2020年度、くろがね工作所は学習机の機能を一から見直した新作「ザ・デスク」でスリムワゴンを採用しました。曰く、従来のスタンダードデスクで採用されていたノーマルワゴンよりも足元のスペースをゆったりさせられるからということです。
「少しでも材料コストを抑えるためじゃないの?」と穿った見方をすることもできるわけですが、実際のところ他のメーカーで見てもノーマルワゴンとスリムワゴンの価格差は10%程度です。メーカーとしては小さくない価格差ではありますが、消費者が学習机全体の価格で見た場合はワゴンの10%という価格の違いは大きな問題ではありません。
では、消費者としてはノーマルワゴンとスリムワゴンのどちらを選ぶべきなのでしょうか。これまでも同様の質問は少なくなかったので、それぞれのメリットとデメリットについて改めてまとめてみたいと思います。
※この記事は2019年8月31日時点の情報に基づいています
ノーマルワゴン
メリット
- 収納量が多い
- A4用紙が収まる幅(A3用紙が収まるロングタイプもあり)
- 最下段の引出しは全部引き出さなくてもファイル等を手に取ることができる
- 補助デスクとして使うときに広い天板面を確保できる
デメリット
- 足元が狭くなる
- 補助デスクとして使うときに大きすぎて邪魔になる場合がある
冒頭でくろがね工作所を引き合いに出しながら、写真が小島工芸でスイマセン(苦笑)それはさておき、まずノーマルワゴンのメリットですが、スリムワゴンと比べて収納量が多いことが最大のメリットだと思います。また、大きいからこそ補助デスクとして使う場合に天板面を広く確保しやすいというメリットもあります。
基本的にノーマルワゴンは上写真のように最下段にA4ファイルを立てて並べやすいようにサイズ設計されています。一般的に事務机でもそうなっていますよね。奥のほうのファイルは引出しを全部引き出さないと取り出せませんが、よく使うファイルを手前に収納すれば問題ないとも言えます。
一方でデメリットは、椅子を収めるときにギリギリになってしまいがちだということ。当然、脚を組んだりするのは難しくなります。また、ワゴンを机の横に並べるにしろ、手前に引き出すにしろ、大きすぎて邪魔になる場合があります。
スリムワゴン
メリット
- 足元がゆったりする
- 手を真下に下したときに最下段のファイルなどを手に取りやすい(という説あり)
- 補助デスクとして使うときに省スペースで済む
- 90cm幅のコンパクトなデスクにセットできる
デメリット
- 収納量が少ない
- 最下段の引出しは完全に引き出さないとファイル等を取り出せない
スリムワゴンは90cm幅のコンパクトなデスクのために開発されたという経緯があります。なので、基本的には100cm幅のデスクにセットするということはこれまではあまり考えられなかったのですが、体格の良い子供が増えたと感じるためか、特に男子を持つ親御さんがスリムワゴンの購入を検討するケースが増えたように思います。
スリムワゴンは引出し最下段にA4ファイルを並べる場合は上写真のようにならべるかたちのものが多いです。それによって、手を真下に下したときにファイルを手に取りやすいとも言われています。自転車で言うとバーハンドルよりもドロップハンドルのほうが自然に握れると言うのと同じ論理ですね。人間の手首は手のひらを体の側面にピタリとつける向きが自然なのです。
一方でメリットは、収納量が相対的に少ないことと、最下段は全部引き出さないとファイルが取り出せないということです。いくらスライドレールがスムーズに開閉できても、ちょっとの動作の違いだと言っても、こういうのは意外と影響するんですよねー。
以上、ノーマルワゴンとスリムワゴンそれぞれのメリットとデメリットを紹介しました。つまるところ、一概にどちらが良い悪いということはありません。それこそ90cm幅のデスクを選んだらスリムワゴンをセットするかしないかという話にしかなりませんし、少しでも収納量を多く確保しようと思ったらノーマルワゴンを選ぶべきということになるでしょう。
ただまあ、最近はノーマルワゴンかスリムワゴンかというよりは、ワゴンを買うか買わないかという話のほうが多いようですけどね(苦笑)予算面が大きく影響しているようですけど、小物の収納にはやっぱり引出しが多いほうが片づけやすいので、収納のプロとしてはやっぱりワゴンは買ってもらったほうが良いとは思います。
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