちらの方が良いでしょうか?
他社製品のトップグレードの物でもレールがしょぼいものもあり、レールの頑丈さはありそうです。
さらに、デスクライトですが収納マンさんが先日購入されましたコイズミと浜本工芸のものを候補に挙げているのですが、ヘッドの重さがコイズミにはあり、伸ばした際に持ち手の重さの分頭が下がりやすくてと言われ、浜本では持ち手がないぶん何処をもって上手に操作するかが、子供にはまだわかりにくくまさしく、収納マンさんのような首の部品が破損したりする故障も多いようです。
イトーキの上位機種(型番控えるのわすれました)のライトは首がどっしり。ひっぱって数十センチ前に出すものがお勧めだったりしますと言われ、これまたなやんでしまっています。
造りをいうと、LEDを消化する以前にこわれそうですね(笑)
収納マンさん何度もすみません。
家具屋さんで見積もりをくださりました、2つみた家具屋さんでお安い方の
見積もりのほうになるのですが、相場が分からず、私個人的には頑張ってくれてる感じはしています。
本音は安く買えたらいくらでもって感じですが(^^;)
台数は2台
No07 97200×2
袖机 57240×2
ライト(浜本) 21384×2
椅子 32400×2
合計
41万6448円
△91488
最終325000円
2台買うと言うことで現金のみで値段をだしていただきました。
現品のセット買いだと30%引きでした。魅力でしたが、木目の節?らしき濃い部分が中央にあり現品買いは魅力でしたがあきらめました。
あいさま
おひさしぶりです^^
私もかねてから申し上げている通り、天板昇降式のメリットが発揮できるのは本当に最初の3年ほどのことだけで、あとの9年以上はデメリットを感じることになってしまいます。
脚形状のことなども考えると、No.07デスクのほうが合理的であるように思います。
袖ワゴンについてはなかなか難しいところです。
確かに浅い引出し2杯よりも深めの引出しがあったほうが便利です。
浅い引出しはデスク本体にも2杯ありますからね。
ウチは浅い引出し2杯のほうを購入しましたが、今となってはどうしてそうしたのか不思議です…^^;
収納はやっぱり「量」より「質」です。
デスクライトについては、コイズミファニテックのECL-357のシェードが重いという印象はまったくないですけどねー。
思ったところでピタリと止まります。
見た目を重視するなら浜本工芸のC3763かと思いますが、お子さんの使い勝手を優先するならECL-357のほうが良いと思います。
見積価格については…スゴイですね。
展示現品の2台まとめて現金払いとは言え、未だにその値段を出せるところがあるんですね…。
木目については難しいところです。
浜本工芸の場合、等級の高いナラ材を厳選して使用しているため、節が天板の中央に出ることは珍しいとは思いますが、取り寄せたほうがもっと大きな節が入る可能性も否定はできません。
また上質のナラ材には虎斑(とらふ)という部位が出ることもあり、これは非常に珍重されているのですが、キズを修理した痕のように見えると言われることもあります。
いずれにしても相手は天然素材ですから、どうしてもお好みでないものの可能性はあります。
その点で言えば、木目を確認したうえで購入できる現品はアリです。
収納マンさん さっそくのお返事ありがとうございます。
>収納はやっぱり「量」より「質」です。
私の理解力のなさから、どちらが良い質になりますか分からずで
どちらの方がよいと思われますか?
頑丈なレールでもよりかかる可能性があるリスクが×2と、
2段の底の厚み分などで奪われる空間
収納マンさんのブログからレールにも油などが必要なんだと先ほど知った
ぐらいの私に、レールの交換も出来ないし、リスク回避でしょうか?
(浜本の方に言われるまでは3段で決まりでしたのに(笑))
見積もりした金額のものは取り寄せして頂いてで22%引き
現品で3月末届けで良ければ30%もありますが
机の上のブックスタンドが必要でなかったのでやめたのですが、
こちらの方がお得ですよね・・・
あいさま
説明が至らなくてスイマセン。
収納家具はヒト・モノ・場所に合わせてチョイスする必要があります。
この場合、ヒト・場所に関してはどのワゴンを選んでも基本的に変わりませんが、モノに合わせるという考え方が必要です。
浅い引出しばかりだと高さ5cmほどのモノばかりしか入りませんが、深めの引出しがあれば約14cmのモノも収納可能です。
引出しの数は減ってしまうわけですが、2穴パンチ、学校や通信教育で配布される副教材(実験セット的なモノ)などの収納を考えれば、No.07昇降袖Bをチョイスするのが合理的かと思います。
なおフルスライドレールの場合は思いっきり体重を乗せない限り変形することはないと思います。
現品で3月末届けということは、それまでに展示品を傷つけられる可能性もありそうですし、必要を感じないブックスタンドを買わされても無駄ですよね^^;
私だったら取り寄せのほうが良いです。