当ブログではお馴染みとなっております浜本工芸ですが、実は今まで単独取材をさせていただいたことはありませんでした。
しかし、今年は浜本工芸とわたくし学習机評論家でコラボ学習家具「たなとつくえ」を発売したということもあって、改めて浜本工芸について読者の皆様にも知っていただきたいと思い、このたび取材を申し入れました。
今回はまず、浜本工芸がなぜナラ無垢にこだわっているのかということにクローズアップして参りたいと思います。
今回、取材に応じてくださるのは、開発部のKさんです。よろしくお願いしまーす!
※この記事は2017年11月18日時点の情報に基づいています
浜本工芸は日本一ナラ材を扱うメーカー?
収納マン:では早速。浜本工芸と言えばナラ材の家具で有名ですが、以前は家具業界だけでなく住宅業界を含めてもナラ材の仕入れ量で日本一を誇ると聞きました。現在はどうですか?
Kさん:過去、商社経由でナラ材を購入していた頃には、当社のナラ材の仕入れ量は日本一と聞いておりましたが、現在は不明です。近年、他の国内家具メーカー様や住宅関連メーカー様は、様々な樹種を扱う一方で、ナラ材からは離れていっている様に感じていますので、もしかしたら現在も当社が日本一かも知れません。
収納マン:それはつまり、以前は商社を通してナラ材を仕入れていて、そこでは「日本一ですよ~」と言ってもらってたけど、現在は商社を通さずに仕入れているため、確かなことは言えないということでしょうか?
Kさん:そういうことになります。
浜本工芸はまるで「牛一頭買い」状態!
収納マン:家具屋の売場を見渡すと浜本工芸以外にもナラ材の家具はたくさんありますよね。しかし、浜本工芸で使っているナラ材よりも良いものは少ないですし、あったとしても価格が明らかに高いです。どうして浜本工芸は安く販売できるのでしょう?
Kさん:前提として、当社はナラ材及びその仲間であるオーク材の家具しか作っていません。そのメリットは、次の通りです。
- 大量に仕入れるため、安く購入できる。
- 沢山の同じ材料から適材適所に選別ができる。具体的には、様々なサイズの家具のパーツや、仕上がりの塗装色に合わせて材料をカット(木取り)するので、出来る限り無駄なく(歩留まり良く)、仕入れたナラ材を最大限に使い切ることができる。
- その結果、材料費も下がり、品質の高いナラ材・オーク材の家具でありながら、価格を抑えることができる。
- 樹種を絞ることで品質管理がしやすく、品質の維持・向上、ノウハウの蓄積に繋がっている。
収納マン:なるほどー。まるで焼肉屋で牛を一頭買いするみたいな感じですかね。これは長くて木目も良い感じだからダイニングテーブルに使おう、こっちのは短くて木目が単調だからチェアの補強桟の部分に使おう、などという感じですね。そしてそういう目利きができるからこそ、大量に仕入れても材料を無駄にすることなく使い切れるから、トータルで製品価格を抑えることができるというわけですね。
まさか「違法材」だから安いなんてことは?
収納マン:浜本工芸のナラ材の品質が高い割りに価格が安いので、いわゆる違法材ではないかという不安を持ってしまう方もいらっしゃると思います。まさかそんなことはないですよね?
Kさん:ナラ材、オーク材、共に合法木材の認証を受けたものを仕入れていますので、ご安心下さい。具体的には、「合法木材を使用していること」が条件の一つになっている「国産家具表示認定」(一般社団法人日本家具産業振興会より認定)を受けております。
収納マン:「国産家具表示認定」を受けているってことは、単に日本国内で作られていることを証明するだけでなく、材料もちゃんとしてるということなのですね。
浜本工芸のナラやオークの産地は?
収納マン:御社では現在、ナラ材だけでなくオーク材も扱っています。オーク材と言ってもいくつか種類がありますが、御社で使われているオーク材はどういう種類ですか?また、ナラやオークの産地はどちらでしょうか?
Kさん:当社で扱っている木材の種類などはこのようになります。
ナラ材
- 原産…ロシア東部の中国国境付近
- 種類…ロシアナラ
- 等級…浜本工芸独自グレード
オーク材
- 原産…北米五大湖沿岸付近
- 種類…レッドオーク
- 等級…最上級(特定産地の中で、特に目の細かい、色の白いものを特別に選別)
収納マン:えー!単にロシアや北米ってだけじゃなくて、そこまで細かく指定したうえで仕入れているんですね!しかし、「浜本工芸独自グレード」っていうのは、御社の製品を見る限り、厳しそうですね~(苦笑)
なぜ等級の高いナラ材にこだわるの?
収納マン:世間では「ナラやオークであれば高級」と一括りにされる傾向があり、あまり程度の良くないナラやオークを使った家具もたくさん見受けられます。と言いつつ、私自身もそういう言い方をしてしまうことがあるんですけど、心の中では「浜本工芸のナラはそのへんのものとは全然モノが違うんだよー!」と叫んでおります(苦笑)
Kさん:近年は、節や変色のある材料を使うメーカーが増えましたが、当社はあくまでも「良質な家具は良質な木材から」という昔からのポリシーを大切にしており、見た目も美しく、また、使った時の感触が良いモノにこだわっています。節があっても変色していても、単に市場に受け入れられれば良い、クレームにならなければ良い、ということではなく、長年ナラ材にこだわってきた当社の基準をクリアしたものだけを市場に送り出すことで、他社との差別化を図っていきたいと思っています。
収納マン:なるほど。行きつけのお寿司屋さんで「なんか最近、ネタの品質が落ちてない?」っていうことがありますが、そういう風にはしたくないという感じでしょうか。「最近のお客さんは品質よりも値段を重視している」とか言ってどんどん品質を下げると、今までのユーザーから愛想を尽かされますし、新しいお客さんも浜本工芸というブランドをここまで高く評価してくれないのかもしれませんね。
浜本工芸はなぜ無垢にこだわるの?
収納マン:我が家にある浜本工芸の学習机は天板が突板のものです。予算に余裕があればもちろん無垢(集成材)のほうが良かったのだと思いますけど、コスパ重視で突板のものを選んだ次第です。一方で、御社の近年の学習机のラインナップには突板の学習机がありません。価格重視ならオーク材を選んで欲しいという風に見て取れるのですが、天板を突板にしてもあまり安くはならないのでしょうか?
Kさん:ムクより突板の方が、価格は下がります。ですが、その価格差以上の価値が、ムクにはあると当社では考えています。これは理屈よりも、当社の価値観によるところが大きいのかも知れません。
機能性は別として、例えば宝飾品でしたら金メッキよりも金ムクやプラチナ、衣類でしたらポリエステルよりも綿100%や絹100%が、「本物の良さ」を感じるのではないでしょうか。ナラ材やオーク材のムクは時間が経てば色艶が増しますし、キズがついてもそれが味わい深い風合いになります。「本物の上質な素材による、本物だからこそ増していく風合いを長年感じながら愛着を深めて頂く」。そのような考え方に共感してもらえたら嬉しく思います。
「金メッキよりも金ムク」…なるほど、確かにおっしゃる通りです。お恥ずかしながら我が家では安い肉ばっかり食ってますけど、たまに高級な牛肉を食べたら子供たちも素直に「おいしい!」って言いますものね(苦笑)
もちろん、いくら子供が喜ぶからと言って毎日高級な牛肉ばかり食べられません。でも逆に、一生に一度しかない学習机を買うチャンスには、最高級のナラ材を使った浜本工芸の学習机こそふさわしいのかもしれません。
次回は、引き続きKさんに浜本工芸の学習机のことをいろいろと伺ってみたいと思います!
コメント 皆様からご質問・ご意見など
先日は、ケユカとコイズミで悩んで、ご相談させていただきました。その節は有難うございました。
お店は、収納マン様一押しのお店で購入すると決めていました^^ので、出直しましたところ、、やっぱりあきらめきれず、予算オーバーではありますが、最初に良いと思った浜本9番にすることにしました。。引出しの中の作りや木の質感はやはり素晴らしいですね。
やっと心も決まったのですが、今度はバックパネル、ブックスタンドで悩んでいます。
使い勝手はブックスタンドの方がコンセント付き良いのかなとおもいましたが、バックパネルの方が売れていると聞きまして。
またライトは親の好みで浜本の物が良いかと思いましたが、やはりコイズミがお勧めでしょうか?
何度も恐縮ですが、どうぞよろしくお願いします
かりんさま
一転、浜本工芸のNo.09デスクに決定ですかー!
それは清水の舞台から飛び降りちゃいましたね^^
やっぱり、ナラ無垢の素晴らしさと引出しのスムーズさを実感してしまうと、忘れられないですよねー。
さて、ブックスタンドかバックパネルかということですが、バックパネルのほうが売れているというのは間違いないでしょう。
ただし、どちらが使いやすいと感じるか、はたまた見た目を重視するかどうかは、人ぞれぞれだと思います。
ブックスタンドはコンセント付きで、デスク天板と棚板の間に少し空間を確保できるのがメリットです。
一方のバックパネルは、最大でA4サイズを上下2段に収めることができるものの、上段は不安定、下段に目一杯並べると天板面をかなり狭くしてしまいます。
あまり何も置かない状態ならバックパネルのほうが美しいんですけど、普通にズラッと教科書などを並べるならブックスタンドのほうが置きやすそうです。
個人的には、バックパネルは上段に子供が好きなモノを飾って、下段の半分に教科書などを並べるのが良いのかなと思います。
LEDデスクライトは、確かに浜本工芸のC3763のほうがスマートな印象ですね。
それと比較すると、コイズミファニテックのECL-357は、子供の操作性重視となっていると言えるでしょう。
中身はほぼ同じものですので、見た目重視ならC3763、操作性やコスパ重視ならECL-357で良いと思いますよ^^
本当に、清水の舞台を飛び降りる感じでした‼︎
あれこれ悩みましたが、後悔したくなかったし、長い目で見れば、十分価値ある買い物だったと、自分にいいきかせます^^;
そして、毎度私の気持ちを後押ししてくださるコメント、本当に有難うございます。
素人には判断しづらいところに、的確なアドバイスをいただけて、感激しています。。
ご意見いただいたとおり、見た目より使いやすさと実用性をとって、ブックスタンドにしようと思います。
ライトの件も安心して購入することができ、子どもと一緒に配送の日を楽しみにしています。
かりんさま
そうですね、少なくともお金で買えるものでこれ以上というものはないと私は思います^^
また、一生懸命思い悩んだ結果、お子さんにとって良い学習環境のイメージが掴めたのではないでしょうか。
ブックスタンドとデスクライトも決まって、あとはお届けを待つだけですね♪
きっと思い出深い日になることでしょう。
私もかりんさんのお役に立てて良かったです!
ご報告ありがとうございました^^