学習机によく使われる材質の硬さを一覧にしてみました!

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木材・イメージ

およそ一般の方にとって、家具に使われる材質なんて表示があってもピンと来ないことが多いのではないでしょうか。実際、家具通販のレビューを見ても、よく分からずに買っている方が多いと感じます。そこで今回は、学習机によく使われる材質の硬さを一覧にしてみました。

それぞれの木の種類の横の数字は水を1とした場合の比重です。基本的には数値が大きい(=硬い)ほど学習机の天板に適していると言えますが、そうとも言えないところもあります。暴れやすさ(変形のしやすさ)、加工のしやすさ、木目の美しさ、表面の粗さ(細かさ)などの要素も考慮する必要があるからです。また、塗装によっても表面硬度は大きく変わります。そのため以下はあくまで参考としてご覧いただければと思います。

あくまで私見ですが、材質に関してザックリ言うと、比重が0.6以上であれば十分、それ以下は要注意かなと思います。ただそれよりも、ウレタン塗装か自然塗装(オイル塗装)かの違いのほうが天板の表面硬度に大きく影響を与えると考えています。

※2024年8月20日更新

 

学習机によく使われる材質の硬さの一覧

比重 樹種

硬い
0.72 メープル(かえで)
0.70前後 レッドオーク
0.70前後 ホワイトオーク
0.69 バーチ(カバ)
0.68 ナラ
0.65~0.69 アッシュ(タモ)
0.64 ウォルナット
0.63 ニレ
0.62~0.74 ビーチ(ブナ)
0.60~0.70 MDF
0.60前後 ラバーウッド
0.60 チェリー(さくら)
軟ら
かい
0.41 ヒノキ
0.40~0.50 アルダー
0.35~0.60 パイン

※上表で太字のものは特に学習机でメジャーな材質

上記の数値はいくつかのデータ(※下記注)を参照して作成したものです。ただし、カタログ表記ではオークと表示されているだけでホワイトオークかレッドオークか判断できない場合や、パインと表記されていても実際には種類がたくさんあって特定できないことが多々あります。

なお、学習机の天板には突板(つきいた)のものもあります。突板は木材を0.2~0.3mmくらいに薄くスライスしてMDF合板などに貼ったものです。当然、これくらいの厚みでは表面硬度への影響は極めて限定的と考えられます

硬い木材のほうがキズが付きやすいことは確かですが、硬ければ硬いほど良いという話でもありません。ガラスの上で書くと手が疲れやすいことからも分かる通り、多少の軟らかさがあったほうが良いとも言えます。人工的に作られたMDF(中繊維合板)はもっと硬いものもありますが、学習机の天板にはそれほど硬いものを使わないのは同じ理由からです。

また、一言でオークと言ってもピンキリです。たとえば国産家具メーカーなら最上級のものの中からさらに選別して使いますが、安いものはやはり価格相応のものを使っています。値段は正直なので、予算に合ったものを選ぶようにしましょう。

材質別 デスクの一例

メープル:杉工場 木と風

杉工場の「木と風」はメープル無垢を使っています。もっとも、オイル塗装なのでキズや汚れの心配はあります。いくら硬い部類と言っても、表面硬度を左右するのは塗装です。

オーク:カリモク家具 ピュアナチュール

カリモク家具の「ピュアナチュール」はオークの木目が美しいだけでなく、ピュアオーク塗装で起訴のものに触れているような質感が魅力です。

バーチ:イトーキ カモミール

イトーキの「カモミール」はバーチのナチュラルな風合いが魅力です。節や入皮の入ったラスティック材を使っています。

ナラ:浜本工芸 No.09デスク

浜本工芸の「No.09デスク」は木目のきめ細やかなナラを使っています。平行線状の柾目(まさめ)よりも年輪状の板目(いため)が多いです。UVウレタン塗装を施しているので、天然木の学習机の中ではもっとも表面硬度が高いと思います。

ウォルナット:マスターウォール コリス ラボ デスク

ウォルナットと言えばAKASE(旧・アカセ木工)のマスターウォール。「コリス ラボ デスク」はウォルナットだけでなく、ブラックチェリーやレッドオークを選ぶこともできます。

ビーチ:カリモク家具 クレシェ

2024年度まではコイズミファニテックの「アルフ」がビーチを使っていたんですけど、もはや学習机でビーチを使っているものは皆無となってしまいました。「クレシェ」はカリモク家具にビーチのデスクがいくつかあった名残と言えましょう。

以前は木目が薄くて好まれていたのですが、逆にビーチ調のダイレクトプリントなどと見分けがつきにくくなり、最近は木質感の高いオーク一辺倒になったと考えられます。

MDF:オカムラ クオーレ

オカムラの「クオーレ」の天板はパッと見た感じ天然木に見えるかもしれませんが、MDF合板に木目を直接印刷したものです。もちろん実用面ではまったく問題ないです。

ラバーウッド:大商産業 MWD-550

カラーデスクと言えばMDF合板を使うのが一般的ですが、大商産業の「MWD-520」は天板にラバーウッド(ゴムの木)を使っています。

アルダー:堀田木工所 ウインディ

堀田木工所の学習机は基本的にアルダー材を使っています。やや軟らかい材質ですが、天板のみUV(紫外線)を照射することで表面硬度をアップしています。国産にしては価格が安いのが魅力です。

パイン:ヒカリサンデスク L-スモア

以前はパイン材のデスクは珍しくなかったのですが、近年はほとんど見かけなくなりました。ヒカリサンデスクの「L-スモア」は稀有な存在と言えます。パイン材は軟らかくてキズがつきやすいので、天板を突板にするのは正解だと思います。

 

こうやって材質別にデスクを並べてみると、同じように見える学習机もまた違った印象になるのではないでしょうか。実物を見れば塗装色やツヤの出し方、木目の違いなどによって、より個性が際立って見えると思います。

ですから是非、店頭で触れてみてください。なぜ天然木のデスクが人気なのか、その一端がお分かりいただけることでしょう。

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この記事を書いた人
収納マン(芝谷 浩)

家具メーカーを退職後、2002年に収納スタイルコーディネーターとして独立。多くのご家庭の片づけの悩みを解決してきました。TVチャンピオン「収納ダメ主婦しつけ王」選手権で優勝するなどメディア出演多数。
長女が小学校に入学するのを機に学習机を購入してブログで報告したところ、学習机について相談が殺到。以後、「学習机評論家」としてメーカーの展示会や販売店に足を運ぶなどして日々情報収集に努めています。詳しいプロフィールはこちら

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