我が家では9畳のダイニングキッチンに学習机を2台置いています。新婚で入居する当時から、そのつもりでダイニングセットは購入しませんでした。
当時はまだ「リビング学習」という言葉は定着しておらず、一部にカウンター調のデスクを造り付けた事例が紹介されている程度で、学習机をそのままリビングダイニングに置くというのは一般的ではありませんでした。
当時から私は、造り付けのカウンター調のデスクは学習環境として最適と言えるか疑問を持っており、見た目のことはある程度割り切ってベーシックデスクを置いてしまおうと考えていました。ただ一般的には、奥行のある学習机をリビングダイニングに置くことに抵抗を感じる方が多いだろうとも思っていました。
しかしながら今年度は、読者の皆様のコメントを読んでいると、リビングダイニングに一般的な学習机を置くことに抵抗を感じている方が少ないように感じます。一方で学習机メーカー各社は、組み替え式デスクや奥行の浅いリビング向けの学習机を増やし、ベーシックデスクを減らす傾向となっています。そうした消費者とメーカーそれぞれの思惑の不一致から、今年度(2016年度)は「ベーシックデスク難民」が急増しているように感じます。
私が読者の皆様を誘導し、かつそれに共感された方がコメントを寄せてくださっているに過ぎないと見ることもできますが、リビングダイニングにベーシックデスクを置く方が増えていることに私としましても自信を深めております。
というわけで今回は、リビング学習にベーシックデスクをオススメする3つの理由を紹介したいと思います。
※この記事は2016年2月19日時点の情報に基づいています(2023年11月22日一部更新)
常に最適な天板の広さを確保できる
以前にも説明した通り、本格的に学習をする段階を踏まえると、学習机の天板サイズは幅100cm×奥行60cmは必要と考えられます。一方でリビングダイニングに見た目の違和感なく収めるためには奥行45cm程度が理想と言えます。
その点で言えば、組み替え式デスクや天板拡張機能のある学習机は置く場所に応じて変形することができて合理的です。一方で、それで万全かと言えばそうでもなく、一般的に脚形状は新入学児童にとって座りにくいものとなり、袖ワゴンの奥行も浅くなりがちです。
最初から幅100cm×奥行60cm以上の天板面を確保した学習机なら、色とりどりのペンを広げながら大きなスケッチブックでお絵描きができますし、受験勉強の際にも複数の参考書などを広げることができます。天板面の広いベーシックデスクなら、子供に窮屈な思いをさせることなく伸び伸びと机に向かわせることができるのです。
組み替えパターンで悩む必要がない
ベーシックデスクは、デスク本体+袖ワゴン+上棚の3点セットであることが一般的です。レイアウトの変更と言えば、ワゴンをデスクの横や前に移動したり、上棚を外したりする程度です。
一方、組み替え式デスクの場合は最低でも3つ以上の組み替えパターンを持っています。また、広義(従来型)のユニットデスクはデスク本体、袖ワゴン、上棚、書棚などのラインナップが豊富で、最適な組み合わせを選ぶことができる半面、組み合わせで悩むこともあります。
その点、ベーシックデスクは組み合わせやレイアウトで悩む心配がなく、余計なものを買ってしまう心配もありません。基本的に周囲の環境に応じてデスクを変形させるのではなく、デスクを中心に周りに置く家具を選ベば良いわけです。ベーシックデスクは従来学習机に必要とされてきた機能に絞られた形状であるためシンプルで無駄がないのです。
意外とリビングの見た目を損ねることもない
学習机が敬遠されがちな理由のひとつは、やはり上棚にあると思います。上棚さえなければシンプルで見た目スッキリ。それほどデスク天板面の奥行も必要としません。
しかし背の低い子供にとって、横に置いた書棚の本は椅子から立ち上がらないと手が届きません。また、足元棚に本を収納すれば見た目はスッキリさせることができて親は満足するかもしれませんが、子供にとって使いにくいのは間違いないでしょう。子供にとって片づけにくければ机の上に本などを積み重ねることになり、これでは何のために上棚を用意しなかったのか分からなくなってしまいます。
少し視点を変えて、大人の机の上を見てみましょう。私が今まで見てきた会社のデスクは十中八九と言って良いほど片づいていません。机の上は奥行の1/3程度を占めるようにしてファイルなどがズラーッと並んでおり、癒しグッズや卓上カレンダーなども置いてあります。引出しの中は文房具の過剰在庫、私物、そして袖引出し最下段にはまた大量のファイル。「引出しはいくらあっても足りないくらい」とも言われます。むしろ大人のデスクの上にも学習机のように上棚があったほうがスッキリとするのではないでしょうか?
一般的に収納家具などを購入する場合、ついついそのものの見た目だけを見てしまいがちです。しかし、実際にはそこにモノが置かれるわけで、いくらその家具そのものの見た目が良くても、使いにくくて片づいていなければ、見た目は悪くなってしまいます。ベーシックデスクは適度な収納量があるので意外とリビングの見た目を損ねることがないのです。
以上述べたことを以て、組み替え式デスクなどを否定するつもりはありません。リビングダイニングの広さやニーズに応じて組み替え式デスクなどを選択できることはむしろ良いことだと思います。
一方でベーシックデスクの復権を感じるのもまた事実です。リビングダイニングに従来の学習机を置くことは世間で思われるほど違和感はないですし、子供の学習環境を第一に考えればむしろ当然のことだと私は思います。親として学習机に求めることは、リビングダイニングの見た目を損なわないことよりも、子供にとって最適な学習環境なのですから。
コメント 皆様からご質問・ご意見など
収納マンさん、こんばんは。
つばみです。
例の展示会行ってきました。
そして、購入してしまいましたよ。
カモミール!!イトーキ!!
カリモクは!ユーテリティーはどこいった!!
予算オーバーじゃないか!!
ここにつらつらと詳細を書き記したいところですが要点をかいつまみますと
・娘も私もカモミールのデザインにやられた
・奥行45cmはやはり狭いと感じ52cmが妥協点に
・引き出しの収納の多さがよかった
というところでしょうか。
書棚はカウンター下の収納に使い、上棚は机の上においてみて邪魔そうならば子ども部屋に移動するまで子供部屋のタンスの上にでもおいて置く予定です。
カウンター下に書棚と並べてもいいかな。
学習椅子も合わせて購入し、組み立て、デスクマットやカーペットもついて13万を切りました。
爆安とはいきませんが、ネット相当価格かなとまぁなんとか自分では納得しています。
もっと家具屋を回れば違ったのでしょうか。
次女のためにも総評お願いします。
つばみさま
お゛お゛っ!?カリモク家具から転じてイトーキのカモミール・フリーワンタイプですか!
いわゆるひとつの一目惚れって感じですね^^
そうですね、見た目の収まりで言うと奥行45cmでしょうけど、実際使うとなると奥行45cmというのはチョイ書きスペース程度で、子供が勉強するには窮屈でしょうね。
引出しもなければないで何とかなるとは言え、同じスペースなら十分な数を用意したいものです。
結果的に、私はそれで正解だったんじゃないかと思います。
何より母娘で意見が合致したのが良かったですよね。
こういうことは意外と少ないんじゃないかと思います。
もちろん下のお嬢さんが同じジャッジをするかどうかは分かりません。
でもお揃いで並べることができたら良いですね^^
収納マンさん、いろいろとアドバイスありがとうございました。
奥行の確保と椅子の大事さはよく分かりました。
今回は母娘のひとめぼれによりあっさりカタがついてしまいましたが、
数年後の次女のこともあるのでまたお世話になります。
つばみさま
また下のお嬢さまの学習机をご購入の際はこちらにもお立ち寄りください♪
またその際にはお姉ちゃんの机の使用感などお聞かせいただければ幸いです^^
収納マン様へ
初めまして。いつも楽しく拝見しております。こちらのブログ記事を参考に、今回はカリモクのピュアナチュールを購入することに決めました。色はピュアオークです。ところが、私が購入したものは国産品の栗の木を使用したモデルで、現品処分価格に吊られました…。ミッキーのデスクライト、ハーフサイズの上棚、引き出しユニット、ワゴンのセットで、14万円でした。そこで質問なのですが、栗の木の家具というのは耐久性など機能は良いのでしょうか?既に購入済みなので今更なのは分かっていますが、お答えいただけますでしょうか?
さくらさま
はじめまして^^
カリモク家具のピュアナチュールに栗の木を使ったバージョンなんてあったんですねー!
私は栗材を使った家具をほとんど見た記憶がないので調べてみましたところ、学習机に使われる木材としては楠と同等の硬さのようです。
オーク・ナラ材とアルダー材の間くらいといったほうが分かりやすいかもしれませんね。
つまるところ耐久性については問題ないと思います。
木目もナラ材に似た感じで味わい深いですね。
非常に貴重だと思いますので是非大切に使っていただければと思います^^
回答ありがとうございます。わざわざ調べてくださったようで、お手数おかけしました。オークやナラに比べると軟らかいとなると、やはりデスクマットは必要ですか?大切に使いたいと思います。
国産の栗の木モデルはショールームのみ展示で期間もすごく短いとのことでした。シリアルナンバーも入っています。欲を言えば、上棚はハーフサイズではない大きいものが良かったなぁという気もするのですが、良いお買い物だったと感じています。
さくらさま
そう言えば、ショールーム限定&シリアルナンバー入りという情報があったような…。
すごくプレミアム感があって良いですね^^
デスクマットについては難しいところです。
木の質感を感じていたい場合はもちろん敷かないほうが良いです。
ただ、ピュアナチュールの塗装は表面に微妙な凸凹がありますので、デスクマットを敷いたほうが汚れにくいのは間違いないです。
なるほど…。デスクマットは難しいですね。しばらく様子を見てみます。
あと、栗は苦離と当て字できることから縁起がいいと祖母に言われました。プレミア感もあって、だんだん愛着がわいてきます。回答ありがとうございました。
さくらさま
「栗」は「苦離」…!おばあさまナイス発言ですね^^
本当に昔の人はうまいこと言ったもんです。
大切に使っていただければと思います♪
収納マン 様
はじめまして。
今年、小学2年生になる娘に学習机を購入することを決め、こちらのサイトを拝見し、大変参考にさせていただいております。
移動式ワゴンにするか、固定袖にするか悩みすぎてしまい、相談させていただきました。
カリモクのコーディ、スパイオキッズの、見た目の一体感、移動できる上棚、天板が拡張できる点が気に入って、ショールームに実物を見に行ったのですが、わかっておりましたが、展示されている商品はほぼキャスターがついた移動できる袖引出で、固定袖に決めてしまっていいものか悩んでしまい、決められませんでした。
収納マン様は、固定袖は見た目がすっきりしている以外にメリットはないと以前に書かれていたかと思います。
うちは転勤族で引越しが多く、移動しやすいワゴンのほうが適しているのではないかとも思います。
一方で、今後も子供部屋に広い部屋は確保できないため、移動ワゴンを机の横に並べたり、前に引き出してL字に使うことはあまりないのではとも考えています。
収納としては、現在おもちゃ収納に使っている、IKEAのトロファスト4台を棚板に代えて、本やランドセル、絵の具、書道諸々の置場所にと考えています。
お忙しい中申し訳ございませんが、収納マン様の意見をお聞かせいただけたらと思います。
よろしくお願いいたします。
かもさま
はじめまして^^
「固定袖は見た目がすっきりしている以外にメリットはない」…そこまで言い切ってましたか…。それは誤解を生じかねないですね^^;
カリモク家具のコーディ、スパイオキッズともに、分解可能なので、お引越しに際しては何ら問題ありません。
また、スパイオキッズは袖固定とすることで引出しの2段目が深くなっていると言え、メリットはあると思います。
ご指摘の通り、袖が固定されていることで見た目がスッキリします。
ただそれだけと言ってしまえばそれだけですが、見た目というのはとても大事なことだと思います。
極端なことを言えば、機能性だけを考えると天板はMDF合板で十分なわけですから、機能性よりもむしろインテリア性を重視してこそ満足感は高まると思います。
掃除や模様替えのしやすさで言えば袖ワゴン式のほうがメリットはありますが、普段デスクの横や手前にワゴンを置く可能性が低いのでしたら、むしろ見た目がスッキリする固定袖のほうがメリットがあると言えるのではないでしょうか。
IKEAのトロファストをオモチャ収納から学用品の収納に切り替える案は良いですね♪
シンプルなものだからこそ長く使えます。
もし不満を感じればそのときに買いかえれば良い話で、使えるものは存分に使っていただければと思います^^