ダイニングチェアにせよ、ソファにせよ、椅子を選ぶときにもっとも大切なのは座り心地です。座り心地というのは人それぞれなので、実際に座って確認することが大切だと言えます。
学習椅子も同様です。板座やレザー張りといった分かりやすい違いはもちろん、机にセットしてみたときにどんな風にして座るかもよく確認しておく必要があります。そのほか、材質や色、カーペットを敷くならキャスター付き、敷かないなら4本脚を選ぶなどといったことまで留意する必要があります。
ところで、キャスター付きと一言で言っても主に2種類あることにお気づきでしょうか?木製学習椅子にはナイロン製の一輪キャスターを採用したものと、ポリウレタン製の双輪キャスターを採用したものがあるのです。
一輪キャスター
くろがね工作所・モーションキャスター
イトーキ・沈み込み式キャスター
オカムラ・隠しキャスター
一輪キャスターのメリット
- コンパクトなので目立たない
一輪キャスターのデメリット
- 前後方向にしか動かない
- 床との接点が少ないのでフローリングを傷つけやすい
- キュルキュルと音が鳴ることが多い
双輪キャスター
コイズミファニテック・コロピタキャスター
ヒカリサンデスク・360°回転式キャスター
大商産業・沈み込みキャスター
一生紀・ロック機能付きキャスター
浜本工芸・沈み込み機能付きキャスター
カリモク家具・沈み込みキャスター
飛騨産業・沈み込みキャスター
堀田木工所・360度回転キャスター
双輪キャスターのメリット
- 前後左右自在に動かせる
- 床との接点が多いのでフローリングを傷つけにくい
双輪キャスターのデメリット
- キャスターが大きくて目立つ
実用性では双輪キャスターがオススメ
ズラーっと学習机メーカー各社の木製学習椅子のキャスターの様子がよく分かる写真を並べてみましたが、違いがお分かりいただけたでしょうか。スチールデスクメーカー系が一輪キャスターを採用しており、基本的に木工家具メーカー系は双輪キャスターを採用しているという点が興味深いところです。
先にそれぞれのメリットとデメリットを挙げましたが、基本的に双輪キャスターのほうがメリットが多いです。というか、床との接点が少ない(=床にキズが付きやすい)一輪キャスターやボールキャスターを扱う家庭用家具メーカーは現在ではほとんどありません。
もちろん、狭い学習机の足元に真っ直ぐ椅子を収めようと思ったら前後方向にしか動かない一輪キャスターのほうが良いと考えることもできると思います。しかしながら、一輪キャスターはフローリングの上で滑ることも多く、キレイに前後方向だけ動くというわけでもありません。
インテリア性では木工家具メーカーのほうがこだわりが強いはずですが、実用性重視で双輪キャスターを選んでいるというのも興味深いところです。おそらく、一輪キャスターのほうがコストが安いのではないかと思います。
ちなみに、上に挙げたキャスターの名称はそれぞれのメーカーの呼称です。機能的には子供が座ると沈み込んで固定され、椅子から降りると軽く動かせるという点で違いはありません。
家具店の店頭ではPタイルやフローリングが敷きつけられていて滑りが良いので気づきにくい違いですが、デスクカーペットの上など実際の使用環境に近い状態で試していただければと思います。
コメント 皆様からご質問・ご意見など