一般的に学習机は上図のように壁に向けて配置することが多いと思います。その理由は定かではありませんが、ほかの収納家具などは壁に沿って配置することが多いことや、背面にデスクライトなどの配線があること、壁に向けたほうがまとまった回遊スペースを確保しやすいことなどが考えられます。
では、学習机を壁に付けるのではなく、部屋の真ん中に置くのはナシでしょうか。
私はそんなことはないと考えています。実際、上場企業の社長室というものをイメージすると、机は部屋の真ん中にドンと置かれていることが多いと思います。社長室と子供部屋では根本的に何かが違うとは感じるものの、子供部屋やリビングダイニングの真ん中に机を置くにも一定の合理性があると考えられるのではないでしょうか。
そこで今回は、学習机を壁に向けて設置しないレイアウトのメリットについて考えてみたいと思います。
学習机を壁に向けて設置しないメリット
1.コミュニケーションが取りやすい
社長室の真ん中に机が置かれているのは、部下が入ってきたときにそのまま報告や相談がしやすいからだと思います。逆に、社長が壁に向かって仕事をしていると、手を止めて振り返らなければなりません。
一方で、子供部屋に親が入ってきて我が子にお伺いを立てるということはないと思います。しかしながら、お子さんの向かい側に座って勉強を見てあげるというシチュエーションならあり得るでしょう。
つまり、学習机を壁に向けてレイアウトしないことによってコミュニケーションを取りやすくできると考えられます。
2.天井照明に背を向けない
一般的に天井照明は部屋の中央付近に取り付けられています。そのため、壁に向けて学習机を置くと、天井照明に背を向けてしまうことになります。
しかし、学習机を部屋の真ん中に置くと、天井照明に背を向けることがなく、頭や手の影が生じることもありません。ちなみに、LEDシーリングライトが机の真上に近い位置の場合は、デスクライトを使わなくてもさほど問題ないくらい十分な明るさがあります。
3.開放感がある
学習机を壁づけにすると、当然ながらお子さんの正面は壁です。そのほうが落ち着くという人もいるとは思いますが、逆に圧迫感を感じるという人もいることでしょう。
学習机を壁に向けないレイアウトにすれば、目の前を遮るものがなくなり、圧迫感が軽減されます。開放的な気分で勉強に臨むことができるかもしれません。
4.家具をレイアウトしやすいことも
間取りによりけりのところはありますが、学習机を壁に向けて配置しないほうが家具のレイアウトがしやすい場合もあります。
たとえば上図のような4畳半の子供部屋の場合、普通に学習机を壁付けにすると配置可能な書棚は1本ですが(上図左)、壁付けにしない場合は書棚を2本並べることができます(上図右)。しかも、机の横に書棚を置いた場合は書棚の本を手に取るのに移動を伴いますが、右図の状態なら椅子を回転させるだけで手が届き非常に合理的です。
5.勉強に集中しやすい
コイズミファニテックも同じことを考えているようで、学習机を壁につけないことによって集中力を高める効果が期待できるそうです。
なぜ集中力が高まるかというと、(1)背後が気にならない、(2)周りが見渡しやすい、(3)前方に圧迫感がないからということです。詳しくはコイズミファニテックのホームページに詳しく書かれているのでご一読いただければと思います。
以上、学習机を壁に向けて設置しないメリットを5点紹介しました。もちろん、壁づけにしたほうが良い場合もありますから、一概に部屋の真ん中に机を置いたほうが良いというわけではありません。状況に応じて、そして何よりお子さんにとってベターなレイアウトを検討してみてください。
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