フルスライドレールだから良い?学習机の引出は何度も開閉して確かめてみよう

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学習机は引出が命!少なくとも私はそう考えていますが、近年は大手メーカーなら引出は箱組構造(四方囲い構造)が当たり前になり、素材もファルカタ(洋桐)や本桐、シナなどの良い素材が使われるようになりました。スライドレールも随分と良くなっているのですが、まだまだ誤解が多いように思います。というわけで今回はスライドレールにスポットを当ててみたいと思います。

 

シングルスライドレール(2段引きレール)

学習机の引出に使われているスライドレールでもっともポピュラーなのは上写真のような形状のシングルスライドレールです。2段引きレールと呼ぶことは少ないですが、後述の3段引きレールとの対比でそう呼ぶこともあります。

リンク先を見ていただければ分かる通り、スライドレールメーカー大手のハーフェレ製でも安いものです。しかしもっと安いスライドレールを使っているメーカーのほうが多いのが現状です。値段が安くなっても形は同じですが、簡単に言うと品質や耐久性はまったく違います

だから、学習机を比較するときに「同じようなレールだから一緒」なんて思ってしまうと良くないです。スライドレールの良し悪しはスペックだけで見ても分かりません。すべての引出を何度も開け閉めしてみてよりスムーズだと思うほうを選ぶことをオススメします

 

フルスライドレール(3段引きレール)

コイズミファニテックが全モデルに採用しているフルオープン引出にはフルスライドレールが使われています。金属のレールが3本使われているので3段引きレールなどとも呼びます。どこのメーカーでも袖引出の最下段にはほとんど同じようなフルスライドレールが使われていますね。引出を奥までを引き出せるだけでなく、シングルレールに比べて頑丈と言えます。

フルスライドレールは頑丈で良いのですが、じゃあ学習机の引出は全部フルスライドレールであることが良いのかというと私は必ずしもそうとは思いません。フルスライドレールを付けて引出を奥まで引き出せるようにした場合、引出の奥行を浅くしなければならないからです。引出を奥まで引き出せると中身を出し入れしやすくて便利ですが、収納できる量は少なくなってしまうんですね。

フルスライドレールの場合はシングルレールよりも多くのベアリングが使われるので、より品質の差が大きく出ます。何度も引出を開閉してスムーズかどうかをよく確認するようにしてください。

 

スライドレールなし

スライドレールが付いていない引出よりもスライドレールが付いているほうが良いと思っている方がいますが、それは誤解です。高級な婚礼タンスには引出に金属製のレールが付くことはありません。精度が高い引出を作ることができれば、スライドレールはないほうが良いのです。

金属というのは頑丈ですが、過剰に力を加えると変形してしまいます。また、中に入っているベアリングにはグリスを塗ってメンテナンスする必要があります。だからスライドレールなしの引出が作れればスライドレールはないほうが良いのです。

ただし、だからと言ってスライドレールが入っていない引出がすべて良いというわけではありません。精度が低いのに引出にスライドレールが付いていないのは最悪です。分かりやすく言うと、スライドレールを使っていないのは高級品と安物の両極端に存在するのです。

ローラー式レール

大手学習机メーカーの学習机には上写真のようなローラー式のスライドレールが使われていることはほとんどありませんが、組立式の安いものにはこういうタイプのスライドレールが使われていることがあります。

取り外しが容易である一方、力を加えると壊れやすいと言えます。

 

樹脂製レール

引出の外側に溝が掘ってあって、本体側に樹脂製のレールというか棒が付いたものがありますが、これも組立家具レベルのものの話です。一番貧弱でどうしようもないレベル。「学習机は引出が命」であることを考えると、避けることが望ましいと言えるでしょう。

 

以上、学習机に使われる一般的なスライドレールを紹介しました。でも引出のスライドレールで大事なのは、どういう種類であるかよりもどれだけスムーズに開閉できるかです。スムーズに開閉できるものほど耐久性が高いと思ってもらって良いでしょう。

展示品の引出を何度も開閉してみて比べてみて、もし何も気づかなければ特に問題ないと思いますが、もし「あれ?こっちのほうが・・・」と思うようなことがあれば注意していただいたほうが良いと思います。

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この記事を書いた人
収納マン(芝谷 浩)

家具メーカーを退職後、2002年に収納スタイルコーディネーターとして独立。多くのご家庭の片づけの悩みを解決してきました。TVチャンピオン「収納ダメ主婦しつけ王」選手権で優勝するなどメディア出演多数。
長女が小学校に入学するのを機に学習机を購入してブログで報告したところ、学習机について相談が殺到。以後、「学習机評論家」としてメーカーの展示会や販売店に足を運ぶなどして日々情報収集に努めています。詳しいプロフィールはこちら

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