浜本工芸は広島市に本社を置く、ナラ&オーク材専門の総合家具メーカーです。
家具および内装材の高級品としてもっともポピュラーなナラ材ですが、住宅関連など異業種を含めても浜本工芸は日本でもっとも多くのナラ材を使用しているメーカーと言われています。よって、日本一ナラ材の扱い方を熟知した会社と言っても過言ではないでしょう。
堅くて加工が難しいナラ材を曲げる「曲げ木加工」、ナラ材本来の木目を美しく引き立たせる「ワイピング」、質感を損なうことなく表面硬度を高める「UV塗装」など、独自の技巧を手間を惜しまずに注いだ職人堅気の家具として定評があります。
また、浜本工芸はナラ材を大量に仕入れているので、コストを抑えることができます。他社のオーク突板を使っているデスクよりも浜本工芸のナラ無垢のデスクのほうが安いということも珍しくありません。高価ですが非常にコスパが良いのです。
皇室献上モデルが有名
浜本工芸は国産高級学習机のパイオニア的存在で、皇室に学習机を献上したことでも注目されています。秋篠宮眞子様、佳子様に献上された「No.57デスク」、秋篠宮悠仁様に献上された「No.89デスク」がそれです(いずれも2024年度の品番)。
No.57デスク
No.57デスクは前面が大きくカーブしたデザインが大きな特徴。引出しは3杯に分かれており、左右の引出しには曲木加工が施されています。無駄に削り出して作り出したのではなく、一枚の板を曲げて作っているわけですね。まさに工芸品です。
No.89デスク
No.89デスクはわずかに台形になった脚形状、そして脚が天板に勝っている(=通常は天板の下に脚があるところが、脚が天板と同じ高さまでせり出している)のが大きな特徴です。全体に直線的なデザインに仕上がっていてとても美しいですね。
引出しがピカイチ!
わたくし収納マンは「学習机は引出しが命!」と考えております。なぜなら、台としての学習机はほとんど壊れようがないものの、引出しはその品質によって丈夫さがまったく違ってくるからです。
その点で、浜本工芸の引出しの堅牢性はピカイチです。引出しの底板が厚いだけでなく、本体引出しの下側には子供が膝で蹴り上げても大丈夫なように大底(おおぞこ)が設けられ、引出内部材はファルカタ(洋桐)ではなく本桐を使用し、金属製のスライドレールなどを付けなくても驚くほどスムーズに引出しを開閉することができるように緻密に加工されています。
世間ではスライドレールが付いているほうが良いと思われがちですが、スライドレールは変形する可能性があるうえ、定期的にベアリングをグリスアップする必要があります。スライドレールなしでもスムーズに開閉できるなら、それがもっとも理想的なのです。
最高級のナラ&オークを使用
また、主材であるナラ材は主に中国・ロシア産で、等級の高いものを厳選して使用しています。ナラやオークは他社でも高級モデルに使用されますが、比べてみると浜本工芸の木目の美しさは段違いです。また、他社では部分的に墨汁をこぼした跡のようなもの(クサレ)が含まれる等級が低いものも散見されます。
一口にナラと言っても等級によって原価がまったく異なります。浜本工芸の学習机は価格は高いですが、原価や手間暇を考えると非常にコストパフォーマンスが高いと私は思います。
学習机評論家宅でも使用
ちなみに、私自身も浜本工芸の学習机を購入しました。
上写真が収納マンのご子息に献上(?)された、2011年度の「No.02デスク」です。天板は突板ながら、現在の「No.09デスク」と同じデザイン番号(No.0シリーズ)となっています。
そのほか、浜本工芸の学習机は芸能人のほか、家具店にお勤めの方も多く買い求めています。絶対値としての価格は高いですが、プロも納得するほどコストパフォーマンスが良いからです。
というわけで、浜本工芸の学習机はどこに出しても恥ずかしくない最高級ブランドと言えます。それでいて実を伴わないどころか、とてもコストパフォーマンスに優れています。そうでなければ、家具のことを熟知している老舗家具店の販売員が買うはずがないでしょう。
論より証拠、是非一度お近くの家具販売店や浜本工芸のショールームでで実物をご覧いただければと思います。
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