古くて新しい!書棚を横に配置したユニットデスクのメリットとデメリット

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2024年度はユニットデスクの当たり年でした。コイズミファニテックの「ミニマル」、「リシェット」の発売に加え、イトーキの「ジョイカラー」、「ジュエルキュート」、「カモミール」、「リーモ」にもユニットデスクが投入されました。

もっとも、ユニットデスクというスタイルは決して新しいものではありません。もともとユニットデスクとは、デスク、ワゴン、書棚が別々(ユニット)になったもののことを指していました。しかし近年、オールインワンタイプの学習机が減った一方で、セレクトタイプの学習机が相対的に増えたことで、書棚をデスク側面に配置できるデスクを特にユニットデスクと呼ぶようになったと言えます。

今回はユニットデスクが増えることになった背景と、ユニットデスクを選ぶメリットとデメリットについてお話ししたいと思います。

※この記事は2024年2月28日にリライトしたものです

 

ユニットデスク増加の背景

価格を抑えることができる

ユニットデスクがにわかに増えた理由はいくつか挙げることができます。まず考えられるのがコストを抑えるためです。単純に値上げするのでは消費者がついてきてくれません。そこで、組み合わせ式デスクよりも幅の狭い本棚とすることで、コスト増加を吸収しようと考えたものと思われます。

一時的なことかもしれませんが、「リーモ」のフリーワンタイプ(組み合わせ式デスク)の書棚ロータイプが消え、代わりにユニットデスクが投入されていることからも明らかだと思います。

デザインがシンプル&大人っぽい

また、昨今は上棚のないシンプルなデスクが好まれる傾向にあります。上写真のコイズミファニテック「リシェット」は本棚の上半分を上棚として使うこともできるものの、平机+コンパクトな本棚という組み合わせは昨今の消費者の好みにマッチしていると言えるでしょう。

リビングダイニング学習対応

リビングダイニング学習の普及や、それに伴う収納の悩みを解決する目的もあります。組み替え式デスクの本棚はデスクと同じ幅(一般的には100cm程度)のため、リビングに置きたくても場所が限られます。しかし、幅60cm程度の本棚であれば限られたリビングのスペースでも置きやすいというわけです。

 

ユニットデスクのメリットとデメリット

  • デスク天板面が広く使える
  • デスクと本棚のデザインが揃う
  • 別々に買うよりコスパが良い
  • 状況によりスペースを効率良く使える

本棚を横に配置したユニットデスクの最大のメリットは、デスクの天板面が広く使えるということではないかと思います。一般的な上棚付きの学習机の場合、天板面の半分近くを上棚が占領してしまいますが、ユニットデスクの場合は平机同様に広々と使えます。また本棚を正面向きにして横に並べるのと異なり、座ったままで本棚の中の本などに手が届きます。

また、デスクのデザインや素材や色に合った本棚を探すというのは同一メーカーでない限り難しいものです。その点、最初から揃えることができるというのはメリットと言えます。商品にもよりますが、別々に購入するよりも安く済む可能性もあるでしょう。

そのほか、たとえば冒頭写真のリーモ・ユニットデスクの場合は幅が1290mmですが、この幅で本棚とデスクを横に並べることができるというのは、状況によってはメリットと言えるかもしれません。最初のうちは本棚をリビングダイニングに置きやすいサイズ設計というのもメリットでしょう。

  • 足元の棚が使いにくい
  • 本棚上段の奥に手が届きにくい
  • 本棚としては高さが低く収納力に劣る

一方で、ユニットデスクは良いことばかりでもありません。まず、足元の棚が使いにくいです。一般的な組み替え式デスクをL型カウンタースタイルにした場合はデスク奥行よりも出っ張った部分が使いやすいですが、ユニットデスクの場合はすべて机の下に隠れてしまいます。

また、本棚上段の奥は天板の手前の縁から70cm程度の距離となり、椅子に座ったままの小学校低学年の子供の腕では届きにくいです。立ち上げれば問題ない、あまり使わない本などを収めればOKという風に割り切る必要があります。

さらに、このタイプの本棚は1200mm前後で、一般的な本棚(1800~2000mm)に比べると1~2段分低いと言えます。子供の手が届く高さを前提とするとともに、地震の際の転倒の可能性を減らすことを考えていると思うのですが、将来的なことを考えるとやや物足りない感じがするかもしれません。また、棚板の可動範囲が狭いことがあり、文庫本や単行本は収納しにくい場合があります。

 

以上の通り、ユニットデスクは良いことばかりではありません。しかしながら、価格およびボリューム感、リビングダイニング学習を踏まえた使い勝手という点で、昨今のトレンドにマッチしていると思います。

特に「ジュエルキュート・ユニットデスク」はお買い得ですよねー。このボリューム、中国製で、5万円台というのですから。「ピンクはちょっと…」とおっしゃる方はシックなデザインの取っ手と交換するのも良いと思います。

また、本棚の上半分をデスクの上棚としても使える、コンセントとランドセルハンガーも付いているという点では、「ミニマル」「リシェット」も捨てがたいところでしょう。もっとも、ワゴンも欲しいとなると、ほかの選択肢も視界に入ってきて悩ましいところかもしれません。

一生紀の「ルフレ3点セット」も魅力的です。3月4日からまた楽天スーパーセールですか。学習机の購入を検討されている方は早めに候補を絞っておきましょう。

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この記事を書いた人
収納マン(芝谷 浩)

家具メーカーを退職後、2002年に収納スタイルコーディネーターとして独立。多くのご家庭の片づけの悩みを解決してきました。TVチャンピオン「収納ダメ主婦しつけ王」選手権で優勝するなどメディア出演多数。
長女が小学校に入学するのを機に学習机を購入してブログで報告したところ、学習机について相談が殺到。以後、「学習机評論家」としてメーカーの展示会や販売店に足を運ぶなどして日々情報収集に努めています。詳しいプロフィールはこちら

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